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ゆき兄ハーレム王国~前編~



開幕



とある山奥。
ほぼ完璧に外界から隔絶された場所にゆき兄ハーレム王国がぶっ建てられた。
人口はかろうじて数百人程度である。



~ゆき兄キャッスル3階玉座~
俺「あー、眠い…」
高「…で、現在野菜類の供給率が落ちていて
  これをしのぐために外界との接触もやむを得ず…って聞いてるのか?」
俺「あー、聞いてる聞いてる…」
高「少しは真面目にやってくれ」
俺「だからお前がいるんだろ?」



無駄に装飾品が大量についたドアが開いた。
入ってきたのは腹筋だった。



腹「外道がBランクの女の子に手を出したぞ」
俺「またか…あのアホは…」
高「処分は?」
俺「トンカツ部屋にぶち込め、今回は一週間ぐらい閉じ込めておけ」
高「小川が怒るぞ」
俺「かまわねーよ…ああ、クソ、まだ眠い…眠気覚ましに散歩してくるわ…」



~ゆき兄キャッスル2階廊下~
適当に歩いていると向こう側から猛烈に走ってくる小さい影があった。
??「めがっさー!」
俺「ちゅるやさんか」
ち「ゆき兄丁度よかったにょろ!
  僕がめがっさ買い溜めしておいたプリンが無くなってるにょろ!」
俺「地下の大型冷蔵庫に移されたんじゃね?」
ち「わかったにょろ!見てくるにょろ!」
俺「いってらっしゃーい…(2~3個食ったけどバレなきゃいいな)」



~ゆき兄キャッスル東塔2階螺旋階段~
誰か降りてくる
??「ん、ゆき兄どうしたん?こんな所で」
俺「黒やんか、散歩中だよ」
黒「そっすかww」
俺「デートか?」
黒「へへww」
俺「猫の世話もちゃんと頼むぜ?」
黒「おkおk、んじゃ行って来ます」
俺「ういよ」



~ゆき兄キャッスル東塔1階~
??「今から俺の部屋こない?」
女「えー」
??「大丈夫だよ、何もしないって」
女「うーん…ごめんなさい!」
??「あ、ちょ!」
俺「はいはい、お疲れ様。神楽君」
神「あ、ゆき兄…」
俺「まぁ…頑張れ」
神「うん…」



~ゆき兄キャッスル東塔ー中央塔1階渡り廊下~
誰か会話している。
??「ゆきちゃん本当に攻略難しいな…」
??「正直、他の子狙わないか?」
俺「ゆき狙うのはかまわんけど一応命に気をつけろよ、えび助に天君」
え「うお!びっくりした!」
天「ちすww」
俺「何か2人が並ぶと名前的にえび天みたいだな」
え「戒名つけたのはゆき兄じゃないかwwwwwwww」
天「やっぱゆきちー狙いは命を賭ける必要性があるか…」
俺「まぁ頑張って」



~ゆき兄キャッスル1階中央塔玄関ホール~
俺「ハーレム王国な割に女の子が少ないのが問題ありあり…」
俺「キノコさんに平山さん、ABCさんに、あやちかともか、絵里さん、そんでリカか…後は全部名無し」
俺「ゆきは俺の対象外だし…トンカツは嫌だしな…」
俺「建国したのはいいが、そう簡単に手を出せないというのが問題だ…」
俺「エロマンガの世界ならよかったのにな…」
俺「…部屋に帰って寝よ」



~ゆき兄ハーレム王国トンカツ専用エリア~
現在ここには4人いた。
うち1人はこのエリアの主。
うち2人は望んでここにいる奴。
最後の1人は身の程知らずの行動でぶち込まれた奴である。
外「だあああああああ!!ちくしょおおおお!!」
小「うるさいなぁ…」
剣「外道うぜぇwwwwwwwwwwwwwwww俺らの邪魔すんなwwwwwwww」
ト「弱い奴に限って吼えるのよね」
外「あああああ!ちくしょおおお!
  何で俺がちょっと可愛い女の子に手を出したぐらいでこんな所に!」
ト「いいじゃない、楽しみましょう?」
小「ああ…トンカツ様…」
剣「やべ…俺の竹刀が反応して…」
外「気が狂いそうだ…」
ト「でも、あんた達にも飽きたわねぇ…」
小「そんな!」
剣「何でもしますから僕等を見捨てないで下さい!」
ト「そうね…じゃあこの国を乗っ取って私の逆ハーレム王国でも作りましょうか?」
小「それはいい考えですね!」
剣「僕等もお手伝いします!」
外「(それだとまだゆき兄が王の方がいいような…)」
ト「アンタはどうするの?」
外「俺?」
ト「そうよ、アンタしかいないでしょ?」
外「いや、俺はー…」
ト「あんな奴の思い通りにさせておいて悔しくないの?」
外「…」
ト「いいじゃない…女の子に興味なんて無いからそっちのほうはあなたに全部まかせるわ…」
外「…いいだろう、手を組んでやるよ…」
4人「アーハッハッハッハッハ!!」



~ゆき兄キャッスル3階私室~
俺「あー…キノコさんかぁいいよキノコさん…」
キ「…すー…すー…」
俺「寝顔っていいなぁ…」



ドアが開いて高橋が入ってくる



俺「なんとまぁ…無粋だな…」
高「トンカツと小川と剣三郎と外道が反逆した」
俺「え?マジで?」
高「マジ、今玄関ホールで腹筋が抑えてるが突破されるのは時間の問題だろうな」
俺「あちゃー…」
高「どうする?」
俺「戦闘可能な人員は全員対象の排除に、所詮4人だ。数で押せ。
  戦闘不可能な奴等は全員避難。地下室辺りに。」
高「ちなみにけっこうな人数が寝返った」
俺「え…?」
高「そりゃあ、こんな独裁政治だと寝返る奴も多いよなwwwwww
  特に扱いが不遇な低ランクの男とかはwwwwwwww」
俺「笑ってないで何とかしろよ」
高「はいはい…じゃあ鎮圧に行って来ますよっと…」
俺「戦争ってのは相手のキングを取れば勝ちだ、トンカツを討て」
高「尽力するよ」




~ゆき兄キャッスル1階中央塔玄関ホール~
腹「中に入れさせるな!ここは死守しろ!」
兵「はっ!」
腹「外道…血迷いやがって…」



~ゆき兄キャッスル西塔裏~
小「高橋が本気になると厄介だからな…
  兵力のほぼ全てが正門に集中してるうちに速攻でゆき兄を倒す奇襲作戦だぜ…」
剣「ところで外道は?」
小「東塔から侵入だってよ」
剣「協調性がないな」
小「まぁそのうちトンカツ様に忠誠を誓うさ…
  よし、開いたぞ」
兵「!?…貴様らそこで何を!?」
剣「っし!」
ズバシュ!
兵「がぁぁ…」
小「お見事」
剣「さっさと中に入ろうか」



~ゆき兄キャッスル東塔裏~
外「何でついてくるんだ?」
ト「あら、嫌かしら?」
外「かなり」
ト「…ふふ…(カチャカチャ)」
外「ちょ…何を!止めろ!ズボンを脱がすな!(何て力だ…!)」
ト「いただきまぁす…」
外「ぐおぉおおおああああ!!あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ!!」



~ゆき兄キャッスル西塔1階~
小「…!」
剣「どうした?」
小「なんだか猛烈に嫌な予感がした」
剣「…急いでゆき兄を討とう…」
小「ああ…」
兵「あっ!お前ら!」
剣「っし!」
ズバシュ!
兵「がはっ…」
剣「行け」
小「悪いな」



兵「侵入者だ!」
剣「…ここは通行止めだ…行きたきゃ俺を倒していけよ
  雑魚が何人来ようと問題ないけどな…!」



~ゆき兄キャッスル1階中央塔玄関ホール~
天「ドアの完全封鎖完了っす」
神「女の子達は全員避難完了です」
黒「猫も全部。猫部屋に」
え「ところで、ゆきちゃんがいないんだけど…」
腹「ゆきちゃんは放っておいて大丈夫だろう…
  しかし、このドアもすぐに破られるだろうな…」



兵「西塔に侵入者です!!!」
腹「何だと!」
高「こっちは陽動だったみたいだな…
  敵の主力が数人すでに入り込んでる」
腹「高橋… くそ!まさか外道にそんなことを考える頭があるとは!」
高「どうかな…少なくとも作戦を考えたのは外道じゃないな…」
腹「どうする?」
高「…そうだな。どのみちこちらが不利なのは間違いないな
  避難民も大量に抱えてるし、食料が持たない…
  速攻でかたをつけるしかない」
腹「で、具体的な策は?」
高「向こうが極少数を城の中に送り込んでくるなら…
  こちらも極少数で城の中の奴等を叩く
  通常の兵士は全員で正門から流れ込んでくる敵の兵士を叩け
  地の利はこちらにある」
腹「わかった、従おう」
高「俺はゆき兄についておく
  腹筋は黒と一緒に東塔へ
  えびと神と天は西塔へ行ってくれ」
全「了解!」



~ゆき兄キャッスル東塔裏~
外「が…かはっ…」
ト「ごちそうさま」
外「俺が…こんな…簡単に…」
ト「どう?私に忠誠を誓うなら…いつでもこの快楽をあげるわよ…?」
外「…くそ…」
ト「ふふ…まぁしばらく時間をあげるわ?
  足腰がしっかりしてきたら追いかけてきなさいね?」
外「ちくしょおおおおおおおおお!!!!!」



~ゆき兄キャッスル西塔1階~
剣「ち…めんどうな奴等が来たな…」
え「あ!剣三郎だ!」
天「ちょwwww何でここにいるのwwwwww」
神「おまwwwwww何やってんのwwwwww」
剣「この国を作り変えるんだよ」
え「反乱起こしたのお前らかよwwww」
神「トンカツ乙wwwwww」
剣「あの人を馬鹿にするな…例えお前らでも死んでもらうぞ…」
神「うわ…こいつマジだ…」
天「恋は盲目か…」
え「気乗りはしないけどやるしかないな…」
剣「僕の剣の錆にしてやるよ…」



~ゆき兄キャッスル中央塔2階ホール~
小「…高橋か」
高「小川か…」
小「退け」
高「断る」
小「例えお前でも邪魔すると容赦しないぞ?」
高「ああ、俺も容赦はしないから、安心しろ」
小「いいね…!」
高「来いよ…!」



~ゆき兄キャッスル東塔1階~
腹「こちらに侵入者はいないのか?」
黒「そうみたい…」
??「あら、こんなところにいい男が2人も」
腹「!?」
黒「誰だッ!?」



壁に亀裂が走ると同時に轟音と振動が響き
大穴が開き、そこから現れるは魔の具現



ト「貴方たちも食べてあげるわ」
黒「と、と、とんかつ…」
腹「ひるむなっ!!叩き斬れっ!」



~ゆき兄キャッスル3階玉座~
俺「いつの時代も…王は新たな王に倒される…」
俺「いつかこうなるとは思っていた…」
俺「ただ、最悪なのは…反乱を起こしたのがトンカツとはな…」
俺「…負けないさ…俺達は…」




~ゆき兄キャッスル中央塔1階玄関ホール~
兵「門が壊されたぞおおおおおおおお!!」
兵「皆殺しだああああああああ!!」
兵「うおおおおおおおおおおおおお!!!」



敵「モン…アイタ…」
敵「タオセ…タオセ…」
敵「ゴォオオオオオオ!!!!」



~ゆき兄キャッスル西塔1階~
剣「はぁっ!!」
剣三郎の持っている剣は蛇のようにうねり獲物を噛み[ピーーー]ような勢いで襲い掛かってくる
3人はかろうじてこれを避ける
え「うお…!?」
天「あの剣、伸びるのな…」
神「相当なリーチだぞ…気をつけろ」
剣「お前ら…ゆき兄に媚びへつらって何が楽しい?
  不公平なランク付けされて何が面白い?
  こんな国…滅ぼしてやろうよ…」
え「トンカツがトップに立つぐらいならまだゆき兄のほうがいいな」
天「同感、それに別に媚びてるわけでもねーしな」
神「トンカツじゃあなー…」
剣「愚か者どもがあああああ!!!」
剣三郎の怒気は世界を揺るがすかの如く
神「っち!」
天「リーチが長すぎるな…」
え「せめて懐に入れればな…」



~ゆき兄キャッスル東塔1階~
腹「がは…」
黒「腹筋!腹筋!」
ト「中々おいしかったわよ」
腹「化け物か…攻撃が効かない…」
ト「さ、次はあなたの番よ?」
黒「舐めるなっ!!!」(シュッ)
ト「消えた!?」
黒「こっちだっ!」
トンカツの延髄に剣が振り下ろされる
が、剣は弾かれる
黒「くそ!!」(シュッ)
ト「何てスピードなの…」
黒「迦楼羅の名は伊達じゃないぞ!」
トンカツのわき腹に剣が突き立てられるが
それすらも弾かれる
黒「何でだ!?」
ト「…あなたの攻撃なんて風が肌を撫でているぐらいに過ぎないわ」
黒「くそおおおおおお!!」
何度も何度も剣を振り、刺し、突き立てる
だが、その全てを受けてトンカツは全くの無傷だった
そして体勢がよろけた黒翼天の足に何かが絡みつく
黒「なっ!?」
体勢を崩して転倒する黒翼天
足に絡みついたのはロープだった
ロープの先に…いたのは…外道
ト「あら?やっと忠誠を誓う気になったのね?」
外「…黙れ…俺は俺の意思でやってるんだ」
ト「ふふ、まぁいいわ…それじゃこの子をいただきましょう」
黒「うあああああああああああああああああ!!」



~ゆき兄キャッスル西塔1階~
剣「…ちょこまかちょこまかと逃げやがって…」
天「くそ…接近すらできないとはな…」
え「段々と避け切れなくなってる…このままじゃマズイ…」
剣「大地を飲み込む蛇の顎よ!我が敵を討つ白蛇と化せ!」
神「まずい…まだ何かやる気だぞ…気をつけろ…!」
剣「飲み込め!神速なる白蛇の顎よ!!」



剣より放たれた白い光は一瞬のうちに神を呑み込む



神「うおおあああああああああああああああ!!」
天「な!?」
え「神楽君!!?」
剣「散れ!純白の蛇を紅き蛇に染めて!!」



神「がはっ…」
光が消えた後、口から大量の血を吐き
神楽はその場に倒れこむ。
天「おい!おい!しっかりしろ!」
え「やめろ…今は目の前の脅威に全力で抵抗しろ」
天「くそおおおおおお!!」
剣「次はどちら呑まれるかな…?」




~ゆき兄キャッスル2階中央塔2階ホール~
小「ざまぁないな…」
視線の先には血を流し、今にも倒れそうな高橋がいた
高「くそ…攻撃が見えない…」
小「高橋…今からでも遅くない、こちら側に来ないか?
  お前のそのルックスと頭脳はとても有益だよ」
高「はは…悪いな…
  俺はゆき兄を裏切るつもりはねぇんだよ…
  うざくて…馬鹿で…空気読まないけど…親友だからな…」
小「…じゃあここで終わってしまえ!」
??「させないッ!」
小川の遥か後方より
剣が飛来し、小川の身体をかすめる
小「がっ!」
高「ピュアハート…」
ピ「ごめん、遅くなった」
高「すまない…助かった」
小「どいつもこいつも…!お前らそんなにゆき兄がいいのかよ!」
ピ「ゆき兄がいいんじゃない、ゆきがいいんだ」
高「トンカツよりかは数倍ゆき兄の方がいい」
小「ぶっ潰してやる…!ゆき兄の首を塔の最上階に吊るし上げてやる…!」
高「気をつけろ…小川の攻撃は…見えない…」
ピ「…了解」



~ゆき兄キャッスル東塔1階~
ト「さ、早く行きましょうか」
外「…」
ト「どうしたのかしら?」
外「やっぱり…お前とは手を組まない…」
ト「あらあら…強情ね」
外「確かに…俺はゆき兄を失脚させたかったが…
  関係無いこいつらを巻き込みたくはなかった…」
足元に転がる
黒翼天と腹筋を見て、外道の心は揺らいでいた
ト「馬鹿ね、何かを変えるには犠牲はつきものよ」
外「…とにかく…俺はもうお前には協力しない」
ト「無理な相談ね…だって貴方は…」
外「…!?…な、なんだ?手が…!」
ト「もう、私の物よ」
外「馬…鹿な…意識…が………」
ト「フフフ…さぁ行きましょうか…」
外「はい…」



~ゆき兄キャッスル3階玉座~
俺「戦闘が始まってる…」
俺「俺は…見守る事しかできない…」
俺「王は前線で戦ってはいけないのはわかってる…」
俺「もどかしい…な」



~ゆき兄キャッスル西塔1階~
剣「呑み込め!金色の蛇の顎よ!全てを喰らい焼き尽くせ!」
辺りに金色の粉が散布される
天「何だ…これ?」
え「これは…!伏せろぉおおおおおおおおお!!!!!」
天「え?」
剣「もう遅い!吹き飛べ!!!」



金色の粉は一瞬輝きを更に増し
その刹那、辺りに爆炎を撒き散らす



天「うああああああああああああああああ!!」
え「くそ…!!」
爆炎の後に残るのは肉の焼け焦げた匂い
え「ちくしょう…!ちくしょう…!」
剣「戦意喪失か…」
え「こんな…こんな人殺しがお前らの理想か!?」
剣「違う、俺たちの理想はこの国をひっくり返す事だ
  人を殺したいわけじゃない」
え「同じ事だろうが!何でなんだよ!
  何でそんな簡単に昔の仲間を[ピーーー]ことができるんだよ!
  お前は何がしたいんだよ!目を覚ませってんだよ!!」
剣「…飲み込め…黒き蛇の顎よ…」
え「ちくしょおおおおおおおおおおおお!!!!」



戦闘が終わり、残るは死の静寂
掻き消すのは誰に問うたわけでも無い、呟き
剣「歴史は常に…勝った方が正義とされる…
  お前たちにもいずれわかるさ…」




~ゆき兄キャッスル1階中央塔玄関ホール~
兵「う…がぁ…」
兵「何なんだ…こいつら…」
兵「なぜ…平気なんだ…」
敵「タオセ、タオセ」
敵「ユキ兄ヲタオセ、タオセ」
敵「アノカタノ、タメニ。タオセタオセ」
??「行かせないッ!!」
大量の銃弾が敵兵に降り注ぐ
まるでドミノ倒しのように倒れていく
銃弾の先には固定式のガトリング砲を構えたキノコさんがいた
キ「寝てたら凄いことになってた…
  とりあえずここは死守しないと…」
銃弾の雨を食らってもなお立ち上がろうとする敵兵の頭を叩いて周る
小さな影が1つ
ち「ここはめがっさ通行止めにょろ!
  ネギでも食ってろにょろ!プリンよこせにょろ!」
敵「タオセ…タオセ…」



1回倒れたぐらいで見せ場が終わると思ったら大間違いだぜ!?



~ゆき兄キャッスル中央塔2階ホール~
高橋の腕から鮮血がほとばしる
高「ぐ…」
小「ははははは!!結局2人になっても同じだったな!」
ピ「何でだ…!?なぜ攻撃が見えない?」
小「お前らには永遠にわからないだろうな!!」
ピュアハートの肩の肉が裂け、血が噴出した
ピ「うあああああ!!」
小「あはははははは!」
高「………剣じゃない…剣にしてはリーチが長すぎる…
  それに小川が何もしてないのに斬られるってのは…」
ピ「そろそろフィナーレだよ!まずは高橋!お前からだ!」
高「………!!」
高橋の胸が抉れて、赤い液体が辺りに散らばる
ピ「あ…あ…!!!」
高「…捕まえた…!」
小「…!しまった!」
何も無い場所を掴んでる高橋の手からは血が流れ落ちていた
高橋はすでに血まみれで力が入るはずもない
だけど、その手は「何か」をしっかりと掴んでいた
ピ「それは…?」
高「よく聞いてくれ…ピュアハート…
  小川の武器は…極端に薄い…光を屈折させるリングのようなものだ…」
小「っち…!」
高「だから…俺達には見えなかったんだ…
  そして小川をそれを…どうにかして…遠隔操作している…
  …小川が…トドメを狙ってくる瞬間を待っていた…この時しか…掴めないからな…」
小「それ以上喋るなぁああ!!!」
高「馬鹿なやつだぜ…素直に出血多量で倒れるのを…待てばよかった…のにッ!!」
高橋の身体が一瞬ビクンと跳ねて血が噴出する
小川のリングは高橋の命を切り裂いた
高「あと…は…頼…」
ドサリと崩れ落ちる高橋
手向けの花の名は…死の安らぎ
ピ「うああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
小「…例え…正体がわかったところで…
  貴様に避けれないことに変わりはない!」
ピ「…お前は…許さない…絶対に…」
高橋の剣を取り血が滲むほどの強さで柄を握る
ピ「この剣で…貴様を討つ…」



~ゆき兄キャッスル3階玉座~
俺「幸せな未来は不幸無しに掴む事は出来ないのか…?」
俺「人は皆…辛いことから目を背ける…」
俺「皆が戦っているのに…俺だけこうして座っている」
俺「…辛いな…王ってのも…」




~ゆき兄キャッスル東塔1階~
猫「にゃあ…」
小さな猫が一匹
黒翼天の周りを回る
猫「にゃー…」
軽く頬を舐める
黒翼天に動きはない
猫「にゃおん…」
ウロウロと困ったように子猫は回る
だけど、黒翼天は動かない
猫「にゃーん!にゃーん!!」
主人の死を嘆き、悲しむ声が塔にこだまする
黒翼天の手が、小さく動いた
猫「にゃー!にゃー!!」
声は、確かに届いた。
黒「…ごめんな…ミルク…まだだったよな…」
ゆっくりと起き上がり
子猫を抱きかかえて、瞳に確かな炎を宿して彼は立つ
黒「そうだよな…俺が逝ったら誰がお前の世話をするんだって話だよな…
  …まだ…足元がおぼつかないけど…まだ俺は…やれる…」
フラフラと壁に手をつきながら、螺旋階段を上がろうとする黒翼天
腹「待て…」
黒「!」
腹「これを…俺の剣を…」
黒「…ああ…」
腹「まかせ…た…」
黒「ああ!ああ……まかせてくれ…!」



~ゆき兄キャッスル西塔1階~
動くものは無くなった場所に
足音が響いた
??「…お前ら…」
返答は無い



足音の主は
3人のボロボロになった衣服を整え
しばしの黙祷を捧げた
床に一滴の雫が垂れた
そして足音の主は螺旋階段を駆け上がっていった



神「…見たか?今の?」
え「見た…」
天「さっきの爆発のショックで目がよく見えなくなってんだけど…誰だった?」
神「たまにこういう事があるから…ここにいるんだよな」
え「全くだな…」
天「え?…結局誰だったの?」
え「なぁ…俺達…このまま寝てるわけにはいかないよな…」
神「さすがにそれはかっこ悪いよな…」
天「いや…ちょっと…質問に答えてくれ」
え「剣三郎には敵わないけど…中央の雪崩れ込んでくる奴等を食い止めるぐらいなら出来るよな…」
神「はは…女の子だけにまかしとくわけにはいかねーよな…」
天「おーい…」



ゆっくりと神楽が立ち上がる
続いてえび助が立ち上がる
え「大丈夫か?天君…」
天「ああ…大丈夫…」
神「肩貸してやるよ…」
天「悪い…」
3人は中央塔へと向かう
ぼろぼろの身体に鞭を打って。
守るために。



え「…ゆきちゃん…剣三郎のこと…頼んだよ」

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最終更新:2009年10月31日 18:36