崩壊学園wiki
間章其の肆
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旅の18日目
夜。
夜。
ポポ
本当に大丈夫なの?
本当に大丈夫なの?
寒鉄
大丈夫大丈夫。もう走ったり飛び跳ねたりもできるんだから。ほら——
ハッ!絶好調。
大丈夫大丈夫。もう走ったり飛び跳ねたりもできるんだから。ほら——
ハッ!絶好調。
ポポ
これが金属の聖痕の力なの?
これが金属の聖痕の力なの?
寒鉄
この聖痕があれば、みんながみんなここまで出来るわけじゃないわ。これもね、私自身がものすごく力を入れてるわけじゃなくて、装備してる装甲を操ってやってる事なんだ。
この聖痕があれば、みんながみんなここまで出来るわけじゃないわ。これもね、私自身がものすごく力を入れてるわけじゃなくて、装備してる装甲を操ってやってる事なんだ。
ポポ
操り人形みたいに?
操り人形みたいに?
寒鉄
そう。
そう。
ポポ
自分で自分を操る……。
自分で自分を操る……。
寒鉄
ポポ、ポポ、見て見て!
ポポ、ポポ、見て見て!
ポポ
えっ?わあ!伝詰が勝手に開いた!?
えっ?わあ!伝詰が勝手に開いた!?
寒鉄
すごいでしょう。ついでにスプーンも操っちゃおう〜。まあこうしたところで別に味がよくなるなんてことは無いけどね。それじゃあ今日の晩飯は非接触クッキングによる牛肉の詰よ!
すごいでしょう。ついでにスプーンも操っちゃおう〜。まあこうしたところで別に味がよくなるなんてことは無いけどね。それじゃあ今日の晩飯は非接触クッキングによる牛肉の詰よ!
ポポ
牛肉.....以前食べたステーキセットのことを思い出しちゃった。いつかまた食べたいなあ……。
あっ、ただ思い出して言っただけだから気にしないでね。
牛肉.....以前食べたステーキセットのことを思い出しちゃった。いつかまた食べたいなあ……。
あっ、ただ思い出して言っただけだから気にしないでね。
寒鉄
いつの日か、ね.....どうだろうね。でもきっといつか食べられるわよ。
さてと、鍋で煮込んでる時間を使って少し説明しておくわね。
私たちが目指しているSite-01とは、つまり長空市のことよ。
南方軍のイントラネットで得た情報によると、現在、長空市は軍の管轄下にあってね。
3カ月ほど前に突如として長空市に巨大な技術施設が出現したの。その施設を南方軍が管轄下に置くと発表した後、市民全員が市から追い出されてしまったわ。
いつの日か、ね.....どうだろうね。でもきっといつか食べられるわよ。
さてと、鍋で煮込んでる時間を使って少し説明しておくわね。
私たちが目指しているSite-01とは、つまり長空市のことよ。
南方軍のイントラネットで得た情報によると、現在、長空市は軍の管轄下にあってね。
3カ月ほど前に突如として長空市に巨大な技術施設が出現したの。その施設を南方軍が管轄下に置くと発表した後、市民全員が市から追い出されてしまったわ。
ポポ
その技術施設が......いわゆる聖碑ということ?
その技術施設が......いわゆる聖碑ということ?
寒鉄
今の状況からするとたぶんそうね。あなたがこれまで聞いてきた情報は、強制退去させられた長空市民が言っていたか、あるいは口づてで伝わったものということよ。
今の長空市はいわば完全な軍事要塞と化していて、きっと南方軍団団長直属の特殊部隊が駐留しているわ。規模にして大体3万人くらいかな。でも元帥親衛隊はいないはず。
今の状況からするとたぶんそうね。あなたがこれまで聞いてきた情報は、強制退去させられた長空市民が言っていたか、あるいは口づてで伝わったものということよ。
今の長空市はいわば完全な軍事要塞と化していて、きっと南方軍団団長直属の特殊部隊が駐留しているわ。規模にして大体3万人くらいかな。でも元帥親衛隊はいないはず。
ポポ
元帥親衛隊?
元帥親衛隊?
寒鉄
南方軍の団長はね、余波戦争で多大な貢献をしたということで元帥の座を得たの。元帥はこの世に彼女ひとりしかいないわ。
元帥の周りには元帥親衛隊と呼ばれる聖痕使いたちがいてね。今の私の力じゃ親衛隊に勝つのはほぼ無理よ。それが幸い、長空市にはいないというわけ。
南方軍の団長はね、余波戦争で多大な貢献をしたということで元帥の座を得たの。元帥はこの世に彼女ひとりしかいないわ。
元帥の周りには元帥親衛隊と呼ばれる聖痕使いたちがいてね。今の私の力じゃ親衛隊に勝つのはほぼ無理よ。それが幸い、長空市にはいないというわけ。
ポポ
それじゃ、以前みたいに車両を運転して入っていくのは無理ということだよね。
それじゃ、以前みたいに車両を運転して入っていくのは無理ということだよね。
寒鉄
そう。正面切って入るのも、潜入するのも難しいわ。私たちの唯一の強みは、まだ誰も私たちが長空市に行くことを知らないという点。
そう。正面切って入るのも、潜入するのも難しいわ。私たちの唯一の強みは、まだ誰も私たちが長空市に行くことを知らないという点。
ポポ
ええ……。
ええ……。
寒鉄
まあ強みといってもほとんど役に立たないだろうけどね。ラヴィニア・アヴィニョン 元帥は戦争の天才とも言われていて、その直属部隊は一番強い精鋭で構成されているのよ。
さっきの貴族の部隊の戦力とはまったく比べ物にならないわ。
まあ強みといってもほとんど役に立たないだろうけどね。ラヴィニア・アヴィニョン 元帥は戦争の天才とも言われていて、その直属部隊は一番強い精鋭で構成されているのよ。
さっきの貴族の部隊の戦力とはまったく比べ物にならないわ。
ポポ
待って......そういえばずっと変だと思ってたんだけど、南方軍の聖貴族って......どういう存在なの?
待って......そういえばずっと変だと思ってたんだけど、南方軍の聖貴族って......どういう存在なの?
寒鉄
私も今の時代になんで貴族がいるのかって、不思議に思っていたのよ。
私も今の時代になんで貴族がいるのかって、不思議に思っていたのよ。
ポポ
うん。
うん。
寒鉄
実は貴族制度ってこれまでもなくならず、ずっと存在しているのよ。ただ時代の変化に応じて目立たなくなってきているだけでさ。
人解連と世契連を倒すために、世界兵団の一代目の総司令官が前線で挙兵して、双方の兵士を吸収する形で第一軍団を作ったことは知ってるわよね?
実は貴族制度ってこれまでもなくならず、ずっと存在しているのよ。ただ時代の変化に応じて目立たなくなってきているだけでさ。
人解連と世契連を倒すために、世界兵団の一代目の総司令官が前線で挙兵して、双方の兵士を吸収する形で第一軍団を作ったことは知ってるわよね?
ポポ
うん。そのあと1年も経たない内に、地球にあった両極を倒して新世界を切り開いたのよね。
うん。そのあと1年も経たない内に、地球にあった両極を倒して新世界を切り開いたのよね。
寒鉄
でも人契連を倒したからといって、最後まで頑として抵抗した兵士ら全員を処刑したわけではないこともわかるわよね?
でも人契連を倒したからといって、最後まで頑として抵抗した兵士ら全員を処刑したわけではないこともわかるわよね?
ポポ
うん。
うん。
寒鉄
後になって挙兵に呼応した部隊や、軍団に帰順した部隊とかは統合されて、世界の各地を守る四大軍団として組織されたのよ。
そして過去の文化と決別し、兵団は全人類のものという理念のもとで、各軍団には方角に基づくシンプルな名称が採用された。
後になって挙兵に呼応した部隊や、軍団に帰順した部隊とかは統合されて、世界の各地を守る四大軍団として組織されたのよ。
そして過去の文化と決別し、兵団は全人類のものという理念のもとで、各軍団には方角に基づくシンプルな名称が採用された。
ポポ
東方軍、西方軍、南方軍、北方軍.......。
東方軍、西方軍、南方軍、北方軍.......。
寒鉄
そう。だけど世界兵団の設立からほどなくして、初代総司令官は暗殺されてしまい、そのポストが空いてしまった。そして初代総司令官の娘婿のカリスマ・サンダーランドが、総司令官の死に関する調査進めることになったの。
そう。だけど世界兵団の設立からほどなくして、初代総司令官は暗殺されてしまい、そのポストが空いてしまった。そして初代総司令官の娘婿のカリスマ・サンダーランドが、総司令官の死に関する調査進めることになったの。
ポポ
その人って……あの?
その人って……あの?
寒鉄
そうよ。今の第一軍団の団長で、世界兵団の二代目、四代目総司令官よ。その調査によって旧世界の多くの残党が軍団による支配を覆そうと企んでいることがわかり、サンダーランド総司令官は静かな戦争を始めた。
内部では沈黙の戦争と呼ばれていてね。最終的に独立性が最も高い南方軍が受け入れ先となって、理念が異なり、ある程度の力を持つ各勢力を統合したのよ。
だから南方軍は最強の軍事力を持つことになった。だけどその内部では、非常に複雑な派閥闘争が絶えない状況にもなった。
その勢力には旧人契連の者もいれば人解連や世契連の者、それに元戦乙女もいてね。
彼らは世界兵団の信念には賛同せず、強いリーダーにだけ従うという考えを持っていたんだけど、南方軍の団長は当時、恐らく世界最強の聖使いだったからね。彼女が一人存在するだけで、南方軍の戦力は疑いようの無いほど強力だった。
もしあんたが、国家という概念が存在していた西暦時代の各種建物やコレクションに興味があるなら、南方の都市に行けば沢山見られると思うわよ。
それと同時に、南方にはとっくに時代遅れの概念や習慣も一部残っているの。
貴族制度は、実は内戦が起きるまでは存在してなかったのよ。かって君主制の国々が行っていた、大きな貢献のあった人々に爵位を与え表 するという儀礼を南方軍が取り入れるようになったことが発端になっていてね。
人類の内戦がエスカレートしたことで、より多くの聖痕使いを動員して前線の主力部隊が壊滅した後の本土戦を準備する必要が生じて、それで名誉ある肩書として始まっていた制度が次第に真の意味の貴族制度として発展していったのよ。
それに虚空プリンターの技術が進んだこともあって、実力のある聖痕使いは後方支援を必要とせず、単体で成り立つひとつの小さな世界のような戦艦を作ることができるようになっていった。そしてそれ以降、不可逆的に事態は進行していったのよ。
そうよ。今の第一軍団の団長で、世界兵団の二代目、四代目総司令官よ。その調査によって旧世界の多くの残党が軍団による支配を覆そうと企んでいることがわかり、サンダーランド総司令官は静かな戦争を始めた。
内部では沈黙の戦争と呼ばれていてね。最終的に独立性が最も高い南方軍が受け入れ先となって、理念が異なり、ある程度の力を持つ各勢力を統合したのよ。
だから南方軍は最強の軍事力を持つことになった。だけどその内部では、非常に複雑な派閥闘争が絶えない状況にもなった。
その勢力には旧人契連の者もいれば人解連や世契連の者、それに元戦乙女もいてね。
彼らは世界兵団の信念には賛同せず、強いリーダーにだけ従うという考えを持っていたんだけど、南方軍の団長は当時、恐らく世界最強の聖使いだったからね。彼女が一人存在するだけで、南方軍の戦力は疑いようの無いほど強力だった。
もしあんたが、国家という概念が存在していた西暦時代の各種建物やコレクションに興味があるなら、南方の都市に行けば沢山見られると思うわよ。
それと同時に、南方にはとっくに時代遅れの概念や習慣も一部残っているの。
貴族制度は、実は内戦が起きるまでは存在してなかったのよ。かって君主制の国々が行っていた、大きな貢献のあった人々に爵位を与え表 するという儀礼を南方軍が取り入れるようになったことが発端になっていてね。
人類の内戦がエスカレートしたことで、より多くの聖痕使いを動員して前線の主力部隊が壊滅した後の本土戦を準備する必要が生じて、それで名誉ある肩書として始まっていた制度が次第に真の意味の貴族制度として発展していったのよ。
それに虚空プリンターの技術が進んだこともあって、実力のある聖痕使いは後方支援を必要とせず、単体で成り立つひとつの小さな世界のような戦艦を作ることができるようになっていった。そしてそれ以降、不可逆的に事態は進行していったのよ。
ポポ
……大体わかった。
私、貴族制度ははるか昔の歴史上のことだと思ってた。
……大体わかった。
私、貴族制度ははるか昔の歴史上のことだと思ってた。
寒鉄
一定の条件が整うと、どれだけ時代遅れな事物であっても復活し得るのよ。一言でいうと、強大な軍事力があるものの、内部では派閥が林立していて、中央の軍と地方の軍の間に不調和がある、というのが南方軍の一番の特徴ってわけ。はい、レクチャー終了。
一定の条件が整うと、どれだけ時代遅れな事物であっても復活し得るのよ。一言でいうと、強大な軍事力があるものの、内部では派閥が林立していて、中央の軍と地方の軍の間に不調和がある、というのが南方軍の一番の特徴ってわけ。はい、レクチャー終了。
ポポ
?
レクチャー終わりって?どうしていきなりその姿勢で固まっちゃったの?
?
レクチャー終わりって?どうしていきなりその姿勢で固まっちゃったの?
寒鉄
………あれ?もしかして.....うん.....いけるかも?
………あれ?もしかして.....うん.....いけるかも?
ポポ
?
?
寒鉄
長空市に入れる方法を思いついたかもしれない。
長空市に入れる方法を思いついたかもしれない。
ポポ
どうやって入るの?
どうやって入るの?
寒鉄
ちょっと頭の中を整理するわね.......。
うん......うん.....確かにこうするのが一番、うまくいく可能性が高そうね。
ちょっと頭の中を整理するわね.......。
うん......うん.....確かにこうするのが一番、うまくいく可能性が高そうね。
ポポ
だから、どういう方法なの?
だから、どういう方法なの?
寒鉄
うん......ということは次はもう決戦ね。
うん......ということは次はもう決戦ね。
ポポ
????
????
寒鉄
慌てない慌てない。説明する前に、あんたに渡しておくものがあるの。
慌てない慌てない。説明する前に、あんたに渡しておくものがあるの。