0386:A列車で交渉をしよう ◆hR0cu29K.I
「刀がねぇんじゃ交渉の余地はねぇな・・・と、言いたいところだが、
その地獄宛ての葉書とやらにゃあちょっとばかし興味があるな。
どうせ役立たずなモンだ。どっちか片方とだったら交換してやるよ」
兵庫県を滑走中の列車、車内にて、
長鼻と魔法使いが包帯の悪魔と交渉を始める。
「ほんとか!!だったらおれのパチンコと!!」
しめたとばかりに
ウソップが立ち上がった。
「ま、待てよ
ウソップ!そんなおもちゃよりもフェザーが先だ!!」
「な、テメエ!
ウソップ海賊団にまつわる由緒正しき伝説の武器をおもちゃだと!!
それにこれはもともとおれの支給品だろ!とやかく言われる筋合いはねえよ!!」
「ちげぇよ!オマエには分かんないかも知れねーけどあれはただの羽根じゃないんだ!」
「ちっ・・・」
遠巻きにその様子を窺っていたパピヨンが悪態をついた。
(ぺらぺらと弱みを見せやがって・・・敵対交渉もままならんのか)
「ほう、この羽根にゃなにか特別な使い道があるってのか?」
しまったと思ったが時既に遅し。
「・・・・・・」
使い道が分からなければただの飾りでしかないアイテムも、
利用価値があると分かれば違ってくる。
不覚にも自ら競り落とすアイテムの付加価値をあげてしまった。
「どんな使い道があるんだ?」
「そ、それは・・・」
頭をフル回転する。
交渉事が苦手なわけではないが思わず痛手を踏んでしまった。
なんとかリカバーするためにベストな答えを叩き出そうとするが、敵はそんな猶予を与える気も無いようだ。
「はっきりしろよ。これでも気は短い方でな・・・
話す気がねえんなら交換はこっちの襤褸屑で決定だ。」
「ま、待て・・・」
思いつく限りでは志々雄にフェザーの有益な用途は無い。
ここは正直に話すべきと踏む。
「こ、このゲームに・・・大幅な能力制限がかけられているのは知ってるか?
その羽根を使えばもしかしたらその制限を解くことができるかもしれない。」
「どういうことだ?」
これには傍観していたパピヨンも反応した。
「その羽根の先にある石は"輝石"っていう、魔力を蓄積しておくことができる特殊な石なんだ。
呪文が使えないヤツにはほとんど使い道はねえが・・・
俺みたいに呪文が使えるヤツはその威力を増幅させることができる」
「ほう・・・それで?てめえは何をしようってんだ?」
「可能性があるのは二つの破邪呪文だ。『シャナク』と『マホカトール』を試してみる。
シャナクってのは呪いを解く呪文だ。この能力制限が呪いの類によるものなら、ゴールドフェザーで破邪力を強化すれば効くかもしれない。
そんでもう一つのマホカトールだが、コイツはかなりの高確率で成功すると思う。
五芒星で作られる結界で、外界からの邪悪な干渉を拒絶した空間を作ることができる。もしかしたら・・・」
そう言い掛けて首輪を指差した。
盗聴を警戒して声には出さなかったが、志々雄にも意図したことは伝わったらしい。
「成る程、確かに癪に障ってたところだ。」
ニヤリと不敵に笑う。
仇敵である緋村剣心を屠った志々雄にとって、
目下の敵はバーン・フリーザ・ハーデスといったゲームの主催者達。
ただし脱出計画に興がない志々雄にとって、優勝して主催者を倒すというシナリオが「天下獲り」の筋書きだったが、
この首輪だけは邪魔だ。言葉通り『ネック』であった。
「案外と利害関係が一致しちまったな。
コイツはやれねぇがお前の言う実験には付き合ってやるのはかまわねえ。
必然的にそれまではお仲間ってコトになるが・・・
そちらの蝶々野郎は俺が同行することに不満じゃあねえのか?」
「蝶不本意だ」
間髪入れずにパピヨンが返す。
「――と言いたいところだが・・・条件次第だな。
その羽根・・・半分は貴様が持っていて構わんが、もう半分はこちらによこせ」
「そいつはできねぇ相談だ。
テメエ等が羽根だけ持って逃げねぇって保障がどこにあるってんだ?」
二人の狂人が睨み合い殺気が漂う。
「ハハッ!莫迦な。逃げる必要が何処にある?
強硬手段なら貴様を殺して全て奪う方がよほど理に適ってるだろう。」
緊張した空気が車両を埋め尽くした。
(こ、こいつら・・・やっぱおっかねぇ~)
習性から
ウソップは自然と二人から距離を置いて、車両後方席から二人を覗き見る。
戦闘が始まった時のことを考えて身の安全を確保したつもりだった、が。
「フッ、違えねえな。」
意外にも志々雄はフェザーの半分を投げて遣した。
「コイツは互いの信頼の証って訳だ。」
パピヨンがしたり顔で笑う。
黙ったまま
ポップは頷いた。
辛くもこれで交渉は成立。
圧倒的に志々雄優位かと思われた中でフェザーを勝ち取ったのは、パピヨンの功績と言える。
狂人同士によって紡がれたのは意外にも希望への盟約。
一縷の望みを乗せて列車は大阪へと迫る。
待ち受けるのは新たな邂逅。
【兵庫県/汽車内/朝】
【志々雄真実@るろうに剣心】
[状態]:全身に軽度の裂傷
[装備]:衝撃貝の仕込まれた篭手(右腕)@ONE PIECE、飛刀@封神演義
[道具]:荷物一式 八人分(食料、水二日分消費)、コルトローマンMKⅢ@CITY HUNTER(ただし照準はメチャクチャ)(残弾1)
青雲剣@封神演義、パチンコ@ONE PIECE(鉛星、卵星)
ゴールドフェザー2本 シルバーフェザー3本@ダイの大冒険、キメラの翼@ダイの大冒険
弾丸各種(マグナムリボルバーの弾なし) 、ソーイングセット、半透明ゴミ袋10枚入り1パック
[思考]1:パピヨン達に首輪の解除をさせる。
2:無限刃を手に入れる
3:無理に戦う気はない。誰かを利用して参加者を減らせるなら、それが理想(15分の時間制限のため)。
4:強力な敵や多人数と戦う場合は、作戦を立てて対抗する。できれば無限刃を持った万全の状態で挑みたい。
5:長時間戦える東北へ向かう・・・?
6:少しでも多く参加者が減るように利用する。
7:全員殺し生き残る
【ウソップ@ONE PIECE】
[状態]:健康
[装備]:賢者のアクアマリン@HUNTER×HUNTER
いびつなパチンコ(特製チクチク星×3、石数個)、ボロいスカーフ(団員の証として)、大量の輪ゴム
[道具]:荷物一式(食料・水、残り3/4)
死者への往復葉書@HUNTER×HUNTER(カード化解除。残り八枚)、 参號夷腕坊@るろうに剣心
スナイパーライフル(残弾13発)、ボロいスカーフ×2
[思考]1:オレのパチンコはどうなった?(怖くて聞けない)
2:ルフィ・ポップの仲間との合流
3:アイテムを信じて仲間を探す
4:全てが終わった後、死んだ参加者のために弔いの鐘を鳴らす。
【ポップ@ダイの大冒険】
[状態]:健康(MP全快)
[装備]:魔封環@幽遊白書 、アバンのしるし@ダイの大冒険
ウソップ作の仕込み杖、死者への往復葉書@HUNTER×HUNTER、ボロいスカーフ(仲間の証として)
ゴールドフェザー 3本 シルバーフェザー 2本@ダイの大冒険、キメラの翼@ダイの大冒険
[道具]:荷物一式×3(食料・水、一日分消費)、首輪×2
[思考]1:脱出の鍵を探す。
2:ダイ・ウソップの仲間との合流
3:夜になったら死者への往復葉書を使ってマァムに手紙を書く。
4:フレイザードを早めに倒す
5:パピヨンはやはりあまり信用していない
【パピヨン@武装錬金】
[状態]:健康、核鉄で常時ヒーリング
[装備]:核鉄LXX@武装錬金(ニアデスハピネス微量消費)
ボロいスカーフ(首輪から監視されていた場合への対策)
[道具]:荷物一式×4(食糧二食分消費)、首輪×2、ベアークロー(片方)@キン肉マン
[思考]1:武藤カズキを生き返らせる。手段は問わない。ただし主催者の思い通りになるのは拒否
2:首輪を調べる。爆破実験は迂闊に行うべきではないと思っている(少なくとももっと脱出の為の駒が集まってから)
3:大阪・名古屋・東京のいずれかの大都市で汽車を降りる。首輪の解除に役立つ人間またはアイテムを探す
4:志々雄を危険視。対策を立てる。自分達が有利な広いフィールド、又は拠点の捜索。
5:ツリ目の少年の情報を得る。ツリ目の少年は見つけ次第殺す
6:他の参加者と必要以上に馴れ合う気はない
<首輪の調査案 その①>
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1.死体の首輪で爆発力を調査(調査トリガー:情報不足のため、脱出の目処がつく/有力な仲間ができるまで保留)
1.1 死体の首輪が爆発しなかった場合 → 外部から首輪を破壊する(首輪が誘爆するかは不明)
2.項目1の結果を受けて列車の中で、起爆トリガーの調査
2.1 禁止エリアがトリガーだった場合 → 列車内の調査
2.2 主催者側の監視がトリガーだった場合 → 予備の首輪の爆破実験を行い、主催者側の視界の調査
3.項目1で破壊した、首輪の破片の分析(パピヨン・ウソップ)
4.「呪い」の調査、及び対処法の考案(ポップ) ⇒ シャナクを使ってみる
5.マホカトールを使用した首輪への外部干渉の断絶(調査トリガー:項目1、項目2を受けて本格解除を前提とした行動)
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最終更新:2024年07月13日 06:09