【名前】鬼吉亜煌(キヨシ アキラ)
【性別】男
【所属】科学
【能力】仮面隣人(ノーバディノウズ)LEVEL3
【能力説明】
他人の自分(鬼吉)に関する記憶を改竄する精神系の能力。
初対面の人物に偽の記憶を植え付けて旧友のように取り入ったり、今の今まで親しげに話していた相手の記憶から自身の存在を忘却させるなど、自分に関する記憶ならば捏造も消去も思うがまま。勘が鋭く記憶の齟齬に違和感を抱く相手には、能力と併用して養父仕込みの巧みな話術でまんまと丸め込んでしまう。
能力の発動条件は対象の人物と3秒間、視線を合わせる事。視線を合わせる必要があるため、一度に対象とする事が出来るのは一人のみ。
能力名は仮面の裏の素顔を誰も知らないという鬼吉の自嘲が由来。
【概要】
明知中等教育学院二年一部クラスに在籍する男子生徒。生徒会執行部所属で、先輩の
神輿庭麒太郎が生徒会に顔を出すようになってからは彼によく懐いていると周囲に思わせているが、実際はとある目的のために彼に近づいている。
学院長
蕩魅召餌の養子『
星の仔ら』の一人にして私設部隊『
白夜部隊』の幹部構成員。作戦中のコードネームは『マスク』。任務は主に情報収集・陽動・撹乱など他の戦闘員のサポート役が多い。他の兄弟たち同様に置き去りの環境から自分を救い出してくれた蕩魅に心服しており、彼に忠誠を誓っている。
養父から密命を帯びており、生徒会の内情を把握するために平の執行部員として潜入している。生徒会に出入りし調査した結果、現状蕩魅の方針に異を唱える動きはなく、
副会長の裏の顔については一抹の懸念事項ではあるものの即時致命的なエラーとはなり得ないと結論付けようとした矢先、それまで幽霊会員だった麒太郎が生徒会に顔を出すようになる。
麒太郎については調査が不十分につき、能力と話術を駆使して情報を引き出そうと試みた。すると彼と学外の集団との間に繋がりがある事を知り、更に詳しく探るために休日の麒太郎の跡をつけると『
スタンティーク』という小さなサーカス団に行き当う事に。団長・
帝白紫天と養父・蕩魅召餌の因縁は知っていたので、帝白を要警戒対象と見做し自身の素性を伏せて裏方のスタッフとして『スタンティーク』に潜入した。
帝白が明知の現状を憂慮し密かに探りを入れている事を逸早く見抜いた鬼吉は、帝白自身による直接的な干渉を抑止するために麒太郎を焚き付け、首尾良く二人を衝突させた。表向き帝白の干渉を阻止する事には成功したが、麒太郎という新たな懸念材料を生み出してしまったのは後に大きな誤算だったと気づく事になる。
鬼吉にとってそれ以上に問題だったのは、任務で潜入している筈の『スタンティーク』に蕩魅や兄弟たちとの関係とは別の居心地の良さを感じ始めているという事だった。これ以上の潜入任務は蕩魅への忠誠心が揺らぐ危険があると悟った彼は、いつか心を開いてくれるだろうと期待していた帝白の希望を裏切り、団員たちから自身についての記憶(麒太郎などの明知生団員からは『スタンティーク』での鬼吉についての記憶)を消し去り、写真などの痕跡を可能な限り処分して退団した。以降はそれまで通り、生徒会執行部員として麒太郎に懐く後輩を演じながら情報収集を続けている。
麒太郎を慕い行動を共にする様は一見まだ子供っぽい印象を受けるが、その本性は養父である蕩魅を模範としているあたり非常に狡猾であり、状況に応じて仮面を付け替えるようにいくつものキャラクターを演じ分ける事が出来る。
置き去り時代に辛い経験をしたのか、同じ境遇の仔らを本当の兄弟、『家族』だと思っている。中でも同じ施設にいた
友佐叶依を強く慕っており、それは彼女が『姉』となった今でも変わらない。仔らに与えられる密命はその内容を互いに共有出来ないため、自分の身を案じてくれる友佐に『白夜部隊』の事も『スタンティーク』に潜入している事も話せない。そのもどかしさを誰も知らない仮面の下に隠し、養父の理想のためーーーそして『家族』の幸せのために自分に出来る事をしようと、明知の小鬼は学院の裏で暗躍を続ける。
【特徴】
身長158cm、体重48kg。元は貧弱な体型だったが、部隊や兄弟たちに揉まれているうちに少しずつ逞しくなった。
オレンジ色のボサボサ頭は根本が黒く、地毛は黒髪だと分かる。前髪をヘアゴムで括り上げ、よくおでこを出している。
私服は良家の御曹司のようなフォーマルな装い。だが半ズボン。
任務中は黒を基調としたスポーティな格好。そして半ズボン。髪の毛をフードで隠し、デフォルメされた鬼面を被る。ピストルを携帯しており、家族以外に引き金を引く事に躊躇いはない。
【台詞】
「非道いなぁ、先輩。ぼくの事を覚えてないだなんて、悪い冗談はよしてくださいよ。ぼくと先輩は昔からの仲間、友達じゃないですか。おや?ようやく思い出してくれましたか?良かったぁ、先輩が頭でも打ったんじゃないかと心配しましたよ」
「キタロー先輩、待ってくださいよ。そんなに急がなくても開演の時間には間に合いますってば。まぁワクワクするのも分かりますけどね、ふふ。……またまたぁ、とぼけちゃって。そんな悪ぶらなくてもいいのに」
「ごめん、叶依姉さん。譬え姉さんでもお父様からの密命の中身は教えられないよ。ぼくなら大丈夫だから、心配しないで。危ない事なんて……してないから」
「ここらが潮時だね。ここはぼくの居場所じゃない、そんなのは分かってた筈なのに。これ以上
団長達といると、ぼくがぼくでなくなってしまう。それを心地良く感じる自分がいる事が、どうしようもなく堪らないんだ。だから、ここで断ち切る。あなた達と共に過ごしたぼくは、消える。……そう、それだけの話」
【SS使用条件】
特になし