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  • 【ジェットアローンで使徒を殲滅せよ】まとめ@ ウィキ
  • 第拾七話

【ジェットアローンで使徒を殲滅せよ】まとめ@ ウィキ

第拾七話

最終更新:2021年07月10日 14:39

Bot(ページ名リンク)

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だれでも歓迎! 編集
454 :199-200 ◆/Pif9px8OM :2006/06/14(水) 22:34:39 ID:???
NERV内、廊下。

「JAのほうはどうだって?」

時田はリツコからの資料を見ながら、先ほどまで第二研究所に電話をしていた加藤にたずねた。

「あと3時間ほどもあれば修理は終わると言ってました」
「3時間だって?随分と早いんな」
「どうやら先の制御不能のトラブルの原因はは制御用コンピュータにあったようです。
 吹っ飛ばされた衝撃でSSメモリーが全部飛んでしまったとかいう話で・・・」
「・・・そうか!それで各種モニタにも異常が現れたわけか」
「えぇ、JA自体は、胸部装甲板の融解だけですから、メモリ差し換えて、装甲板を換装すればまたすぐに実戦に出れるとのことです」

すでにNERVは、作戦の具体的検討に入っている。リツコとマヤはMAGIを用いた計算をするため、技術部へと向かい、
第二分析室に残った日向とミサトは使徒を確実に殲滅するための作戦立案を始めている。

「では加藤、悪いんだが、第二に戻って作戦の概要と修復作業の指揮をとってくれないか?」
「え?自分がですか?主任はどうするんです?」
「あぁ、俺はここに残って葛城さんや赤木さんたちとともに作戦立案に参加する。
 もしかしたらJAを助け、かつ目標を殲滅するいい方法があるかもしれん。もちろん、こちらから逐次連絡は入れる。」
「分かりました。指揮を執りに第二に戻りますね。・・・それから、時田さんの考えも皆に伝えておきます」

時田の考え――すなわち、決して死者を出さないこと。
JA喪失の可能性のある今回の作戦の概要を、第二で待機している日重工技術者たちに伝えれば、必ず反発はおきるだろう。
だが、それでも、エヴァにはパイロットが乗っているのだ。どうしても、今回だけは彼らを納得させなければならない。
きっと自分の熱意、考えは伝わるだろう、という確信の下での作戦参加の独断。
日重工とNERVという大きな組織がきちんと一つにならなければ、今回の作戦は成功しない。
組織を引っ張る者として、それをひしひしと感じている時田だからこその決断であった。

「じゃぁ俺は葛城さんのところに戻る。あとは、頼んだぞ」
「任せてください」


455 :199-200 ◆/Pif9px8OM :2006/06/14(水) 22:40:35 ID:???
再び第二分析室。

「分析した結果、目標の射程は約5km。 当然、これ以上の射程を持つ可能性も考えられますが、
 敵の攻撃手段が加粒子砲である以上、ある程度距離をとれば、自然とその威力は減衰します」

スクリーンに映るデータを見ながら、日向の説明を聞くミサトと時田。
ミサトはあごに手をあて、何かを考えている。時田もJAの電源部の配線を頭のなかで考えていた。
と、突然ミサトが時田のほうを向き、問いを投げかける。

「・・・時田主任、ジェットアローンには、N2リアクターが内蔵されているとのことでしたね。最大発電力はどの程度でしょうか?」
「本来、通常稼動であれば50万kW(キロワット)ですが、高機動モードで冷却性能を最大に引き上げれば200万kW、
 最大瞬間出力で250万kWまで出せるように設計してあります。
 無論、そこまでの実験はリアクター単体でしか行ったことがありませんが・・・」
「分かりました。日向くん、第3新東京市の最大発電力は?」
「太陽光発電、地熱発電、外部からの電源供給もあわせて、せいぜい1GW(ギガワット)、つまり100万kWが限界ですね」
「すると、おおよそ計300万kW、か。これをうちのエヴァ専用陽電子砲、円環加速式試作20型にもってくれば・・・」
「無理よ、葛城一尉」

突然の否定の声。開いたドアから現れたのは、NERV技術部部長、赤木博士である。

「どういうこと?」
「たった今、MAGIでの計算結果が出たわ。これを見て」

スクリーンには、MAGIから送られてきたデータが映し出される。

「目標のATフィールド突破に必要なエネルギーを換算してんだけど、ざっと、単位面積あたりで
 秒間180GJ(ギガジュール)ものエネルギーが必要なのよ」
「なんですって?」「赤木博士・・・それは本当ですか?」

単位面積あたり毎秒180GJ、すなわちそれは単純に電力にすれば1億8000万kWにも達する。
さきの300万kWなどという発電力では到底間に合わない。



456 :199-200 ◆/Pif9px8OM :2006/06/14(水) 22:44:07 ID:???
「ATフィールドは常にそのAT場を維持するためのエネルギーを供給するわ。
 単純な高エネルギー収束帯をぶつけたところで、秒間180GJの壁を越えなければ突破できないのよ。」
「ちっ・・・」「なんということだ・・・」

絶対恐怖領域、ATフィールド。まさか、これほどまでとは、時田も予想だにしていなかった。
だが、ミサトは驚いた風を見せずにリツコに質問する。

「では、長時間かけてライフルの電磁チャンバーで大量の陽電子を生成を行い、一気に発射する方法は?
 60秒あれば1億8000万kJ(キロジュール)分は生成できるはず・・・」
「それも無理よ。うちの陽電子砲じゃそこまでの大出力には設計されていないわ。
 だいたいあれはまだ試作段階、今のところ有効射程が4500mなのよ?陽電子の対消滅による減衰も考えれば、
 所要エネルギー量はもっと必要だし、そもそも180GW(ギガワット)というのは単位面積あたりでの話よ。
 長距離からの射撃で1平方メートルの範囲内へビームを収束させるなんてMAGIを使っても不可能よ」

沈黙がおりる。リツコが示したデータ。それは彼らに絶望を突きつけた。
仮に使徒が侵攻する前にポジトロンライフルを完成させたとしても、60秒以上の充電が必要となれば、
無論、誤射は許されなくなる。外せば第二射撃までに、囮り、射手ともに使徒の加粒子砲の餌食だ。
犠牲者を出してもいいのであれば、もとより近接戦闘による白兵戦がベストなのだ。
これでは長距離射撃の意味がない。


457 :199-200 ◆/Pif9px8OM :2006/06/14(水) 22:50:44 ID:???
と、そのとき、時田がひらめく。

「あの・・・戦略自衛隊技術研究部の陽電子砲を借りてはどうでしょうか?」
「戦自研!? もしかして・・・!」
「そうです。彼らが開発中の自走陽電子砲プロトタイプは、大出力の射撃を前提とした大型兵器だったはず」

日重工と戦略自衛隊の技術研究部は、今までにも様々な兵器の共同開発や研究を行ってきた。
先日、時田が読んだ戦自研からのレポートに陽電子砲開発の一報がのっていたのだ。

「リツコ、それならどう?」
「そうね、砲身が耐えられるのであれば、不可能ではなくなるわね」

ミサトは思わぬ助け舟に驚き、問いかけられたリツコも相槌をかえす。
が、まだリツコは納得したわけではない。

「ただ、それでも、まだ電力供給の問題が残ってるわ。かなりの大電力が必要なのよ?
 NERVとJAのリアクターだけでは、短時間での陽電子装填は無理に近いわよ」

リツコの厳しい指摘に対し、ミサトがニヤリと不敵な笑みをこぼす。

「日本中・・・から集めたら、どうかしら?」

残り8時間27分。
史上最大の作戦が、今静かに動き始めようとしていた。







458 :199-200 ◆/Pif9px8OM :2006/06/14(水) 23:07:14 ID:???
発令所に向かうミサトとリツコ。

「それにしても無茶な作戦を立てたわね?」
「そう?無茶でも無理ではないわよ。残り8時間以内でやれる作戦だもの」
「頭の固い戦自研がよく陽電子砲の徴収に応じたわね?いったいどうしたの?」
「癪だけど、彼よ、日重工の時田主任。彼が掛け合ってくれたおかげでこっちも助かったわ」
「また借りが増えたんじゃないの?」
「なぁに言ってるの、今はアタシの指揮権下。部下を有効に使えなきゃ上司は務まらないわ」

すでに陽電子砲は戦自研本部のあるつくば市から空輸されてNERV本部へ向かっている。
NERVも技術部の総力をあげて送電システムの構築に乗り出した。
日重工もJAの修復作業に全力を挙げている。

「それで、MAGIはなんだって?」
「あら、もう作戦を始めてるのに、いまさら聞くの?」
「まぁね、いちおう」
「・・・賛成2、条件付賛成が1よ。勝算は8.7%」
「あら、高い数値じゃない?」
「・・・貴方ってほんとに楽天的よね」

発令所に到着する二人。発令所内はいつもとは違って非常にあわただしい。

「考えて見れは、NERV初の実戦が、想定していたエヴァによる近接戦闘じゃないとは恐ろしいわね」
「そうかもね。だけど、ようは勝てばいいのよ、勝てば。使徒殲滅のためには手段を選んでる場合じゃないわ」
「最近、貴方のあの農協ロボへの偏見が減ったのはそのせい?」
「断じてないわよっ。あれは、私の部下なの!」
「はいはい」

彼女達の手前ではオペレータ達が忙しそうに端末をたたいている。
青葉は送電システムの構築とシミュレーションを、マヤはエヴァの狙撃システムのプログラミング中だ。
日向は狙撃地点に適当なポイントをMAGIで検索している。
初の実戦ということで、皆気合は十分だ。

460 :199-200 ◆/Pif9px8OM :2006/06/15(木) 00:38:57 ID:???
NERV本部内B-09ブロック、シルバーベル。
旧東京駅の待合場にならって名付けられたこの場所は、NERV職員にとって憩いの場所でもある。
飲料やインスタント食品、各種栄養ドリンクの自動販売機や、守秘回線を通して外部への通信が可能な公衆電話も備えている。

「・・・もしもし、俺だ」

第二研究所に戻るため、地上に向かっていた時田は、とりあえず帰還する旨と状況を把握するために、
ここの公衆電話から第二研究室へ連絡を入れることにした。

『あ、時田主任ですか?』
「そうだ。加藤につないでもらえるか?」
『分かりました、ちょっと待ってください』

事務の女性の声に変わって、保留のメロディが流れる。

『はいもしもし?』
「加藤、状況はどうだ?」
『あ、主任でしたか!え、はい、あ、状況ですね。順調そのものですよ!すでに胸部第三装甲板の換装に入りました!』
「そうか。・・・それで、皆は納得してくれたのか?」
『えぇ、もちろん。もう皆時田さんの考えには同意ですよ。ちょっと盾が使われるのが惜しいですけど仕方ないですよね』
「まぁ盾ならすぐに新しいものが作れるだろうからな。」
『あ、でも・・・』
「どうした?」
『実は第一研究所が騒ぎまして・・・今からJA改を完成させるとか躍起になってるんです』
「なんでまた、そんな急に・・・」
『JA-1が大破するという噂を聞きつけたらしいんですよ。』
「それにしてもやりすぎだ。まだ大破すると決まったわけじゃない。今から徹夜しては業務運営に支障が出る」
『とはいっても・・・第一の連中は皆そういう人ばっかですからね。努力、熱血、ど根性!だけですよ、彼らは』
「・・・まぁいい。もう少ししたらそちらに戻る。それまで頼むぞ」
『はい』


461 :199-200 ◆/Pif9px8OM :2006/06/15(木) 00:51:50 ID:???
――ガチャン

受話器をおろし、そのままエレベータホールに向かう。

―― カタ、カタ、カタ、チンっ!

エレベータの扉が開く。と。

「ふ、冬月教授!」
「おや、時田くんかね」

意外な人物の登場に面食らう時田。

「まぁ乗りなさい。扉が閉まってしまう」
「あ、はい」

―― カシュー   ・・・カタ、カタ、カタ、・・・

「君に逢うのは久しぶりだな。今回、ジェットアローンは狙撃主の防御を担当すると聞いたが」
「はい・・・」

時田の返事は弱弱しい。かつての憧れの存在の前に、弱さを見せてしまう時田。

「君にしては暗いな。やはりJAが大破するのを危惧しているのかね?」
「いえ、・・・それもあるんですが、それ以上におとり役のエヴァがいると聞いて・・・
 そちらのほうが当然危ないと思うんですよ。だから何とかJAが代わりたいんですが・・・」
「だが、君達のJAには機動力の問題があり、解決しようとすれば給水チューブの問題がある」
「そうなんです・・・」
「今回の作戦において、狙撃にはある程度の時間が必要と聞いている。もし、その間に敵の攻撃があれば、作戦成功は難しい。
 敵の注意をひきつける役も必要なのだよ。おとり役には君達が設計した盾を持たせるのだろう?
 エヴァにはATフィールドもある。そう危惧することでもあるまい」


462 :199-200 ◆/Pif9px8OM :2006/06/15(木) 00:53:45 ID:???
「えぇ、まぁ・・・例えばですよ、教授、エヴァはおとりをせずに我々のJAが盾を持ち狙撃主のエヴァを防衛する方法はダメなのでしょうか」
「葛城くんからはその方法も提案されたよ。だが、そうすれば君達はもろに使徒の加粒子砲を食らう事になる。
 長時間の攻撃を受ければ盾も融解し、JAもエヴァも共倒れになる可能性が高い。事実、MAGIもそう判断した」

冬月は話しながらエレベータの回数表示を見つめている。そろそろジオフロント内の地表に出る。

「ではJAが狙撃を担当し、エヴァ2体のATフィールドと盾で防御、危険な状態になったらエヴァだけでも退避という方法は・・・」
「それも葛城くんが既にMAGIで検証済みだ。もっとも真っ先にそれを考えていたようだが・・・。
 だが、そもそもJAには長距離狙撃ができるほどの精度は持ち合わせていないのだろう?
 結果として、失敗すれば我々は使徒を殲滅する決定的チャンスを失う事になる。
 もし万が一、使徒がジオフロント内に侵入すれば、遠距離からの攻撃はより困難になってしまうからな」
「・・・しかしっ・・・」
「君の熱意は分かる。だが、ときに軍隊というものは任務達成のためにある程度の犠牲は考慮しなければならないのだよ。
 大切な事は、犠牲をどれだけ少なく出来るか、あるいはどれだけ小さな被害にとどめるか、ということだ。
 もちろん、私は葛城くんとは違って従軍経験はないし軍人出身でもない。だが、それが世界を守る最も合理的手段なのだよ」
「・・・」

エレベータの中を沈黙が包む。と、冬月が口を開く。

「私の好きな言葉がある。――”人の歩みを止めるのは、絶望ではなく諦めだ”
 時田君、君はまだ諦めるには早い。私も確信をもっては言えないが、君なりの答えが必ずあるはずだ。
 前にも言ったかな。早急に否定をする事は我々の信ずる科学に対する冒涜だ、と」

それは第三使徒線直後、戦闘報告会議での冬月からの言葉。それほど前でもないのに、大昔のように感じる。

―― ・・・カタ、カタ、カタ、チンっ!

エレベータのドアが開く。

「時田くん、君には期待しているよ」

冬月が本部棟に向かって立ち去っていくのを、一人、時田は神妙な面持ちで見つめていた。


463 :199-200 ◆/Pif9px8OM :2006/06/15(木) 01:28:15 ID:???
『敵シールド、第七装甲板を突破!』

響き渡るアナウンス。だが、それも多くの雑音と怒鳴り声でよく聞こえない。
ここはNERV本部技術局第三課大倉庫内。

「超伝導ケーブルのグレード4をくれ!」「シンクロトロンのプログラムへの割り込み処理はできたかっ?」
「線形加速バレルのテストは2分後にやります!」「おい、誰かこっちを手伝ってくれ!」

赤いNERV技術部の制服と戦自研の緑の制服がコントラストを生み出す。
組織間の隔たりすら感じさせない、怒号のスピードで作業は進められていた。

「ここの仕様はどうなってるんですか?」「おい、カテゴリー5の電磁吸収板くれ!」
「NERVのエヴァ給電互換ケーブルになんとかつなげそうだな」「グリップ運ぶぞー頭上注意しろー!」

―― プルルルルルっ プルルルルルっ 

倉庫壁際の内線電話がなる。

「課長!発令所から葛城部長です!」
「あぁ、今いく!」

走って受話器の元に向かう三課課長。額は汗と油で汚れている。

「はい、順調です!技術部三課の意地にかけてでも、あと三時間でカタチにしてみせますよ!
 俺達に任せてもらいましょうか」
「NERVの課長さん!試験準備できたぞ!」

戦自の若い技術者から声がかかる。もはや礼儀など無用の長物、かろうじて丁寧語なだけだ。

「今行く!」

共通の敵を前にして、世界最高の技術者たちが全力で戦っていた。


464 :199-200 ◆/Pif9px8OM :2006/06/15(木) 01:46:05 ID:???
一方、こちらは技術部第一課専用電算室。
青葉とマヤ、赤木博士、そして戦自の陽電子砲設計者が一同に介し、画面に向かっている。

「つまり、FX-1はシステムの起動から陽電子の生成、加速までに、給電が開始されてからおよそ70秒かかります。
 2発目の場合には、最短で20秒、その間に連続して陽電子の生成が可能です。もちろん理論上ですがね」
「なるほど。青葉二尉、そっちはどうかしら?」
「計算の結果、全国からの発電力3億kWのうち、医療施設で停電できない部分や
 非超伝導ケーブルのロスを考えると、実際に期待できる発電力はおよそ2.6億kWです」
「となると、我々の陽電子砲が20秒フルで陽電子生成を行うとすると、理論上ではおよそ5.2TJ(テラジュール)分になりますな」

計算結果が表示され、バックグラウンドでMAGIがロスすると思われるエネルギー量の計算を始める。

「マヤ、軌道は?」
「はい、通過距離は13km、目標に到達した際のビームの直径はおよそ10m^2(平方メートル)まで収束可能です」
「するとATフィールド到達瞬間時に1.8TJ分の陽電子があればいいわけだから・・・これは、なんとかなりそうね」

世界最速のコンピュータ、MAGIを駆使してでの精密狙撃のための入念なプログラミング。
たった一つの計算ミスも許されない。事細かに不確定要素が計算されていく。

「あとは、砲身が射撃に耐えうるかどうかね・・・マヤ、ミサトに連絡して」

技術者たちの戦いは頭脳戦でもある。


465 :199-200 ◆/Pif9px8OM :2006/06/15(木) 02:04:52 ID:???
第一発令所内。
作戦の指揮をつかさどるミサトと日向はここで各種情報の統括を行っている。

「ポジトロンスナイパーライフルのほうは何とかなりそうね」
「日重工のほうも順調なようで、あと少しで調整も終了するとのことです」
「奴らも仕事はやいわね~。うちの技術部も負けてらんないでしょうね」

―― プルルルルルっ

NERV内専用の内線電話が鳴る。すかさず受話器をとるミサト。

「はい、あら、マヤちゃん?え?そう、いけそうなの。分かったわ。うん。リツコによろしく~」

―― カチャ

「技術部一課からですか?」
「えぇ、狙撃地点は双子山山頂で大丈夫だそうよ」
「葛城さん、もう変電車両を双子山に向かわせてたなんて赤木博士が知ったら、いろいろ言われますよ?
 技術部がもしダメだと言っても元から聞く気がなかったんでしょう?」
「日向くーん、細かいこと気にしちゃだめよぉ?これは女の勘なの。男には分からないのよ~」
「MAGIが泣きますよ、それじゃ・・・。そういえば葛城さん、あの時どうして早めに迎撃システムやエヴァを起動させたんですか?」
「え?あぁ、あの農協ロボがやられたとき?あれもね、女の勘よ」

勘、と言い切られた日向は不満そうな顔だ。

「まぁまぁ。正直に話すとね、使徒を見たときに全く攻撃手段が分からなかったでしょ?先の二使徒とは違うなって感じたのよ。
 それに、前にも言ったけど、使徒の攻撃を見た瞬間、勝てる見込みがないなって感じたのもあったわ」
「では、なぜ、わざわざJAの回収を?」
「いやぁ~実はJAじゃなくて、あの盾を回収したかったのよね。
 あれとエヴァ両機でATフィールドを展開でビームを防ぎつつ近接戦闘させるつもりだったのよ、本当は。
 ま、使徒の攻撃の射程と威力が尋常じゃなかったから諦めたけどね」


466 :199-200 ◆/Pif9px8OM :2006/06/15(木) 02:16:30 ID:???
この人はもしかしたら性格破綻者?
日向は心のそこからわいた疑問を無理やり押し込む。(恋は盲目、とはよく言ったものだ。)

「いろいろ考えたんだけどね、結局遠距離射撃&おとり作戦しかいいのがなかったのよ」
「ですが、いくら盾を持ったとしても零号機ではあまりに回避能力が低すぎます。最悪、大破も・・・」
「そのために色々考えてるんじゃない・・・第3新東京市の迎撃システムを駆使すれば何とかなると思うわ」

ミサトがパネルに触れると、ウィンドウに第3新東京市の詳細図が現れ、零号機がおとりとして
走る予定のルートが赤い軌跡で表示される。そのルートは兵装ビルの隙間を縫うようにして走っている。

「各種遮蔽壁をうまく使えば、目標の加粒子砲をよけながらでも注意を引けるわ。
 もっとも、遮蔽壁もあの加粒子砲じゃ1.2秒しかもたないってリツコは言ってたけど」
「それじゃぁ・・・」
「・・・それにね、これは碇司令とレイ自身の要望でもあるのよ」
「司令とレイちゃんが??」
「えぇ・・・どういう風の吹き回しかしら。司令はなんとなく予想つくわよ。でもシンジくんとあまり仲のよくないレイが、ね・・・」

―― プルルルルルっ

再び電話がなる。

「はい、作戦部よ!え?えぇ、それで、見通しはどうなってるの?・・・そう!がんばってねん!」

―― カチャ

「今度はどこです?」
「技術部第二課。送電システムの設営は2.3%遅れてるそうよ」
「まぁ許容範囲内ですね。23時10分までに間に合うでしょうか」
「向こうはそう言ってたし大丈夫でしょ。技術部の長はなんてったってあのリツコ、底力は知れないわ」


467 :199-200 ◆/Pif9px8OM :2006/06/15(木) 02:24:28 ID:???
「そういえば、葛城さん、作戦名はつけないんですか?」
「作戦名?」
「えぇ、”対第五使徒への遠距離狙撃による殲滅作戦”なんて長すぎますよ」
「そうね。NERV初の実戦になるわけだし・・・」

ミサトが考えようとした、そのとき。

―― ビィー ビィー ビィー

使徒のシールドが第9シールドを突破することを知らせる警報がなる。
ミサトは目を瞑り、そして、館内放送用のマイクをつかむ。

『作戦部よ。たった今敵シールドは第9装甲板を突破したわ。
 ”対第五使徒への遠距離狙撃による殲滅作戦”開始まであと6時間45分。
 これからは放送する間も惜しくなるはず。だから、今後、本作戦を”ヤシマ作戦”と呼称します。
 ヤシマ作戦成功のためには、各自の協力と努力が必要だわ。よろしく頼むわね!以上!』

日向は唖然としてミサトを見つめている。

「ちょっち無理があったかしらね?」
「い、いえ・・・でも、ヤシマ作戦って響きがいいですね」
「えぇ。那須与一が扇を的に矢を射た話、聞いた事あるでしょ?」
「あぁ、その屋島ですか。葛城さんがそんなこと思いつくなんて意外です」
「ちょっとだけ思い入れがあるのよ、この話はね」

現代の最先端テクノロジーを駆使して行われる狙撃、ヤシマ作戦。



――第五使徒のシールドは、静かにNERV本部へと穿孔を続ける――

第拾八話

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※ファンフィクションです。
&treemenu2(title=当FFのオリジナル設定,none,treeline=0){登場組織|-日本重化学工業共同体|-戦略自衛隊|-特務機関NERV|-国際連合?|登場人物|-日重工の面々|-NERV職員とチルドレン|-その他|我らがJET ALONE!|-JET ALONE 01|-JET ALONE 02?|-JAの武装?|その他|-工事中}
Episode:01
第三使徒戦
  • 第壱話
(まとめたので長いです)

Episode:02
&treemenu2(title=第弐話~第四話,none,treeline=0){-第弐話|-第参話|第四使徒戦|-第四話|}

EPISODE:03
&treemenu2(title=第五話~第拾話,none,treeline=0){-第五話|-第六話|-第七話|-第八話|-第九話|-第拾話|}

EPISODE:04
&treemenu2(title=第拾壱話~第拾弐話,none,treeline=0){-第拾壱話|-第拾弐話|}

EPISODE:05
&treemenu2(title=第拾参話~第拾五話,none,treeline=0){-第拾参話|-第拾四話|第五使徒戦|-第拾五話|}

EPISODE:06
&treemenu2(title=第拾六話~第弐拾弐話,none,treeline=0){-第拾六話|-第拾七話|-第拾八話|-第拾九話|-第弐拾話|-第弐拾壱話|ヤシマ作戦|-第弐拾弐話|}

EPISODE:07
&treemenu2(title=第弐拾参話~第弐拾四話,none,treeline=0){-第弐拾参話|-第弐拾四話|-第弐拾五話|-第弐拾六話|-第弐拾七話|-第弐拾八話|}

EPISODE:08
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