「…………板橋区の住宅街を、破壊か」
タブレットを手にしながら、ランサーのサーヴァント・
ベルゼバブは呟いた。
既にスナック菓子とレッドブルが尽きた頃、彼はニュースを確認している。空を飛ぶ青龍により、板橋区が破壊されたと各所で話題になっていた。
「そのようなニュースが流れているな」
「奴もサーヴァントだな」
「どうも、聖杯戦争の予選期間中にも、この青龍は東京の各所で暴れまわっていたようだ。巻き込まれた敵対主従も少なからず存在する」
破壊活動のたびに、青龍が霊体化をしたことで、行方をくらました。
無論、ジプスも調査を続けているが、手がかりがまるで掴めない。青龍の手によって、峰津院財閥に関係する施設もいくつか破壊されている。
放置しては、いつかはジプス本部にも牙を剥くだろう。
「……奴こそは、余の手で叩き潰してやる」
「同感だ。マスターの正体は掴めないが……君の力を借りなければ、到底太刀打ちできる相手ではない」
私がベルゼバブ程と呼べるサーヴァントを引き当てたと考えると、青龍のマスターも相応の実力者だ。我が峰津院財閥に及ばないにせよ、社会的なロールもそれなりに高いはず。
そこで私が狙いを付けた場所が皮下医院だ。界聖杯の住民たちからは信頼され、インターネットでも好意的な声が多い。
だが、この病院に関する死者数は異様なまでに増えており、その中には遺族も含まれている。我が財閥の構成員も調査に出向いたが、行方をくらました。
ICカードを奪われた挙句、殺害されただろう。拷問の末に機密情報を奪われる可能性もあり得た。
「これより、皮下医院に出向くが……異論はないな」
「ない……蔓延っている羽虫どもごと、叩き潰してやる」
ベルゼバブは何の躊躇もない。
今、この男は皮下医院についても調べている。
この男が持っているタブレットは私の所有物だったが、返却する素振りは見せない。いつの間にか奪われた挙句、『もっと用意しろ!』などと言い出す始末だ。
仕方がないので、ベルゼバブには合計で5台ものタブレットを渡しているが……複数の端末で、別々のニュースを同時に確認している。
「そういえば……先程、
神戸あさひという羽虫も現れたそうだな」
ベルゼバブは話題を変える。
夕方になってから、ネットでは神戸あさひという少年で炎上を起こしていた。
連続失踪事件の犯人や、薬物中毒者などの噂が流れている。そんな神戸あさひの元には、『プリミホッシー』を名乗る人物が現れたそうだ。
そして、神戸あさひと共に姿を消したらしいが、発言しているのは社会に甘えたクズらしい。
そんな不確実の情報など、悪質なデマの可能性が非常に高かった。
愚民どもならともかく、私が踊らされるわけにはいかない。
「調査をしているのか」
「警察に任せればいい。たった一人の少年に、わざわざジプスが関与することもないだろう。もちろん……この少年が聖杯戦争のマスターである可能性は充分にある。数時間前、失踪が騒がれていた白瀬咲耶とやらみたいにな」
「何者かが、意図的に騒ぎ立てたのだろう」
「あぁ。ただの
NPCであれば、ここまで炎上させる必要はない。マスターであると特定した人物を標的にして、確実に仕留めることが目的だ。我々が探るべきは、この炎上が誰の差し金なのか……それだけだ」
ただのアイドルに過ぎない白瀬咲耶と、ただの少年に過ぎない神戸あさひ。
白瀬咲耶は283プロダクションに所属するアイドルであり、周囲を探れば何か情報が出てくるだろう。調査の価値はあるが、現状では優先させるべき敵は多くいる。
神戸あさひも同様だ。彼はあくまでも餌であり、私が探るべきは騒動の裏に隠れている存在だ。
それこそ、我が財閥を探っている蜘蛛の可能性もあるが……情報が足りなすぎる。
既に他マスターに狙われている以上、神戸あさひにジプスの構成員を差し向けても、戦いに巻き込まれて人材を浪費するだけ。
「なら、共に消えた羽虫はどうするつもりだ」
「そんな訳の分からない奴など探しようがない。諦めろ」
サーヴァントの可能性もあるが、居所がわからなければどうしようもない。
私からすれば理解しがたく、関わり合いにもなりたくなかった。
「行くぞ、ベルゼバブ」
そうして、我々は皮下医院を目標に歩みを進めた。
【新宿区・どこかのビル/一日目・夕方】
【
峰津院大和@デビルサバイバー2】
[状態]:健康
[令呪]:残り三画
[装備]:宝具・漆黒の棘翅によって作られた武器をいくつか
[道具]:悪魔召喚の媒体となる道具
[所持金]:超莫大
[思考・状況]
基本方針:界聖杯の入手。全てを殺し尽くすつもり
1:ロールは峰津院財閥の現当主です。財閥に所属する構成員NPCや、各種コネクションを用いて、様々な特権を行使出来ます
2:グラスチルドレンと交戦しており、その際に輝村照のアジトの一つを捕捉しています。また、この際に、ライダー(シャーロット・リンリン)の能力の一端にアタリを付けています
3:峰津院財閥に何らかの形でアクションを起こしている存在を認知しています。現状彼らに対する殺意は極めて高いです
4:東京都内に自らの魔術能力を利用した霊的陣地をいくつか所有しています。数、場所については後続の書き手様にお任せします。現在判明している場所は、中央区・築地本願寺です
5:ベルゼバブと共に、皮下医院を調査する。
6:白瀨咲耶、神戸あさひと不審者(プリミホッシー)については後回し。炎上の裏に隠れている人物を優先する。
【備考】
※皮下医院には何かがあると推測しています。
【ランサー(ベルゼバブ)@グランブルーファンタジ-】
[状態]:健康
[装備]:ケイオスマター、バース・オブ・ニューキング
[道具]:タブレット(5台)、スナック菓子付録のレアカード
[所持金]:なし
[思考・状況]
基本方針:最強になる
1:現代の文化に興味を示しています。今はプロテインとエナジードリンクが好きです。また、東京の景色やリムジンにも興味津々です。
2:狡知を弄する者は殺す。
3:青龍(
カイドウ)は確実に殺す。
【備考】
※峰津院大和のプライベート用のタブレットを奪いました。
※複数のタブレットで情報収集を行っています。
時系列順
投下順
最終更新:2021年11月11日 00:01