~ゆき兄キャッスル1階中央塔玄関ホール~
キ「もう弾が…!」
ち「ネギが折れたっさー!!」
敵「タオセ、タオセ、タオセ!」
敵「ススメ、ススメ、ススメ!!」
キ「やば!」
ち「掴まれたっさー!!めがっさヤバいにょろー!!」
敵「タオス、タオ…」
ちゅるやさんを掴んだ敵兵は一瞬宙に浮いて壁に叩きつけられた
ち「にょろ!?」
腹「はぁ…はぁ…ここは…絶対に死守するんだ」
ち「腹筋っさー!無事だったにょろか!」
腹「…!?キノコさん危ない!」
キ「え?」
いつの間にか3人の敵兵がキノコさんの後ろに回っていた
剣が振り上げ、キノコさんに3つの刃が振り下ろされる
敵「タオセ!タオッ…」
剣を振り上げた敵兵3体はほぼ同時にその場に崩れ落ちた
え「危機一髪ってとこか…」
神「こっちに来て正解だったな…」
天「やっと目が見えるようになってきたぜ…」
腹「…皆、無事だったか…」
キ「ありがとう!助かったよ!弾丸装填完了したよ!」
敵「タオセ!ススメ!タオセ!ススメ!」
腹「ここから先は貴様等のような傀儡が立ち入っていい場所では無い…!」
え「残念だけど…こっから先はイケメンと女の子以外立ち入り禁止だ!」
天「え?」
え「…心がイケメンならいいんだよ!」
神「さて…ゆきちゃんのためにいっちょ頑張りますか」
天「そうだな、ゆきちゃんのために頑張ろうか」
ち「僕はゆき兄とゆきちゃん両方のために頑張るっさ!」
キ「私も!」
腹「行くぞ!最後は派手に決めようぜ!!」
全員「おおおおおおおおおおおおおおおお!!」
敵全「タオセ!!タオセ!!タオセ!!タオセ!!」
~ゆき兄キャッスル2階東塔ー中央塔渡り廊下~
ト「…死に損ないが1人来たようね…」
外「…?」
剣を引きずって、彼は戦いを続けるために螺旋階段を上がってきた
幾度と無く倒れそうになりながら。それでも彼の意志は折れなかった
黒「…黒翼天…参上…」
ト「…意外と骨があるようね…
でも、ごめんなさいね。今は貴方にかまっている暇はないの…
外道…あなたにまかせるわ…」
外「…はい」
トンカツは振り返りもせずに先へと進む
黒「行かせねぇっ!!」
神速の黒翼天の移動。
ついていける者は誰もいない…いなかったはずなのに…
外「させない…」
黒「なっ!?」
外道はその速度に追いついた
そして剣を振り下ろし黒翼天の進路を塞いだ
黒「っち!」
後退し、体勢を立て直す
神速の移動の最大の弱点は体勢を崩すことである
一旦体勢が崩れれば加速によって一気に転倒してしまう恐れがあり
戦場での転倒は即ち死を意味する
黒「…お前を倒さないと…進めないみたいだな…」
外「…トンカツ様の邪魔はさせない…」
黒「お前もあいつに惑わされたか…」
外「…」
黒「そんな奴が…俺に勝てると思っているのか?」
外「ッ!」
黒「行くぞ…黒き神速の剣戟…しかとその目に焼き付けろ!」
~ゆき兄キャッスル2階西塔ー中央塔渡り廊下~
剣「…」
1人佇むのは悪魔に魂を売った剣士か
それとも己の信じる道を貫いた剣士か
カツンカツンと足音を響かせ
拳士が現れる
剣「…君を待っていた」
??「そうかよ、それはご苦労様」
剣「相変わらず…つれないな…ゆきちゃん」
ゆ「テメェなんかと真面目に話す気はねぇよ」
剣「ははははは…いいんだ、そういう所が君の魅力だ」
ゆ「遺言はそれでいいか?」
剣「!?」
いつの間にかゆきは剣三郎の懐に入り込んでいた
ゆきの蹴りが剣三郎に降りかかる
辛くもそれをしのぎきる剣三郎
ゆ「ちっ…」
剣「…本来なら…戦いたくは無い…
しかし…これが新たなる時代を切り開く試練というなら…」
ゆ「っせーんだよ!わけわかんない事ばっか言ってんじゃねえ!」
剣「いざ、参る」
ゆ「なっ!?」
さっきとは全く逆だった
いつの間にか剣三郎はゆきの懐に入っていた
剣「呑みこめ!青き蛇の顎よ!我の敵を包み込め!」
剣の先が四方八方に拡散してゆきを包み込むように収束する
ゆ「ち!」
ゆきは床板を引き剥がし
それを盾にして隙間を作りそこから、抜ける
剣「…さすがだよ…今のを避けきれるなんて」
ゆ「…」
剣「なぁゆきちゃん…
こちら側についてよ…
ゆき兄に従う義理はないだろ?」
ゆ「…義理はないけど一応兄だしな」
剣「…残念だよ」
~ゆき兄キャッスル2階中央ホール~
ピ「はぁはぁ…」
小「ふん…守りに徹するか…
だけど、見切れない以上いつまで持つかな?」
ピュアハートはすでに全身を切り刻まれていた
すでに身体は満足に動かなくなっていた
踏み込めば、全身を切り刻まれる
かといって逃げようとしても切り刻まれるだろう
下手に動けない状態では守りに徹する以外に方法は無かった
少なくとも急所への直撃さえ防がなくては
ピ「くそ…どうすればいいんだ…
目には見えず…音も無い…一体どうすれば…」
小「1つ教えてやろうか…
今お前の周りには10個のリングが飛び交っている
下手に動けばスライスされるぞ」
ピ「…(だったらこのまま放置していけばいいものを、なぜこいつはいつまでも俺と戦っている?)」
小「はっ!」
ピュアハートの左肩が切り裂かれる
ピ「うあああ!」
小「さて、いつまで持つかな…?」
ピ「1つ…聞かせろ…(時間を…考える時間を)」
小「何だ?」
ピ「お前は…どうしてトンカツに味方する?(そういえば…こいつの攻撃は…連続で来た事は無い)」
小「愛しているから…それ以外に何が?」
ピ「お前の愛ってのは…恋人が犯罪者になるのを手伝うのか?(リングを連続で動かす事はできない?)」
小「彼女は正しい事をしている…間違っているのはこの国だ」
ピ「なぜ…この国が間違ってると言える?(…例えそうだとしても…リングは避けれない…)」
小「ゆき兄の無能ぶり…不公平なランク分け!この国は根本的に腐ってる!」
ピ「そうかもしれないな…でも…誰もが幸せになる政治なんて…本当にあるのか?」
小「あるさ…きっと彼女なら作ってくれる」
ピ「誰かの幸せの影で必ず誰かが不幸になる…それは間違い無い…」
小「黙れ…」
ピ「ゆき兄だってきっと…王という重圧に耐えてる…不公平なランク分け?本当にそうなのか?」
小「黙れぇ!」
左腕が切り裂かれる
ピ「うあああああ…」
小「もう、貴様と話す事は無い!次で終わりだ!」
ピ「…(やっと…見えた…)」
~ゆき兄キャッスル3階玉座~
俺「誰もが…戦っている…」
俺「己を内より食い破ろうとする欲望と…」
俺「俺とトンカツの何が違う?」
俺「俺にはチャンスがあって…あいつには無かっただけだ」
俺「立場が逆ならきっと俺も…」
~ゆき兄キャッスル2階東塔ー中央塔渡り廊下~
金属音が響き渡るこの場所に
黒い風が舞う
黒「うおおおおおお!!」
外「…」
外道は至って普通に全ての攻撃を弾く
黒「はあ…はあ…くそ…」
外「…お前は…戦える身体じゃあない…」
黒「…」
外「今すぐ逃げるのなら…俺は追わないぞ…」
黒「お前…どうしたんだ?」
外「何…?」
黒「少なくとも…トンカツに服従するような奴じゃあ無いと思ってたのにな…」
外「……!」
黒「俺は俺の信じた道を行く…少なくともお前のような奴から逃げはしない…!」
外「…ならば、ここで命運尽き果てろ!」
外道の剣が鈍く光を放つ
禍々しいまでの光は灼熱を生み出し敵を焼き尽くそうとその貪欲な刀身を揺らめきたたせる
外「燃え尽きろ!」
黒「うおおおおおおおおおおおお!」
剣と剣が交錯する
例え防いだとしても灼熱の刀身は黒翼天の身体を焼き尽くそうと燃え盛る
黒「ぐ…!」
外「どうした!その程度か!」
黒「く…くそ…」
外「それがお前の限界か!ならば俺の勝ちが揺るがない!」
黒「お前は…何のために剣を振る…」
外「何…?」
黒「俺は…あいつらを守るために…」
外「俺は…俺は…誰のために…?」
すでに、互いの剣に速度はない
ただ、力任せに打ち合うだけの攻防に成り下がっていた
黒「わからないのに…剣を振るのか?」
外「俺は…なぜ…あの女のために…?」
黒「惑わされるな!真実を見ろ!己を取り戻せ!」
外「やめろ…!」
黒「お前が何をされたかは知らないけど!
お前の剣はお前の意志で振れ!」
外「う…ああああああああああああああああああああああ!!!」
怒りと共に突き出された渾身の1撃
その加速は黒翼天の剣は防ぎきれなかった
黒「がッ!」
灼熱の刀身は
黒翼天の胸に突き刺さる
内から肉を焼く激痛に気を失いそうになる
外「終わりだ…」
黒「あ…あ…」
消えていく、意識の中
崩れていく世界の中
たった1つだけ、彼を繋ぎとめた
たった1つだけの声
猫「にゃあ…」
黒「お前、まだいたのか?
早く逃げてくれよ」
猫「にゃおん…」
黒「最後まで俺のそばにいてくれるのか?」
猫「にゃーお!」
黒「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
外「何!?」
黒「俺が死んだら!誰があいつ等の世話をするんだよおおおおおおおおおおお!!!」
外「がっ…!!!?」
黒翼天の剣は外道の心の臓を貫く
突き立てられた、剣は、天を仰ぐ
外「…あ…あ…」
黒「ぐ…がはッ…」
ズルリと。お互いがその場に崩れ落ちる。
外「…ありがと…う…」
黒「は、ははは…最後の1撃は…お見事…」
ドサリと2人の剣士は最後にお互いと認め合い、その身を地に伏した
猫「にゃあ…」
無情にも、声はもう、届かない…
ただ、最後の瞬間、彼の手は1匹の子猫を撫でていた
~ゆき兄キャッスル2階西塔ー中央塔渡り廊下~
剣「飲み込め!神速なる白蛇の顎よ!!」
ゆ「くそっ!!」
放たれる高速の光をかろうじて避け切るゆき
剣「呑み込め!金色の蛇の顎よ!全てを喰らい焼き尽くせ!」
ゆ「…避けきれない!!!」
爆炎が巻き起こり
その中心点にはゆきがいた
ゆ「あああああああああああああ!!」
剣「…終わったか…」
黒煙が上がり、剣三郎は勝利をほぼ確信した
だが、彼は動かなかった
死体を見るまで、彼は勝利を信じられないのだ
剣「…」
ゆ「まだまだぁああああ!」
剣「なにっ!?」
黒煙を吹き飛ばし
剣三郎の懐に飛び込んだゆき
ゆ「…双龍!」
剣「くっ!」
ゆ「地の天光拳龍!!」
拳に光が宿り恐ろしいまでの連続攻撃
その威力は剣三郎を天上を突き破り空中高く吹き飛ばすほどの威力だった
剣「…っが!」
重力に逆らい、空中高く打ち上げられた剣三郎
その頂点で…次の攻撃に繋げるためにゆきは待っていた
剣「な…!?」
ゆ「天の乱攻脚龍!!」
今度は逆に空中から地面に叩き落す渾身の1撃
龍の力を宿した脚は剣三郎を遥か地面に叩き落した
恐ろしい勢いで落下した剣三郎は渡り廊下を破壊して遥か地面に落下していった
ゆ「や…った…」
剣「…俺の命を糧として!飲み込め!赤き大蛇の顎よ!!」
ゆ「え…?」
遥か下より
命を宿した、赤き蛇が舞い上がる
全てを飲み込みし赤は剣三郎の命の脈動か…
ゆ「う…わああああああああああ!!」
強烈なエネルギーの奔流に巻き込まれ全身に耐え難い苦痛が流れ込む
剣「アハハハハハハハハハハハハ!!!」
ゆ「…負けるかぁぁぁぁぁぁぁあああああああああ!!!」
絶対的な苦痛を退け、拳に力を込める
赤きエネルギーの渦を掻き分けその中心核へ
そこに、奴はいた
剣「さすがだね…でも、もうここが限界だよ…
僕の命を賭したこの攻撃…誰にも止められない!」
ゆ「お前のような、トンカツの人形が僕に勝てると思うなぁぁぁぁぁあ!」
剣「…!僕は…人形なんかじゃ!」
ほんの一瞬、剣三郎の心が揺らぐと同時に
エネルギーの流れが止まる
ゆ「貫けぇええええ!!」
剣「がっ…は…」
渾身の1撃は、剣三郎のみぞおちに深く突き刺さる
ゆ「消えろ…クソ野郎…」
剣「ぐぇ…あ…」
ガクリと、剣三郎の頭が垂れる
同時に赤き大蛇は媒体を無くし消滅する
ドサリと地面に倒れ落ちる2人
孤高の拳士は、命を賭した1撃を打ち破り、倒れた
~ゆき兄キャッスル2階中央ホール~
小「トドメだ!」
ピ「うおおおおおおおおお!!」
ピュアハートは小川に向かって走り出す
その目に迷いは無く、ただ敵を倒すために
小「馬鹿がッ!切り刻んでやるよ!!」
ピ「………右後方かッ!!」
ピュアハートは左に飛びのいた
その瞬間にいままで走っていた場所が切り裂かれた
小「…!避けた…だと!?」
ピュアハートは止まらない
剣を構え、ただ小川へと走る
ピ「あと、9発…!」
小「くそッ!まぐれにすぎん!」
ピ「………左右か!」
ピュアハートは飛び上がる
真下で交錯する殺意の刃が一瞬、煌く
小「馬鹿な…!」
ピ「あと7発!」
小「ならば…これならどうだ!!」
ピ「………左右と右前方…?いや、後方か!?」
ほんの少し、回避の判断が遅れた
殺意の刃はそれを見逃さなかった
ピュアハートの右足に深く大きな切り口が刻まれる
ピ「ぐああああああああ!!…クッソォォォォ!!」
だけど、ピュアハートは止まらない
すでに通常の人間なら動けるような状態ではない
だけど、彼は止まらない
小「なぜだ…なぜ避けきれる!?
くそおおおおおおおおおおおおお!!!」
ピ「………前後左右!」
ピュアハートは大きく飛び上がった
ピ「…いける!このまま懐に飛び込める!」
小「甘いッ!」
ガキーン!と何かぶつかる音がした
小川が放った4つのリングは互いにぶつかり弾け跳び
軌道を乱しながら一斉に空中のピュアハートを切り裂いた
ピ「ああああああああああああああ!!」
全身を切り刻まれる激痛
ピ「…負けて…たまるか…!」
渾身の力を振り絞り、血塗れになりながらも
彼は着地した。
そこは小川の唯一絶対の弱点!
小「馬鹿な…!?」
ピ「教えてやるよ…お前のリングを見切れたわけを…
目は口ほどに物を言うってな!!」
小「舐めるなぁああ!まだ俺のリングはあと1つ残っているッ!!
こいつで貴様の息の根を止めてやる!!」
ピ「11番目のリングがッ!?」
しかし、11番目のリングがピュアハートを切り刻む事は無かった
小「な…なぜ…?」
高「そのリングってのは…こいつの事だろ…?」
小「!?」
高橋は壁に背を預けながらも必死にリングを掴んでいた
高速回転する鋭利なリングによって手が切り刻まれようと
彼はそのリングを離す事無く掴んでいた
ピ「終わりだ!!」
小「トンカツ様ぁああああああああああ!!」
ピュアハートが振るった高橋の剣は
小川の胸を貫いた
小「かっは…」
カシャン、カシャンと辺り一面にリングの落ちる音が響き渡った
ピ「た…かはし…」
高「…よく…頑張った…」
ピ「今すぐ…治療を…」
高「………」
ピ「おい!おい!」
高「………」
ピ「返事してくれよ!おい!!」
高橋からの返事は、もう、無かった
ピ「ちくしょおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
叫び声と共に
ドシュッ!!と嫌な音が辺りに響いた
涙を浮かべて、倒れこむピュアハート。
その胸には大きな穴が開いていた。
ト「よかったわね、彼の後を追えて…」
~ゆき兄キャッスル1階中央塔玄関ホール~
腹「がは…」
え「腹筋!」
神「くそ…なんて強さだコイツら!」
ち「またネギ折れたっさー!」
キ「また弾切れ…」
敵「ススメススメススメ…」
天「まるでゾンビだな…」
え「天君危ない!」
天「え…?ガハッ!?」
遥か後方より剣が投げ込まれ
戦場を切り裂いたその剣は天の胸を貫いた
神「うああああああああああ!!!!」
腹「落ち着け!!ゴハァッ!?」
腹筋に大量の剣が振り下ろされる
ち「そんな…ひどいにょろ…」
え「ちゅるやさん!!!後ろだ!逃げろ!!」
ち「え?」
ドシャッ!と嫌な音が辺りに響き渡る
神「な…」
え「…キノコさん…神楽君…逃げろ…」
キ「…え?」
神「おい?」
え「せめてお前等だけでも逃げてくれ
俺はここで時間を稼ぐから…」
神「1人でこの大軍相手に何秒持つと思ってんだ?」
え「…」
神「2人なら…1分ぐらいは持つんじゃないか?」
え「お前…
はは…そうだな…せめてキノコさんは逃がさないとゆき兄に会わせる顔がねぇな」
キ「2人とも!嫌だよ!いやだよ!」
え「地獄で会おうか…」
神「行け!!キノコさん!!」
敵「コロセコロセコロセ!!」
一斉に流れ込む敵の大軍
[ピーーー]ため戦う大軍とは対称的に守るために戦う奴等がいた
え「うおおおおおおおおおおお!!」
神「行け!行ってくれ!!!キノコさん!!」
キ「嫌だよ…嫌だよ…!」
え「後ろだ!!逃げろぉぉぉぉぉおおおおお!!」
キノコさんの後ろに敵兵が1人
無慈悲にも剣は振り下ろされる
ち「めがっさぁぁぁぁああああああ!!」
ちゅるやさんの渾身の体当たりで敵兵は後ろに転倒する
ち「早く行くにょろ!ここは僕等にまかせるっさ!」
腹「うおおおおおおお!!」
ボロボロの状態で、腹筋が立ち上がる
腹「行け!生き残れ!俺達はここでいい!!」
キ「…!」
キノコさんは、2~3度ほど振り向き、奥へと走って行った
え「行かせねぇぞ…絶対に」
天「俺も…混ぜろよ…」
神「お前!?大丈夫なのか?」
天「こんなもん唾つけときゃ治る…くたばるにはまだ早すぎる…がはっげほっ…」
え「…そうだな、くたばるにはまだ早いよな」
ち「絶対生き残るにょろよ…」
神「行くぞ!ゾンビどもがぁああああ!!
例え俺達が死んでもここは通さねぇぞぉぉぉ!!」
~ゆき兄キャッスル3階玉座~
俺「服従や対立が存在しないなんてのは理想郷…」
俺「生きるために生まれた武器は…利権をただ奪い合う道具に成り下がり…」
俺「伝え合う言葉から生まれた思想が争いを生み出す…」
俺「こんな世界を選択したのは俺達だ…」
ドアがゆっくりと開く
俺「キングの前に立ちはだかるは暗黒のクィーンってとこか…」
ト「随分と余裕ね、部下は皆バタバタ倒れていってるのに」
俺「お互い様だ…俺は臆病者なんでね…」
ト「そんな貴方に提案よ。降伏しなさい、そうすればこれ以上の犠牲は出さないと約束するわ?」
俺「…もし、最高の王だったら…どう答えるかな」
ト「もちろん、降伏ね」
俺「あいにく、俺は最低の王のようだ…」
ト「そう…残念ね…」
俺「それに…もう大事なものは失っちまったよ…」
ト「へぇ?」
俺「俺を信じていてくれた奴等は…もう…な」
ト「ふふ、私もよ」
俺「…変わらないのかもな…俺もお前も…」
俺「ただ、俺が王でお前が反乱軍のリーダーってだけだったのかな…」
俺「…お前の手下が全員頭どっかイカれてるのは…お前のせいか?」
ト「さぁ?彼等は快楽に屈しただけよ?」
俺「考えただけで吐き気がするな」
ト「貴方も虜にしてあげるわ」
俺「俺にも一応、王としての意地があるんでね」
俺は立ち上がってゆっくりと剣を手に取った
宝剣リベラ・メ。
俺「最後まで…この意地、貫かせてもらう」
ト「強情ね…」
俺「行くぞ…ブタ野郎…」
ト「骨まで喰ってあげるわ」
邪気眼の真骨頂だよ!
俺「最初から全力で行かせてもらうぞ!!」
俺「月と太陽は逆転を繰り返し終末が訪れる!
刻め!最後の日々を!イン・ディエ・イッラ・トレメンダ!」
13連撃の猛攻撃。
最後まで耐え切れる者はいない…はずなのに…
俺「…どうして…効かないんだ…」
ト「その程度?」
俺「…!天地は重力を失い空が地へ落ち!地が空へと浮上する!
消えろ!重力の狭間へ!クヮンド・チェリ・モベンディ・スント・エト・テッラ!」
ありとあらゆる方向からの極限の20連撃。
その全てを受けて、トンカツは平然と立っていた。
俺「どうして…」
ト「さぁ?きっと神様がこの美しい身体に傷がつくのを嫌がってるのよ」
俺「冗談にしちゃ笑えないな…」
ト「でも、私の身体に傷がつかないのは紛れも無い現実よ」
俺「(落ち着け…単に大量の脂肪がガードしてるだけじゃないか?)」
ト「もうネタ切れかしら?」
俺「(だったら下手に派手な大技なんかしなくてもただ突き刺してやれば…)」
ト「来ないならこっちから行くわよ?」
俺「刺し貫け!我が剣リベラ・メ!」
ぐっ…と肉が押し込まれる感触…
だけど、肉を裂く感触は伝わって来ない
俺「これも…駄目なのか!?」
ト「何をしても無駄よ」
俺「…まだまだぁ!輝け!リベラ・メ!陽光を刀身に宿し邪を貫く光の矢と成れ!」
ト「唸れ!我が肉体よ!我の身体を破壊しようとするものに同等の苦痛を!」
俺「おおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
渾身の力と共にトンカツの腹に剣を突き立てる
だが、剣は刺さらない
逆に俺の腕に激痛が走る
俺「ぐあぁぁあああ!」
ト「くすくす…」
俺「バケモノがぁ…」
~ゆき兄キャッスル1階中央塔玄関ホール~
え「かはっ…」
えび助の心臓の鼓動が消えていく
天「えび…す…け…」
続けて天下の身体が地に伏す
神「…く…そ…」
続けざまに神楽の身体から生気が抜けていく
敵「コロセコロセコロセ」
腹「がはぁ………」
吹き荒れる殺意の嵐に、もはや誰も抗う事は出来なかった
誰もが、その命を散らせていった
敵「コロセコロセコロセ!」
ち「………」
只1人、生きていたのはちゅるやさんだった
しかし、その身体は血にまみれ立っているのもやっとの状態だった
ち「絶対に行かせないっさ…」
ちゅるやさんはもうすでに原型を留めていないネギを掲げた
ち「えび君…天君…神君…腹筋…あの世で会おうにょろ…」
ネギが空中に浮き上がり
光が収束する
ち「最終ネギ奥義!ネギメガンテ!!!」
~ゆき兄キャッスル3階玉座~
轟音と振動が鳴り響く
俺「な…なんだ!?」
ト「…あら…全員消え去ったようね…」
俺「…なんだと」
ト「これでもう戦ってるのは私とあなただけね」
俺「…皆…」
ト「ねぇ?手を組まない?貴方が王で私が王女として
この国を統治しない?」
俺「………」
ト「悪い話じゃないでしょう?」
俺「俺は…ただのクソ野郎だ…
利益を追求する事も…国民のためになることも何もしていない…」
俺「だけど、それが俺の政治だった
俺は俺のために動くだけだった」
俺「最悪なまでの自己中心的な考え、それが俺だ」
俺「…俺は最後まで、自己中心的に動いてやるさ」
ト「…」
俺「お前を…殺してやる…!」
ト「さすが。私が惚れた男ね…」
俺「黙れ。何を失おうが、お前だけは俺が殺してやる」
ト「いいわ、来なさい」
俺「…謳え!偉大なる王の裁きをその身に受けて!
獄炎によって裁かれろ!ドゥム・ヴェネリス・ユディカレ・セクルム・ペリー・ニェム!!」
ト「…さっきの技と同じじゃない…つまらないわね」
俺「20連撃まではなッ!」
ト「…熱い!?」
極限まで加速された剣は刀身に炎を宿す
21発目の攻撃は獄炎を宿した灼熱の刃の兜割り
ト「くっ…」
22発目の攻撃は下から上へと切り上げる舞い上がる獄炎の龍神
ト「ああっ…!」
俺「終わりだ!!灼熱をその身に受けろ!!
セクルム・ペリーニェム!!」
23発目は剣を回転させ相手に叩きつけ
全てを焼き尽くす火炎の竜巻を生み出す
ト「ああああああああああ!」
俺「焼き豚になっちまえ!!!」
竜巻が消え去った後。
剣はカランと地に落ちた。
俺「はぁ…はぁ…」
トンカツは、今だ、立っていた
ト「効いたわ…ゾクゾク来たわ…」
俺「そんな…」
ト「今度はこちらの番ね…」
俺「ッ!?」
トンカツはその巨体からは考えられない速度で俺の懐に潜り込んできた
後ろに逃げなければ…
そう思って飛びのこうとする俺の足は掴まれた
そのまま後頭部から地面に叩きつけられる
俺「っが…!?」
ト「ふふ…」
俺「…く…そぉ…」
トンカツの体重が全て俺に圧し掛かる
全身の骨が軋み、悲鳴を上げる
ト「最後に愛してあげるわ…さようなら…」
俺「…ああ…俺も…最後に…」
ト「え?」
俺「お前の全てを赦してやるよ…」
剣が、カタンと動く
俺「束縛から放たれ!永遠の死より放たれろ!!
リベラ・メ・ドミネ・デ・モルテ・エテルナァァァァァァアア!!!」
剣は、俺に向かって、矢と成り、放たれる。
ト「え!?」
剣は、俺の心臓を貫く
俺「誰もが命を賭けた!高橋も腹筋も黒翼天も神楽も天下もえび助も!!
ならば俺も命を賭ける!!それが俺の王として意地だぁぁぁぁあああ!!」
俺「俺の命なんかくれてやる!
全てを奪ったこいつの命と共に持って行け!貫け!リベラ・メ!!!」
ト「ガッ…!」
俺「消えちまえ…永久に…」
最後の1撃は、トンカツの極厚の脂肪を突き破り
その巨体を貫通した
ト「ウワアアアアアアアアアアアアア!!?」
俺「ざまぁ…み…ろ…ガハッ…」
ト「アァアアアアア!?あああああああ!?」
トンカツは1人で狂ったように絶叫を繰り返す
聞く者は誰もいない玉座に絶叫だけが響き渡る
雄叫びはやがて怒りと急速に殺意を加速させていく
蓄えられた愛情は一転して激しい憎悪の渦を巻き起こす
そこにいたのはもう、人でもトンカツでも何でもない
ただの殺意の塊
ト「…ユルサナイ!ユルサナイ!ユルサナイ!」
すでに息をしていない、俺の首にトンカツの手がかけられる
ト「ソノ首、ネジキッテヤル!!」
ドンッ!と大きな音がした
トンカツは何が起こったかわからないまま床に伏した
キ「いつまでも…ゆき兄に乗ってるんじゃねぇ…」
ト「かはッ…」
キ「ゆき兄…ゆき兄…」
返答は無く、玉座を包むのは圧倒的な赤と血の匂い
キ「ゆき兄…」
ピクンと指が動く
俺「だ…れ?」
キ「ゆき兄!ゆき兄!」
俺「悪い…もう…目も見えないし…耳も…」
キ「ゆき兄のバカ…何で死ぬの…私だよ…」
俺「冗談だよ…キノコさん…」
キ「え?」
俺「俺が…君を間違えるわけな…いだろ?
はは…でもよかった…リベラ・メが…少しの間だけ時間をくれた…」
キ「ゆき兄ぃ…」
俺「…現王が命ずる!キノコさんを新たな王とする!…げはっ…」
キ「え?」
俺「過ちを犯して…俺達が進んだのは残酷な未来だった…
暴力を打ち消す希望がたった1つあるんだとしたら…はぁ…
それは…俺じゃなくて…」
キ「無理だよ…」
俺「大丈夫…できるさ…
空は…勝利と敗北に分ける…でも…キノコさんなら…
そのどちらでも…ない…夜明けの…黎明に…」
キ「ゆき兄!しっかりしてよ!」
俺「星を見上げる目を失い…愛を述べる声を失い…
風を聞く耳を失い…自我のコントロールを失う時にこそ…
遥か…過去に置き忘れてきた物の…意味を知…る…
君なら…まだソレを持っている…君な…ら…」
キ「ゆき兄…!」
俺「リベラ・メ・ドミネ・デ・モルテ・エテルナ…
おやすみ…きのこさ…ん…」
俺は光の粒子と成り
繋ぎとめようとするキノコさんの手をすり抜け。
空に散る。
キ「ゆき兄ぃぃぃぃぃぃぃぃい!!」
(俺が歌っているのを想像してください)
私を解放してください。主よ、永遠の死から。
Libera me, Domine, de morte aeterna,
リベラ・メ・ドミネ・デ・モルテ・エテルナ
その恐ろしい日
in die illa tremenda,
イン・ディエ・イッタ・トレメンダ
天と地とが震え動くその時
quando coeli movendi sunt et terra,
クヮンド・チェリ・モベンディ・スント・エト・テッラ
私は恐れ、そしておののきます。
dum veneris judicare, saeculum per ignem.
ドゥム・ヴェネリス・ユディカレ・セクルム・ペリー・ニェム
~fin~
最終更新:2009年10月31日 18:37