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 保護者は保護する子どもを就学させる義務があるが、経済的に貧しく学校に通って通常の学習をすることが困難な家庭に対しては、国家が経済的な援助をする義務を負っている。教育基本法3条に規定されている通りである。教育補助として学用品や修学旅行費等、そして生活保護の一環として教育扶助があるが、むしろこうした補助があることよりも、日本では義務教育の公立学校ですら、かなり多額の教育費が私的にかかることが大きな問題といえる。次の表は文部科学省の公表している公立小中学校で親が負担している教育費である。若干減少傾向にあるが、それでも特に中学校の場合には相当多額の費用がかかる。27)http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/002/002b/mokuji17.htm

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 ヨーロッパの多くの国では公立の義務教育学校ではこうした費用はほとんどかからず公費で賄われている。したがって教育補助そのものが不要になっているのである。これは社会的政策の問題であるが、貧しい者に補助をし、通常は費用を徴集する形態と、全員に対して公費で支出することは、社会的価値観の問題として各自考えておく必要があるだろう。
 次に就学管理の問題を考えておこう。学校側の出席管理は校長の義務である。

学校教育法施行令(校長の義務)
第十九条  小学校、中学校、中等教育学校、盲学校、聾学校及び養護学校の校長は、常に、その学校に在学する学齢児童又は学齢生徒の出席状況を明らかにしておかなければならない

 そして親も当然子どもを出席させる義務を負っている。

学校教育法
第百四十四条  第十七条第一項又は第二項の義務の履行の督促を受け、なお履行しない者は、十万円以下の罰金に処する。


 日本のこの就学管理の実際は先進国の中では緩いと考えられている。実際に学校に行かないために罰金を払う例は親が確信的に子どもを行かせない場合に限られている。例えば日本の学校よりも外国人のための学校(アメリカンスクールなど)の方が教育的効果があがると考え、そこに入れている場合である。このような事例は決して多くはないが、学校に通っているために外国人学校を退学させて、日本の学校に入学させるような措置はとられていないと考えられる。
 その他子どもが通学しないのは、不登校として扱われ、親は行かせようと考えているが、子どもがどうしても学校に行かないということで、親は義務を果たそうとしているとして91条はほとんど適用されていない。しかし、それがある程度通常の措置になってしまうと、不登校を是認する親が出てくる。文部科学省はフリースクール等でもよいとしているが、厳密に言えば「一条校」に就学する義務を規定している法律に、文部科学省が自ら違反を認めていることになる。もしフリースクールでも十分に教育効果があがるならば、一条校の就学義務ではなく、就学する学校の適用を広くする措置もありうるし、また、ホームスクールのような形態を認め、実際に学力がついているかをチェックするテストを実施するという方法もある。いずれにせよこうした曖昧な体系、法と実態の齟齬は何らかの形で解決する必要があると思われる。
 アメリカでは子どもが出席しない親に刑事罰を課すという動きも一部にあったので、それを紹介しておこう。

生徒サボったら親禁固刑 米の公立学校、出席率改善策

 子供が学校をサボったら、親が禁固刑!?米国で最近、学校の授業を無断で欠席する生徒が多いことに業を煮やし、怠慢な生徒の親たちに刑罰を科す動きが広がって、物議をかもしている。
 6日付のニューヨーク・タイムズ紙によると、ミシガン州デトロイトでは昨年度、公立学校に通う18万人の生徒のうち6万3000人が1カ月分相当以上の授業を欠席。地元検察当局は今週、病気など正当な理由なく100日以上欠席した生徒67人の親を呼び出し、授業に出席させなければ、最高で90日の禁固刑を受けることになると警告する予定という。
 このような動きは米国各地で広がっており、アラバマ州ブルートンの大陪審は5月、10人の親を起訴したほか、2月にはイリノイ州スプリングフィールドで6人の母親が罪に問われた。有罪になった場合、アラバマ州のケースで最高90日の禁固と100ドルの罰金、イリノイ州の場合では最高30日の禁固と500ドルの罰金が科される。
 こうした措置が功を奏し、出席率に改善が見られ始めているようだが、一方で、「子供の行いでなぜ親が罰せられるのか」「子供は親の所有物ではない」などと、親への刑罰を疑問視する声も上がっているという。28)http://cgi.jp.osakanews.com/cgi-bin/osknews/articles/showarticle.cgi/news/1999120706
最終更新:2008年10月12日 22:22