彷徨の果てに ◆aWSXUOcrjU
雪音クリスにとっての不幸は、数えれば枚挙に暇がない。
まずは支給品の中に、愛用の武器がなかったこと。
完全聖遺物ネフシュタン、および第2号聖遺物イチイバル――そのどちらかでもあれば、
クリスは持てるポテンシャルを、最大限に発揮して立ち回ることができる。
しかし生憎と、今の彼女が持っているのは、現代兵器と無駄に重い剣くらいのものだ。
とはいえ、彼女の用いるイチイバルは、銃火器の使用を前提としたシンフォギアである。
相手がまともな人間であるなら、手持ちの銃器を使うことで、ある程度以上に立ち回ることは可能だろう。
その可能性を打ち消すのが、2人の参加者の存在だ。
すなわち、かの牡牛座の
ハービンジャーと、瞬間移動の少女である。
どうやらこの殺し合い、ただの人間だけでなく、シンフォギア装者に匹敵するほどの異能者が、何人か紛れこんでいるらしい。
特にハービンジャーが見せつけた、あの常軌を逸した戦闘力は、シンフォギアですら勝てるかどうか怪しいものだ。
そんなものがはびこる戦場では、たかだか銃が扱える程度では、到底勝ち残ることなど不可能だろう。
ついでに、現在の彼女の精神状況も、限りなく最悪に近いと言える。
フィーネの指針に疑問を呈し、その館を追放されたクリスには、余裕というものがまるでなかった。
負わされた傷が治癒していたのはよかったが、拠り所を失った彼女には、明確な行動指針がない。
それどころか、その指針を考える、思考の方向性すらも定まっていないのだ。
殺し合いに乗りきれず、かといって代案を考える余裕もない状況は、まさに致命的と言ってよかった。
もしも彼女の支給品に、聖遺物が含まれていたならば。
もしそれらを持っていなかったとしても、十分に立ち回れる程度の相手しかいなかったならば。
いやいや、もしも彼女が巻き込まれるのが、もう少しだけ早かったならば。
どれほどifを重ねたところで、それらは現実になりはしない。
そんなもしもを祈ったところで、殺し合いに巻き込まれたという、最悪の不幸は覆らない。
そんな不幸のどん底で、彼女は
暁美ほむらと出会った。
◆
「どっ、こい……せ、っとッ!」
気合いを声に乗せながら、アイテムをデイパックへしまう。
今しがた収納したものは、とんでもないハズレ支給品だった。
鞘に納められたそれは、その形状を考えるに、二本一対の双剣らしい。
しかし、その剣にはある問題があった。持ち上げることすら不可能なほどに、凄まじく重い剣だったのだ。
どういうわけか、デイパックに入れている分には、その重さは伝わってこない。
それでもひとたび外気に晒すと、どうしても重くなってしまう。
重量は破壊力に直結するが、そもそも持って振ることができないのであれば論外だ。
クリスとしても、この剣は、武器として計算するわけにはいかなかった。
「……とまぁ、あたしの支給品はこんなもんだ」
「ありがとう。私の手持ちは、既に把握しているのよね?」
「ああ。確か今は、ピストル1つじゃなかったっけか?」
クリスの問いに頷いたのは、黒いロングヘアの女子中学生だ。
名を、暁美ほむらと言う――今しがたグレートホーンの巨漢と戦い、逃げのびてきた超能力者である。
とりあえず、相手はすぐに自分を殺そうというつもりはないらしい。
そう判断したクリスは、ひとまず身を守るために、彼女とコンタクトを取ることにした。
情けない話だが、あんな戦闘を見せられた以上、そうせざるを得ないのが現状なのだ。
柄でないのは分かっているが、あの男と鉢合わせる可能性を考えると、孤立したままではまずい。
「それで、雪音さんだったかしら……貴方はこれからどうするの?」
そしてそのほむらが、クリスに向かって問い掛けてきた。
クリスはこの殺し合いの中で、いかにして立ち回るつもりなのかと。
「………」
痛いところを突かれた、と思った。
どう返していいのか分からず、一瞬、視線を逸らして沈黙する。
「……分かんねぇ。できれば殺しなんてしたくねぇけど、どうすりゃいいのか分からねぇんだ」
正直なところ、現状では、そう返すほかに答えがなかった。
誰も殺されることがなければ、ゲームが中止されて全滅することは分かっている。
その問題をどうすべきかは、皆目見当もつかない。
それでも殺し合いには乗りたくないと、そんなジレンマを抱えている。
「まぁ、そんなところでしょうね」
静かに返すほむらの声には、どれほどの感情が込められていたのだろうか。
クールな少女の声色が、クリスにはひどく冷酷に響いた。
「そういうお前はどうなんだよ?」
少しばかり、ムキになった。
若干むくれ気味の表情を作り、クリスがほむらへ問い返す。
「私は生き残ることだけを考えるわ。たとえどんな手を使ってでも」
「……それはつまり、殺すってことか?」
「必要に迫られれば、そうなるでしょうね」
そうなれば、間違いなく殺るだろう。
ほむらの鋭い眼差しは、その覚悟を雄弁に物語る。
この娘は今の自分のように、迷うことは絶対にない。やる時にはやるという殺意が、その目からまざまざと感じ取れる。
それほどに本気なのだ。暁美ほむらは。
「……まぁ、自分から殺しに行くことはないと思うわ。不要な争いは、余計に寿命を縮めるから」
「だろうな……でなきゃ、んな暢気にくっちゃべってるわけもねぇか」
ほんの少し、ほっとした。
そうしている自分がいることに気付き、少し自己嫌悪を覚えた。
「んで、これからどーするよ?」
「ひとまず、南の方の街まで行きましょう。今あの男に見つかるのはまずいわ」
「そりゃ同感だ」
言いながら、クリスはデイパックを背負い直した。
ほむらを追い詰めた大男――ハービンジャーと言うらしい――は、今もすぐ近くにいるはずだ。
いずれ衝突することもあるだろうが、現状のまま鉢合わせては、万に一つにも勝ち目はない。
であれば、今取れる最善の策は、この場から早々に立ち去ることだ。
そう判断し、移動の準備を整えて、とんずらを決めようと思ったのだが、
「――残念ですが、そうはいきませんよ」
不意に上方から聞こえた声が、クリスの足を引き止めた。
「ッ!?」
敵襲か。
ほとんど条件反射的に、視線を上空へと向ける。
不安定な精神状態でも、身に染みた本能は正直だ。戦いで培われた反応が、即座に敵の姿を見据える。
「貴方がたには、先に私の相手をしてもらいます」
闇夜に浮かぶシルエットは、赤だ。
孔雀のごとき翼を背負った、赤く煌めく幼子が、空中からこちらを見下ろしていた。
全身をすっぽり覆ったマントからは、未成熟な素足が覗いている。
年齢にして、10歳前後といったところだろうか。それしきの童女が現れようと、本来なら警戒には値しない。
それでも、その身を宙に浮かせる翼が。
何より嗜虐的なその笑みが、クリスの本能を刺激する。
こいつは敵だ。
幼い見た目とは裏腹の、能力と殺意を揃えた襲撃者だ。
「……!」
ばん、ばん、ばん――と音が鳴る。
鉛の弾が眼前を走る。
銃撃は頭上の幼女を襲い、されど赤い光に阻まれ、虚しく地上へと落ちた。
「お、おいッ! いきなりガチ弾かよッ!?」
状況がまずいことは分かっていたが、これにはさすがに抗議した。
クリスが視線を向けた先には、先刻の戦闘装束に身を包み、銃を構えたほむらがいる。
この女は威嚇も何もなく、いきなり殺す気の銃撃を放ったのだ。
「貴方も構えなさい。死ぬわよ」
それでもほむらは意にも介さず、撃鉄の向かう先を睨む。
「ふふ……そちらの方は、よくお分かりのようですね」
言いながら、幼女は人差し指と親指で、拳銃の弾丸を弄ぶ。
よく見れば、地上に落ちたのは、3発のうちの2発だけだ。残る1発は落とすことなく、手元へ残したということか。
「もう片方の貴方にも分かるよう、力をお見せするとしましょう」
にやり、と口元の半月が歪む。
人差し指が、鉛を弾く。
一瞬、孔雀の紅翼が、その輝きを増したかに見えた。
「ッ――!」
ぎゅん、と吼えた疾風が、背後に爆音を轟かせた。
恐る恐る振り返れば、背後のビルのコンクリの壁が、盛大に砕けているのが見えた。
何の手品だ。念力か何かか。
指先サイズの弾丸が、大砲の一撃へと化けた。
奴の力で強化された弾が、勢いよくクリスらの脇を掠め、コンクリートを破砕したのだ。
「……くそっ、結局こうなるのかよッ!」
こうなれば躊躇はしていられない。
頬に流れる冷や汗を拭い、クリスはデイパックから武器を取り出す。
7.62mm アブトマット・カラシニコバ――通称、AK-47。
戦火が生んだ突撃銃は、子供1人に向けるには、あまりにも過ぎた代物だ。
過去の忌々しい記憶が、脳裏によぎるのを感じた。
それでも、逡巡の余地はない。あれは見た目こそ幼子だが、その中身はまるきり別物だ。
「うぉらあッ!!」
夜空を睨み、引き金を引く。
ばりばりばり、と銃声が連なる。
流れ星が闇夜を昇り、天上の赤星を狙い撃つ。
「ですが、それではお話になりません」
対する童女の顔に浮かぶのは、未だ余裕の二文字だけだ。
翼を器用に羽ばたかせ、ひらりひらりと銃撃をかわす。
流星の隙間を縫いながら、着実に地上へと降りてくる。
「攻撃とは、こういうものを言うのですよ」
赤い娘の不気味な笑みが、目前へ迫ったと気付いた瞬間。
「!!!」
身を締め付けるような衝撃が、クリスの身に襲いかかった。
「あ、が……ぁああッ!」
胸が潰れる。腕が千切れる。
呼吸器さえも圧迫されて、息することすらできなくなる。
どこにも触れられていないというのに、全身を砕かれるような痛みが襲う。
動けない。
身をよじってもがこうにも、指一本たりとも動かせない。
まるで大蛇に締めつけられたようだ。これがこの小娘の力ということか。
「雪音さん!」
「さて、もう片方の貴方にチャンスをあげます」
言うや否や、クリスの身体を動かしたのは、強烈な横殴りのインパクトだ。
「ぎッ……!」
カエルの潰れたような声を、自分のものと認識できなかった。
壁に叩きつけられたクリスは、そのまま一歩も動けなくなった。
身を襲う強力なサイコキネシスが、不可視の荒縄となって、彼女を縛りつけているのだ。
「その方をこの場で殺してください。そうすれば、貴方を殺すのはやめにしましょう」
幼女の右手が持ち上げられる。
指先は動けぬ雪音クリスへ。
そして言葉を乗せた視線は、暁美ほむらへと向けられる。
「……どういうつもり?」
「特に他意はありません。約束はちゃんと守りますよ」
目を細めるほむらに対し、微笑を浮かべた幼女が答えた。
それからしばし、沈黙が流れる。
赤い娘を狙った銃を、そのまま降ろすことなく構え、暁美ほむらが思考する。
一瞬、嫌な考えが浮かんだ。
縛られたクリスの脳裏を、考えたくもない結末がよぎってしまった。
まさか、と思う。
まさかこのまま口車に乗り、その銃をこちらへ向けるのではないかと思ってしまう。
そんなわけはない。痛みに悶える意識の中、懸命に疑念を払おうとした。
こいつはこの戦いが始まる直前に、自ら殺しに行くことはないと言った。
躊躇いはしないとは言ったが、それは狙われた時だけだ。最悪のケースだけのはずなのだ。
よもやいきなりその銃を、こちらに向けて放つはずが――
「――ごめんなさい」
刹那。
静かな謝罪の言葉と共に。
右手の銃が降りると同時に、黒髪が夜の闇に揺れる。
暁美ほむらの紫の瞳が、雪音クリスの心臓を睨む。
「う、そ……だろ……」
かつり、かつりと靴音が鳴った。
銀色と紫の装束が、少しずつこちらに歩み寄った。
信じようとしていたというのに。
ほむらは無意味な人殺しなど、進んでするはずはないと思っていたのに。
「てめ……無、駄な、殺しは……しねぇはず、じゃあ――」
がちゃり、と鉄の音が鳴った。
降ろされた殺意の銃口が、再び目の高さへ持ち上げられた。
死の暗黒が狙うのは、脈動する雪音クリスの心臓だ。
「その通りよ」
冷酷な声が言葉を紡ぐ。
引き金と共に死刑を告げる。
トリガーにかけられた人差し指に、静かに力が込められた瞬間。
「彼女との争いを避けるために、私はこうしているんですもの」
稲妻のような銃声が、宵闇の街に響き渡った。
◆
AK-47の銃弾は、まだ半分近く残っているようだ。
かつてクリスが持っていたそれを、道路の上から拾い上げ、己のデイパックへとしまう。
デイパックに入った残りの荷物は、ちゃっかりあの娘が押収していた。
であっても、せめてこの銃くらいは、報酬として受け取る資格もあるだろう。
ハービンジャーとの戦いで、無駄に武器を消耗してしまった身としては、装備は整えておきたかった。
「何故、私にあんなことをさせたの?」
デイパックを背負い直すと、少女――暁美ほむらは問い掛けた。
自らを創造神アベルと名乗った、マント姿の幼女に向かって。
「試しておきたかったのです。私が協力を願うに当たって、貴方が有用な存在であるかどうか」
「協力?」
「このゲームを一刻も早く、私の勝利で終わらせるために」
アベルの目的とは、こうだ。
彼女はこの殺し合いに優勝し、さっさとここから帰るつもりでいた。
しかし、40人もの参加者を殺して回るのは、1人だとどうしても時間がかかる。
そこで、殺し合いに乗った人間を適度に生かし、自分の手の届かない参加者を、代わりに殺させようというのだ。
そしてほむらは、彼女が言うところの、有用な存在として認められたとのことである。
既に、一応彼女の言い分に従い、協力を取りつけることのできた、銀髪と黒ずくめの男もいるらしい。
「勝手な言い分ね」
「神に許された特権というものです」
腹立たしいほどに傲慢な娘だ。
妖しげに笑むアベルを見やり、ほむらは軽くため息をついた。
「それに、私が貴方の思うように動くとは限らないわよ」
「殺しますよ、貴方は。私には分かります」
あの時見せた冷酷な殺意は、決して誤魔化せるものではないと。
お前は生きるためになら、平気で他人を犠牲にできる、そういう類の人間なのだと。
「期待していますよ、暁美ほむら」
最後にそれだけを言い残すと、アベルはふわりと宙に舞った。
赤い翼をはばたかせ、光の神は風に乗り、静かに闇へと消えていった。
「………」
その場にはほむらだけが残る。
一瞬の攻防の跡に立つのは、紫の魔法少女ただ1人。
視線をビルの傍へと向ければ、そこに崩れ落ちているのは、血の海に沈んだ亡骸だ。
「……ごめんなさい」
もう一度だけ、謝罪を述べた。
豊かな胸を撃ち抜かれ、脈動を止めた体躯へと、静かに別れの言葉をかけた。
勝てない戦では、なかっただろう。
交戦時間こそ長くはなかったが、こちらとて時間停止を使っていなかった以上、どうなるかは分からない戦いだった。
それでも、こうしていた方が、確実に生存の確率は上だった。それだけは間違いなく断言できた。
足手まといを抱えながら、超能力を駆使する天使に挑むのと。
使えない人間を切り捨て、戦える力を持った者に与するのと。
この先を生き残っていくことを考えても、どちらに従うべきだったかは明白だった。
仕方がなかったのだ。
(こうする他に、最善手なんてなかったのよ)
自分に言い聞かせるように、胸中で呟く。
決して殺したかったから、喜んで殺したというわけではないのだと。
自分はアベルが言うような、無軌道な殺人鬼などではないのだと。
暁美ほむらは、死ぬわけにはいかない。
鹿目まどかを救うまで、何者にも殺されるわけにはいかない。
たとえどんな手を使ってでも、彼女に嫌われることになろうとも、彼女を守ると決めたのだ。
こんな下らぬゲームなどで、命を落とすわけにはいかないのだ。
「………」
暁美ほむらは歩みを進める。
雪音クリスの遺体を離れ、再び死地へと身を投ずる。
全ては、生き残るがために。
その先の未来を掴むために、今は1人、修羅道を目指す。
【1日目・黎明/E-5 北側の市街地】
【暁美ほむら@魔法少女おりこ☆マギカ】
【状態】腹部にダメージ(中)、疲労(小)、ソウルジェムの穢れ(2割)
【装備】ソウルジェム
【道具】支給品一式、シグ・ザウエルP226@現実(6/16)、RPG-7@現実(弾頭なし)、AK-47@現実(14/30)
【思考】
基本:生き残ることを考える。そのための障害は排除する
1:アベルと協力関係を結んでおく。実際に殺し合いに乗るかはともかく、下手に逆らうことはしない
2:ひとまず南側の市街地を目指す
3:黒ずくめの男(=
ディオ)と会ったら、アベルの名前を出し、戦闘を回避する
4:ハービンジャーを警戒
【備考】
※原作終了から、時間遡行するまでの間の時期からの参戦です
※鹿目まどかが参加していることに気付いていません
※時間停止の制限に気付きました
※ディオの外見特徴を聞きました
【
パルス・アベル@勇者王ガオガイガーFINAL】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式×2、絶狼の魔戒剣@牙狼-GARO-、ランダム支給品2~4
【思考】
基本:殺し合いを速やかに終わらせ、三重連太陽系へと帰還する
1:基本的に皆殺し
2:効率よく参加者を減らすため、交渉ができそうなマーダーとは協力関係を取りつける
3:
キャシャーンに会ったら……?
【備考】
※FINAL.06「我が名はG(ジェネシック)」開始直前からの参戦です
※ディオから、キャシャーンの外見特徴を聞きました
【AK-47@現実】
ソ連が開発したアサルトライフル。装弾数は30発。
基本設計が優秀なこともあり、50年以上の長きに渡って、世界各地の戦線で利用されている。
【絶狼の魔戒剣@牙狼-GARO-】
銀牙騎士・絶狼こと、涼邑零の魔戒剣。やや短めの双刀型。
ソウルメタルと呼ばれる特殊金属から鍛え上げられており、訓練した魔戒騎士でなければ、使いこなすことはできない。
◆
――これが報いか、と私は思った。
壊すことしか知らない私は、壊されるのが宿命なのかと、薄れゆく意識の中で理解した。
戦の痛みに震えながらも、戦に臨むことしかできなかった。
傷つけられたのが悲しかったのに、傷つけることしかしてこなかった。
そんな私に許される結末など、結局、これしかなかったのかもしれない。
暴力を正義のためと偽り、憎むべき力で世界を穢し。
何もしてこなかった罪びとは、そのまま何も為せぬままに、無様に逝くのが似合いかもしれない。
ああ――それでも。
畜生、と思う。
せめて私のこの力で、争いを止めてみせたかったな。
せめて泣いている誰かを、この歌で救いたかったなぁ――
【雪音クリス@戦姫絶唱シンフォギア 死亡】
【残り39人】
最終更新:2013年03月29日 03:10