とある魔術の禁書目録 Index SSまとめ

SS 6-228

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匿名ユーザー

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「寒いわね」
外に出た瞬間、彼女は言った。
第22学区、それは学園都市最小であり、地下区画が最も発達している学区。
学校から店、オフィスまで地下。
地上にもビルなどはあるが、人通りは少ない。
風力発電装置が多い。
そんな学区の地上。
地下は暖房が効いてたが、外は何もない。
彼女は上条に寄ってくる。
仕舞いには彼の腕に抱きついている形になる。
よっぽど寒いみたいだ。
「そうだな」
と彼は返事する。
常盤台の制服はスカートが長くない。
足が冷えるのはよくわかる。
あいにくカイロがない。
「すまんな、俺で」
「いいのよ、ってか何言ってるのよ」
よくわからないことを言った上条。
んー、話題は何がいいか、と考えているときに彼女がいきなり話し出した。
「ねえ、アンタって高校卒業したら何するのよ?」
「考えてねーな。そういうお前はどうするんだ?」
「常盤台って高校があるとは聞いたことがないのよ。アンタ、留年してくれる?」
え?
「できるかわからねえ」
留年どころか、落第しそうだ。
とはいっても上条は高一。
2年留年すれば彼女と同じ学年になる。
というより彼が3年になったら彼女は1年。
ん?と上条はあることに気づく。
「てか、こっちの高校に通うつもりか?」
「常盤台に高校がなかったらね」
まじでー?
ある意味困るが、今の寮で一緒に住んでいたらそうなるかも。
でも、インデックスはどうするのか?
突然携帯が鳴る。
「もしもし」
『とうま?とうまだよね』
「そうだけど」
『すごいね、けーたいって。とうまの声がイギリスでも聞けるんだよ』
「そりゃそうです」
『でね、とうま。私はこれからこっちで住もうと思うの』
「突然」
『スフィンクスは連れてきてるからいいんだけど』
「なんかあるのか?」
『毎年1回とうまに会いに行くね』
「それはいいんだけど、次の寮監はだれになるんだ?」
『んー、じゃあ、かんざきに替わるね』
「はーい」
と、神裂に替わる。
『一応きいてみた』
「で、誰になったんだ?」
『五和ちゃん』
まじでー?(本日2回目)
『明日到着だから、23学区に迎えに行ってあげて。場所はメールするから』
「っちょ、ちょっとま」
ぷーぷーぷーぷー!と無視するかの如く、切断を意味する音が流れる。
「どうしたのよ」
「なんでもない」
明日学校だよな。夕方かも。と思ったらメールが。
『明日の午後5時、第23学区のターミナル内A-01ゲート前』
A-01って、学園都市のVIP専用じゃねーか。
ということは、あの恐怖の超音速旅客機に乗ってくるのか?
「どうしたのよ」
「なんでもない」
このフレーズは……
「じゃあ、いいわよね、ずっといるの」
「まあ、いいんじゃね。あと」
「あと?」
「明日23学区に行くから」
「ついて来いって言いたいの?」
「ああ」
ある意味危険だが、一人で放っておくのも危険だ。
というわけで、美琴に抱きつかれる形になっていた彼は第22学区と第7学区の境に着いた。

ここから寮までは近い。
手続きを済ませ、第7学区に入る。
まだ抱きつかれたままだ。
「ねえ、アンタ」
「なんだ?」
「アンタって、銀髪シスターに会うまで寂しくなかったの?」
「そうだな、寂しいって思ったこともある。お前は?」
「私はないわよ」
「そういえば、俺達会ってから半年くらい経ったんじゃね?」
「そうね。時間って早いんだね」
このまま時間が止まってくれれば、と彼女は考える。
「今までいろいろあったもんだよな。恋人の振りをしてほしいとか」
「あ、あれは」
「すんげー楽しかったぜ、あの時」
「そ、そうかな?」
「今だから言えることだけど、あの魔術師倒したときに俺はあいつに頼まれたんだ」
「何って?」
こっちを向いている。
気になるのか?
「あの子を頼む。僕はもうだめだからな。お前のその手であの子を悪人から救ってやるんだぞ。とな」
「え、そうなの?」
「ああ。あいつ、海原光貴になりすましていたわけなんだが、お前のことが好きだったんだと」
「うそ」
「だからこんなことはしたくなかった、と言っていた」
「でも、私にはあんたがいるじゃない」
「ああ、今はな。でも、あの時は見せかけだったじゃねーか」
「知らなかっただけよ」
「だからさ、俺はあの時誓ったんだ。統括理事会が動いても、誰かがお前を狙っていても、殲滅白書(Annihilatus)が攻めてきても、俺はこの手でお前を助けてやる、と」
「私には超電磁砲(レールガン)だって雷撃の槍だってある。でも、何で?」
「お前が傷つく姿をもう見たくないんだ」
そう、あのとき。
とある橋の上で上条を殺しかけた。
けど、何度も立ち上がって私が一方通行(アクセラレーター)のもとへ行こうとするのを阻止した。
何度も、何度も。
雷撃の槍を何度も撃っても。
心臓が止まってるかもしれないと思ったほど撃ってしまったのに。
それでも上条は立ち上がった。
そして一方通行のもとに。
彼女は涙を流す。
上条は止まって、
「もうお前を悲しませたりはしない。だから、俺と、」
涙が止まらない彼女は頭を上げて彼を見る。
「な、に?」
「付き合ってくれ」
そういって彼女を抱きしめた。
何があってもこいつだけは必ず守ると。
絶対離さないように。
絶対。
無能力者(レベル0)が超能力者(レベル5)を守るなどという矛盾をすてて、
彼女を一人の女の子としてみる。
「わかった。私も、あんたとずっと一緒にいたい」
そう、それだけのことだったのよ。
「ずっと、一緒だ」
そう、これだけのことだったんだ。
なにも超能力者(レベル5)としてみなくてもよかったんだ。
いつもこいつが攻撃して俺が打ち消し、エスカレートする毎日。
でも、視点を変えれば俺達って結構上手くやってたんだなと。
寮に着く。
離さないように。
部屋に着くとすぐにベッドに寝かせる。
「ねえ、一緒に寝よ」
といわれる上条。
「そうだな」
仲良く寝る。
明日もあるんだ、早く寝よう。
そう思った彼は再び彼女に抱きつかれながらも、
深い眠りにつくのだった。

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