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交錯と衝突 ◆aWSXUOcrjU




 結論から言うと、一条薫は、トーマ・アヴェニールを追いかけることを選んだ。
 それは殺し合いを止めるに当たって、協力者が必要だと感じたから、だけではない。
 一条にとっては彼もまた、保護すべき被害者であったからだ。
 自分より一回りも歳下の少年を、このまま放っておくわけにはいかない。
 幸いにも、距離がさほど離れていなかったこともあり、一条はすぐトーマに追い付いた。


「俺の身体には、人間の身体に感染する生体兵器……EC(エクリプス)ウィルスっていうものが組み込まれています」
 ジャケットの袖を少し捲り、トーマが右腕を持ち上げて言う。
 彼の示した右手首には、銀色の腕輪が巻かれていた。
 その下に浮き上がっていたのは、先ほどの変身時にもあったようなタトゥーだ。
 否――こうして間近に見てみると、痣と表現した方が適切かもしれない。
「このウィルスに感染すると、さっきみたいな姿に変身して、強い力を発揮できるようになるんですが……」
「それだけではない、ということか?」
 含みのある物言いに、一条が問う。
 対するトーマから返ってきたのは、肯定を示す頷きだ。
「ECウィルスに感染した人間は、誰かが憎いとか、許せないとか……そういう攻撃的な衝動を、増幅されてしまうんです」
「! それは、つまり……」
「はい……誰かを傷つけずにはいられない……むしろ、誰かを殺したくてたまらなくなる」
 そう告げるトーマの表情は、暗い。
 なるほど、生物兵器とはそういうことか。かつて友人・椿秀一が、未確認を評した言葉を思い出す。
 人を殺し得る力を持ち、人を殺すことを目的として動く――あのおぞましき怪物達の姿が、一瞬、トーマの姿にダブった。
「君は平気なのか?」
「今は、大丈夫です。ウィルスの研究をしてる人達や、大切な友達が助けてくれているおかげで、何とか殺意を抑えられています」
「しかし、それを問題視しているということは……」
「ええ……完全に破壊衝動を抑える方法は、まだ見つかっていないんです」
 少しずつ、分かってきた気がする。
 自分も怪物だから――という、トーマの言葉を思い返す。
 意図せず殺人衝動を植え付けられ、望まぬ人殺しを強いられたトーマ。
 手にした怪人の力に酔いしれ、衝動のままに殺人を繰り返す未確認。
 恐らく彼は、一条の話した、未確認という存在に対して、一種の共感を覚えたのだろう。
 だからこそ、彼らを憐れんだ。
 人の身にありながら、人ならぬ力と凶暴性を備えた者として、彼らを殺すことをためらったのだ。
「……刑事として……というより、君は管理局員という立ち場だそうだが」
 俯き気味のトーマに対して、一拍の間を置いて、一条が言う。
「治安を守る者の先輩として、君に教えておこうと思う」
「……?」
「トーマ君は、凶悪犯罪というものが、どうして起こるか知っているか?」
 凶悪犯罪――それは刑事が扱う事件の中でも、特に残忍な事件の俗称だ。
 当然だが、未確認が起こした事件の多くも、凶悪事件として世を騒がせている。
「えっと……猟奇殺人とか、そういうのですよね。
 加害者が、どうしても被害者を許せなくなっただとか……そうやって起きるものじゃないんですか?」
「もちろん、そういうものもある」
 戸惑ったようなトーマに対し、一条が答える。
 当然と言えば当然だろう。我ながら、とは思うが、この流れの中で切り出すには、この問いはいささか場違いだ。
 それでも、どうしてもこれからの話を、この場で話しておかなければならなかった。
 この話を聞いたその上で、トーマに答えを示してほしかったのだ。
「だがどうしても、ときどき起きてしまうものなんだ……理由のない事件というものは」
「理由が、ない?」
 オウム返しのトーマに対し、無言の頷きで応じる。
「生まれつき狂っていた者かもしれないし、何かがきっかけで、理性のたがが外れてしまったのかもしれない。
 それでも人は、時に気紛れのような感覚で、何人もの命を殺してしまうことがある。
 むしゃくしゃしたから、スカっとしたかったから……時には、楽しそうだったから」
「そんな!」
「誰もが君のように、己を律することができるわけではないんだ」
 悲しいことにな、と一条は言った。
 犯罪者にだって事情がある。法や良心に逆らってでも、犯罪に手を染めなければならないと思った理由がある。
 人間関係や金銭事情、あるいはそれ以外の理由であれ、多くの事件においてはそれが正論だ。
 それでも、時に人間は、喜んで悪事を犯すことがある。
 大した理由もないままに、一瞬で多くの命を奪う。
 職業柄、そうした類の事件については、いくつも目や耳で知ってきた。
 その度にままならぬ人の世に、何度も心を痛めてきたのだ。
「残念ながら今のところ、外的要因の強制によって、未確認が殺人を犯すようになった、という報告は挙がっていない」
 それはすなわち、彼らは自ら力に溺れ、自らの意志でそうしたということだと。
 理由なき通り魔がそうしたように、力を振るう快楽に味をしめ、ゲゲルを繰り返すようになったのだ、と。
「彼らは、君とは違うんだ」
 トーマのような良心の呵責を、未確認生命体は持っていないのだ。
「………」
 できれば見たくない顔だった。
 沈痛な面持ちで押し黙るトーマを見ると、一条の胸がきりきりと痛む。
 一条とて真っ当な警察官だ。こんな年端もいかない少年を、自らの言葉で苦しめて、平気でいられるわけもない。
 それでも、この少年は子供ではあるが、力と責任を持った管理局員だ。
 だからこそ、言う必要があった。敢えて心を鬼にしてでも、トーマに伝えなければならなかった。
 彼が挑もうとするものが、いかに困難な壁であるのかを。
 その事実を知らずして、自分勝手な正義を振りかざすのは、迷惑な蛮勇に他ならないのだ。
「……私も、君と似た男を知っている」
「え……?」
「偶然、未確認と同じ力を得てしまった、未確認第4号と呼ばれている男だ」
 思い返すのは、あの笑顔。
 サムズアップがトレードマークの、五代雄介のあの笑顔。
 悲しみと痛みを胸に秘め、共に未確認と戦ってきた、笑顔の似合う青年の姿だ。
「彼は本来、暴力を嫌う男だった……それでも、多くの人々を守るために、敢えて未確認との戦いに身を投じた。
 自分の身体が人間でない、生物兵器に変わっていく恐怖……その苦しみにも耐え続けながらな」
 それがどれほどの苦痛なのかは、一条には想像するしかない。
 彼ほど争いに向かない男が、同じ人間を手にかけ続けることを、どれだけ嫌悪し続けているのか。
 いずれ彼のその心すら、力に飲まれ消えかねないという未来に、どれだけ恐怖し続けているのか。
 どれだけ想像してもしきれないし、到底想像したくもなかった。
「君が悩む気持ちも分かる。だが、だからこそ君も、彼のように、一度真剣に考えてほしい。
 君がどうしたいのか……奴らの仕掛けた殺し合いの中で、君はどうすべきなのか」
 それが一条の願いだ。
 未だ顔色の暗いトーマを見据え、一条ははっきりと言い放った。
「……俺は……」
 意地悪い質問をしているという自覚はある。
 そう簡単に答えを出せないのは、この職に就いた自分自身が、きっと誰よりも自覚している。
 それでも、全てを理解した上で、改めて考え直してほしかった。
 どんな結論であったとしても、それら全てを知った上で、導くべきものだと考えたのだ。
「――見ちゃいられないね」
 その、時だ。
 不意に彼らの横合いから、女の声が割り込んできたのは。


(何だ、こいつらは)
 それが2人に対して抱いた、ルネ・カーディフ・獅子王の第一印象だ。
 惨めにもカブトムシの怪人相手に敗走を喫し、ひとまず市街地を目指していたルネだったが、
 ちょうどその行く手に立っていたのが、一条とトーマの2人だった。
 一条薫は日本の刑事。
 トーマ・アヴェニールは、時空管理局とかいう、何だかよく分からない組織の人間だそうだ。
 理解しようとも思えないので、ひとまず一条の様子から、警察と似たようなものだと解釈する。
「揃いも揃って甘ちゃんばっか、か」
 いずれにせよ、殺し合いに乗る気のない者もいたという事実は、一応ルネを驚かせはした。
 だがだからとて、それが自身にとって有益な存在であるかどうかとは、どうやら無関係らしい。
 刑事はこの状況下でなお、クソ真面目に職務をこなす気でいる。
 ガキに至ってはそれ以下で、自分がどうすべきかどうかすらも、未だままならぬようだった。
 共に悪状況を打開し、ゲームを生き残るための戦力としては、話にならないほどに情けない。
「……君は、殺し合いに乗るつもりなのか?」
 先に問い掛けてきたのは、警察官の一条の方だ。
「生憎あたしらのやり方は、疑わしきは始末せよ、でね。おまわりさんに従って、正義ヅラできる身分でもないのさ」
「だが、犯罪に対抗する組織であるのなら、君も治安のために戦っているはずだ。協力し合うことは、可能だと思うが」
「甘ったれに付き合って死ぬのは、まっぴらだって言ってるんだ」
 そうだ。
 気に食わない悪党を退治しているのは確かだが、何もこの仕事だって、真っ当な正義感から始めたものではない。
 シャッセールに身を投じたのは、自分をサイボーグ体へ改造した、バイオネットへの復讐のためだ。
 GGGと共に宇宙へ旅立ったのも、親友パピヨンを殺されたことへの、個人的な仇討ちに他ならない。
 獅子王凱のように正義を語り、真っ直ぐに実行することなど、まぶしすぎてできやしないのだ。
「あんた達の支給品をよこしな。あたしが有効に使ってやる」
 ならば、プランは予定通りだ。
 もちろん、殺すつもりはない。殺るべき相手とそうでない相手くらいは分ける。
 故に支給品だけを奪い、戦う準備を整えることにする。
 もし抵抗するのであれば、少し痛い目に遭ってもらうまでだ。
「悪いが、そういうわけにはいかない。君に武器を渡せば、不要な犠牲を生む可能性がある」
 やはり、そういう反応で来るか。
 こいつらのことだ。タダで武器を渡してはくれないだろうということは、何となく推測はしていた。
 一条は背負ったデイパックを庇うようにし、こちらを真っ向から睨みつけている。
 強い眼差しだ。人間だろうがサイボーグだろうが、目力に変わりはないということか。
 とはいえ、生身と改造人間との力差は、そうそう覆せるものではない。
 仮にあの日本人刑事が、達人級の武芸者だとしてもだ。
 カラテだろうがジュードーだろうが、正面からねじ伏せられるだけの技量は、日々の訓練で培っている。
 一色即発の空気の中、いざ踏み込まんとした瞬間、
「――待ってください、2人ともっ!」
 その両者を引き止めたのが、これまで黙っていたトーマだ。
 大きく声を張り上げながら、両手を広げて割って入る。
 また厄介な手合いが割り込んだものだ。ち、と舌打ちをしながら、ルネはトーマを睨みつけた。
「一条さん……俺にはまだ、一条さんに出せる答えが見つかりません。
 だけど今、この人と争ってる場合じゃないってことは、はっきりと分かります」
「トーマ君……」
 肩越しに一条を振り返りながら、トーマが言う。
 そして今度はその視線を、再びルネの方へと向ける。
「ルネさんもです! ここで殺し合いに乗ったら、それこそ彼らの思うツボじゃないですか!」
「奴らは後からまとめて駆除する。でもその前に殺されたら、元も子もなくなっちまうだろうが」
 ガキがいっちょ前に偉そうに、と。
 ため息に不快感を乗せながら、ルネは呆れ気味に言った。
「俺だって奴らは許せない! 殺したくはないけど、止めたいとは思う!」
「だったら――!」
「でも! そのためにすることが、奴らと同じことっていうのは……何か、違うじゃないか!」
 ぎり――という歯軋りの音が、骨を伝って耳に届く。
 熱弁を振るうガキの姿が、青臭くって仕方がない。
「……もういいよ。これ以上理想論には付き合ってらんない」
 これ以上お遊戯に付き合うのはたくさんだ。
 言っても分からないのなら、やはり力ずくで聞かせるべきだ。
 体温が微かに上がるのを感じる。
 Gストーンの嵌めこまれた、黄金の右手を握り締める。
 不穏な気配を感じたのか、トーマの顔もこわばった。眉間に皺が寄せられて、つぅっと頬を冷や汗が伝った。
 片や攻勢のために拳を握り、片や防戦のために身構える。
 火花の散るような緊張感が、再びその場に立ち込めた時。
「――っ」
 不意に、トーマの背後にいた一条が、瞳を見開いたような気がした。
「伏せろ!」
 一条の微かな驚愕は、次の瞬間絶叫に代わり。
 彼が飛び出すと同時に、後方から轟音が鳴り響いた。


 身を隠す場所の多い市街地にも入らず、ターゲットが手前の平野に留まってくれていたことは、諫山黄泉にとっては幸運であった。
 途中で1人増えた時には、さすがに一瞬身構えたが、所詮は霊能力もない只人だ。
 殺生石をその身に宿し、無敵の悪霊と化した己にとっては、何人増えようが関係ない。
 まずは最初の支給品――ドラグノフ狙撃銃を構え、発砲。
「伏せろ!」
 これはスーツの男の声によって、あえなく回避されてしまった。
 ともあれ、元々慣れていない狙撃銃だ。最初から牽制程度にしかアテにしていない。
 要は3人がこの一撃で、一瞬でも硬直してくれればよかったのである。
「ふふっ」
 目論見通り、と笑いながら。
 黄泉はドラグノフを投げ捨て、自ら切り込みにかかった。
「こいつ!」
 最初にこちらに反応したのは、白いコートの女だった。
 人間にしてはかなり速い。それでも、やはり初動が遅い。
 殴りかかる金色の拳を、指先をしならせて軽くいなす。
 とんっと指に力を込め、勢いのままに飛び上がる。
 目標は奥の少年と男だ。面食らって混乱したところを、このまま一気に狩らせてもらう。
 右手に構えた得物が光った。
 天上の白い月光を受け、和刀がぎらりと煌めいた。
 殺意を込めた白刃が、少年目掛けて振り降ろされた瞬間。
「ぐぅッ!」
 意図したものとは違う呻きが、黄泉の鼓膜を揺さぶっていた。
「一条さん!」
 少年の慌てた声が上がる。
 一条、と呼ばれたその男は、先ほども叫びを上げていたコートの男だ。
 彼が咄嗟に少年を庇い、背中を刃の前に晒して、黄泉の斬撃を受けていたのだ。
「く……!」
 少年の行動も素早かった。
 右手がこちらに突き出されるや否や、不可視の銃撃が襲いかかった。
 これを咄嗟の反応で、後方に跳び退りながら、かわす。
 驚くべきことに、その手には、禍々しい銃剣が握られていた。あんなもの、それこそ一瞬前までには、影も形もなかったはずだが。
「こンのォォォッ!」
 着地と同時に咆哮が迫る。
 黄泉の横っ腹を目掛けて、女の鉄拳が襲いかかってくる。
 今度は先ほどのようにはいかなかった。姿勢が崩れていたことを考えれば、むしろ不利なのは黄泉の方だ。
 故に唸りを上げる拳を、今度は紙一重でかわす。
 轟――と響く拳圧が、ぶわっと黒髪を舞わせた。
「ルネさん! 一条さんがヤバい! 手当てできるところまで行かないと!」
「はァ!? 知るか! んなもんあんた1人で行ってろ!」
 どうにも妙な連中だ、と。
 バックステップで距離を取りながら、黄泉は2人を見定める。
 コートの女の攻撃力は、恐らくは岩端のそれに匹敵するほどだ。
 そして銃剣の少年も、明らかに普通のものではない、妙な力を操っている。
 何よりの問題は、今なお彼らには、一切霊能を用いた気配がないということ。
「……俺の荷物を置いていきます! 戻るまで、殺さずに持ちこたえてて!」
 言うや否や、少年の方は、背負っていたデイパックを地面に降ろした。
 そうして一条と、彼の足元にあった荷物を拾い上げると、そのまま市街地へと走り出す。
 武器を託した――ということか。なるほど確かに、妥当な判断だろう。
 無手のルネという女に、武器を与えたと同時に、自分の身も軽くしたというわけだ。
 人一人背負って逃げるには、あのデイパックはかなり邪魔になる。そういう意味でも、数を減らしたのは正解だろう。
「ったく……何勝手にお仲間にカウントしてんだか」
 目の前ではその武器を託された女が、ぐちぐちとぼやきながら見送っている。
 楽勝だと思っていた戦いだが、どうやらこの勝負、思ったよりも、手を焼かされることになるかもしれない。
 そう考えるなら、戦力の分散は、むしろ望むところといったところだ。
 ルネという女と、銃剣の少年――バラバラに潰していった方が、楽に殺すことができる。
(それまで待っててね、神楽)
 土宮神楽がここにいることは、先のホールで確認済みだ。
 言うなればこの戦いは、彼女と再会するまでの前哨戦に過ぎない。
 彼女と死合うその時までは、つまずいてなどいられないのだ。
 にやり、と笑みを浮かべながら、黄泉は静かに構えを取った。


【1日目・黎明/D-4 市街地手前の平野】

【ルネ・カーディフ・獅子王@勇者王ガオガイガーFINAL】
【状態】通常形態、ダメージ(中)、疲労(小)
【装備】インタークーラーコート
【道具】支給品一式(トーマ)、ランダム支給品0~2(トーマ)
【思考】
基本:このゲームを終わらせて脱出する
1:ガドルは必ず殺す
2:襲撃者(黄泉)を殺す
3:殺し合いに乗った者は殺す。そうでない者は、現状は殺すつもりはない
4:トーマ達の戯言は無視。理想論には付き合っていられない
【備考】
※FINAL.03「GGG追放命令」終了直後からの参戦です

【諫山黄泉@喰霊-零-】
【状態】殺生石発動
【装備】殺生石、カレンの刀@魔法戦記リリカルなのはForce
【道具】支給品一式、ランダム支給品0~1
【思考】
基本:神楽と決着をつける
1:ルネを殺す
2:ルネを殺した後は、銃剣の少年(トーマ)と一条を追いかけて殺す
3:邪魔する者は皆殺し。殺し合いに乗るのも悪くない
【備考】
※第12話「祈 焦(いのりこがれて)」にて、山に入った直後からの参戦です
※生前三途川カズヒロから受けた傷は、主催者によって治癒されています

【カレンの刀@魔法戦記リリカルなのはForce】
カレン・フッケバインの私物。何の変哲もない日本刀。
カレン自身は気に入っていたようだが、強度は至って普通のようで、戦闘中にあっさりと破壊されている。

※【D-4 市街地】のどこかに、ドラグノフ狙撃銃(9/10)@現実が放置されています



「一条さん、どうして……俺にも戦う力はあるのに!」
「きみの、力は……変身しないと、使えないのだろう……?」
 だから無防備なトーマを、敢えて庇ってしまったのだと。
 そういう一条の言葉が、トーマの胸にぐさりと刺さった。
 一条を背負ったトーマは、黒髪の少女との戦闘をルネに預け、彼の治療を優先することを選んだ。
 このまま市街地を南下していけば、すぐそこに病院があったはずだ。
 そこまで一条を連れて行き、すぐに応急手当てをする。それが済み次第、先ほどの場所に戻り、ルネに加勢して少女を止める。
 正直ルネの気性を考えると、危険な賭けであることは間違いない。
 それでも、殺されるかもしれない命の心配より、確実に死ぬ命の心配だ。
 黒髪の少女の一撃は、かなり深く刻まれたらしい。背負った一条の意識は朦朧としていて、今にも消えてしまいそうだ。
 そんな彼を放置して、そのまま少女を迎撃することは、トーマには到底できなかった。
(そういえば、ディバイダー……)
 ふと、先の戦闘を思い出す。
 咄嗟に銃剣――ECディバイダーを展開し、少女を迎撃した瞬間を回想する。
(今は抗体が効いているけど……実際、どこまでもたせれるんだ?)
 ディバイダーを抜いた程度では、意識に変化は見られなかった。
 それでも、リリィもいない今、リアクトにまでこぎつけた場合、自分がどうなるのかは未知数だ。
 ひょっとしたら、抑え込まれていたウィルスの活動が再開し、再び暴走してしまうかもしれない。
(……やっぱり、慎重に動かなくちゃ駄目ってことか)
 一条に言われた、身の振り方についてのことだけではない。
 今のトーマは、戦闘の挙動一つですら、注意を払わねばならない状態にある。
 これまでのように、ただ闇雲に突っ走るだけでは、この場では立ち回れないということか。
 そのことを改めて意識しながら、トーマは一路、病院を目指した。


【1日目・黎明/D-4 市街地】

【トーマ・アヴェニール@魔法少女リリカルなのはForce】
【状態】健康
【装備】無し
【道具】支給品一式(一条)、銀十字の書@魔法戦記リリカルなのはForce、ランダム支給品0~2(一条)
【思考】
基本:この殺し合いを止める。殺しは絶対にしない
1:一条を病院へ運び、手当てをする
2:その後ルネの元へ戻り、黒髪の少女(黄泉)との戦闘に加わる
3:仲間と合流する
4:一条の言ったことを考える。可能なら、未確認生命体を殺さずに止めたいが……
5:リリィと合流するまでは、極力リアクトなしで戦うことを心掛ける
【備考】
※参戦時期は【Record17:Bayonet】以降。服は私服です
※最初の場でリリィ・シュトロゼックアイシス・イーグレットの存在を確認しています
※未確認生命体について話を聞きました

【一条薫@仮面ライダークウガ】
【状態】気絶、背中に斬撃ダメージ(大)
【装備】コルト・パイソン(6/6)
【道具】なし
【思考】
基本:この殺し合いを止める
1:………
2:トーマと行動を共にする。彼が納得のいく答えを見つけるまで支える
3:戦う力のない者を保護する
4:五代雄介を探す
【備考】
※参戦時期は不明。少なくともバラのタトゥの女には出会っています
※最初の場で五代雄介の存在を確認しています
※ミッドチルダや時空管理局、ECウィルスについて、簡単に話を聞きました

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最終更新:2013年02月20日 02:17