朝からずっと降っていた雨は夜にようやく弱くなった
雨特有の匂いが鼻腔をくすぐる。これで寒くさえなければ完璧なんだけど。
何せ寒いと亀が部屋に現れる。大量の南瓜に囲まれた亀が現れる。
この微妙な気持ちは、生八橋は焼かねば食えぬと言われた時と似ていると思う。
「これで煎餅や蜜柑があれば完璧なのに」
「さっき食べたでしょ」
「それが通るなら主人だってさっきゲームやってたじゃないか。やめたらどうだ」
ふてくされたような返事をする亀、もとい試金石。
そんなこと言ったって蜜柑も煎餅も品切れです残念ながら。
「餅はないのか餅は」
「正月になったらね」
「ケーキはないのか?」
「クリスマスになったらね」
「コタツで何か食べるのがロマンなのに……」
「年寄りか君は」
むー。と唸りだす試金石。まだ諦めていないのか。
その唸り声は何故か段々少なくなり、一回完全に止まると笑顔を浮かべる。
「コタツでアイスは定番だ」
「……買い置きのバニラアイスならあるよ」
偶然にも昨日アイスを買ってきていた僕が憎らしい。
夜に甘いもの食べると学校以外に外出しない僕は太る。確実に。
だがまぁ一人一個食べる必要なない。むしろ一人一個は食べすぎだ。
そういうわけで僕は冷凍庫から一個だけアイスを取り出す。
「もってきたよ」
「む、まさか二人で一個か。予想外だ」
「一人一個は食べすぎだ」
「……むぅ」
スプーンで真っ白なソレを救って口に運ぶとすぐに甘さが広がる。
甘い。なんて甘いんだ。アイスだから当然だけど。こいつは甘い。
しかもコタツでアイスというだけでこの感覚。どうやらコタツアイスを舐めていたようだ
「二人で一つのものを食べる時は一つの作法儀礼があってだな」
「ん?」
「ほら、あ~ん」
「ベタベタな漫画じゃないんだから」
とかいいつつ素直に口を開けてしまうのは悲しい男の性と言えようか。
ただまぁ試金石の理由不明の満足気な顔を見られるだけでもよしとする。
「ほら、主人も」
「僕もやるのか、それを」
妙に嬉しそうな試金石の笑顔。やれやれと言いたい所だが
僕の顔も妙に綻んでいる辺り、人の事は言えないようだ。
雨特有の匂いが鼻腔をくすぐる。これで寒くさえなければ完璧なんだけど。
何せ寒いと亀が部屋に現れる。大量の南瓜に囲まれた亀が現れる。
この微妙な気持ちは、生八橋は焼かねば食えぬと言われた時と似ていると思う。
「これで煎餅や蜜柑があれば完璧なのに」
「さっき食べたでしょ」
「それが通るなら主人だってさっきゲームやってたじゃないか。やめたらどうだ」
ふてくされたような返事をする亀、もとい試金石。
そんなこと言ったって蜜柑も煎餅も品切れです残念ながら。
「餅はないのか餅は」
「正月になったらね」
「ケーキはないのか?」
「クリスマスになったらね」
「コタツで何か食べるのがロマンなのに……」
「年寄りか君は」
むー。と唸りだす試金石。まだ諦めていないのか。
その唸り声は何故か段々少なくなり、一回完全に止まると笑顔を浮かべる。
「コタツでアイスは定番だ」
「……買い置きのバニラアイスならあるよ」
偶然にも昨日アイスを買ってきていた僕が憎らしい。
夜に甘いもの食べると学校以外に外出しない僕は太る。確実に。
だがまぁ一人一個食べる必要なない。むしろ一人一個は食べすぎだ。
そういうわけで僕は冷凍庫から一個だけアイスを取り出す。
「もってきたよ」
「む、まさか二人で一個か。予想外だ」
「一人一個は食べすぎだ」
「……むぅ」
スプーンで真っ白なソレを救って口に運ぶとすぐに甘さが広がる。
甘い。なんて甘いんだ。アイスだから当然だけど。こいつは甘い。
しかもコタツでアイスというだけでこの感覚。どうやらコタツアイスを舐めていたようだ
「二人で一つのものを食べる時は一つの作法儀礼があってだな」
「ん?」
「ほら、あ~ん」
「ベタベタな漫画じゃないんだから」
とかいいつつ素直に口を開けてしまうのは悲しい男の性と言えようか。
ただまぁ試金石の理由不明の満足気な顔を見られるだけでもよしとする。
「ほら、主人も」
「僕もやるのか、それを」
妙に嬉しそうな試金石の笑顔。やれやれと言いたい所だが
僕の顔も妙に綻んでいる辺り、人の事は言えないようだ。