序章-導入部- 語り部
惑星アース。そこはかつて『地球』などと呼ばれ、
唯一の水と、緑と、命の惑星などと呼ばれた生命の楽園である。
しかしながらそこに住み着いた最初の者は、いわゆる
生命体とは言い難い霊的な存在である
『神族』と『魔族』と呼ばれる者達。
だが、生命の神秘はそれとは無関係に、
草木を、鳥を、獣を、魚を、虫を、
そして最大の住民たる『人間』を産み出したのであった。
しかし最大の住民たる『人間』は争いを生み、
大地を荒らし、海を汚す。
先住民たる『神族』『魔族』は
互いの争いさえやめてしまう程に、
地球の荒廃は目に余るものがあり、そして悲劇は起こった。
『
西暦最終戦争』と呼ばれる戦いである。
その中に『
魔神王』と呼ばれる地球管理用特殊生命体と、
異なる星からやって来た初の人間型生物
『
アルファ=ストレンジャー』による
戦いがあった事を知る者はそう多くはないのであろう。
その後『竜族』『
亜人族』『
怪物族』
『
精霊族』『
妖精族』と呼ばれる
新たなる生命の萌芽が『魔神王』によって撒かれ、
新たなる世界『惑星アース』が再構築されていくのであった。
地球人口の9割以上の死滅という悲劇の裏で……
そうして時代が移り『
宇宙暦』には
『アルファ=ストレンジャー』の子孫、
『
ザイン=ストレンジャー』による
史上最強の私設軍『
勇者軍』が発足、
数々の難事件を解決すると共に、
人類は遂に宿敵『魔神王』と和解、
それに伴い、勇者軍もその体質を変え、自衛組織へと変貌した。
それから更に数千年の時が過ぎ『
銀河暦』となってからも
『勇者軍』の激務は留まる事を知らず、様々な難題を
ほぼ独力で打破していく実績と歴史は
一般人の敬意と畏怖の対象となり、
それはひとまず銀河暦1228年における
『
マクスフェル戦線』において一つのピークを迎え、
事態は沈静化しつつあると言っても良かった。
その際の勇者軍筆頭『
エリシャ=ストレンジャー』は
恋人と無事に結ばれ、銀河暦1230年頃にかけて、
二人の子供を産み落とした。
またしばらくの時を、平穏で世界が包まれる最中、
新たなる災厄の火種は、かの一大戦線である
『
ギルティ戦線』のごとく、再度惑星アース外から
突如として飛来しつつあったのである。
銀河暦1245年、遂にその物体は惑星アース地表に到達。
突如として未知の細菌を各地に撒き散らしつつ低速にて移動。
あまりの非常事態に偵察に出た
勇者軍情報部員さえも巻き込まれ、
次々と入院患者が出る事態にまで陥っていた。
しかし文献によると細菌による諸症状が惑星アースに過去、
現存していた物と完全一致する可能性が高い事が判明し、
全世界の
ドクターなどが対応に追われる状態にまで発展。
謎の物体は『スプレッダー』と
ザン共和王国民政部によってコードネームが付けられ、
生命体である事までが判明しているが、
サイズが巨大な事と有効な対策が不明な事以外は、
さして有益な情報が各国に届かない状態になりつつあった。
細菌の症状は現行薬品でも応急処置が可能なこと、
そして人間そのものの自然治癒能力によってある程度までは
人間社会が耐えうる事は出来る事も後に判明したが、
酷い場所では都市機能が麻痺寸前に
陥るケースさえあったという。
これらのあまりにもイレギュラーな事態に対して、
遂に勇者軍は世界規模で作戦部を動かす事を、
全世界に快諾させる事に成功。
その要となるのは人業勇者、エリシャ=ストレンジャーの息子、
ジルベルト=ストレンジャー、
未だ齢にして十五、未熟の極みであった。
だが、これほどの危機を背負っていても、
未だに言う事は同じでなくてはならない。即ち――
この物語さえも、伝説の一端に過ぎない……
最終更新:2011年02月18日 01:07