Re:私服での奇計は合法か(1) 3)
2006/9/17 8:30[No.38271/39207]
投稿者 :
ja2047
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ja2047
なお、「こらこら、証明するのはお前だろーが」だけでは愛想がないので、1930年代当時は、「奇計」の範囲に「背信の行為に属する偽装」も含めて論じられていたことを示しておきます。
立作太郎著『戦時国際法論』第7版、
第1篇 交戦法規 第3部 陸戦法規
第六章 陸戦に於ける奇計
第一節 奇計と陸戦条規
戦争に於ける奇計(rusesofwar)とは、敵をして誤謬に陥らしめて、戦闘上の利益を占むるが為に行ふ所の手段である。
ハーグの陸戦条規は、奇計が適法なることを定むるのである(第二十四条参照)。然れども是れ原則的規定を定めたるに止まり、或る奇計は、他の特別的規定に依りて不法と認めらるるのである。例へば背信の行爲を以てする人の殺傷(第二十三条第一項(ロ)参照)、又は軍旗、國旗其他の軍用の標章、敵の制服及ジェネヴァ条約の特殊徽章の濫用(第二十三条第一項(ヘ)参照)等に關しては、特別的規定を存し、之に依り、上述の原則的規定に拘はらす、奇計が不法となるのである。(後略)P219
第二節 奇計と背信の行爲
単純なる奇計は、之を背信の行爲を含む奇計と区別せねばならぬ。ハーグの陸戦條規は、奇計の原則的に適法なるを認めたるに拘はらず、背信の行爲を以て殺傷を爲すことを禁じ(第二十三条第一項(ロ)参照)。叉背信の行爲を含むと認めらるる軍使旗、赤十字の徽章等の濫用を禁じたのである(第二十三条第一項(ヘ)参照)。背信の行爲(treachery)とは、交戦者が、特に明示的に戦争中の行爲に關して約束したる所に故意に違反する場合叉は敵を歎く爲に用ふべからざることを黙示的の條件として戦時國際慣習法上認めらるる事項を、敵を欺くに用ふる場含等に於て存する。是の如き背信の行爲は、現今の戦争に於ても猶交戦者間に守るべきを認めらるる信義に背く所以にして、戦争の惨害の過大を致すの原因となるべきものなるを以て、現時の交戦法規は、背信の行爲を以て不法と爲して居るのである。 P220
第二十三条第一項(ロ)の行為「背信の行爲を以てする人の殺傷」と、第二十三条第一項(ヘ)の「軍旗、國旗其他の軍用の標章、敵の制服及ジェネヴァ条約の特殊徽章の濫用行為」は 同様に奇計のうちの、特に禁じられた行為、として論じられており、一律の扱いであることが理解されます。
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これは メッセージ 38270 ja2047 さんに対する返信です
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