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海を見ろ

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だれでも歓迎! 編集
  波の音。
  視線の先には砂浜、そして海。
  堤防から眺める、青い風景。
「こうして出かけるの、久しぶりですね」
  隣の、黄色いワンピースを着た連れがつぶやく。
  砂浜の方にいる他の娘達から離れ、私の隣を離れない。
「お前もあいつらと遊んだらどうなんだ?」
「……今日は、ここがいいです」
  ただぼんやりと海を眺めている私の隣に、何か魅力でもあるのか。
  理解出来ない。到底楽しいと思うことはないはずだが。
黒曜石
  仕方ないから、何か話題を振っておく。
  しかし、何を話せばいいか……。
  そのとき、彼女の黒い髪が目に入る。
  ……やれやれ。
「……あっ」
「人形のくせに日射病で倒れるお前だ。天気のいい日は帽子を被れと、いつも言っているだろう?」
  私の被っていた帽子。
  黒曜石には、少し大きいか。
「えへへ……」
「何か面白いものでもあったか?」
「いえ。この帽子、昔から好きだったから」
  昔から、ね。
  そういえば、この帽子を私にプレゼントしたのも、黒曜石だった。
  もう100年近く前に、なるのか。
「そういえば、どうして今日は夏用の服で来なかったのですか? 普段のドレスではここ、とても暑いと思うんですけど」
「私はお前みたく何でも似合うわけではない。それにこのドレスが一番落ち着く」
「そうですか……」
「それより、相変わらずそのワンピース、着ているんだな」
  帽子の礼と言うことで、どこかの国で買ったワンピース。
  色あせもほとんど見受けられず、相当大切に着ていたのが分かる。
「お気に入りですから。一番の」
「……そうか」
  私も、その帽子はお気に入りだ。
  ……沈黙。
  波の音が、砂浜で遊ぶ他の娘の声が、やたらと耳に響く。
  やはり話を続けるのは苦手だ。
  それにしても、先ほどからやたらと気になる視線。
「黒曜石、こっちばかり見るな。海でも見ていろ」
「えへへ。でも今日は、海よりも……」
  そこまで言うと、唐突に私の手を取る。
「大好きな、姉さんを見ていたいんです」
  ……大好きな、ね。
「おーいっ、二人もこっちに来なよーっ。面白いよー!」
「……金剛石の奴、礼儀よく喋ろとあれだけ言っているのに」
「あはは……姉さん、一緒に行きましょう?」
  私の手を引く黒曜石。
  初めて出会ったときと変わらぬ、小さな手。
  ……ずいぶんと、成長したものだ。
「あれ? 何で鉄鉱石帽子脱いでるのー?」
  砂浜からの声。相変わらず金剛石の声は大きい。

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