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整備士猫妖精テスパイの設定文 - (2008/03/28 (金) 10:04:54) のソース
試作機の操縦性能[[テスト]]が始まる。 訓練を重ねてきたテストパイロットがレザージャケットにヘルメット姿で格納庫に到着すると、中では技術者たちが試験機の最終チェックを終えていた。 検査項目がリストアップされたバインダー片手に操縦席に乗り込み、テストの手順を確認していく。 「派手に動かす気で行くけど、大丈夫だよね?」 「そのためのテスト。むしろ壊すぐらい限界まで引き出してやって欲しいものだよ」 「こいつの成長如何はテスパイの腕次第、ですか。それはまた責任重大だ」 「当然だろう」 駆動音を響かせながら試作機がテストコースに出る。その試作機が広く活躍するために、テストパイロット達は自分の技術向上を欠かさない。 子どもに聞いた将来なりたい職業は 三位忍者(世界含む) 二位大魔法使い 一位テストパイロット ゴロネコ新聞社調べ [[ゴロネコ藩国]]は多くの国土を森に囲まれている、藩国の古い考え方に木々の上は空であるという考え方がある。 その考えが薄れたいまでも、子どもたちは木より上の世界にあこがれテストパイロットになり木々の上の世界に行きたいと思う子は多い ゴロネコのテストパイロットの日常は過酷だ。 まず分厚いマニュアルを読み込むことが要求される。 「うーんうーん・・・覚えることが多すぎて覚え切れねー・・・」 「覚えないと壊すと思うけど?」 「壊したら自分で直すけどなあ・・」 「試作機だから作った人、きっと怒るよー?」 「うーむ・・・」 彼らは自分たちで整備もするため、実のところ事故をあんまり怖がっていない。 壊れたら自分で直そうとするところが彼らの特徴である。 そして今日もまた、試作機のI=Dを動かそうとしていた。 飛行型のI=Dのようである。 「I=Dで空を飛ぶのはフェイクトモエ以来だなあ。すげー楽しかったな、あれ」 「これもそんな楽しい機体になるといいですね」 彼らは常に限界を追い求める。 その限界ぎりぎりのデータをもって、一般パイロットにどこまで操縦できるよう決めるためである。 彼らが乗る試作機は基本的にかなり不安定であり、しかしながら最高性能をたたきだせるようになっているのである。 「うひゃー、これすげー。空の果てまで行っちゃおうぜー」 「無茶言わないでください、限界高度を守ってください」 「限界を引き出すのがテストパイロットだろうがー」 そして、試作機ゆえに、いろいろなトラブルに見舞われる。 だが、そこから何とかしてリカバーし、生きて帰るのも彼らの重要な仕事である。 「さーて、急降下試験も完了、と」 「そろそろ姿勢を戻してください、街に突っ込みますよ」 「おう。・・・・あれ??」 「どうしました?」 「エアーブレーキが効かない」 「え?・・・・どどどど、どーするんですか、まだ死にたくないですよ!!!」 「あわてるな、こういう時あわてるやつが真っ先に死ぬ。大丈夫、何度もあったことだ」 テストパイロットには常に冷静な観察眼が求められる。 それは試作機の利点と欠点を見出すためであり、不慮の事故にもすぐに対応できるようにするためでもある。 それが試作機を操り、性能を引き出し、そして事故から生き残るために重要だと、彼らは知っている。 「しかし、エアーブレーキが効かなくてもかなり減速ができたな。こいつの航空特性は結構対したもんだ」 「こんなときまで冷静にチェックしないでくださいよー」 「結構速度は殺せた。あとは民衆に被害が出ないところに降ろすだけだ」 「落とすの間違いでは」 「そうとも言う」 そして、今日の彼らは、ゴロネコ王城に突っ込んだ。 謁見の間の近くであり、そこでは榊聖陛下と摂政のYOT、雑賀有が執務をしていた。 何とか人的被害だけは出さないように考えていた。 事故から生還するのも彼らの仕事である。 できるだけ壊さないように、できるだけデータを持ち帰り、良い点、悪い点を指摘し、 開発者にフィードバックする。 「まあ、あれだな、猫妖精の身軽さはこういう時生きるよな」 「まずは事故を起こさないのが一番だと思いますよ?」 「そこはそれ。限界ぎりぎりまで試すから事故が起こるんだよ」 「ものは言いようですね」 寸前でコクピットから脱出し、機体の上に落ちた彼らは、摂政雑賀有より叱責を受ける。 これもまた仕事である。 「二人ともそこまでストレス溜まってたんですか…だからと言ってこの解消法は今後一切禁止します!」 (文:ウル・アム・エスト)