アットウィキロゴ
宝石乙女まとめwiki
掲示板 掲示板 ページ検索 ページ検索 メニュー メニュー

宝石乙女まとめwiki

今日は気分がいい

最終更新:

Bot(ページ名リンク)

- view
だれでも歓迎! 編集
 少し酔いの回った時は、夜の散歩に限る。
「マスタぁーっ、お月様まん丸ー」
 俺の横で、天が空を指差す。
 夜の散歩も、こいつがついてくるとずいぶん明るくなる。
「うさぎさん見えるかなぁ?」
 月を見上げながら歩く天河石。すっかり足下がおろそかになっている。
「転ぶぞ」
 そう言いつつ、天を抱き上げる。
 お姫様抱っこの体勢だ、これなら月も見えるだろう。
 ……過保護かも知れないが、今日は気分がいい。特別サービスだ。
「えへへー。マスタぁーあったかいね」
「俺は少し暑い」
 とはいっても、この時期でも夜は涼しい。
 昼間もこれぐらい過ごしやすい気温ならいいのだが、それでは夜風の
ありがたみがなくなってしまうってモンだ。
 ……ありがたみがなくなってもいいから、昼も涼しくなって欲しいかも知れないが。
「マスタぁー、どおしてお月様にはうさぎさんがいるのかなぁ?」
 唐突に、夢のある質問。
「どうして、か……」
 当然ながら、そんなの考えたこともなかった。
 大体うさぎってのもただ月の模様がそう見えたってだけで……って、そんなこと
天に言えるわけない。
「将来うさぎ達が月に移住出来るように、開拓でもしてるんじゃないのか?」
「開拓……それなぁに?」
「簡単に言えば住めるようにするって事だ。畑作ったり家建てたり」
 我ながら、なんと夢のない返答だろう。
「あー、じゃあお月様にはにんじんの畑がいっぱいあるんだねー。
天河石にんじん好きだよーっ」
「ピーマンは食えないけどな。今日も野菜炒めの残してたもんなー」
「う……」
 いつもの糸目のまま、冷や汗を流す。
 ホント器用な顔だ……ちなみに残すと珊瑚に怒られるので、そのピーマンは
気付かれないうちに俺が食べた。
「そ、そのうち食べられるようになるよっ」
「ホントかぁ? それまで何回俺がピーマン食わなきゃならないんだよ?」
「え……えーとねぇ……100回っ」
「明日はスパルタでピーマン食えるようになろうか」
 天の笑顔が硬直する。
「……あーっ、うさぎさんだよっ!」
「あからさまにごまかすな」
「ち、違うよっ。ほらぁー、ここがお耳で、こっちが尻尾だよー」
 月を指差しながら俺に説明する。
 天は部位別に指を差しているつもりだろうが、俺には同じ場所を示しているようにしか見えない。
 だが、説明する天は本当に楽しそうだ。ごまかしているのも丸わかりだが
「あっ、お月様が赤くなる時はねー、きっとにんじんがいっぱい取れた時なんだよっ」
「じゃあピーマンが取れれば緑になるな」
「……ぴ、ピーマンはないのっ!」
 なぜか叩かれる。痛くはないが。
「むぅ、マスタぁーいじわるだよぉ」
「お前が食べられるようになればいいだろう」
「簡単にいっちゃめーっ。すごーく苦いんだよっ」
「はいはい」
 そんな意地悪を言われても、天が離れる様子はない。
 ……まぁいい、今日は気分がいいから。
 拗ねる天を抱き上げながら歩くのも、悪くはない。

「……で、某は散歩ついでに牛乳を買ってくるように頼んだのだが」
「あ、あー、まぁ、なんだ、てっきり、つい」
「酔っぱらうのもほどほどにしてくれ……」

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最近更新されたスレッド
ウィキ募集バナー