1章3節【新世代、激戦】
~隠者の小屋~
高「…ん……!?」
高橋が飛び起きた
高「なんだこりゃ…!」
体中についたコードを乱暴に引き剥がす
高「…ここはどこだ?」
ス「ん?起きたのか?」
高「お?」
パンと牛乳を手に持って
スイカが隣の部屋に続く小屋から出てきた
ス「3日も寝てたな」
高「3日…!?」
ス「それだけリベラ・メのエネルギーは強力だったつー事だな」
高「…ピュア!?他の皆も…!」
夜「私達が助けた」
高「…ゆき兄が言ってた…仲間か…よかった、間に合ったのか」
桃「仲間…ねぇ」
ピ「んー………んあ!」
天「…あー…おはよう」
え「でかいプリンが…あれ?」
神「それは俺のモンブラン…」
黒「…?」
ス「なるほど、数分程度の誤差はあれど3日で気が付くのか」
神「…お前ら…誰だ?」
夜「新世代」
天「新世代…?」
雷「1年前のあの事件以降、ゆき兄に戒名を与えられた者は新世代と呼ばれて
旧世代のお前らと区別される」
え「戒名組…」
黒「俺たち…を…襲ったの…は?誰…だ?」
夜「小川と剣三郎」
天「何でいまさらあいつらが…」
ス「話せば長くなるんだが…
お前ら、1年前の事件でゆき兄に生き返らせてもらったろ?」
雷「小川の狙いはその時の復活した13人だ」
夜「本来なら殺されてたんだけどね」
桃「小川自身も完全に現状を理解してたわけじゃないから命までは取られなかったって事だよ」
ス「剣三郎とトンカツと小川自身は別として」
雷「残り4人」
ス「小川が、その4人を斬った時、アレが復活する」
神「よくわからないんだが…」
ス「まぁそのうちわかるさ」
え「おいおい、ちょっとまて、それだとゆきちゃんとちゅるやさんまで狙われるって事か!?」
ピ「…やっべぇな…助けに行かないと」
高「君らも手を貸してくれ」
雷「はぁ?何言ってるの?」
ピ「え?」
夜「旧世代が何を言ってるんだか」
桃「全くだねー」
ス「クッ…ハハハハ」
天「どういう意味だよ」
雷「あんたらさぁ、何もしなくてもいいよ?」
え「何だって?」
桃「旧世代は引っ込んでろって事だよ」
夜「古い世代にゆき兄は守れない」
雷「ゆき兄を守るのは俺たちだ、お前らはいらない」
神「お前らの目的は?」
夜「小川と剣三郎を止める。そう、ゆき兄に頼まれた。」
ピ「目的が一緒なら手を組んでも…」
桃「ああ、駄目駄目」
雷「僕らはね…雑魚と手を組むつもりは無い」
黒「…雑魚…?」
桃「電気消されて瞬殺されるなんて、見事な雑魚じゃん」
雷「旧世代は消えろ、ゆき兄と共に歩むのは僕ら、新世代だ」
夜「正直、邪魔なんだ」
ス「戦闘では仲間の弱者をかばう余裕は無い
相手との戦力が拮抗していればなおさら」
天「何だと…!?」
高「よせ、天君」
天「…」
高「つまり、お前らは…僕たちに手を貸すつもりは無いという事か?」
雷「そうだね」
高「…わかった、勝手にしろ。
その代わり、俺たちも勝手にさせてもらう」
桃「ご自由に」
高「いくぞ、みんな」
夜「どう思う?」
雷「好きにさせればいい」
桃「っていうかさ、2人とも、どうするの?」
夜「何が?」
桃「小川だよ、本気で危なかったでしょ?剣三郎も相当…」
夜「…」
桃「だからって旧戒名組と手を組もうとは言わないけどさ
でも、どうする?私たちだけじゃ倒すのは骨が折れるよ?」
ス「考えがある」
夜・雷・桃「え?」
ス「あのな…」
~白燐の森~
小「ここか」
剣「ちゅるやさんはここにいる」
小「3日もかかったな」
剣「戒名組も動き出した」
小「それと、新世代とかいうやつら」
剣「時間をかければかけるほど…」
小「2人だけの俺達は不利になる」
剣「…急ごう」
透「行かせるかよ」
小「…誰だ」
透「連絡は来てる、小川と剣三郎だな?」
剣「…新世代か」
透「ちゅるやさんのために生き!ちゅるやさんのために戦う!
愛の使者!新世代・透過!!」
金属バットを取り出して
地面に叩きつける透過
透「おら行くぜぇ!!ちゅるやさんに指一本触れさせるかよ!!!」
小「2対1だというのに…」
剣「そこまで、腕に自信があるというのか…?」
~憤慨の台地・外道の小屋~
高「というわけだ」
外「…」
え「俺達と一緒にいたほうがいい」
外「ふん、小川と剣三郎なんかかかってきても蹴散らせてやるさ」
天「あの2人は1年前とは比べ物にならないほど強くなってる」
外「…それは俺もだッ!1年前のあの時のようにトンカツに容易に心を操られた時とは違うッ!!」
高「分が悪いんだよ、外道」
外「何?」
高「小川のリベラ・メで斬りつけられれば
俺達は軽症でも、意識を失う」
神「まぁ…スイカの野郎の話だと
1回斬られちまった俺達はもう大丈夫らしいが」
天「小川はお前を1回斬ればいいだけだ
でも、お前は小川と剣三郎を倒さないといけない」
え「とことん、不利な戦いだな」
高「それにな、あいつらの目的は…」
ドンッ!!と小屋の扉が開いた
雷「何だ、お前らもここにいたのか」
え「雷雲…?」
桃「あちゃー、邪魔だね」
天「桃花も…」
外「高橋、誰だこいつら」
高「新世代の戒名組…って言えばいいのかな
少なくともあんまり友好的ではない」
雷「あのさぁ、俺達気づいちゃったんだよね」
え「気づいた?」
雷「ゆき兄の目的は小川と剣三郎を止める事」
夜「広く見れば、トンカツの復活を止める事」
雷「死者復活には散った13のリベラ・メの力が必要不可欠」
夜「だから、小川は力の欠片を取り戻そうと奮闘してる」
雷「正直言うと、小川は強い」
夜「だけど、倒せないなら、別の方法で小川を止める事はできる」
雷雲が剣を取り出した
高「…何をする気だ」
全員が剣を抜く
一触即発の空気が場を覆う
雷「…小川が倒せないなら、小川の目的を阻止すればいい」
夜「つまり」
夜叉丸と雷雲は剣を構え、突っ込んできた
雷「散った、リベラ・メの力を1つでも無に帰せばいいだけさッ!」
夜「外道をここで殺せばリベラ・メの完全制御は無いッ!」
高「えび!天下!神楽!!」
神「まかせろ!!」
天「おう!」
え「らぁッ!!」
雷雲の剣を高橋と神は2人がかりで止める
雷「邪魔をッ…するなッ…!」
高「…外道を殺して…ゆき兄が喜ぶと思ったのか!?」
神「誰かの犠牲の上に立つ平和なんて、ゆき兄が喜ぶわけがねぇッ!!」
雷「全部、終わればこれが正しいと皆思うさ…!」
高「思わねぇよ!!!」
え「くっ!」
えび助は夜叉丸のヌンチャクのスピードに圧倒されていた
弾くだけで精一杯、とてもじゃないがカウンターを狙える状況じゃあ無かった
夜「スピード・アップ・レベル2」
え「なッ!?」
更に、早く、凶暴に暴れだすヌンチャク
必死にそれを弾き、避けるえび助
え「間に合わない…!!」
夜「そこだッ!」
え「しまッ…」
天「させるかッ!!」
天下の剣がえび助の頭部を破壊しようと伸びたヌンチャクを弾き飛ばす
え「遅いよ!」
天「わりぃwどっちに加勢しようか迷ってた」
高「外道、逃げろ!ここは俺達が食い止める!」
外「だけど…」
高「…わかってるよ、戦いが怖いんだろ…1年前のあの日以来…」
外「え?」
高「大丈夫だ、お前なら乗り越えられる
だけど、今はまだ無理なんだよな」
え「ここは俺らが食い止めるから」
天「ま、外道にはいろいろと恨みはあるけど」
神「1年前の事だしな、そろそろ水に流しちまおう」
高「ずっと、こんな場所に住んでいたのは贖罪のつもりだったんだろ?」
外「お前ら…」
高「逃げろ!!」
外「…!」
外道は走り出した、歯を食いしばって
何度も、振り返りながら
雷「逃すか!!」
高「させるかよッ!」
高橋の剣が雷雲を止める
雷「邪魔をッ!」
神「おらぁッ!」
雷「ツイン!」
雷雲の剣が2つに分かれた
赤剣・ソドム
青剣・ゴモラ
灼熱を身に宿す刃・絶対零度を身に宿す刃
雷「仕方ない、邪魔するお前らから消し去ってやるよ!」
神「新世代ってのは…何でこう…!」
え「くそ…速い…」
天「2人がかりで受けるだけが精一杯か…」
夜「まだだよ、まだ速くなる」
え「厄介だな…ヌンチャクってのは…」
夜「早くしないと外道が逃げ切っちゃう、終わりにしようよ」
天「まだ、終わらせるわけにはいかねぇよ」
夜「スピード・アップ・レベル3」
更に、早くなる、ヌンチャク
風圧すらも一種の武器となる。
え「…何だ…?ヌンチャクが…増えた?」
天「違う…あれは…残像」
夜「さぁ見切れるか!?」
ヌンチャクが突き出される
天下とえび助の目には無数のヌンチャクが映る
天「どれだ!?」
え「わからない!!!」
夜「正解は、どれも本物だッ!!」
~憤慨の台地~
外「くそ…何で俺は逃げてるんだよ!」
ス「逃げれると思った?」
外「誰だッ!」
ス「逃げる可能性を考慮して、張っていて正解だった」
外「あいつらの仲間か…?」
ス「さて、久しぶりに動くか」
スイカが指をパチンと鳴らした
周囲に人型ロボットが現れた
1,2,3,4,5,6…
外「これは…」
ス「僕の駒だ」
外「…囲まれた」
ス「逃げれないよ、1年前から逃げ続けてきたんだ、もういいだろう?」
外「…ぐ…」
ス「包囲を縮めろ」
機械兵は外道にゆっくりと詰め寄っていく
外「…そうだ、俺は逃げ続けた」
外「もう、逃げ場所は無い」
外「…俺が落とした牙は…」
機械兵が腕を振り上げる
剣と一体化した腕。
外「…俺が落とした牙は…まだ…」
機械兵の腕が、外道に向かって振り下ろされた
外「ここにあるッ!!!!」
ス「何ッ!?」
一閃。
外道の周りを取り囲んでいた機械兵はすべてガシャガシャと崩れ落ちた
外「そうだ、まだ…!まだ俺は…!」
ス「チッ!…7,8,9,10,11,12,13,14,15,16来い!」
空間に穴が開き
そこから出て来る、10体の機械兵
外「所詮、機械は機械…!何体来ようと全部ぶっ壊してやる!!」
ス「…こいつ…」
~白燐の森~
透「おらぁ!どうしたどうしたぁ!!」
剣「強い…」
小「クッ…!神銃リベラ・メ!
魔弾【黄泉】」
透「甘いッ!!!」
透過は撃ちだされた魔弾をバットで打ち返した
弾き飛ばされた魔弾は剣三郎を直撃した
剣「ごぁッ!!」
小「剣三郎!!…何だ、この強さは…!?」
透「教えてもらったんだよ!ゆき兄にな!!
誰かを守りたいと思った時に何よりも強い力を得るってな!!」
小「お前も…あいつの…!」
透「お前らと俺じゃあ、覚悟の重さが違うんだよ!」
透過は、飛び上がりバットを小川に向かって振り下ろした
上空から、頭を叩き割ろうとする、透過のバット
小「神盾…リベラ・メ!」
ガキィィィン!と音を立てバットが止まる
透「その程度の盾で!俺の覚悟を止められるかよ!!」
反動を押さえ込み、展開された光の盾に攻撃を叩き込み続ける透過
小「ゆき兄に教えてもらっただと…!?
守るために戦う覚悟だと…!!?」
ビシリッ!と光の盾に亀裂が入る
小「どいつも…こいつも…
気に食わない…!みんな、あいつに感化されやがる!!
みんな、あいつに操られる!みんな、騙される!!」
透「これで、ぶっ壊してやるぜ!!!!!」
透過が勢いよくバットを振り上げる
小「どいつもこいつも、気にくわねぇええええええんだよおおおおおおおおおおおお!!!」
透「何ッ!?」
小川の周り、360度に展開された光の盾は
四方八方へと爆散した、衝撃で吹き飛ばされる透過
透「ぐぁッ!」
小「神拳リベラ・メ!!!!」
小川の右腕に、光が絡みつく
小「あああああああああああああああああ!!!」
透「くそっ!!」
瞬時に飛びのく透過
今まで透過の頭があった場所に小川の拳が叩きつけられる
地が、揺れる。
拳が命中した地面には、小さなクレーターが出来上がる。
透「おいおい、マジかよ…」
小「そうか…!」
透「ああん!?」
小「礼を言う、俺はお前のおかげで更に上に行けた」
透「何言ってんだよてめぇ!!」
透過のバットは小川へと振り下ろされる
透「いける…!今なら盾が無い!!」
小川は右腕をバットの前に出した
透「その程度で止めれると思うなよッ!!腕が折れるぜッ!」
小「はぁッ!!!!」
勢いよく振りぬかれた右腕は
バットを弾き飛ばした
透「何だとッ!?」
小「リベラ・メ…!これが…リベラ・メの…!」
透「くそ!」
空中を回転する金属バットをキャッチし
小川へと叩き込もうとする、透過
透「終われぇぇぇぇぇぇ!!!」
剣「唸れ、銀色の蛇!」
透「剣三郎!?」
剣三郎の剣は、銀色に鈍く光を放ち、伸び、透過を取り囲んだ
透「これはッ!?」
剣「牙をその身に受けろ!」
刀身は透過の周りを高速で回転する
そして、透過の肩を貫く
透「がッ!!」
肩から抜けた刀身は捻られ傷口をえぐる
切っ先は方向を変え、透過の足を貫き、えぐる
四方八方から、貫かれ、えぐられる
剣「終」
ドサリ、と血だらけになった透過が空中から落下してくる
小刻みに痙攣を繰り返し、瞳に色は無い
剣「…強かったな、こいつ」
小「ククッ!これが、リベラ・メの!」
剣「小川?」
小「いいぞ…これで欠片が全て揃った時こそ…!」
剣「…」
小「行くぞ…!ちゅるやを斬る!」
剣「…わかった」
歩き出した小川の足が止まった
足を掴まれていた
小「何の…真似だ」
透「行かさない…!」
小「その手を離さなければ、折角得た命を無駄にするぞ」
透「無駄か…」
剣「…」
透「上等だ…!ちゅるやさんがいない世界で生きていても仕方がねぇ…!」
小「…!」
透「どうしてもちゅるやさんを斬るなら…!俺を殺していけよ…!!」
透過は、フラフラと立ち上がった
バットを構え、小川を見据えた
透「さぁ…!やってみやがれ…!
俺が生きてるうちは…!ちゅるやさんには近づけないぜ…!」
覚悟。
凄まじいまでの、覚悟。
透過を動かしているのは、何者にも折れぬ意志の力。
小「…いない世界で…生きていても仕方ない…」
剣「小川…」
小「そうだな、だから俺は…」
透過が、バットをゆっくりと振り上げた
小川は、目を閉じた
剣「小川!?」
透「く…たば…れ…」
ゴッ!
小川の、頭にバットが振り下ろされた
透「…は…はは…は…」
ドサリ、と崩れ落ちた透過
剣「小川!?」
小川の頭から、血が流れてきた
小「…お前の覚悟と俺の覚悟…
勝ったのは、俺だ…」
剣「…」
小「…殺しはしないさ、殺さなくても斬るだけでリベラ・メの力は戻るんだ」
剣「…」
小「…いいだろう、ちゅるやさんを斬るのは最後だ
次は、止めてみろ」
剣「小川!?」
小「待ってるぞ、透過」
剣「待て!小川!」
小川と剣三郎は森から出て行く
その様子を、木の上から見ている奴がいた
仮「おやおや…どういう風の吹き回しかな?」
仮面の男。
木の上で戦いを鑑賞していたのだろう。
仮「…まぁ…それならそれでいい」
透過の前に降り立つ仮面。
仮「出番の終わった役者は早々に舞台から降りてもらわないと…ね?」
仮面は、黒い剣を取り出した
仮「…」
しばらく、考え込むように剣を遊ばせる
仮「…いや、やっぱりもっと面白い事ができそうだ」
仮面の奥の目が、笑っていた。
そして、仮面は光る石のような塊をポケットから取り出した…
~水鏡の湖・湖畔~
ピ「…ここらへんのはずだが」
黒「…」
ピ「おーい!腹筋ー!」
黒「…いない…な…」
ピ「…うーん…」
黒「探して…くる」
ピ「あ、おい!」
ヒュッと黒翼天の姿が消えた
ピ「…相変わらず早い」
桃「あれ?」
ピ「おわっ!!」
桃「こっちに来てたんだ」
ピ「…何の用だ、好きに行動するんじゃなかったのか?」
桃「そうだね、好き勝手に動いてるけど?」
ピ「…俺だって好きに動いてるさ
たまたま、考える事が一緒だっただけだ」
桃「一緒?
あはは、そんなわけないじゃん」
ピ「…?腹筋を仲間にしようとしてるんだろ?」
桃「ああ、逆逆」
ピ「逆?」
桃「むしろー」
ヒュンってピュアの頬を何かが掠めた
頬に小さい傷ができ、そこから血がポタッと落ちた
ピ「何を…」
桃「殺しにきたんだよ」
桃花は手にスローイングナイフを大量に持っていた
ピ「なッ…」
桃「どうせ、邪魔しようとするんでしょ?
だったら、先にピュア君から殺っちゃうか」
ピ「ちょっとまっ…」
~憤慨の台地・外道の小屋~
高「ぐ…」
神「くそぉ…」
え「強い…」
天「やばい…な…」
膝をつき、互いに支えあう4人
夜「弱いね」
雷「やっぱり、旧世代なんてこんなもんか…」
夜叉丸と雷雲は、余裕の笑みを浮かべて立っていた
高「くそ…雷雲の双剣…触れなくても近づくだけで…」
神「暑かったり、寒かったりと気分が悪くなってきたよ…」
天「…夜叉丸のヌンチャク…早すぎる…」
え「残像にも実体が…?」
4人とも、傷つき、肩で息をする
高「だけど…これほど、時間を稼げば外道は逃げ切れてるだろ…」
神「勝てないけど…俺達の勝ちだな」
雷雲と夜叉丸は笑い出した
雷「あっはっはっは!どこまで馬鹿なんだ?」
夜「本気で焦ってたら、あんたらなんか無視してすぐにでも外道を殺ったんだよ?」
雷「それをしなかったってのはどういう事かわかる?」
夜「足止めされてたのは、君たちの方なんだよ?」
天「何だと…!?」
雷「今頃、外道は僕らの仲間にやられてる頃だね」
え「くそッ!」
えび助が外道を追いかけようとする
夜叉丸のヌンチャクはえび助に放たれる
え「ごあッ!!」
天「えび助!!」
夜「行かせないって」
雷「てかさ、こいつら放っておいたら後々めんどくさそうだし今殺しておかない?」
夜「それもいいかもねー」
雷雲がゆっくりと神楽に近づいた
雷「じゃあね、心配しなくてもすぐに皆そっちにいくよ」
天「神楽!」
夜「動くな」
高「くそッ!」
雷「ゆき兄は、僕らが助ける、じゃあね、旧戒名組の神楽」
神楽の蹴りが、雷雲の腹部を直撃した
雷「ごふッ!」
壁まで吹き飛び、叩きつけられる雷雲
神「調子乗ってんじゃねぇぞ…てめぇに呼び捨てにされるいわれはねぇんだよ…!」
夜「雷雲!」
え「はぁッ!」
夜「!?」
えび助の剣が夜叉丸の体をかすった
咄嗟に身を引かなければ、胴が切断されていただろう
え「もう…許さねぇ…!」
天「一応、戒名組の仲間と思って手加減してきたがもう許さねぇ…!」
高「…お前らは新世代は知らないんだよな…
1年前の乱のあとのゆき兄との約束を」
雷「ぐッ…!何だ、こいつら…!いきなり…!」
え「ゆき兄は言った」
天「本当に、戦わなきゃいけない時まで、力を封印しろと」
神「お前らは本気だ、だから俺達も本気で行く」
高「1年前のあの戦いを知らないで!
俺達が雑魚とはよく言ったもんだぜ」
夜「何だ…この威圧感は…」
え「ゆき兄…!ごめん!」
天「だけど今、ゆき兄を助けるために…」
神「俺達は力を使うッ!!」
空気が振動する
大気が震え、風が巻き起こる
天「解縛!」
天下が、走った
走る、と言うのは、違ったかもしれない
天下の姿は一瞬で、雷雲の前にあった
雷「何だッ!?」
天「天下流・流星落とし」
飛び上がり、空中からの兜割り
剣に込められた力は、剣を光らせ、さながらそれは流星
雷雲は双剣を交差させ、それを受け止める
雷「グッ…!!」
床板がヘシ折れる
露出した台地がへこみだす
え「解縛!」
雷「なッ!?」
雷雲の前には、えび助がいた
双剣は、天下を止めている
対応は、間に合わない。
え「えび流・撃衝連雨」
えび助の、パンチが雷雲の体に強烈に叩き込まれる
1発では終わらず、絶え間なく繰り出される連続の打撃
全身に降り注ぐ殴打の雨
雷「ごぁッ…」
夜「雷雲!?」
神「解縛!」
夜「…クッ!スピード・アップ・レベル4!!」
もはや、肉眼で見る事は不可能なほどのヌンチャク
巻き起こる風圧だけが、そこにヌンチャクがある事を教えるだけ
神「神楽流・滝流し」
剣を構え、無防備に射程範囲に入り込む神楽
夜「死ぬ気かッ!?」
神「まさか」
ゆらゆらと動きながら完全にヌンチャクの射程範囲に入り込んだ神楽
ヌンチャクは、当たらない
夜「馬鹿な…!?」
神「強い力ほど、強い流れができる」
神「逆らわず、流れに身を任せ、だけど、目的の場所をしっかりと意識すれば」
神「流れを、味方につけ、そこに辿り着ける」
気がつくと神楽の夜叉丸のすぐ前にいた
夜「なッ!?」
動揺、恐れ。
ヌンチャクのスピードが僅かに遅れる。
高「解縛!」
高橋の手がヌンチャクを掴み取る
夜「なっ…え?」
高「遅いよ」
夜「うわっ!」
ヌンチャクを引っ張られ、夜叉丸は宙に浮く
神「神楽流・昇龍貫剣!」
剣を垂直に手から落下させ
一気に真上に向かって剣を蹴り上げる
加速する、剣を夜叉丸は身体をねじって避わす
だけど、完全には避けきれない
夜「うぁぁっ!」
剣は、夜叉丸の腹部に深い傷を負わせた
神「殺しはしないよ…殺したらお前等と一緒になっちまう」
ドサッと床に落ちる夜叉丸
雷「げほッ…」
雷雲も、床に倒れこむ
高「わかったか」
神「旧世代が雑魚って考えは改めろ」
天「1年前の戦闘はこんなもんじゃなかったんだよ」
え「殺し合いをまた、繰り返す気なのかお前等は」
4人は夜叉丸と雷雲を見た
その目は、1年前の。守るために戦った時の目。
夜「ぐッ…」
雷「…くそ…」
屋内に何かが投げ込まれた
ボールのような物体は白煙を撒き散らし始める
高「何だ!?」
え「煙幕!?」
天「まだ仲間がッ!?」
姫「はいはい、逃げるよー」
夜「ぐっ…」
雷「お前等は絶対に俺達が倒してやる!!絶対にだ!!」
神「待てッ!くそッ!!」
高「やめろ!この状況じゃあ同士討ちになっちまうかもしれねぇ!!」
天「くっそ!!」
数分が立ち、煙が晴れる
高「…逃げられたな」
天「んー…あー…とりあえず皆、お疲れさん」
神「解縛…しちまったな…」
え「仕方ないよ、やらなきゃ俺達がやられてた」
高「それについては後だ、外道を助けよう」
~憤慨の台地~
積み重なる、機械兵の山
皆、壊れている
それを踏み分け、大量の機械兵が進軍する
ス「53,54,55,56,57,58,59,60,61、拡散、全方位から波状攻撃」
外「一体、何体いやがるんだ!!」
外道は疲れていた
機械兵は疲れ知らず、中途半端に壊しても活動する
だから、倒すには完全に破壊するしかない
それだけでも不利なのに次から次へと現れる機械兵に外道は圧倒されていた
ス「戦闘は、力だけじゃ勝てないよ」
外「自分で戦ってもねぇ、お前に言われたかねぇよ!!」
外道の剣は、53,54の機械兵を破壊する
続けざまにもう2体が飛び込んでくる
ス「自分が動くのは嫌いなんだ」
外「くそッ!!!」
外道の剣が55,56の機械兵を叩き壊す
しかし、剣が機械に絡め取られる
外「しまった!」
ス「行け」
残りの機械兵が一斉に外道に飛び掛る
外「くそぉぉぉぉ!!!」
ガキン、バシュッ、キィィン、ガシャンガシャ…
外「…あ」
外道の前には高橋、天下、神楽、えび助の4人がいた
高「外道、解縛は?」
外「…とっくにしてるさ」
え「…まぁ解縛しててもこの数じゃあそうなるのもわかるよ」
天「何、こっちも一気に5倍だ」
神「スイカだ、あいつを倒せば機械兵は止まるはずだ」
ス「おやおや…夜叉丸と雷雲は失敗したか…」
神「あいつらなら、逃げていったぜ?」
ス「なら、僕も退散するとしようか」
高「はぁ?」
ス「沈む船にいつまでも乗り続ける趣味は無いんでね
退屈はしないように、君達にはプレゼントを残していくよ」
スイカが指をパチンと鳴らした
空間に一際大きな穴が開いた
出てきたのは通常の機械兵より一回りほど大きく
全体的に赤くカラーリングされた機械兵だった
ス「では、僕はこれで」
高「待てッ!」
高橋の前に赤い機械兵が立ちふさがった
天「やるしかないか…」
~水鏡の湖・湖畔~
ピ「くそッ!」
桃「逃がさないよ」
大量のスローイングナイフがピュアに向かって放たれる
弾けるものは弾き、弾き切れない物は避ける
接近できない
ピ「くっそ!一体何本持ってやがるんだよ!」
桃「さぁねー?」
ピ「くそ!」
ピュアは大木の陰に身を隠す
桃「かかった!」
ピ「え?」
桃「剛来貫刃」
放たれた1本のスローイングナイフ
今までと違うのはその威力。
風を裂き、大木を貫通する
ピ「うわッ!!!」
間一髪でそれを避けるピュア
大木がヘシ折れる
桃「逃がさないよー」
片手に10本、両手合わせて20本。
桃「孔雀刃」
20本全てが拡散して放たれる
ピ「…!?」
逃げ場を探すピュア。
しかし、逃げ場はどこにも無い
完全に計算されて放たれた20本のナイフ。
桃「終わりだよ!」
ピ「くっそおおおおおおおおおお!!」
キィンッ!!
桃「え?」
黒「悪い…遅くなった…」
腹「何でこっちにいるんだよw俺の家はここの丁度反対側だw」
放たれたナイフは全て打ち落とされていた
桃「わーー!!何でいきなり1対3になるわけー!!」
地面をダンダンと蹴りつける桃花
桃「だから私だけこっち来るの嫌だったんだよー…」
ピ「あんだけやっといていきなり弱気かよ!」
ピュア君の剣が眼前に迫っていた
桃「うわわッ!やばい!逃げるが勝ち!!」
ピ「あ、待て!」
桃「ウッダッダー♪」
黒「…よせ…罠がある…可能性が…」
腹「黒から話は聞いた
こいつ、ぼそぼそとしゃべるから時間かかってしょうがなかったぜw」
黒「後遺症…だ…1年…前の…」
腹「ふむ…とりあえず高橋達と合流するか」
.
最終更新:2009年11月01日 02:04