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SS 1-352 - (2010/04/14 (水) 22:07:39) の1つ前との変更点

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「……なんかお前の顔見るたびに厄介事に巻き込まれてる気がするんだけどそいつは上条さんの気のせいだったりするんでしょうかねステイル君」 「心外だね。君が勝手に首を突っ込んでくるだけだろう。で、今回のあらましだが」 「やっぱりかよ! やっぱりなのかよ!」 「シェリー=クロムウェルが“とある魔導書”の原典を手に入れてね。その解読のためにあの子をロンドンに連れて行くことになった」 「……はい?」 「で、道中の便利な盾として君を貸すと学園都市が申し出てくれてね。そういうわけだから三十分以内に荷造りをしてくれ」 「俺は盾かよ! てか初の海外旅行が魔術がらみですかー!」 「えーと、俺にはただの汚い紙切れにしか見えないんだけど、それってそんなにすげーもんなのか?」 「あんまり直視しない方がいいわよ。万が一汚染されたら廃人になるから」 「ひゃっほうそいつを先に言えちくしょう!」 「召喚の基本陣をヘブライ語とエノク語の二重結界で括ってる。術式の内容は錬金の悪魔ザガンの召喚みたいだけど……これって、まさか」 「そうよ、禁書目録。これは『赤の書』の一ページ」 「レッドブック? 絶滅危惧種のデータリストか?」 「……とうまは知らないかもしれないけど、赤の書っていうのは伝説の魔導書なんだよ」 「ああ、前の『法の書』とかみたいなもんか。でも一ページってのはしょぼくないか?」 「ううん。本物の『赤の書』なら一ページでも『ソロモンの小さな鍵』が紙屑になるほどの価値があるんだよ。『赤の書』は写本が存在しない、実在さえ疑われていたものなんだから」 「まあ、そうよね。信じるのが馬鹿らしいわ。悪魔ベルゼブブが人間を堕落させるために自ら執筆した魔導書なんて、ね」 「……誰だ、てめェ」 「素晴らしい。クシエルの霧の中で意識を保つとは。君はこの手の魔術に耐性があるようだな。私は才能のある若者が好きでね。赤の書とその少女を置いて立ち去れば、君には手出しをしなくてすむんだが、どうかな?」 「ふざけんな!」 「そうか。残念だ。それでは君を打倒して、頂くとしよう」 「つまり、俺にもあっちに行ってこいってことか」 「ふむ。アレに幻想殺しが潰されるのは少々困るからな。せいぜい守ってやるといい」 「……あの魔術師が誰なのか知ってるのか、アレイスター」 「ああ。――私の息子だ」 「私のエセルドレーダは足止めもできないほど無能ではないよ。悪魔ベルゼブブは既に召喚されている。ここに、私の中に」 「……それで、何をするつもりなんだ?」 「無粋なことを訊く。知識の収集こそが目的であって、それで何をするかなんて二の次さ。切手のコレクターがコレクションで手紙を出すかい?」 「……そうか。そんなことのために、人体実験を繰り返してたってのか。それなら俺は、テメェのそのふざけた幻想を――ぶち殺す!」

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