ソーダ最近のお気に入りは、あたしが買ってきたクレヨン。
24色とちょっと多いので、小学校の頃は私も憧れたっけ。
「ぐーるぐーる……」
という訳で、あたしの隣でお絵かきに興じているソーダ。あたしは雑誌を見ながらぼんやりしている。
この子が絵を描くとちょっとした抽象画だから、時々なんだか分からない。
でも、それがソーダの絵の良いところのような気もする。何を描いたのかを考えるのが、結構楽しい。
「ママー、これー」
早速出来た絵を私に見せる。
今回は比較的分かりやすい。うちのベランダから見える街並みだと思う。
水色の空、白い雲、灰色のビル、色とりどりの住宅街。
子供とはいえ、しっかり見ているんだなぁ。
……そういえば、今日は久しぶりに晴れたなぁ。
「ちゃんと窓に見えるの全部描いたんだ。すごいねー」
「えへへ、がんばったのー」
相変わらずの明るい笑顔。
この顔を見ていると、ソーダと契約して良かったと本当に思う。
「んー……ママー、これなぁに?」
と、あたしがテーブルに置いた雑誌を指差すソーダ。
「ただの写真だけど?」
「んーん、このいろんな色のー」
ソーダが指差す風景写真。
それには、とても鮮やかな虹が空に浮かんでいる。
「あぁー、これは虹って言うんだよ。雨の後に晴れたりすれば、空に出てくるんだよ」
「にじ……とけい?」
「そ、その2時じゃないなぁ……」
まさかそう返してくるとは……。
「じゃあー、くじらさんのおともだち?」
「あはは……時計じゃないの」
「んー……でもぉ、おっきい橋みたいー」
……そういえば、虹を橋に例えた最初の人って誰なんだろう。
虹の根本には宝物が埋まってるとか、そう言う事を考えた最初の人もそうだ。
「ママー、ソーダこれの上に登りたいっ」
「え、それはちょっとなぁ……」
「めーなの?」
「めーじゃないけど……そうだなぁ、ソーダが虹の根本を探せるぐらい大きくなったら登れるかも」
我ながらあまり上手じゃない話の返し方。世のお母さん方ってホントに尊敬する。
「おっきく……じゃあねぇ、ソーダおっきくなったらママをこれの上につれてったげるー♪」
ソーダが大きく、かぁ。
人形であるソーダが成長するか、あたしには分からない。
「それでねー、んとぉー……あーっ」
何かを思いついたらしく、先ほどの絵に何かを描き足し始める。
いくつものクレヨンが、画用紙の上を走る。
やがて水色と白の空に、いくつもの色で彩られた半円の橋が架けられていた。
その上には……。
「それでねー、ママといっしょにこーするのー」
色の順番がバラバラな虹の上に、大小二つの人影。
「これがママでぇ、こっちがソーダだよー。おべんとー食べてるのっ」
「そっか、ソーダはここでお弁当食べたいんだ」
「うんっ、ママのおべんとーおいしーのっ」
……なんだか、懐かしい気持ちになる。
あたしも、こういう事を考えてた時期があったんじゃないか……って。
「じゃあ、ここはあたしとソーダだけの場所だね。普通の人じゃ行けないし」
「あーっ、ひとりじめはめーって、おねえちゃん言ってたっ。だからめーっ」
もうすっかり大人の考えなんだなぁ……そんな言葉が、頭を過ぎる。
ソーダの言葉も、空想の域でしかないとか、そういう風にしか考えられない。
「ごめんなさいはー?」
でも、そんなソーダの話がとてもおかしくて。
それが、懐かしい。
「マーマーっ」
「あっ、ちょっと……もぅ」
なかなか謝らないからか、頬を膨らませてあたしの膝に乗っかってくる。
「ごめんなさいはっ?」
「……はい、ごめんなさい」
「えへー、ママいいこー」
あたしの頭を小さな手で撫でる。
……少しだけ、くすぐったかった。
24色とちょっと多いので、小学校の頃は私も憧れたっけ。
「ぐーるぐーる……」
という訳で、あたしの隣でお絵かきに興じているソーダ。あたしは雑誌を見ながらぼんやりしている。
この子が絵を描くとちょっとした抽象画だから、時々なんだか分からない。
でも、それがソーダの絵の良いところのような気もする。何を描いたのかを考えるのが、結構楽しい。
「ママー、これー」
早速出来た絵を私に見せる。
今回は比較的分かりやすい。うちのベランダから見える街並みだと思う。
水色の空、白い雲、灰色のビル、色とりどりの住宅街。
子供とはいえ、しっかり見ているんだなぁ。
……そういえば、今日は久しぶりに晴れたなぁ。
「ちゃんと窓に見えるの全部描いたんだ。すごいねー」
「えへへ、がんばったのー」
相変わらずの明るい笑顔。
この顔を見ていると、ソーダと契約して良かったと本当に思う。
「んー……ママー、これなぁに?」
と、あたしがテーブルに置いた雑誌を指差すソーダ。
「ただの写真だけど?」
「んーん、このいろんな色のー」
ソーダが指差す風景写真。
それには、とても鮮やかな虹が空に浮かんでいる。
「あぁー、これは虹って言うんだよ。雨の後に晴れたりすれば、空に出てくるんだよ」
「にじ……とけい?」
「そ、その2時じゃないなぁ……」
まさかそう返してくるとは……。
「じゃあー、くじらさんのおともだち?」
「あはは……時計じゃないの」
「んー……でもぉ、おっきい橋みたいー」
……そういえば、虹を橋に例えた最初の人って誰なんだろう。
虹の根本には宝物が埋まってるとか、そう言う事を考えた最初の人もそうだ。
「ママー、ソーダこれの上に登りたいっ」
「え、それはちょっとなぁ……」
「めーなの?」
「めーじゃないけど……そうだなぁ、ソーダが虹の根本を探せるぐらい大きくなったら登れるかも」
我ながらあまり上手じゃない話の返し方。世のお母さん方ってホントに尊敬する。
「おっきく……じゃあねぇ、ソーダおっきくなったらママをこれの上につれてったげるー♪」
ソーダが大きく、かぁ。
人形であるソーダが成長するか、あたしには分からない。
「それでねー、んとぉー……あーっ」
何かを思いついたらしく、先ほどの絵に何かを描き足し始める。
いくつものクレヨンが、画用紙の上を走る。
やがて水色と白の空に、いくつもの色で彩られた半円の橋が架けられていた。
その上には……。
「それでねー、ママといっしょにこーするのー」
色の順番がバラバラな虹の上に、大小二つの人影。
「これがママでぇ、こっちがソーダだよー。おべんとー食べてるのっ」
「そっか、ソーダはここでお弁当食べたいんだ」
「うんっ、ママのおべんとーおいしーのっ」
……なんだか、懐かしい気持ちになる。
あたしも、こういう事を考えてた時期があったんじゃないか……って。
「じゃあ、ここはあたしとソーダだけの場所だね。普通の人じゃ行けないし」
「あーっ、ひとりじめはめーって、おねえちゃん言ってたっ。だからめーっ」
もうすっかり大人の考えなんだなぁ……そんな言葉が、頭を過ぎる。
ソーダの言葉も、空想の域でしかないとか、そういう風にしか考えられない。
「ごめんなさいはー?」
でも、そんなソーダの話がとてもおかしくて。
それが、懐かしい。
「マーマーっ」
「あっ、ちょっと……もぅ」
なかなか謝らないからか、頬を膨らませてあたしの膝に乗っかってくる。
「ごめんなさいはっ?」
「……はい、ごめんなさい」
「えへー、ママいいこー」
あたしの頭を小さな手で撫でる。
……少しだけ、くすぐったかった。