【とある魔術の聖杯戦争】 序章二
〜赤の魔術師〜
「素に銀と鉄。礎に石と契約の大公。」
ここは学園都市の地下街。
その地下街の空き店舗に彼は居た。
その地下街の空き店舗に彼は居た。
肩まである髪を赤く染め、耳にはピアス、一〇本の指には銀の指輪、
右目の下にはバーコード柄の刺青。
右目の下にはバーコード柄の刺青。
ステイル=マグヌス。
ネサセリウス
イギリス清教『必要悪の教会』に所属する、ルーンの魔術師だ。
ネサセリウス
イギリス清教『必要悪の教会』に所属する、ルーンの魔術師だ。
「祖には我が大師シュバイオーグ。降り立つ風には壁を。四方の
門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ。」
門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ。」
足元の魔術陣が紅く光りだす。ステイルが店舗内の内装をどかして、
床に刻んだものだ。
(まったく・・・。世界のあちこちを飛び回ったところで、あてがわ
れるの仕事はこんなものばかり)
彼が教会より受けた指令はこうだ。
床に刻んだものだ。
(まったく・・・。世界のあちこちを飛び回ったところで、あてがわ
れるの仕事はこんなものばかり)
彼が教会より受けた指令はこうだ。
『学園都市にて、聖杯降霊の術式が発動した。これの調査にあたり
役割を三つに分ける。
役割を三つに分ける。
- 聖杯戦争に参加し勝ち上がる者。
- 外側より調査・補助する者。
- 内側より調査・補助する者。 』
ステイルの役は『内側』。つまり、聖杯戦争に参加しながら調査
または他の参加者の排除である。
または他の参加者の排除である。
満たせ 満たせ 満たせ 満たせ 満たせ
「閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。繰り返すつどに五度。
ただ、満たされる刻を破却する。」
「閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。繰り返すつどに五度。
ただ、満たされる刻を破却する。」
英霊の降霊は本来。こんな小さな陣で行えるものではない。
しかし、聖杯のバックアップがそれを可能にする。
しかし、聖杯のバックアップがそれを可能にする。
「・・・・・告げる。
汝の身は我が下に、我が運命は汝の剣に。聖杯の寄る辺に従い、
この意、この理に従うならば応えよ。」
汝の身は我が下に、我が運命は汝の剣に。聖杯の寄る辺に従い、
この意、この理に従うならば応えよ。」
彼が敷いた陣を這うように炎が奔る。
「誓いを此処に。」
自分の魔力が此処ではない、どこかに繋がる。
「我は常世総ての善と成る者。」
どこかから、誰かの魔力が絡みついてくる。
「我は常世総ての悪を敷く者。」
彼の首筋に炎が奔る。
「汝三大の言霊を纏う七天。」
彼の首筋に『令呪』が焼付けられる。
自分の魔力が此処ではない、どこかに繋がる。
「我は常世総ての善と成る者。」
どこかから、誰かの魔力が絡みついてくる。
「我は常世総ての悪を敷く者。」
彼の首筋に炎が奔る。
「汝三大の言霊を纏う七天。」
彼の首筋に『令呪』が焼付けられる。
「抑止の輪より来たれ
−−−−−天秤の守り手よ!!」
瞬間、炎は勢いを増し劫火となる。
この炎がおさまった時に、かつての英雄は姿を現す。
−−−−−天秤の守り手よ!!」
瞬間、炎は勢いを増し劫火となる。
この炎がおさまった時に、かつての英雄は姿を現す。
炎が晴れる。そこに現れた英雄は。
幼い少女だった。
(・・・・・・・・・・・っ!!!!!!?????????)
ステイルは驚愕をあらわにする。
その少女は、見た目一〇歳くらいで、肩まである金髪を黒光りする
カチューシャでまとめておでこを出している。ちょっとダブついたパーカー
にチェック柄のスカート。下には膝辺りで折り返したジーンズを
はいている。
どこからどう見ても現代の少女だ。
ステイルは驚愕をあらわにする。
その少女は、見た目一〇歳くらいで、肩まである金髪を黒光りする
カチューシャでまとめておでこを出している。ちょっとダブついたパーカー
にチェック柄のスカート。下には膝辺りで折り返したジーンズを
はいている。
どこからどう見ても現代の少女だ。
ステイルは思考が完全に停止していた。ただ口をあけて驚愕する
ばかりである。
ばかりである。
そんな間抜け面の魔術師の前で少女は可愛らしく微笑んでいる。
〜金色の魔法少女〜
あまりの出来事に思考が止まってしまったステイルだが
はっ!と我にかえる。
(・・・なんだこの子は?)
サーヴァントの召喚。
それは『聖杯戦争』で戦わせる使い魔として、人よりも精霊に
近い存在である『英霊』を使役するものである。
それにより召喚される者は必ずしも誰もが知る偉人ではない。
はっ!と我にかえる。
(・・・なんだこの子は?)
サーヴァントの召喚。
それは『聖杯戦争』で戦わせる使い魔として、人よりも精霊に
近い存在である『英霊』を使役するものである。
それにより召喚される者は必ずしも誰もが知る偉人ではない。
しかしこの少女は『英霊』と呼ぶには激しく違和感がある。
それはこの少女の姿があまりにも普通だからだ。
肩まである金髪を黒光りするカチューシャでまとめ
おでこを大きく出し、瞳は茶色。
顔立ちも日本人のようで、よくよく見てみると髪の根元が濃い茶色だ。
どうやら染めているらしい。
さらにはちょい大き目なダブついたパーカーにチェック柄のスカート。
下に膝のあたりで折り返したジーンズをはいている。
おでこを大きく出し、瞳は茶色。
顔立ちも日本人のようで、よくよく見てみると髪の根元が濃い茶色だ。
どうやら染めているらしい。
さらにはちょい大き目なダブついたパーカーにチェック柄のスカート。
下に膝のあたりで折り返したジーンズをはいている。
見た目10歳くらいの少女はどうみても現代っ子だ。
「・・・・・君は・・ほんとにサーヴァントなのかい?」
「そういうお兄ーさんは本当に私のマスターなの?」
聞き方が気に食わないのか、おもてだけの営業スマイルを浮かべ
ながらも声はツンとしている。
「ほらっ。コレでいいかい?」
そう言いながらステイルは修道服の襟を手でのけて首筋を
強調するように見せる。
「・・・・・君は・・ほんとにサーヴァントなのかい?」
「そういうお兄ーさんは本当に私のマスターなの?」
聞き方が気に食わないのか、おもてだけの営業スマイルを浮かべ
ながらも声はツンとしている。
「ほらっ。コレでいいかい?」
そう言いながらステイルは修道服の襟を手でのけて首筋を
強調するように見せる。
首筋に刻まれた『令呪』は炎のような図柄だった。
「ふーん。 とりあえずマスターのようね」
なんて態度の大きい子なんだ・・・。ステイルはイラつくを通り
越して呆れてしまう。
なんて態度の大きい子なんだ・・・。ステイルはイラつくを通り
越して呆れてしまう。
「はー・・・・それでっ?君は何の『英霊』なのかな?」
マスターがサーヴァントを知るうえで最重要がこれだ。
自分のサーヴァントの正体を知ることで長所や弱点を確認し
それにより弱点を補うこともできるのだから。
マスターがサーヴァントを知るうえで最重要がこれだ。
自分のサーヴァントの正体を知ることで長所や弱点を確認し
それにより弱点を補うこともできるのだから。
「・・・乙女の ひ・み・つ♪」
おい・・・。
(ふざけているのか?)おもわず唇が引きつってしまう。
「んーとねー・・・・・実はわたしもわからないの・・・」
おい・・・。
(ふざけているのか?)おもわず唇が引きつってしまう。
「んーとねー・・・・・実はわたしもわからないの・・・」
- っ!
「なんだろうねー?聖杯戦争とか魔術とか知識はあるんだけど
それをどこで知ったかっていう思い出がないんだよ、ヘンな感じ〜。」
ステイルは思わずある少女を思い浮かべ、目の前の少女と重ねてしまう。
かつて自分が守ると決めた。そして守れなっかたあの子に・・・・。
「まっ。そんなのどうでもいいかー」
ステイルの心境も知らず。本人はいたってあっけらからんとしている。
それをどこで知ったかっていう思い出がないんだよ、ヘンな感じ〜。」
ステイルは思わずある少女を思い浮かべ、目の前の少女と重ねてしまう。
かつて自分が守ると決めた。そして守れなっかたあの子に・・・・。
「まっ。そんなのどうでもいいかー」
ステイルの心境も知らず。本人はいたってあっけらからんとしている。
「それで?お兄ーさんの名前は?」
「・・・あ、ああ。 僕はステイル=マグヌス」
ステイルの名前を聞くと少女はにかーと笑う。
「わたしはリサ、クラスはキャスターだよ。よろしくね!」
「・・・よろしく」
ちょっとブルーになってるステイルをよそにこの子は元気イッパイだ。
「・・・あ、ああ。 僕はステイル=マグヌス」
ステイルの名前を聞くと少女はにかーと笑う。
「わたしはリサ、クラスはキャスターだよ。よろしくね!」
「・・・よろしく」
ちょっとブルーになってるステイルをよそにこの子は元気イッパイだ。
ふたりはその後すこししゃべってから空き店舗を後にした。
誰もいない地下街に二人の声だけが響いている。
誰もいない地下街に二人の声だけが響いている。