315 :■■■■
桃園「――というのが、一学期までの復習だ」
桃園「これでお前がサボってきた分はチャラになる」
闇城「やった・・・やった・・・!」
桃園「しっかし驚いたぞ。僕としてはいつ尻尾巻いて逃げ出すか気が気でなかった」
闇城「逃げてもさらに面倒なことになるからな・・・それに一学期のサボりが一週間の補習で補えるならそれでそれは楽ってもんだし」
316 :■■■■
桃園「意外と打算的だな。まぁいい。さあけえった、けえった」
桃園「俺はこれから大人のデートで忙しいんでな」フッ
闇城「お、ついに黄泉川先生がOKしたのか!?」
桃園「まあそんなところだ。ようやく俺の魅力に気づいてくれたのかもな・・・」
桃園(泣きついて懇願したなんてさすがに言えねえ)
闇城「ちえっ、昨日と言い今日といいどこもかしこも・・・!」
闇城「いいよ。俺だってこの夏休みの間にビッグになってやるから!」
桃園「ほう。それは楽しみだな。まあせいぜい頑張れ」
317 :■■■■
☆
闇城「なんて大口叩いて出て入ったはいいものの」
闇城「何かあてがあるわけでもなく彷徨うばかり」
闇城「・・・虚しい」ハァ
闇城「いかんいかん! 最初からブルーじゃ勝てる戦にも負ける!」ハッ
闇城「よし。補習も終わったことだし、ここはパーッと>>318するぞ!」グッ
>>318
何をする?
318 :■■■■
能力の訓練
319 :■■■■
「闇城「よし。補習も終わったことだし、ここはパーッと能力の訓練をするぞ!」グッ」
闇城「そうだよな。この学園都市。何が起こるかわからねえことは既に痛感済みだ」
闇城「もしものことがあった時、俺は大事な誰かを守れるのか・・・?」
闇城「レベル4とはいえ・・・まだまだ実力が追い付いてきていない気がする」
闇城「ならここいらで強くなっていてもマイナスにはならねえってわけだ」
闇城「しかし一人で訓練するのも効率が悪い気がする・・・ん?」
闇城「あそこにいる奴! なんか強そうだな。あいつに訓練をつけてもらえないか頼んでみるか!」
闇城「なあ、あんた!」
??「・・・?」
>>320
誰?
320 :■■■■
324 :■■■■
闇城「ヒッ・・・! 人かと思ったらゴリラだった!」
緑川「おいおい。出会い頭から失礼なやつだな。確かに俺は三ゴリ川なんて呼ばれちゃいるが・・・これでも人間だ」
闇城「え? ああ・・・! す、すまん」ゴホンッ
闇城「それでですね、三ゴリ川さん、いきなりなんですが今お時間とか空いてないかな~なんて聞いて見ちゃったりして」
緑川「・・・一応断っているがそっちの趣味はないぞ」
闇城「いやいやいや! なに言ってやがりますか! 変な妄想するんじゃねえよ! 俺だってそっちの趣味はねえから!」
闇城「ただぱっと見強そうだな~って思って。俺の特訓相手になって欲しいんだけど、いいかな?」
緑川「言いたいだけ言ってずいぶん勝手なやつだ」
緑川「まあよかろう。俺としても最近は暴れ足りなくてな」ニヤ
闇城(なんだそのニヒルな笑みは! まさに水を得た魚のよう・・・いやバナナを得たゴリラのようだぞ!)
緑川「見るに、そこそこの修羅場を乗り越えてきた猛者と窺える・・・ならば本気でやらせてもらうが、構わないな?」
闇城「」ゾクッ
闇城(遺書の用意・・・今からでも遅くないかな・・・ははは)
325 :■■■■
☆ 空き地
緑川「フンッ!」
闇城(軽いジャブ。この程度ならエンジェルアムドで・・・!)
闇城「ぐぅ・・・っ!」ガード
闇城(なんだこれ!? 一撃が重すぎる・・・! 今にも砕かれそうな勢いだぞ・・・!)
緑川「基礎的な防御力はまずまずと言ったところか」
緑川「しかし、これならどうだ?」ニヤ
闇城(――ッ!! なにか来る!! これはエンジェルアムドを最大展開するしか・・・!)
緑川「むうぅうううううんッ!!」ドッ!
闇城「グッ・・・グゥウウウウウウ!!」ドガドガドガドガ
闇城(威力はそのままで手数を増やしてきやがった!)
326 :■■■■
闇城(やべえぇ・・・こんなの、もつわけがねえぞ!)ビリ、ビリ
バリン!
闇城「エ、、エンジェルアムドが・・・!」
緑川「不可視の装甲は砕けたようだな」
緑川「これで終いだ」ブンッ
闇城「グエハァアアアアアアアアアア!!」ズザザザザザ
闇城「」ピクピク
☆
闇城「痛え・・・痛えよ」シクシク
闇城「修行がこんなにつらいもんだとは思ってなかったぜ」グスン
緑川「男が何弱音を吐いてる。ほら、治療は終わった。また次行くぞ」
闇城「ま、まだやんのか!?」マジッスカ
327 :■■■■
緑川「お前の能力の弱点は連続する強打に弱いという点だ」
緑川「それを克服しない限りこのままだ」
緑川「お前は強くなりたいんだろ・・・ならこの程度でとどまっているわけには、いかん」
闇城「とは言ったってなぁ・・・それがもはや能力の特性みたいなもんだし。根性でどうにかなれば苦労は・・・」
闇城「つーかアンタ本当に無能力者か!? 絶対肉体強化系かなんかだろ!? 一撃の重さがありえねえ! 一応これでも機関銃の掃射くらいなら防げるんだぞ!?」
緑川「人というのは超能力に頼らずとも、無限大の可能性を秘めているものだ。そして俺は筋力の可能性を極めた・・・ただそれだけのことさ」
328 :■■■■
緑川「とにかく。お前にできることは防御面においては強度を上げる、もしくは」
緑川「装甲の再展開速度を上げるの二つに一つ」
闇城「装甲の再展開速度・・・?」
緑川「お前の能力は防御面においては不可視の鎧を自分の表面に張り巡らすものだろ?」
闇城「ああ・・・その解釈で間違いはねえ・・・と思う」
緑川「しかしその鎧は外部からの攻撃を受けるたびに摩耗し、許容限界を超えた時消滅してしまう。そうだな」
闇城「おうよ」
緑川「だとすれば。話は簡単。一撃の攻撃を受けるたび新しい鎧を作り、古いのは消していけばいい」
緑川「常に新しいものへと更新し続けることで、最高のパフォーマンスの維持が可能だ。そうすればそう安々とは打ち破られることもあるまい」
329 :■■■■
闇城「なるほど・・・その発想はなかった」
緑川「ちなみに今装甲の再展開速度はどれくらいのものだ」
闇城「うーんと、古い装甲の演算処理を並行しながら・・・新たな装甲を作り出す場合だと・・・」
闇城「大体三秒位か?」
緑川「遅い」ズバリ
闇城「いや、これでも頑張ってる方だと思うぜ!? だって意外と大変なんだぞ!!」ハイッ?
緑川「遅すぎる。せめて0.5秒にまで縮めろ」
闇城「いきなり少数第一位!? あんたスパルタすぎんよ!」
緑川「何をするにも拳で教えるのが一番だからな・・・では、それを意識してまた再開と行くか」
闇城「考えるな感じろ方式ですか・・・あー畜生わかったわかりましたわかったでござるよ! やりゃいいんだろ、やりゃあ!」
闇城(畜生このゴリラ・・・! お前の拳なんか全部防いでヒイヒイ言わせてやる!!)
330 :■■■■
☆ 数時間経過
闇城「うっ・・・もう。立てねえ」ボロ
緑川「ふむ。まあまあだな。これだけの短時間で0.8秒まで縮められれば上出来だ」
闇城「まだ0.5秒にゃ行ってねえ・・・というか・・・無理だろ」ガクッ
緑川「伸びしろはまだまだあるようだから。今はその成長に自信をもっていい」
闇城「あのさぁ・・一つ聞いてもいいか」
緑川「なんだ」
331 :■■■■
闇城「アンタの親戚かなんかに千住ってヤツいない?」
緑川「知らんな」キッパリ
闇城(なんか顔とか馬鹿力が似てるから、もしやと思ったが違ったか・・・)
緑川「さて、飯にでもするか」
闇城「飯って・・・もうしばらくはここから動けそうにないんですが・・・。一応言っとくと、ゴリラにおぶわれてファミレスに行くなんて羞恥プレイはゴメンだぞ・・・」
緑川「心配しなくてもいい」フッ
緑川「『見知らぬバカの稽古をつけてやってる』と言ったら、俺の知り合いが差し入れを持ってきてくれることになった」
緑川「ここでのランチタイムというわけだ」
緑川「お、噂をすればなんとやら。来たようだぞ」
??「・・・!」オーイ
>>332
誰?
332 :■■■■
333 :■■■■
美待王子郎「はっはっはっ! いや、またせてすみませんね。緑川先生」
緑川「こちらこそ悪いな・・・わざわざ差し入れなんか持ってきてもらって」
美待「いえいえ! 手助けもまた美しさ! 美の探求者としては当然なことをしたまでですよ」ハハハ
闇城(また濃い奴が来たなぁ・・・)
美待「さて、君が緑川先生の言ったいた見知らぬバカ・・・か」
闇城「・・・?」
美待「うっ・・・! かわいそうに」ブワッ
闇城「はっ? いきなりなんだお前!? 同情するなら金をくれ」
美待「これと言って際立ったところのない顔・・・まさに中の中の中。これなら幾分醜いほうがキャラ立てとしては幸せだったろうに。そう、緑川先生のように!」
闇城「テメエ・・・喧嘩売ってんのか」ピキピキピキ
緑川「美待はこういう奴なんだ。悪気はないから許してやれ」
闇城「許せるわきゃねえだろ! 失礼にも程があんぞ!? 三ゴリ川さんだって悔しくねえのか!?」
緑川「フッ・・・俺は、慣れっこだからな」
闇城(夕日に照らされた背中が哀愁を漂わせている・・・)
334 :■■■■
美待「自らを認めるのもまた美しさ。そういう意味では顔は残念でも美しいですよ緑川先生」
緑川「そうか・・・それはどうも」
美待「それに引き換え貴様は何だ? 自らを認めることもせず名乗りもしない。まったく美とはかけ離れた人間だな」フンッ
闇城「あぁ? お前はカーチャンから『人の名を尋ねるときはまず自分から』って習ってねえのか! 聞きたきゃお前から名乗れ」
美待「誰が貴様の名など。その粗暴な振る舞いから見るに、名もまた醜いものなのだろう・・・違うか?」フッ
闇城「合わねえな・・・絶対、俺にはお前を理解することはできねえ。今すぐにでもぶん殴りてえ気分だ」
緑川「先に・・・食ってるぞ」モグモグ
335 :■■■■
闇城「ぐぬぬぬ・・・」バチバチ
美待「むむむむ・・・」ビリビリ
緑川「・・・」ムシャムシャ
美待「フンッ! まあいいさ。今日のところはこれでかんべんしてやろう。許しを請う子羊に救いの手を差し伸べるのもまた美しさだからな」
闇城「・・・はぁ。なんかほんとに・・・だりい」
闇城「もういい。とりあえず、もらうぞ」ヒョイ
美待「きっさま・・・!! このワタシが作った料理に汚らしい手で・・・」ワナワナ
闇城「あっ、そう言えばおてふき忘れてたな」フキフキ
闇城「サーセンwww」
美待「」ピキ
闇城「ほら、何鬼のような形相で突っ立てんだ? 許しを請うなんちゃらを許すのもまた美しさなんだろ」ニヤニヤ
美待(この・・・! こっちが下手に出ればいけしゃあしゃあと!!)
美待(いや・・・これで怒りに飲まれれば奴の思う壺・・・)
美待(深呼吸・・・深呼吸)スーハー
336 :■■■■
美待「ははは。そうだね。じゃあ仲良くランチと洒落込もうか」ニコー
闇城(張り付いた笑みが不気味だ)
美待「さっきは失礼をしたね。ワタシは美待王子郎。緑川先生とは古い仲でね。こうしてたまに会うんだ」ニコー
美待「それで君は?」
闇城「俺は
闇城降魔。とりあえずレベルアップのためにこうして三ゴリ川さんに協力してもらってんだ」
美待「そうか。闇城君か。以後よろしく頼むよ」
闇城(今後関わりたくないランキング第二位なんですがアンタ)
美待「しかし辛くなかったかい? 相手は緑川先生だし」
闇城「まあな。この人手加減て言うものを知らねえから」モグモグ
337 :■■■■
美待「いやいや、そういう意味ではなくて」
闇城「?」
美待「こんな夏休みの真っ昼間から、ゴリラのような男と無個性な男だけで特訓を行うというのは! 華が一つもない!! こんなのワタシだったら苦痛以外の何物でもないよ!」
闇城「」
美待「だが安心し給え。ここにこんなにも美しすぎるワタシが来た! これでムサ苦しさから開放されるだろ」ハハハ
緑川(嫌味とかではない。純粋にこう思っているんだ。怒ってやるなよ)ヒソヒソ
闇城(無理! やっぱ無理いいいィィィ! こいつと一緒だとストレスで毛根が死滅するわ! ぶん殴りてえ!!)ヒソヒソ
緑川(仕方がない・・・話を逸らしてやるか)
338 :■■■■
緑川「そういえば、だ。美待」
美待「はい。何でしょうか」
緑川「>>339」
1 お前が麗しいといった女性、見つかったのか?
2 最近、風紀委員の活動の方はどうだ? うまくやっているか?
3 最近起こってる事件。そっちのほうで手がかりはつかめたか?
4 その他
339 :■■■■
2
341 :■■■■
緑川「最近、風紀委員の活動の方はどうだ? うまくやっているか?」
美待「ええ。それはもちろん。順調過ぎて怖いくらいですよ」ハハ
美待「実はですね・・・
三舟君なんか・・・でして・・・」ペチャペチャ
緑川「ほう・・・だな・・・しかし・・・」クチャクチャ
342 :■■■■
闇城(ほっ・・・どうやら三ゴリ川さんが引き受けてくれたようだ)
闇城(寡黙かとおもいきや意外と会話なれしてんだな)
闇城(あのナルシストと普通に会話なんてそうそうできることじゃないな)
闇城(ゴリラさんまじリスペクトしています)
闇城(っお、そろそろ体の自由が戻ってきた)ブンブン
闇城(・・・どうするか)
>>344
1 今日はもう帰る(七日目終了)
2 もういっちょ稽古
3 二人の話をただ聞きながらのんびりする
4 別の場所へ(どこへ行くか・何をするかも)
5 その他
344 :■■■■
4
路地裏で実力試し
能力風呂へ行く場合→7日目IF
345 :■■■■
闇城「あ! そういえば用事を思い出した」
美待「用事・・・?」
闇城「悪いけど、俺はここでおいとまさせてもらうぜ。三ゴリ川さん、サンキューな」
闇城「アンタも、偉そうなこと言うだけあって飯はうまかった」
美待「ハッハッハ。当然だ」
緑川「うむ。・・・またいつでも来い。訓練をつけてやる」
闇城「ああ。じゃあな!」バイビー
☆
闇城「・・・さて、早速試運転と行くか」
闇城「どれだけ通用するのか、力試しってな」ニッ
346 :■■■■
☆ 路地裏
闇城「ここに来るのは何日ぶりだ・・・?」ザッザ
闇城「ついこないだのことなのにずいぶんと昔に感じる。毎日のできことが多すぎるせいだな」ウンウン
不良A「・・・」ニヤニヤ
不良B「・・・ヒヒ」
闇城「しっかし、吐き気がするほど嫌な空気だ」キョロキョロ
闇城「ここは、息が詰まるな」
347 :■■■■
不良A「はぁ~い。お客さァン! 此処から先通りたきゃ通行料払ってもらわなきゃ」
不良B「俺達のシマだからな。俺達のルールに従ってもらわなきゃ、困るぜぃ」ヒヒヒ
闇城「こんな場所がシマとかよく言えるな、おい。もうちょっとマシな場所あったろ・・・」ハァ
不良A「通行料倍増~100万払ってもらうか泣いて土下座して睾丸ぶ千切られるのどっちがいい?」
闇城「馬鹿野郎! 俺の財布事情知ってんのか! 金ないくせに3万のシャケ弁おごったりプール行ったりで、もはや火の車ってレベルじゃねえぞ!」
闇城「お前らにやれるのはこれくらいだッ」エンジェルアムドー
不良A/B「ガハッ!!」
闇城「・・・うーん、この」
闇城「あんまり強くなった実感がしない」ガクッ
闇城「もうちょい強い奴が絡んでくるまで、ぶらぶらしてみるか」
348 :■■■■
☆ 1時間後
闇城「さて、絡んでくる奴は根こそぎぶっ倒していったけど・・・」
不良Z「・・・」ピクピク
闇城「どれも骨がない奴らだったな」ハァ
闇城「というか、なんかこれじゃ俺が悪役みたいじゃないか?」ギクッ
闇城「違うぞ。これは正当なる防衛だからな・・・その」アセアセ
闇城「――って、俺は誰に弁明してんだか・・・」
闇城「まあいいや。今日はもう帰ろう」トボトボ
??「待て」
闇城「・・・ん?」
>>349
誰?
349 :■■■■
ザイフリートさんで
350 :■■■■
闇城「ん? なんだ? というかアンタどこから・・・」
ザイフリート「そんなことはどうでもいいんだ。ただ私は一つあなたに聞きたいことがあるんだ。いいかな?」
闇城(こんなところに執事服着た長身男か・・・俺が言うのも何だが場違い感ハンパねぇ)
闇城(いつから路地裏は奇人変人びっくり箱になったんだ?)
闇城「いいけど、手短にな。俺はもう疲れたんだ。早く帰って寝たい」
ザイフリート「なら早速。お嬢・・・ゴホン。猫を見なかったか?」
闇城「・・・猫ぉ?」キョトン
351 :■■■■
闇城「見ちゃいねえよ」
ザイフリート「そうか、すまなかった。では」
闇城「ちょい待ち」
ザイフリート「何かな? あまり時間を食っている場合ではないんだが」
闇城「その猫の特徴は? 例えば黒猫とかミケ柄とか。ある程度分かればネット経由で迷子猫情報で調べられるけど」
ザイフリート「うーん、模様は気分によって変わるから・・・断言はできないんだ・・・済まない」
闇城「あんたのとこの猫はカメレオンか」
ザイフリート「いや。もしかしたら猫じゃないのかもしれない、今日はアザラシかも」ハッ
闇城「もはや動物なのかそれ? スライムを完成形とした実験体でも逃げ出したのか?」
352 :■■■■
ザイフリート「詳しくは言えないんだが、おそらく猫。黒猫の時が多いからもしかしたら今日も黒猫なのかも」ウーン
闇城「なんか中途半端に興味を持っちまったよ。その猫少し気になるな」
闇城「というか、あんたどっかで見た気がするんだが・・・」ジーッ
ザイフリート「と、とにかく知らなければそれでいい。手間をかけさせてしまったね。じゃあもう行くよ」ダッ
闇城「ちょい待ち」
ザイフリート「まだ何か? 先ほど言ったように急いでいるんだが」
闇城「前言撤回。中途半端に乗りかかった船だ。そのよくわからん猫も気になるし、探すの手伝ってやるよ」
ザイフリート「・・・むー」
闇城「なんだその複雑そうな表情!? そこは『助かるッ!』って言って感謝する場面っしょ!」
353 :■■■■
ザイフリート「いや・・・気持ちは嬉しいんだが」
ザイフリート(もし一緒に探すことになったら
お嬢様の魔術を見られてしまう可能性がある・・・)
ザイフリート(だが、人出が増えればそれだけで見つかる可能性は2倍・・・)
ザイフリート「そうだな、では頼むよ」
ザイフリート(今はこれが最適解かな。お嬢様には人目のつかないところで魔術の解除を頼むとしよう)
闇城「よし。決まりだな。とりあえず奥に進んでみようぜ」
ザイフリート「なぜ奥に・・・?」
闇城「ここの路地裏を抜けるとさ、野良猫野良犬がひっそりと暮らしている場所にでんだよ。そこに行ってみるのがまずは定石ってもんだろ」
ザイフリート「さすがは学園都市の学生。そう言った土地勘があると頼もしいよ」
闇城「ん? アンタは違うのか? 確かに見た目からして東洋人ではないけどさ」
ザイフリート「ああ、そうだね。色々あってここには最近来たんだ。ザイフリート=ヴォーツェル 。ドイツ人さ」
闇城「はぁ・・・わざわざそんな遠いところから・・・国際化を実感せざるを得ないな」ウンウン
闇城「俺は闇城降魔。しがない一般人。以上」
354 :■■■■
ザイフリート「ははッ。ただの一般人はこんな物騒な場所には来ないよ」
闇城「それもそうだな」プッ
二人「「はははははは」」
☆
闇城「っと、ようやく出たな。ようこそわん・にゃんランドへ」
ザイフリート「そんなほのぼのとした場所でもないでしょうに」
ザイフリート(ひどいな・・・まるでスラム街だ。世界の先を行く学園都市にもこんあ場所があるとは)
ニャーニャー ワンワン ニャーニャー ワンワン
闇城「どうだ? いそうか?」
ザイフリート「いえ。見ただけでは。しかし、ただの猫のふりをしてやり過ごそうとしている可能性もあるので一匹一匹吟味していく必要がある」
ニャーニャー ワンワン ニャーニャー ワンワン
闇城「げえ! この量をか? 朝になっちまうよ」
355 :■■■■
闇城「いかん。目眩が」クラッ
ザイフリート「・・・」セッセッ
ニャーニャー ワンワン ニャーニャー ワンワン
闇城「つーかもう仕分けてる!? 本当、よくやるよ・・・」
??「」ピクッ
闇城「ん? あそこの隅でなんか動いたぞ。黒猫の・・・耳だったような」
闇城「ちょっと、確認してみるか」ソーッ
闇城「!」
闇城「こ・・・こいつは!?」
>>356
その正体とは?
1 うわあああああ!! 猫耳つけた大男がいたぁああああ!!(黒にゃんその1)
2 金縞が入った黒猫じゃん。珍しいな(黒にゃんその2)
3 なんだ気のせいか・・・
4 その他
356 :■■■■
1を書きたいんですねわかりますw
357 :■■■■
闇城「」
ニャーニャー ワンワン ニャーニャー ワンワン
闇城「うわあああああ!! 猫耳つけた大男がいたぁああああ!!」
ザイフリート「どうしたんです? まさか見つかったのですか?」
闇城「いや、見つけたくないものを見つけちまったというか・・・心がどす黒くなるような負を見ちまった」ガクガク
黒井「なんだ、貴様ら。ここで何をやっている?」
闇城「喋った!? つーかそれはこっちのセリフだ!! 何でガチムチ黒ずくめの大男(身長195センチ)が完全武装(猫耳+尻尾)で女豹のポーズとってんの!?」
358 :■■■■
黒井「はっ? これを見てわかんねえのか」
闇城「すみません。わかりません」
黒井「なら教えてやろう。俺はついにリアリティを求めるようになったんだ」
ザイフリート「まったく脈絡なく始まった・・・」
黒井「俺はこのネコミミと尻尾で限りなく猫という獣に近づくことができた」
闇城「いやむしろ遠ざかっているよ! ライオンって言われたほうがまだ納得できるよ!」
黒井「だが、ただ形を模倣するだけでは意味が無いとわかったのだ」
黒井「だから、こうして猫の住まう場所に出向き、その修正や仕草、何から何までを頭にインプットした」
黒井「これでまた一歩、俺は黒猫に近づいたというわけだ・・・!!」ハハハ
闇城「な、なぁ・・・ザイフリート」
ザイフリート「なんです?」
359 :■■■■
闇城「お前の探している猫ってアザラシとかにもなれるんだろ? もしかしたらこの大男に化けてるって可能性は・・・」
ザイフリート「お嬢様を愚弄しているのですか。売られた喧嘩は買いますよ」ビキビキ
闇城「冗談だよ冗談! そう、一応可能性の話をしたまでだ」アセアセ
黒井「さて、ここにあったのも何かの縁だ」
黒井「貴様らにはこのネコ耳カチューシャをつけてもらおう」スチャ
闇城「なんの縁だよ!? というか前後のつながりなさすぎ!!」ハイッ!?
闇城「つーかいい年した男どもがネコ耳カチューシャつけてるなんてキモいだけだろ」
闇城「ネコ耳という時点で結構ひどいのに、それを野郎と組み合わせるのは『混ぜるな危険』だよ」
黒井「」ピクッ
黒井「おい、お前・・・今ネコミミをバカにしたか?」
360 :■■■■
黒井「ネコミミを馬鹿にするものは断じて許さん」メラメラ
闇城「えー・・・何か怒っていらっしゃる?」
黒井「その腐った根性叩き直してくれるわあああああ!!」ダッ
闇城(なっ・・・早)
ガギィン!
闇城「ッ――――・・・エンジェルアムド!!」
黒井「・・・バリアか?」
闇城(なんつー・・・威力! 三ゴリ川さん並か・・・それ以上だ)ビリビリ
黒井「ハッハッハッハッ!! 面白い!! ならばその装甲を打ち砕いて貴様にもネコ耳カチューシャを取り付けてくれるわッ!!」
闇城(今度は助走をつけて・・・! 間違いねえ! さっきの倍以上の威力を持った拳が飛んでくる!)
361 :■■■■
闇城(できればかわしたいが・・・パワーだけではなく、スピードもダンチだ)
闇城(安牌を選んだほうがいいよな)
黒井「おおおおおお――――ッ!!」ブンッ
闇城(もってくれよ・・・!!)
ゴォオオオオオオオオオオオ!!
闇城(ヤバイ・・・押されている)
闇城(このままじゃまたエンジェルアムドが強制解除され・・・)
闇城(新しく再展開したいが・・・こいつの拳は未だエンジェルアムドに触れている)
闇城(ラッシュの場合は拳が一度引く瞬間がある。そこを狙って張り替えることができるが・・・)
闇城(こいつの場合は重い一撃をずっと浴びせてくるタイプだ)
闇城(再展開のため・・・一瞬でもエンジェルアムドを解除したら)
闇城(新しく展開する暇もなくこいつの拳が俺の体を粉砕する・・・!!)
362 :■■■■
闇城(そうだ。ザイフリート。あいつなら俺を助けてくれんじゃねえか?)
闇城(こんなところまで探しに来てたんだ。無能力者ではないだろう)
闇城(ザイフリートッ!!)チラ
ザイフリート「まったく、こんなところにいたのですか。お嬢様」
黒猫「ニャーオ」
ザイフリート「ごまかしたって無駄ですよ。長い付き合いですから、私はわかっています」
ザイフリート「それでは帰りましょうか。あ、くれぐれもここで変身を解除しないでくださいよ」
ザイフリート「着替えは持ってきていないんですから」フフ
闇城(何あいつ悠長に黒猫と会話してんの!?)
闇城(つーか! さっきも思ったけどお嬢様ってなんだよ!! 執事願望が強すぎてただの猫がお嬢様に見えちまってんのか!?)
闇城(あ、待て! 勝手に帰っていくな! せめて恩返しってことで俺を助けてからにしろーーー!!)
363 :■■■■
ビッ・・・!
闇城「しまった・・・装甲が」
黒井「ぶち抜く!!」グッ!
黒井「うおおおおおおおおおおッ!!」
バギンっ!!
闇城「グエァアアアアアアアア!!」ドカバキグジャァアアアア
闇城「・・・がは」バタン
黒井「ん・・・やり過ぎたか?」
黒井「スマンスマン。ずいぶんと装甲の手応えがあったから全力を出しちまった」
黒井「ふむ、レア物のネコ耳カチューシャ(アメリカンショートヘア)をプレゼントするからこれでチャラということで」スチャ
黒井「おお・・・結構似合うんじゃないか? いずれまた会うときは獣耳衆に誘ってみるとするか」
黒井「よし。それではな」
闇城「」チーン
翌朝、激しい痛みとともに目が覚めた俺。
頭部に違和感を感じたが、なんとか学生寮へと帰ることができた。
その途中、通りすがるいろんな人が俺を見て笑っていたのは何だったのだろうか・・・
その理由に気がついた時には既に遅かった。
ネコ耳カチューシャなんかをつけて町中を放浪していたとは・・・
恥ずかしいを通り越して死にたくなった。
七日目。それはネコミミに対してのトラウマを埋め込まれた悪夢のような日であり、
修行したからといってその成果が確実に出るわけではないと教えてくれた厳しい一日だった。
補習最終日という祝うべき日なのにどうしてこうなった・・・
七日目 完
最終更新:2016年01月20日 19:37