貫かれる激痛
「ごがぁっ!?」
何だ、何が起こった…!?
俺はすぐさま自分を貫いた岩のような物体を身体から引き抜いた
傷なんかいい、混沌の力ですぐに治癒される…!
それよりも一体ノアに何が起こってる!?
「うおああああああああああああああああああああ!!!!!!」
ノアの身体がビクビクと跳ね上がる
ベキベキと嫌な音がして、ノアの背中から何かが出てくる
細長い岩のような、蜘蛛の足のような6本の何かがそれぞれ意思を持っているかのように動きノアの背中から這いずりだしてくる
皮膚を突き破り、ノアの身体のあらゆる部分から何かが出て来る
何が起こっている…?
ノアはまるで磔にされたような状態で宙に浮いている
背中から生えた6本の足のような物体はそれぞれが別々の方向に伸ばされている
身体は徐々に何かに覆われていく
そして、巨大な何かに変貌していく
ノアは完全な球体になった、というより球体の内部に取り込まれた
球体より突き出る6本の足、それが赤く輝きだす
焔の輝きを宿したそれに呼応するかのように球体が蠢き、膨れ上がる
まず腕が生えた、そして足が生える
人のようで、人では無い手足
グジュリグジュリと嫌な音を放ちながら
首が形成されていく
そして、頭が作られ、顔が作られる
「…所詮、人は人か…」
俺は、その声で全てを理解した
低く、くぐもった声…その声は…
「赤い…悪魔ぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
背中より突き出た6本の足から爆炎が噴出する
それは足じゃなかった
爆炎はまるで羽根、それは巨大な6枚の炎の羽根
「我は…赤い悪魔バルゼキア…
憎悪の化身…殺戮の王子…悪魔の時代の到来を告げる者…」
バルゼキアの身体が、赤く燃えていく
その身体はまるで赤く燃える岩塊のよう
辺りに立ち込める灼熱の空気
「まさか器の闇を全て受けるとはな…混沌…人間にしては中々やるようだ」
こいつの言葉、一言一言に強烈な言霊を感じる…
くそッ…これが赤い悪魔の真の力か…!
「これより人の時代は終わりを告げる
そして悪魔の時代が幕を開ける!来たれ我が眷属よ!」
地鳴りが起こる
何だ、何が起こっている
そこらじゅうから凄まじい霊圧を感じる…!
「…赤い悪魔」
「全員気をつけろ!何かが来るぞ!!!」
スイカの後ろから何かが飛び出してくる
「危ないッ!!!」
蝶の剣が飛び出して来た何かを弾き飛ばす
「グゥルルルルル…!!」
三つ首の巨大な黒犬・地獄の番犬ケルベロス
本来は地獄にだけ生息する大型の肉食性捕食生物
凶暴な筋肉と鋭い牙を持つ凶暴な三双頭の怪物である。
時折、3つの口から強力な火球を放つ
「何だってケルベロスが…!?」
「気をつけろ!!地獄と繋がっている!!!」
ギャアギャアとけたたましい音が聞こえてくる
「あれは…何だ…?」
空から大量の何かが降りてくる
「…ガーゴイルだ…」
ガーゴイルは魔除けの石造として有名である
地獄においては有翼の低級悪魔である
するどい爪と牙を持ち、硬い表皮を持ち、人間に対しては非常に攻撃的である
大群で行動し、地獄に迷い込んだ人間を襲い、食らう
「洒落にならねぇな…ケルベロスにガーゴイルの大群…」
「それと、アレも参加するみたいだぜ…」
ピュア様が指した方向
そこには3体のドラゴンがいた
ゆき兄が空で倒した3体だった
その身体は腐敗し、悪臭を放っていた
「ドラゴンゾンビか…!」
ドラゴンの死体を暗黒魔術の類によってアンデッド化したもの
生前の知能等は失っており「生」への執念と憎悪だけで動き回る
命を持たぬ故に、腐敗した肉体が完全に破壊されるまで命ある者を憎み、生命の力を吸い取ろうと襲ってくる
ゾンビとは言え、ドラゴン同様に危険な生命体である。
「ケルベロス1体に無数のガーゴイル…そして3体のドラゴンゾンビか…」
「勝てる可能性は薄いが…逃げ切れる可能性はもっと薄いな」
「やるしかない…か、シュウを中心に円陣を組め」
「帰ったら高橋からボーナスもらわないとな」
爆炎の悪魔と混沌の魔人
燃え盛る炎と渦巻く混沌は巨大な戦いの場を作り出す
空の上に作り上げられた舞台
灼熱によって2人の姿がゆらめく
熱は肌を焼き、立っているだけで身体にダメージを蓄積させていく
まずい
こうしてここに立っているだけで身体が押し潰されるようだ
何て凄まじい霊圧…これが赤い悪魔バルゼキア…
震えるな…相手に飲まれたら負ける…
俺はゆっくりと剣を混沌から取り出し、構える
バルゼキアは動かない
じっと俺を見つめたままだ
仕掛けるか…?それとも奴の攻撃を待つか…?
まるで一瞬が永遠のように感じられる
どうすればいい…?
その時、地上から爆発音が響く
…戦っているのか…皆…
助けに行きたいが、少なくともそれは無理だろうな…
目の前のコイツが俺を逃がすはずは無い
いや、例え俺を見逃したとしてもコイツがやるのは世界の破壊
…逃げることはできない
さっさと勝負をつけないと…皆が危ういな…
俺は覚悟を決めた、1撃で勝負をつけてやる
「…ノア、俺を許せとは言わない…
ケイオス・バーサーカー・オンスロート!!!」
狙いは、胸部の球体
よくわからんけどあそこにノアがいるならあれが悪魔バルゼキアがこの世界に実体化するための鍵だろう
走り出し、渾身の力を剣に込める
最大出力で真っ二つに分断してやる!!!!
「ブレイバァアアアアアアアアアアアアアア!!!」
飛び上がり、一気に剣を振り下ろす
避ける素振りは無い
甘い!!この1撃、耐え切れると思うな!!!!
剣が、弾け飛ぶ
俺の両腕が、吹き飛ぶ
肘から先が、無い…
「がああああああああああああああああああああああ!!!?」
弾き飛ばされる、すぐに立ち上がろうとしたが…立ち上がれない…腕が無いから…
腕の修復が始まらない…?何で…!?
何も聞こえない…自分の呼吸音しか聞こえない…
ドクン!!と一瞬、心臓が跳ね上がる感覚
「ゴッ…ぶぇっ…げっ…」
口から、大量の血
血、血、血、血…
何だ、一体、何が起こっている…?
「状況が飲み込めないというような顔だな」
バルゼキアがゆっくりと俺に近づいてくる
「私の攻撃はお前の認識を遥かに超えている
腕が無くなったことを認識できなかった以上
復元は始まらない」
「馬鹿なっ…」
「何、しばらくすれば復元されるだろう…だが」
「だが…?」
「一思いに死ねたほうが楽だったと君は思い知るだろう」
ゆっくりと腕が復元していく
だけど動けない、肉体としての腕は復元されたものの力が入らない
「悪魔や、天使に比べれば、人間の肉体など泥で作られた人形のように脆い物なんだよ
例え混沌の力を持っていたとしても、その圧倒的な力の差は埋まるはずが無い」
黙れ…
「これは、戦車と蟻の決闘のような物だよ」
黙れぇええええええええええええ!!
俺は立ち上がる
多少の痛みなんか気にするな!!
「やってみなくちゃ…わからねぇだろうが…!」
剣をまた1つ混沌から生み出し、構える
「ならば、君には見えていたのかね?」
「何?」
「君の腕を吹き飛ばした、私の攻撃が」
「…」
「今度は、じっくりと味わうがいい、メギド・フレイムを」
メギド・フレイムだと?
こいつ、何を考えている!?
確かに高位炎魔法だが、人が使える呪文じゃないか
混沌を身に纏っている俺にそんな魔法が効くと思っているのか?
だけど、その考えは非常に甘かった
足元から起こる爆発
だけど、その爆発の規模は俺の知ってるメギド・フレイムの威力を軽く凌駕していた
混沌によって全身をコートしているにも関わらずメギド・フレイムは俺を吹き飛ばした
打ち上げられ、落下し、叩きつけられる
「がっ…あっ…」
立ち上がれない、痛い、熱い、何だ、足が動かない
いや、動かないんじゃない…
無いんだ…
胸から下が、無い
吹き飛んだ?…いや、蒸発したのか…?
「ぐっ…!」
力を込める、蒸発した部分が復元される
「はぁ…はぁ…!」
これが、悪魔の力…
勝てない…とてもじゃないけど…勝てない…
「力の差を理解したかね?」
バルゼキアは淡々と俺に問う
「聞こえるかね?お前の仲間たちの断末魔が」
「…!」
「ぐあああああああああああああああああああああ!!」
「剣三郎!!!!」
剣三郎の右腕がケルベロスに噛み千切られる
「ゴフッ…」
風太がドラゴンゾンビの1撃を受け、地面に倒れてる
そして、ガーゴイルに群がられていく
「風太ぁあああああッ!!?」
「どけっ!!」
白やんが剣を回転させ、ガーゴイルの大群に投げつける
回転する刃はガーゴイルを蹴散らした
「ぐっ…」
風太は身体の至る所と爪で傷つけられ大量に出血していた
「このままじゃ…全員…」
絶望が、身体を押し潰す
手足を絡めとられ、上手く動かせない…
俺は、無力だ…
何一つ…守れない…
「諦めたなら、混沌を解除しろ
苦しまずに一瞬で消してやろう、そして仲間もすぐに送ってやろう」
バルゼキアの言葉が、重く圧し掛かる…
俺は…俺は…!!!!
どれくらい時間が立ったか
気がつくと、身体を焼け焦がす熱は無い
不思議に思って目を開ける
「…草原?」
空は青く、どこまでも続く芝生の大地、どこか懐かしさを感じさせる風景
よく見ると、俺は人の姿に戻っている
解除した覚えは無い…いや、それよりもここはどこだ?
俺、死んだのか?ここは天国?
「諦めるの?」
後ろから、声がかけられて咄嗟に振り向いた
「きのこさん…?」
泣いてる?どうして?
何で、そんな、悲しそうな顔…
「全部、諦めるの?」
諦める?…何を?
「生きる事、抗う事」
バルゼキアの力は、強すぎる
俺じゃどうやっても勝てるわけがないんだ…
「馬鹿!!」
「ごぶぁ!」
顔面に入れられたパンチ
思わず後ろに倒れる
「っちょ、きのこさ…ん?」
すぐに起き上がって辺りを見回す
いない、どこ行ったんだ?
「諦めるのは、したくなかったんだよね?」
いつの間にか、前にはシュウがいた
「最後の最後まで、抵抗するんだろ?」
…そのつもりだったさ
だけど…勝てない…勝つ方法が見つからない…
「方法が無いから、勝てないの?諦めることで可能性を全て潰してしまうの?希望を失うの?」
希望…
明日を信じる…力…
「本当さ、人の心って脆いよね、容易く自分の信じる道から外れちゃう」
そうだな…
どれだけ留めようとしても、気がつけば信じた道から遠い場所にいる…
「でも、気づいたなら…戻れるよね?」
…戻れる
まだ、戻れるのかな?
「戻れるさ」
後ろから、ノアの声がした
「取り返しのつかないことなんか、この世に無いんだろ?」
そうだ…な
でも、失った物を取り戻すのは、得た時以上に困難だぞ…?
「でも、諦めない以上、必ず希望は存在する」
「自分1人じゃ気づけなくても、仲間がいれば気づける」
「そして、必ず取り戻せるよね」
「だからさ、立てよ」
「何でも1人で抱え込もうとするなよ」
「ゆき兄、弱いんだから」
「でも、弱いってのがどういうことか知ってるから強い」
「かっこ悪くてもあがけばいいじゃない」
「どれだけ惨めにボロボロになって、最後まで立っていられたら」
「立派な強さだよ」
忘れてた
何度も間違える、今も間違い続けているのかもしれない
それでも、正してくれる奴らがいるじゃないか
ノアだけじゃなくて、俺も闇に飲まれてたんだ
そうだな、光は、ここにあったんだ
もう1度、いや、何度でもあいつに立ち向かおう
例え身体をバラバラに裂かれても、魂を砕かれようと
諦める…ものか…!
ノアが、俺に手を差し伸べる
「ゆき兄の罪を、今度は僕が許すよ」
手が、繋がる
「さぁ戦おう、諦めなければ人は何だってできるんだ
それが人の強さ、教えてくれたのは、ゆき兄」
「どんな深い闇からも這い出ることができる強さ
どんな深い闇も打ち倒せる人の強さ」
「頑張ってね、ゆうくん!
ちゃんとできたら何かしたげる!」
バルゼキア、俺はもうお前を恐れない
必ず、お前を倒して、何もかも救ってやる
さぁ、ここからが本番だ…!
「…まだ、戦う気か」
気がつくと、俺はバルゼキアに剣を向けていた
不思議だ、全然怖くない
「来い、例え滅びが運命だとしても…人は最後の瞬間まで全力で戦う…!」
「くだらん」
くだらない?
そうかもな、くだらないかもな
あるかどうかもわからない未来に希望を持つなんて、くだらないかもしれないし
もっといい選択があるのかもしれない
だけど
「そのくだらねぇ答えに、俺は命を賭けてんだ…!」
「なら、そのままくだらん希望を抱いて死ぬがいい」
死なないさ
絶対にテメェを倒してやる
力が、溢れるのがわかる
筋肉が収縮する、インパルスが全身を駆け抜ける
感覚が目覚めていく、心臓が躍動して、骨が軋む音がする、細胞が叫んでる
「…何だ?」
意志が、何者にも折れぬ覚悟が人を強くする
バルゼキア、混沌の真の力見るがいい
混沌は無の力、だが逆に混沌から全てが生まれた
俺が今生み出すのは、勝利の未来
人から見たらくだらない希望かもしれない、だが強く信じる人間がいるなら
それは、そうなる可能性もあるってことだ…!!
いつだって戦ってきた、自らの力で自らの未来を勝ち取るために
強い覚悟と未来の希望、そして俺の混沌の力…!
俺は、駆け出していた
考えるより前に身体が動く
剣を横にする、もっと速く、もっと…もっと…!
バルゼキアの腕が動くのが見える…!それよりも速く…!
世界が収束する、今ここには俺とお前だけだ
吹き飛ばすように振りぬかれた腕を、抜ける
「…!?」
剣に何かがめり込む感覚
押し戻そうとする抵抗を力で押し付け、何かが弾ける
気がつくと、俺はバルゼキアの後ろにいた
「馬鹿なッ…!?」
バルゼキアの上半身と下半身は分断されていた
「グゥゥ…!」
だが復元能力を持つバルゼキアの身体はすぐに結合する
そう、この攻撃じゃダメージなんかは与えれていない
だけど、希望は生まれた
バルゼキアの身体から炎が噴出する
「貴様…!メギド・フレイム!!」
足元から起きる爆発
今度はハッキリと見て取れる
俺は、飛び上がった爆風が俺を押し上げる
「ケイオス・スピアズ・ウォール」
目の前に作り出された混沌の渦から大量の針が撃ち出される
針と言っても、混沌の力を込めているその威力は銃弾をも軽く凌駕する
バルゼキアの身体に突き刺さる針は、ダメージこそ微々たる物だが塵も積もれば山となる
「何だ…この力…混沌だけじゃない…何かが…!?」
感じる
俺は、1人で戦ってるんじゃない
だから、お前がどんなに強大な力を持ってても俺は負けない
出口の無い絶望が襲ったとしても、結末は変えられる!!
「ノア・アクセプト」
ゆき兄の身体から混沌の力が弾け飛ぶ人の姿に戻る
弾け飛んだ混沌はゆるやかにゆき兄の身体にするすると巻きついていく
混沌は服に姿を変える。
黒い服、その上から白いコート、髪は赤く燃え、手には巨大な剣
その眼から恐れは消えていた
「…これは」
その姿は一見すれば普通の人間だった
だから、バルゼキアは油断した
その油断をゆき兄は見逃さない
一瞬の閃光が走った
その刹那バルゼキアの右腕が、地面に落ちた
「なっ…!?」
バルゼキアにはゆき兄の動きが見えなかった
光が走ったかと思うと、腕が落ちたのだ
「ぐっ…う…」
すぐに腕が復元される
強力な復元能力を持つ悪魔にこの程度の攻撃はさほどのダメージではない
だけどバルゼキアは焦っていた
「なぜだ?何故たかが人間如きが私を…?
さっきまでは私の攻撃を受けるたびにガラスのように砕け散っていたというのに…!?
混沌を纏ったからといっても…なぜ人間如きが…!?」
ゆき兄がゆっくりと言った
「悪魔のくせに、俺が怖いか」
その一言に、バルゼキアはついに怒った
「ほざくな人間がぁあああああああああああ!!!!!」
バルゼキアの手に、巨大な剣が現れる
いや、巨大すぎて最早剣とは思えないほどの物
赤く燃え立つその剣はゆき兄へと振り下ろされる
「死ね!!」
「死ぬのはお前だ」
剣は、止まっていた
ゆき兄の剣が完全にバルゼキアの剣を受け止めていた
「…馬鹿な…この力…混沌だけじゃないっ…!?
もっと何か別のっ…!?」
バルゼキアの目がゆき兄を見つめる
漂う混沌のオーラ、その向こう
「なっ…これは…!?」
ノアの幻影が、ゆき兄の剣を持つ腕を支えるように立っていた
シュウの幻影は、ゆき兄の剣を支えるように
後ろには、何人もの人々の姿、赤月島の人々
「馬鹿なぁああぁぁぁあああああ!?
貴様、一体…何をした!?」
「ただ、諦めなかっただけさ」
俺はバルゼキアの剣を弾き飛ばした
「がっ!」
そのまま一気にバルゼキアの胴体に攻撃を加え続ける
ただひたすらに俺はバルゼキアの身体を切り刻む
「ごあっ…がっ…ぐやっ!?」
効くだろ?
全ての攻撃に直接大出力の魔力を乗せて叩き込んでるんだ
悪魔にはこれが1番効くってノアが教えてくれたんだよ…!!
僅かに、復元が遅れている事に気がついた
このまま行けば…!!!
だが、バルゼキアも黙ってはいなかった
「なめるんじゃねぇ人間がぁあああああ!!!
ゲヘナード・ドラゴニティック!!!」
ノアの時と同じ、爆炎龍が現れる
違う点といえばその巨大さはノアの時とは比べ物にならないという点だろう
猛スピードで俺へと突っ込んでくる爆炎龍
だけど、俺には届かない
俺は、1人じゃないから
手をかざせば何人もが爆炎龍を押さえつけて、その場に留まらせた
そして爆炎龍はそこで爆発し、散る
「もう、お前じゃ俺は倒せない」
「…悪魔が…この私が人に敗れる?あってはならない…あっては…!」
バルゼキアの翼の炎は激しさを増していく
それは、世界を包む炎
「終わりだ、バルゼキア」
俺は剣を大きく、振りかざし
バルゼキアへと振り下ろす
「ギャラクシー・エンドロール」
剣の刃が伸びていく
限界出力を遥かに超えた1撃
宇宙の終わりすらも巻き起こせるエネルギーの斬撃
受けろ、バルゼキア
「がぁあああああああああああああああ!!!!
フレアデッド・ツェッペリオン!!!!!!」
バルゼキアの6枚の羽根全てから同時に爆炎が吹き荒れた
今までとは明らかに違う、威圧を感じさせる炎だった
剣と、炎が、ぶつかり合う
一気に押し戻される感覚
それでも必死に押さえつける
「ぐぅぅぅぅぅぅぅ…!!!」
「がぁぁぁぁぁぁぁ…!!!」
ゆっくり、と押し戻される
くそ…!負けられない!!!
負けて…たまるか…!ここで終わったら全部無駄になっちまう…!!!!
皆の想いを…希望を…無駄にしてたまるものかぁあああああああああ!!!!
剣が、炎を押し広げた
「行くよ、ゆき兄」
「バルゼキアを倒そう」
シュウとノアの2人の手が、俺の手に添えられた
炎は更に押し広げられ、バルゼキアへの道を作り出す
そうさ、諦めなければ、必ず未来は切り開ける
出口が無い絶望に見えても、諦めない限り結末は絶対に変えることができるんだッ!!!!
そして、炎が裂けた
先にあるのはバルゼキアの愕然とした顔
「「「いっけぇえええええええええええええええええええええええええええええ!!!!」」」
「ブラゴハザード・クラッシュディアルガスタァァァァ!!!!」
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最終更新:2009年10月31日 19:02