【初出】
禁書SS自作スレ>>410-412
禁書SS自作スレ>>410-412
竜王の結界 Imazine_Breaker
(う・・・・・・)
上条は気がついた。
瞼を通して白い光が入ってくる。
上条はさっき、夕日でオレンジ色に染まる街中を歩いていたので、すぐにここはあの大通りではな
いことに気付く。
ここは、どこだろう・・・・・・?と上条は考える。
白い亀裂に腕を挟まれ、手のひらをなにかが触れた。
その瞬間、亀裂から無数の白い『帯』が出てきて引きずり込まれた。
引きずり込まれて、それからは・・・・・・
上条は薄らと瞼を開ける。
視界に広がったのは、
上条は気がついた。
瞼を通して白い光が入ってくる。
上条はさっき、夕日でオレンジ色に染まる街中を歩いていたので、すぐにここはあの大通りではな
いことに気付く。
ここは、どこだろう・・・・・・?と上条は考える。
白い亀裂に腕を挟まれ、手のひらをなにかが触れた。
その瞬間、亀裂から無数の白い『帯』が出てきて引きずり込まれた。
引きずり込まれて、それからは・・・・・・
上条は薄らと瞼を開ける。
視界に広がったのは、
どこまでも白い空間。
部屋の中のような感覚はしない。
暑くも寒くもない。
空気に何か異臭が混じっているわけでもない。
物の輪郭も何もない。
ただ重力と床の感覚だけがある、白く、白く、白い空間。
上条はうつ伏せのまま、両手を目の前に持ってくる。
(・・・・・・両腕は、ある)
続いて、上条は上体を起こして下半身を見る。
(両足・・・・・・五体満足か)
体のどこにも異常が無いことを確認し、辺りを見回す。
誰もいない。
インデックスも土御門も美琴もステイルも周りにいた人々も。
「なんだ?・・・・・・ここ」
上条は不審に思い、声を上げる。
暑くも寒くもない。
空気に何か異臭が混じっているわけでもない。
物の輪郭も何もない。
ただ重力と床の感覚だけがある、白く、白く、白い空間。
上条はうつ伏せのまま、両手を目の前に持ってくる。
(・・・・・・両腕は、ある)
続いて、上条は上体を起こして下半身を見る。
(両足・・・・・・五体満足か)
体のどこにも異常が無いことを確認し、辺りを見回す。
誰もいない。
インデックスも土御門も美琴もステイルも周りにいた人々も。
「なんだ?・・・・・・ここ」
上条は不審に思い、声を上げる。
『気付いたかね?』
その声に反応するように、誰かの声が響く。
頭の中に直接響くような声だ。
「――――――――――――ッ!?誰だ!」
改めて辺りを見まわしてみるが、やはり誰もいない。
『探しても無駄だ。私は今此処には居ない』
「・・・・・・、何なんだお前!さっきの亀裂もお前の仕業か!」
『そうだな、君の読みは合っている』
「なにが目的だ?インデックスたちはどうした!あいつらも亀裂に入ったはずだ!」
『ああ、彼女らは別の空間に居る。心配しなくてもあと15分程で会えるだろう。幻想殺しの少年
よ』
「!?なんでこれを知って・・・・・・」
『それのことは君が生まれたときから知っている』
上条はその言葉に驚愕する。
上条の両親でも知らなかった、右手の正体。
それを、声の主はは生まれたときから知っていると言った。
ということは、声の主は生まれたときの上条と会っていて、しかも何らかの方法で右手に宿る力を
知っていた。
学園都市の精密機械でも見抜けなかった、幻想殺し(イマジンブレイカー)を。
「・・・・・・お前、どうやってこれを――――――――――――」
『気付いているとは思うが、私は魔術師だ。此処まで言ったらわかるかな?』
上条は思考を巡らせる。
この声の主は魔術師で、赤ん坊の頃の上条に会っていた。
何らかの意図があって、魔術をかけようとしたら上条の右手がその魔術を打ち消したのかもしれな
い。
と、そこまで考えて上条は思い出す。
上条の右手、幻想殺しはいかなる『異能な力』をも打ち消せる。
この魔術師が出した白い亀裂も魔術によるものなら、それも打ち消せないとおかしい。
頭の中に直接響くような声だ。
「――――――――――――ッ!?誰だ!」
改めて辺りを見まわしてみるが、やはり誰もいない。
『探しても無駄だ。私は今此処には居ない』
「・・・・・・、何なんだお前!さっきの亀裂もお前の仕業か!」
『そうだな、君の読みは合っている』
「なにが目的だ?インデックスたちはどうした!あいつらも亀裂に入ったはずだ!」
『ああ、彼女らは別の空間に居る。心配しなくてもあと15分程で会えるだろう。幻想殺しの少年
よ』
「!?なんでこれを知って・・・・・・」
『それのことは君が生まれたときから知っている』
上条はその言葉に驚愕する。
上条の両親でも知らなかった、右手の正体。
それを、声の主はは生まれたときから知っていると言った。
ということは、声の主は生まれたときの上条と会っていて、しかも何らかの方法で右手に宿る力を
知っていた。
学園都市の精密機械でも見抜けなかった、幻想殺し(イマジンブレイカー)を。
「・・・・・・お前、どうやってこれを――――――――――――」
『気付いているとは思うが、私は魔術師だ。此処まで言ったらわかるかな?』
上条は思考を巡らせる。
この声の主は魔術師で、赤ん坊の頃の上条に会っていた。
何らかの意図があって、魔術をかけようとしたら上条の右手がその魔術を打ち消したのかもしれな
い。
と、そこまで考えて上条は思い出す。
上条の右手、幻想殺しはいかなる『異能な力』をも打ち消せる。
この魔術師が出した白い亀裂も魔術によるものなら、それも打ち消せないとおかしい。
「ま、てよ。じゃあ何であの亀裂は消せなかった?お前、生まれたばかりの俺に魔術をかけよう
として、この右手の能力を知ったんだろ?じゃあなんで・・・・・・?」
『私は魔術をかけようとしたのではなく、かけたのだ』
と、ここで魔術師は一度句切り、
として、この右手の能力を知ったんだろ?じゃあなんで・・・・・・?」
『私は魔術をかけようとしたのではなく、かけたのだ』
と、ここで魔術師は一度句切り、
『その右手の能力、幻想殺しは私が宿した魔術だ』
なっ・・・・・・!?と上条は信じられないような顔をする。
『と言っても、魔道書に載っている魔術ではない。完全に私のオリジナルだ』
「な、そんな・・・・・・、証拠はあるのか!?」
その言葉に、魔術師はふっ、と微笑して、
『やはり禁書目録が傍についていても魔術に関しては疎いようだな。ま、説明するのは嫌いではな
いが』
と、魔術師は一拍置いて、
『幻想殺し・・・・・・私がつけた魔術名は「竜王の結界(ドラゴンリフレクター)」だが。その
名の通り聖ジョージの竜の結界部分を抽出し、極限まで凝縮させて君に宿した。竜王の結界は幻想
殺しの効果と同じ、物理的攻撃以外の全ての力を無効化にする。その分、特殊な術式を使わなくて
はならなかったがな。そのときの印をも抽入したのだ。聞いているかね?書いた文字に術者の魔力
が微量だが付加されることは』
「・・・・・・、土御門が言ってたな。確か、魔力を持たないインデックスあたりは問題ないって」
『その通りだ。それで、君の中には私の魔力が流れているわけだが、その魔力で私の魔力を使う魔
術は打ち消せなくしたのだ』
「待てよ。さっきから君の中君の中って、幻想殺しの話をしてるんだろ?何で俺の中って表現して
んだ?」
『ふむ。理解できないか』
「・・・・・・?」
『と言っても、魔道書に載っている魔術ではない。完全に私のオリジナルだ』
「な、そんな・・・・・・、証拠はあるのか!?」
その言葉に、魔術師はふっ、と微笑して、
『やはり禁書目録が傍についていても魔術に関しては疎いようだな。ま、説明するのは嫌いではな
いが』
と、魔術師は一拍置いて、
『幻想殺し・・・・・・私がつけた魔術名は「竜王の結界(ドラゴンリフレクター)」だが。その
名の通り聖ジョージの竜の結界部分を抽出し、極限まで凝縮させて君に宿した。竜王の結界は幻想
殺しの効果と同じ、物理的攻撃以外の全ての力を無効化にする。その分、特殊な術式を使わなくて
はならなかったがな。そのときの印をも抽入したのだ。聞いているかね?書いた文字に術者の魔力
が微量だが付加されることは』
「・・・・・・、土御門が言ってたな。確か、魔力を持たないインデックスあたりは問題ないって」
『その通りだ。それで、君の中には私の魔力が流れているわけだが、その魔力で私の魔力を使う魔
術は打ち消せなくしたのだ』
「待てよ。さっきから君の中君の中って、幻想殺しの話をしてるんだろ?何で俺の中って表現して
んだ?」
『ふむ。理解できないか』
「・・・・・・?」
『君の右手ではなく、全身に「竜王の結界」をかけたのだ』
次々と驚愕の事実を述べられた上条は、頭が話についていけなくなる。