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早野教授らの福島の内部被ばくWBC調査ー「99%の人が不検出」検出された1%も平均10Bq/kgー 2013.4.11
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関連:福島県三春町小中学生のWBC検査について http://togetter.com/li/487141
※適宜内容が更新される可能性があります。訂正や指摘などがありましたら、掲示板にてお知らせください。
[プレスリリース] 福島県内における大規模な内部被ばく調査の結果
— 福島第一原発事故後7-20ヶ月後の成人および子供の体内セシウム量 —
http://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/press/2013/13.html
http://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/press/2013/13.html
[時事通信]セシウム、99%で不検出=内部被ばく2万人調査-福島など「食事に気配り」・東大
東京電力福島第1原発事故で土壌が汚染された福島県などで昨年、約2万2000人の内部被ばくを調べたところ、99%でセシウムが検出されなかったことが11日、分かった。早野龍五東京大教授らが日本学士院紀要に発表した。
調査では、チェルノブイリ原発事故で土壌が同程度に汚染された地域に比べ、内部被ばくの度合いが100分の1程度と低いことが判明した。早野教授は、▽土質により農作物が放射性物質を取り込みにくい▽食品の検査が適切に行われている▽住民が食事に気を配っている-ことが要因と分析、「食品や内部被ばくの調査を続ける必要がある」としている。
早野教授は福島県内の病院と共同で2012年3~11月、検査機器「ホールボディーカウンター」を用い福島県や茨城県の住民を調査。99%で、セシウム137の値が検出限界(全身で300ベクレル)を下回った。残り約1%の212人は、平均で体重1キロ当たり約10ベクレルが検出された。15歳以下の子どもに限れば、検出率は0.09%だった。(2013/04/11-00:15)
新聞各社の報道
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福島で内部被曝の大規模調査「99%の人が不検出」検出された1%も平均10Bq/kg
by 管理人
東大の早野龍五教授らのグループで行われていた福島県内における大規模な内部被ばく調査の研究が発表されました。この調査では、ホールボディカウンターという計測機械を使い一人ずつ体全体の内部被曝量を計測。「99%の人が不検出」で、検出された1%の人も平均で10Bq/kgという結果がでました。
※この検査の検出下限は300Bq/人。300Bq/kgではないので注意。1人当たり体内全体で300Bq。(例えば30kgの人なら10Bq/kg以上、60kgの人なら5kBq/kg以上から検出可能)
摂取量一日約0.3Bqを裏付ける結果
別トピックなので日本語抄訳では触れられていないようなのですが、今まで早野教授が中心に行なってきた「食事からのセシウム摂取量の調査」の内容と一致します。つまり、bold(){平均的な福島県民の食事によるセシウムの摂取量は一日あたり約0.3Bqで微量}という結果と整合します。農家の生産時の対策、そして検査や流通の体制が上手く機能していることを証明する結果となりました。
福島県内の米や野菜を食べ続けても僅かな内部被曝
三春町の小中学生の食材の実態は、「米は約60%の家庭、野菜は約20%の家庭で、地元または自家産を常食」とのことです。
http://twitter.com/hayano/status/322086455784648704
http://twitter.com/hayano/status/322086455784648704
ここでわかること:農産物の安全性
つまり、福島県内の農産物の安全性、信頼性が証明されたと考えます。このWBCの結果を見る限り、福島県民に食事由来の内部被曝による発がんリスクは(実質)ないと判断していいのではないかということです。
また、流通においても農産物は100Bq/kgというEUに比べて1/5という厳格な放射性物質検査を行なっており、その、ほとんどの農産物でセシウムが不検出となっていますので、当然とも言えます。
※この食品検査については別途まとめる予定です。
※この食品検査については別途まとめる予定です。
また、別の視点で見てみます。
過去のセシウム内部被曝との比較
※核実験時代(1970年代)の日本人の内部被曝は以下のとおり。事故後の福島県民の内部被ばくは「過去の核実験時代より少ない」ということができます。
http://www47.atwiki.jp/info_fukushima/pages/89.html
http://www47.atwiki.jp/info_fukushima/pages/89.html
早野龍五氏を中心とする「福島県の食品由来の内部被ばくが、予想よりも大幅に低いことを示す論文」公開
早野龍五氏を中心とするグループの査読付き論文が2013年4月11日付で発表されました。※日本学士院の英文査読付き論文
【福島県内における大規模な内部被ばく調査の結果 ― 福島第一原発事故 7–20 ヶ月後の成人および子供の放射性セシウムの体内量 ―】
日本語訳はこちら
日本語抄訳PDFを読むためにはGoogleドキュメントなので読むためには(たぶん)アカウント必要。
ダウンロード方法:左上の「↓」をクリックするとPDFでダウンロード可能。
ダウンロード方法:左上の「↓」をクリックするとPDFでダウンロード可能。
概要
福島第一原発事故は、福島県内の土壌を放射性セシウムで汚染した。チェルノブイリ事故で得られた知見をそのままあてはめると、福島県県内の人口密集地で、年に数 mSv を超える内部被ばくが頻出することが懸念された。
しかし、ひらた中央病院で 2011 年 10 月から 2012 年 11 月に行った 32,811 人のホールボディーカウンター検査結果は、住民の内部被ばくが、この予想よりも遙かに低いことを明らか にした。特に、2012 年秋に、三春町の小中学校の児童生徒(1383 人:在校生の 95 %)を測定 したところ、全員が検出限界未満(< 300 Bq/全身)であった。これは「サンプリングバイアス」が無い測定で、住民の内部被ばくが低いことが示された初の結果である。この結果は、福島県全県を代表するものではないが、福島県や、県内自治体でこれまでに得られた結果等と矛盾しない。
資料:日本語抄訳の独自の要約
チェルノブイリ事故を元にした土壌からの経口摂取被曝量の予想
UNSCEAR1988 報告によれば、ヨーロッパ成人の平均的な預託実効線量の係数は20、つまり『土壌汚染 1 kBq/m2 → 内部被ばく 20 μSv/年』。今回の福島市などの100 kBq/m2 の地域では事故後最初の一年間の経口摂取被曝量は平均で 2 mSv/年 と予想。
10万人以上の福島県WBC計測でわかった【予想よりはるかに低い内部被曝】
しかし測定結果は予測に反して低かった。福島県が2011 年 6 月から始めた WBC 測定。 10万人以上の住民を WBC で計測し受診者の99.9% がセシウム 134、137 両方の預託実効線量を足しても 1 mSv に届いていない。

1)ひらた中央病院でのWBC検査
FASTSCAN による 2 分間測定
検出限界 300 Bq/全身(セシウム 134、137 ともに)
2011年10月17日∼2012年11月30日の期間に総数32,811人
福島県民が 73 %、茨城県民が 23 %
検出限界 300 Bq/全身(セシウム 134、137 ともに)
2011年10月17日∼2012年11月30日の期間に総数32,811人
福島県民が 73 %、茨城県民が 23 %
体内セシウム量が高かった人は天然キノコやイノシシを日常的に摂取
ひらた中央病院でセシウム137が最多の4名(高齢の方)は未検査の天然キノコや猪、川魚を日常的に摂取。また汚染食材の摂取を控えることで生物学的半減期に沿ったセシウム量の現象が確認済み。 http://t.co/nnEqSnclpt


それでも低い体内セシウム量。高かった人でも約1mSv/年程度
※最も高い方であっても、その実効線量は約 1mSv/年程度であり、前述のチェルノブイリ事故後の係数を用いた予測値よりも低い。
注意すること:サンプリングバイアス
ただし、この、ひらた中央病院におけるWBC検査は「十分に食材に注意を 払った住民の、自主的な要望による WBC 検査」という、強いサンプリングバイアスによって得ら れている可能性は否定できない。
2)三春町によるWBC検査 町内の小中学生の95%を計測
サンプリングバイアスがない調査
三春町における WBC 検査 –サンプリングバイアスのない検査による結果:ひらた中央病院では、三春町の小中学生ほぼ全員を対象に、これまで 2 回の WBC 検査を行っ ている。これは、検査対象に行動や食習慣の偏りのほとんどない、サンプリングバイアスフリーな データ。
検査を受けるべき対象全体の 95 % をカバーするという、サンプリングバイアスがない状況で内部被曝が非常に抑えられたことがわかる。
検査を受けるべき対象全体の 95 % をカバーするという、サンプリングバイアスがない状況で内部被曝が非常に抑えられたことがわかる。
三春町の小中学生のホールボディーカウンター検査結果
第1回2011年冬の測定ではセシウム137検出者54人。2012年冬では検出者はゼロ。


セシウムが検出された人のその後
第1回2011年冬の測定でCs137検出者のうち2012年秋も再受診した40人の体内セシウム量のグラフ。第2回では全員検出下限値以下。(54人の中の14人は卒業して二回目受診しなかった)

40名全員が検出下限(300Bq/kg)以下になったことがわかる。
結論的なことと、今後について
チェルノブイリ事故後、同等の土壌汚染からの内部被曝移行があると仮定した予測、数mSv/年の予想より極めて低い内部被曝量ということが示された。特に三春町の調査では小中学生95%対象であるためサンプリングバイアスの無い内部被曝評価である。これらのデータは福島県の一部が対象だが県内の他のデータと概ね一致する。また日常食からのセシウム摂取が低いという他のいくつかの陰膳調査とも一致。いずれにせよ食品の検査・スクリーニングおよび WBC検査は、福島県において継続される必要がある。
(ここまで、管理人が日本語抄訳を独自に要約しました。問題のある点を見つけた方は掲示板までご連絡ください)
資料:早野氏のツイート 2013.4.11
hayano: ↓ 福島県の食品由来の内部被ばくが低いことを30000人規模のホールボディーカウンター検査結果から明確に示した早野坪倉宮崎論文です http://t.co/qCmBoNod10 日本語抄訳をこちらにて公開 → http://t.co/7OCOXt1rOj [http://twitter.com/hayano/status/322081164355584000]
hayano: 福島県の食品由来の内部被ばくが,チェルノブイリ事故で知られている土壌汚染と内部被ばくの相関から予想されるよりも大幅に低いことを示す論文を坪倉先生,宮崎先生とともに書きました.本日日本学士院の英文査読付き論文として公開されました→ http://t.co/qCmBoNod10 [http://twitter.com/hayano/status/322080501848489984]