2章3節【因子、吸収】
~貧苦への分かれ道~
ピ「…くそ…強いな…」
黒「…」
腹「認めたくは無いが…本当に強いな」
3人は肩で息をしていた
雷「強い?」
夜「解縛もしないで…何を…!」
雷「お前等もっと強いだろうが!!
早く本気を出せ!!!解縛しやがれ!!」
ピ「…どうする?」
腹「たぶん、高橋たちも襲われてる」
黒「かまって…いる…時間が…無い…」
ピ「…仕方ない」
3人は、構えを取った
ピ「解縛」
まずピュアが解縛した
雷「やっと解縛したか!!やっと…!
それでいい!それでいいんだ!」
ピ「おしゃべりはそこまでだ」
ピュアは、雷雲の背後にいた
雷雲は、蹴り飛ばされた
雷「ごぁッ…!!」
黒「解縛」
次に黒が解縛した
人が出せる速度を遥かに超越した超速
それはもはや、人が捕らえられるものではなかった
周囲を何かが飛び回る気配だけを感じられた
腹「解縛」
夜「…行くよ」
腹筋の解縛と同時に夜叉丸は結晶を取り出した
そして、飲み込んだ
夜「…」
腹「おらぁぁぁああああああああ!!」
腹筋の剣が夜叉丸に振り下ろされた
その威力はさっきとは比べ物にならないのが本能的にわかる
だけど、夜叉丸は避けなかった
ヌンチャクを振り、その剣を弾いた
腹「なッ…!」
夜「…リベラ・メ因子…!」
夜叉丸が、宙に手を伸ばす、そして何も無い場所を握る
その瞬間、黒翼天の姿が眼に映った
黒「がっ!!!!」
強引に、超速度を停止させられ
掴まれた足が千切れそうになった
黒翼天はそのまま地面に叩きつけられた
ピ「黒!!!」
雷「お前の相手は俺だ!!」
ピ「!?」
2つの剣が、まるで舞いのように乱舞しながら
ピュアに襲い掛かる
ピ「な…、さばき切れない…!」
雷「さっきのお返しだ!!!!」
雷雲の蹴りが、ピュアの腹部に命中した
さっきとは逆に、ピュアが吹っ飛ばされる
ピ「がッ…!」
雷「いいぞ…これがリベラ・メ因子…!」
ピ「お前等…一体、その力は…」
雷「お前らと同じ力だッ!!!」
ピ「ぐっ!」
雷雲は飛び込みながら斬りつけてきた
ピュアは後ろに下がりながら、必死にそれを避ける
黒「ぐ…」
腹「大丈夫か?」
黒「ああ…」
夜「あはははは!これが、結晶!
さぁ、腹筋!命を頂くよ!!!ゆき兄のために!」
腹「イヤだね」
夜「避けきれるか!このヌンチャクを!!!」
ヌンチャクが振り回される
あまりにも速すぎるその加速は衝撃波を巻き起こす
腹「ぐ…」
夜「消えろ!!!!」
何かが、強烈に身体に叩きつけられる
ベキベキと嫌な音が頭骨に響く
腹筋の口から血がこぼれでる
そのまま腹部を抑え込み、倒れる
黒「…腹筋…!」
ピ「腹筋!!」
腹「ぐ…あ…」
ピュアが腹筋に駆け寄ろうよする
雷「させるかよ!」
ピ「くそ!腹筋!!!!」
黒「ぁッ!」
黒翼天もヌンチャクで弾き飛ばされる
夜「トドメだ」
腹「ぐ…」
ピ「腹筋ーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
その瞬間、遥か後方より
黒い剣が飛来した。
剣は、腹筋に突き刺さった
夜「な?」
雷「え?」
ピ「…!?」
黒「あ…?」
誰もが、状況を理解できなかった
腹「が…は…」
仮「いや~、間に合った、間に合った」
ゆっくりと、現れたのは。
仮面の男。
雷「か…仮面?」
夜「お前…」
ピ「誰だ…?」
黒「…敵?」
誰もが、動けなかった
「動くな」と喉元に剣を突きつけられている感覚を誰もが感じていた
仮「2個目か」
仮面は、腹筋に突き刺さった黒い剣を引き抜いた
そして、剣をしまって、また歩きだした
仮「腹筋を殺させるわけにはいかなかった
んじゃ、後はお好きなように」
雷「ま、待て…」
仮「アァ?」
雷「ぐ…」
仮「急いでるんだよ、それじゃあね」
仮面はそれだけ言い残すと、消えた。
ピ「何だ…あいつ…」
黒「…」
雷「チッ…」
雷雲は、剣を引いた
夜「…」
夜叉丸もヌンチャクをしまった
ピ「お前ら?」
雷「目的は、達成された」
夜「もう、お前らと戦う理由は無い」
ピ「…」
黒「…」
立ち去ろうとした、雷雲と夜叉丸の動きが止まる
雷「…何、だ?」
夜「身体…が?」
??(食らえ)
雷「あ…?」
??(憎しみをたぎらせろ)
夜「う…?」
??(それが、力だ)
雷「が…あ…」
??(黒い感情の奔流に身を任せろ)
夜「うっ…う…」
??(食らえ、天使達)
雷「あああああああああああああああああああああああ!!!!」
夜「うああああああああああああああああああああああああああ!!」
ピ「何だ!?」
黒「…これ…は…何だ…」
雷雲と夜叉丸の身体から黒い水のような煙のようなものが流れ出す
空中に舞い上がる黒い煙は
仮面の形になった
雷「ウウ…!ア…!」
雷雲の双剣の形が変わる、禍々しく
夜「ウ…」
夜叉丸のヌンチャクも刺々しく
より、殺傷能力の上がるような形状へと変化する
ピ「おい…何なんだよ…コレ」
黒「…逃げた…ほうがいい…」
~狂熱の残骸~
ス「はははははははははッ!!あははははははは!!!」
笑いながら、スイカが剣を振るう
高「ぐッ…う…!」
その剣を防ぐ高橋
ス「ああ、駄目だね全然駄目だね、つまらない
もういいや、もう終わりにしようよ、それがいいよ」
高「ぐ…が…!」
押し返されて行く高橋
神「…なんで、高橋が負けてんだ…」
天「助けるぞ!!」
桃「させませんー」
姫「そうはいきませんー」
外「どけッ!どかないと女でも容赦しねぇぞ!!」
桃花と姫は結晶を取り出した
桃「何となく、気乗りはしないけど飲むしかないか…」
姫「そうだね…」
2人は結晶を飲み込んだ
外「どけぇええええええええ!!」
外道の剣が姫に振り下ろされる
姫の手から出されたのは、扇子
剣は扇子を滑り、床に叩きつけられる
外「な…」
姫「久しぶりに舞を踊ろうか」
外「く…」
天「どけ!」
桃「やーだよ」
神「なら斬る!」
桃花がスローイングナイフを取り出す
桃「行くよー」
天「はっ!上等だ!」
ス「ああ、いいな、機械兵に頼るまでも無い
僕は強い、強いから、1人でやれる」
高「くそッ!本当に強ぇ!!」
スイカの流れるような剣を必死に捌きながら
反撃のスキを狙う高橋
え「うりゃああああ!」
えび助がスイカに背後から斬りかかる
ス「あはは」
左手を後ろに伸ばし
えび助の剣を掴み、投げ飛ばす
え「うわッ!!」
壁に叩きつけられるえび助
壁はヘコみ、亀裂が入る
高「えび助ぇぇぇぇええ!!」
ス「全然駄目だ、つまらない、面白くない」
高「クソ!!!」
ス「逃げるなよぉ!」
スイカの剣は、少しずつ少しずつ高橋を追い詰めていく
高「く…」
壁に追い詰められた高橋
ス「終わりだよ!」
渾身の1撃が高橋に迫る
高「もらったぁ!!!」
咄嗟に、その場にしゃがみこみ
体勢低く、スイカの懐に飛び込む
高「お前、本当に自分で戦った事が無かったんだな!
実戦経験の差がモロに出たぜ!?」
高橋の剣がスイカに刺し込まれる
ス「が…」
高「はぁ…はぁ…」
スイカが地面に倒れこむ
高「やった…か…」
ス「…」
??(まだ行けるだろう)
??(憎いだろ?)
??(だったら、立ち上がれ)
??(まだ、強くなれるから)
??(さぁ憎め、そして目の前の敵を葬れ)
??(行け、君は天使だろう)
ス「うおがああああああああああああ!!!」
高「なッ!?」
スイカの身体から黒い液体のような物が流れ出す
そして、身体から噴出したような黒い煙によって吹き飛ばされる高橋
高「何だ…!?」
ス「コ…ロ…シテ…ヤ…」
目は、赤く
憎悪に満ちていた
高「…何なんだよ…」
外「ああああああああ!!」
姫「はい、はい、はいっと」
外道の剣は全て受け流れていく
姫「力は強いけど、技が無いよ、あと心も無い」
外「この野郎ぉぉぉぉおお!!」
姫「野郎じゃないッ!!」
外「どっちでもいいんだよッ!」
姫「やれやれ」
外道の怒りと共に振られた剣は相変わらず受け流される
そして、外道の頭を扇子が打ち据えた
外「いだッ!」
姫「あはははは」
外「…くっそ…」
姫「え?」
外道は、剣を投げ捨てた
外「やっぱり、こっちのほうが性に合ってる」
姫「素手で女の子を殴るわけ?」
外「いまさら関係あるかこの野郎!!」
姫「うわっ!?うわわわわ!?」
外「どうした?さっきまでのキレが無くなってるぜ!?」
姫「うわわ!」
攻撃は音を奏でる
その音に合わせて舞い、敵を制す
外道の剣は、人に教えられた物
しかし、外道の拳での戦いは完全に我流
しかも滅茶苦茶な攻撃
相手が達人ならそれ相応に強くなれる姫
しかし、相手がズブの素人なら合わせる事ができない
外「もらったぁ!!」
姫「ぶぎゃん!」
姫はぶっ飛ばされる
外「よっしゃあ!勝った!」
姫「いった…ぁ…」
桃「よッ!そりゃ!」
天「うわッ!」
神「くっそ!」
桃「いいねー、精度とか速度とか威力が上がってる」
柱の影に身を隠す
天下と神楽
神「近寄れないな…」
天「接近さえできれば何とかなるんだけどな」
桃「剛来貫刃」
柱を軽く貫通する威力のスローイングナイフ
不気味な風切り音が響く
天「…やべぇ!逃げろ!」
神「とりあえず左右から行くぞ!!」
2人は柱から離れる
ほど同時に柱を貫通してナイフが突っ込んでくる
天「何でお前も右に来るんだよ!!」
神「天君こそ左に行けよ!!」
天「いや、普通俺が右で神楽君が左だろ!!」
神「どこの普通!?それ!?」
桃「もーらい」
桃花が手に大量のスローイングナイフを持って
構えに入る
桃「孔雀刃・改」
放たれる20本のナイフ
さらに、数秒の間を置いてもう20本
天「ええい!!!神楽君すまん!」
天下は神楽君を掴むとナイフに突っ込んでいく
神「ちょ!おま!!!」
天「なるべく急所に当たらないように動くから後は神に祈って盾になってくれ!!!」
神「無茶言うなぁあああああああああああああああああああ!!!!」
言い争いをしているうちにナイフはもはや命中直前だった
神「わあああああああああああああああ!!!」
剣をめっちゃくちゃに振り回す神楽
必死に大量のナイフを弾き飛ばす
桃「え?なに、この状況?」
桃花ですら、この状況は予想外だった
まさか天下と神楽が生贄戦法を使ってくるとは全く思って無かった
天「暴れるな!」
神「暴れないと死ぬ!!!」
天「ええい!めんどくさい!飛べ!!」
天下は、接近するナイフの第2波に向かって
神楽を投げ飛ばした
神「うわあああああああああああああああああああああ!!!」
吹っ飛んでくる神楽に驚いたのは桃花だった
桃「わああああああああああああああああああああ!!!!」
空中で滅茶苦茶に剣を振り回して必死でナイフを叩き落す神楽
肩や、足に他のナイフが刺さっても我慢して急所に当たらないように振り回し続けていた
桃「ちょ…来るなぁああああああああああああああああ!!!」
神「だったら止めてくれぇええええええええええええええええ!!!」
神楽は勢いよく桃花に激突した
そのまま2人で壁まで吹っ飛んで崩れ落ちた
桃「ぐぇ…」
神「ごふ…」
天「あ、勝てた」
~貧苦への分かれ道~
ピ「か…はッ…」
雷「ウウ…」
ピュアは、地面に崩れ落ちる
倒れたピュアを踏みつける雷雲
黒「が…」
夜「…アア」
黒「がはッ!」
同じように、地面に倒れ
腹部を思いっきり蹴り飛ばされる黒翼天
辺りは、まるで爆弾が落ちたような有様だった
ところどころに、穴が開き
草木は、焼け焦げていた
その光景を見ている者がいた
た「ああ、いいですね
見事に染まってますね」
たまゆらは懐から仮面を取り出した
仮「さて、じゃあちょっと回収しましょうか」
すでに気を失っているピュアを雷雲は何度も踏みつける
同様に、黒翼天も何度も蹴り飛ばされる
2人抵抗する力はもう残っていない
仮「お疲れ様です、天使達」
雷「ウ…」
夜「ア…?」
仮「回収ですよ」
仮面は、右手を雷雲、左手を夜叉丸に突きこんだ
雷「う…あ」
夜「ぎ…」
仮「…」
ズルリ…と引き抜いた手には結晶
黒く、真っ黒に染まった結晶
仮「いい感じに染まってますね」
雷「か…仮面…?」
夜「な、何を…す…」
仮「何度も言ってるでしょう、回収ですよ」
雷「が…」
夜「う…」
雷雲と夜叉丸は、その場に崩れ落ちる
仮面は、黒い結晶を懐にしまう
仮「…さて、そろそろ…頃合ですね」
仮面を投げ捨て、笑った
た「後は、任せましたよ。あはははは!」
~狂熱の残骸~
スイカ・桃花・舞姫
3人は身体から黒い煙のようなものを浮かばせながら立っていた
それに、対峙する5人
高「何なんだよ…」
天「目が完全に狂ってる」
神「この状態になってから完全に容赦がなくなってる…」
え「油断したら死ねる…」
外「しかし、一体この力…何なんだ…」
桃「…」
桃花は空中に大量のナイフをばら撒く
そして、落下してくるナイフをスイカと姫が弾き飛ばしてくる
高「うおッ!?」
天「危なッ!?」
正確無比に狙って撃ち出されるナイフ
全員は、必死に避ける
桃「…」
姫「…」
ス「…」
3人は延々と同じ動作を繰り返す
え「いつまで続くんだッ!?」
神「こいつらイっちゃってる!」
外「誰か止めろ!」
高「お前が止めろよ!」
外「この状況で動けるわけがねぇだろ…うわッ!ちょ!危ない!」
天「俺達だって動けねぇよ!!」
不意に、ナイフの連続攻撃が停止する
神「おッ?」
数秒の間を置いて
3人が飛びかかってきた
天「うおッ!?」
ス「…」
神「うげッ!」
桃「…」
え「がは…!」
高「ごあッ!」
姫「…」
外「な、皆…」
外道を除いた4人は、バタバタと崩れ落ちた
高「か、身体が…動かない…」
天「何だ…」
え「何が…何が起こった…」
神「わからんけど…動けな…い」
4人の身体には黒い煙のようなものが纏わりついていた
それが、まるで四肢を縛るように蠢いていた
外「あ…」
外道を取り囲んだ3人は剣を振り上げた
外「く…そぉおおおおおおおおおおお!!」
.
最終更新:2009年11月01日 02:10