そもそもの問題点。
各流派から技を寄せ集めているので前提となっている身体運用法が技によって異なっている可能性がある。
居合をやっていない剣道家のために作られており、剣道家に習いやすい形としている。
いつの間にかこれが居合の基本になってしまっている。
正座と座構えの関係もそうだが、後世に作られたものの方がとっかかりやすいのでそちらが基本になってしまい、
それを基本として古伝の技を解釈してしまうために理解がおかしくなっているものが多い気がする。
剣道家のためのものだからか、正対、平行足が基本となっており半身、撞木足が避けられている。
古流武術では半身や撞木足はむしろ基本であることが多く、制定居合型でもそうなってしまう箇所もある。
そこを無理に正対、平行足にしたり、古流の型においても半身、撞木足を避けるように型の解釈を変えてしまっていることがあるので注意が必要だと思う。
ここでは制定居合を本当の意味での武術的身体運用で行うことを目標とする。
[全剣連要義]:対座している敵の殺気を感じ機先を制して「こめかみ」に抜きつけ、さらに真っ向から切り下ろして勝つ。
大森流の初発刀を元にしている。
手順詳細
袴裁きをして静かに正座で座る。
前方の対象を感じ、手首を返す(手刀を立てるのに似ている)ようにして刀がけをして親指を鍔にかけ、
XXXXXXして鯉口を切る。
「煙の立ち上る」ように重心を浮かしつつ柄頭を対象に向けつつ刀を引き出す。
(続)
二本目 後
[全剣連要義]: 背後に座っている敵の殺気を感じ機先を制して「こめかみ」に抜きつけ、さらに真っ向から切り下ろして勝つ。
大森流の当刀を元にしている。
① 刀を抜きながら向き直ると同時に、左足をやや左寄りに踏み込んでいるか
② 敵のこめかみに正しく抜きつけているか。
①はきちんと向きを直せているかということ。
左足が右側にあったり真正面にあったりするのは180度回れていないということになる。
②もバランスを崩していたり刀を置きに行ったりしているのではなく、抜き付けていると言うことが重要。
左足を後にひきつつ、身体を開くようにして、
右膝を支点にして反時計回りに回転し抜刀。
右膝を支点にして回っていいのだろうか?
物理的に床に接しているのは右膝であるが、回転の中心を右膝にしてよいのか?
右膝を中心にして回転すると真後ろではなく少し左にずれたところを斬ることになる。
おそらくもともとは真後ろを斬る業だったと思われる。
手順詳細
後ろ向きに正座する。
三本目 受け流し
[全剣連要義]: 左横に座っていた敵が、突然、立って切り下ろしてくるのを「鎬」で受け流し、さらに袈裟に切り下ろして勝つ。
大森流の流刀を元にしている。
左からの害意を想定。
① 受け流しの体勢にて、上体をかばった姿勢になっているか。
② 左足を右足後方引き、袈裟切りになっているか。
③ 左こぶしはへそまえで止め、切っ先がわずかに下がっているか。
刀に手を掛けてつま先を立てる。
鯉口を切って左足を立てつつ抜きはじめ、
右足を左足の方向に向けてイの字の形として身体が伸びるのと同時に刀も抜ける。
左足を引きながら袈裟斬り。
納刀は逆手
四本目 柄当て
[全剣連要義]: 前後にすわっている二人の敵の殺気を感じ、まず正面の敵の「水月」に「柄頭」を当て、続いて後ろの敵の「水月」をつき刺し、さらに正面の敵を真っ向から切り下ろして勝つ。
前後からの害意を想定。
居合膝、立て膝がこれだけになってしまっている。
立膝から柄に手を掛けて、
前へ移動するようにして腰を浮かして柄で前の水月を突く。
本当に柄で水月を突くのであれば正対したままでは有効距離が小さすぎるが、
半身にして手を思いっきり伸ばして突くと帯から刀が離れてしまう。
これは立て膝からの浮き身を学ぶための型と考えるのがよいと思う。
突いた状態から左手で鞘を引き、身体を開くことで抜刀する。
胸上部に峰をつけた構えとなり、両手をクロスさせるようにして後ろを突く。
鞘を持った左手が右に行く。
突いた剣を戻すと同時に鞘も戻し、そのまま両手で正面に向かって振りかぶる。
正面真っ向に振り下ろし。
横血振り。
納刀は刀が水平の状態での前納刀?
刀を鞘に納めながら前に出した足を引きつけて蹲踞となる。
五本目 袈裟斬り
[全剣連要義]: 前進中、前から敵が刀を振りかぶって切りかかろうとするのを逆袈裟に切り上げ、さらにかえす刀で袈裟に切り下ろして勝つ。
伯耆流 磯波が元?
ここから立技
右から歩みを進めるのだが、このとき刀には触れていない。
手は普通に下げておくということだが、手を振るようなことはしない。
左足が前に出たところで柄に手をかけるて鯉口を切り、
右足を進めながら鞘をひっくり返して足が出し切ると同時に鞘離れで袈裟に切り上げる。
切り上がったところで手首を返して左手とともに袈裟に斬り下ろし。
一歩下がりながら八相となって、
そこからさらに一歩下がりながら血振るいして納刀。
六本目 諸手突き
[全剣連要義]:前進中、前後三人の敵の殺気を感じ、まず正面の敵の右斜め面に抜き打ちし、さらに諸手で「水月」を突き刺す。つぎに後ろの敵を真っ向から切り下ろす。続いて正面からくる他の敵を真っ向から切り下ろして勝つ。
立ち技。
右から歩みを進めて左足を出しながら柄に手を掛けて鯉口を切る。
右足を進めながら足が出し切ると同時に鞘離れで右斜め前方を斬る。
正眼に構えて後ろ足(左足)を引きつけて正面に突き。
後ろを振り返り斬り、再度振り返り斬り。
正眼に構えて横血振りで納刀。
突きのとき刀がまっすぐなのは剣道の影響を受けてしまっている?
日本刀は真横からの衝撃に弱いのでまっすぐに突いて横から払われると簡単に折れてしまう。
剣術では斜めにして突く事が多い。
前後を斬るのにどの線に乗っているのか?
線をまたぐらしい。
七本目 三方切り
[全剣連要義]: 前進中、正面と左右三方の敵の殺気を感じ、まず右の敵の頭上に抜き打ちし、 つぎに左の敵を真っ向から切り下ろし、続いて正面の敵を真っ向から切り下ろして勝つ。
3人を斬る。
手を下ろして右足から進む。
4歩目の左足を踏み出しつつ刀に手を掛け、
右足を出しながら前方を威嚇しつつ、
右足を右前にまっすぐのまま出すと同時に抜刀して右に切りつける。
足はそのままの位置で体を左に向けつつ刀を頭上にかぶり、真っ向に切り下ろす。
さらに右に身体を向けつつ刀を頭上にかぶり、
右足を出して真っ向に切り下ろす。
右足を引いて上段。
左足を引きながら上段からの血振り。
そのままの姿勢で納刀。
八本目 顔面当て
[全剣連要義]: 前進中、前後二人の敵の殺気を感じ、まず正面の敵の顔面に「柄当て」し、続いて後ろの敵の「水月」を突き刺し、さらに正面の敵を真っ向から切り下ろして勝つ。
前後の敵を斬る。
手を下ろして右足から進む。
左足を踏み出しつつ刀に手を掛け、
右足を出しつつ柄を前方仮想敵の顔面に当てる。
左手で鞘を引き身体を開き、後ろを振り向くところで鞘が離れる。
刀が身体から離れないようにさばく。
右手が腰の位置で刃が外側にむく形で構えて、前方水月へ片手突き。
振り返って真っ向を斬る。左手は刀を迎えには行かずに頭上で合流する。
横血振りして、納刀。
右足の線は一緒の線に乗ってるらしい。
九本目 添え手突き
[全剣連要義]: 前進中、左の敵の殺気を感じ、機先を制して右袈裟に抜き打ちし、さらに腹部を添え手で突き刺して勝つ。
伯耆流 添手突を元にしている。
十本目 四方切り
[全剣連要義]: 前進中、四方の敵の殺気を感じ、機先を制してまず刀を抜こうとする右斜め前の敵の右こぶしに「柄当て」し、つぎに左斜め後ろの敵の「水月」を突き刺し、さらに右斜め前の敵、そして左斜め前の敵をそれぞれ真っ向から切り下ろして勝つ。
十一本目 総切り
[全剣連要義]: 前進中、前方の敵の殺気を感じ、機先を制してまず敵の左斜め面を次に右肩を、さらに左胴を切り下ろし、続いて腰腹部を水平に切り、そして真っ向から切り下ろして勝つ。
英信流 惣捲。
十二本目 抜き打ち
[全剣連要義]: 相対して直立している前方の敵が、突然、切りかかって来るのを、刀を抜き上げながら退いて敵の刀に空を切らせ、さらに真っ向から切り下ろして勝つ。
最終更新:2011年12月14日 04:00