武藤春馬がこの飛行機の中で思ったことは、他の多くの子供達と同じである。自分以外の60人の中に自分の知り合いがいないかだ。
だが春馬がそれを考える理由は他の子供達とは違う。自分がこれから殺す相手に知り合いがいないか、だ。
武藤春馬は、殺し合いに乗っている。
隠し持った拳銃の銃把は握られ続けて体温と等しくなっている。それを人に向けることにならないことを祈りながら、春馬は窓から赤い空を見ていた。
親友の為に1億円を獲得するために参加した絶対絶命ゲーム。それは小学生が命懸けで賞金を奪い合うデスゲームだった。春馬の最期の記憶は、自分が爆死するところで終わっている。正確には、自分の死を覚悟したところだが、春馬からすれば奇跡的に生きていたのかそれともここが死後の世界か判然としない状況だ。
だが春馬がそれを考える理由は他の子供達とは違う。自分がこれから殺す相手に知り合いがいないか、だ。
武藤春馬は、殺し合いに乗っている。
隠し持った拳銃の銃把は握られ続けて体温と等しくなっている。それを人に向けることにならないことを祈りながら、春馬は窓から赤い空を見ていた。
親友の為に1億円を獲得するために参加した絶対絶命ゲーム。それは小学生が命懸けで賞金を奪い合うデスゲームだった。春馬の最期の記憶は、自分が爆死するところで終わっている。正確には、自分の死を覚悟したところだが、春馬からすれば奇跡的に生きていたのかそれともここが死後の世界か判然としない状況だ。
(まるで地獄だ。)
吸い込まれそうになる赤い空に目を奪われながらも、常に拳銃は意識し続けている。殺し合い、その直球なシチュエーションにどこか冷静でいられるのは、既に似たようなことを経験しているからであろうか。前の時は自分以外全員が負ければ死のギャンブルから降りようとはしなかった。あれは志願した者によるゲームだったという理由はあるが、それでも春馬以外は、自分が誰かを死に追いやることになっても大金を獲ることを選んだ。
では今回のゲームでは、果たしてどのくらいゲームを拒否するプレイヤーがいるのだろうか?
では今回のゲームでは、果たしてどのくらいゲームを拒否するプレイヤーがいるのだろうか?
(天人? 宇宙人? どういうことなんだろう……)
少し後ろの方で美少女と話すメガネの少年、シンパチだとか呼ばれている彼の話に聞き耳を立てながら物思いにふける。たぶんホログラムとかコスプレだと思うが、なんか風変わりな服の人やデカい犬だとかもプレイヤーらしい。いったいぜんたいどういうことなんだと思うが、前の時も1人犬に喰い殺されたプレイヤーもいたし、そういうことのための用意なのだろうか。
何度も考え込む。今回のゲームマスターが絶対絶命ゲームと同じなら、きっと殺し合いに乗ったプレイヤーや乗るしかないプレイヤーが多く集められている。だから今この時が信用できない。こんなふうに何事もなく時間が過ぎていくというのは、どうにも、座りが悪い。
そんな具合なので、それからしばらくして刀狩りが始まった時も、春馬はいつ拳銃を発砲するかを悩み続けていた。殺し合いの場で全員が武器を置く。そんなことができるのだろうか? いや、できない。直接殺し合うわけではない絶対絶命ゲームですら、気弱なプレイヤーであっても張り続けた。ならこの場で、馬鹿正直に武器を手放す人間がどれだけいるだろうか? 武器を隠し持つ人間の方が多いのではないだろうか?
そう思っていたのに。
何度も考え込む。今回のゲームマスターが絶対絶命ゲームと同じなら、きっと殺し合いに乗ったプレイヤーや乗るしかないプレイヤーが多く集められている。だから今この時が信用できない。こんなふうに何事もなく時間が過ぎていくというのは、どうにも、座りが悪い。
そんな具合なので、それからしばらくして刀狩りが始まった時も、春馬はいつ拳銃を発砲するかを悩み続けていた。殺し合いの場で全員が武器を置く。そんなことができるのだろうか? いや、できない。直接殺し合うわけではない絶対絶命ゲームですら、気弱なプレイヤーであっても張り続けた。ならこの場で、馬鹿正直に武器を手放す人間がどれだけいるだろうか? 武器を隠し持つ人間の方が多いのではないだろうか?
そう思っていたのに。
「……持ってるのは、この拳銃だけです。」
「えっと、君は──」
「……上山秀介です。」
「えっと、君は──」
「……上山秀介です。」
武器を預かりに来た志村新八に拳銃を渡していた。自分でもこの判断は間違っていると思っているのに、それでもその善性を裏切るようなことはできない。本名ではなく親友の名前を名乗ったのすら、あのゲームのように自分が秀介として扱われているからかもしれないからだ。
つまるところ徹頭徹尾、春馬はあの地獄のゲームをくぐり抜けてもお人好しさが抜けていないということだった。
つまるところ徹頭徹尾、春馬はあの地獄のゲームをくぐり抜けてもお人好しさが抜けていないということだった。
「長嶋が言っていたのが君か。」
「は、はい……木下ヒナです。」
「知りあいだったの?」
「ああ。いや、さっき名前だけ長嶋から聞いただけなんだが……」
「長嶋って誰?」
「ほら、さっき話してた……」
「ああ、あのモジャモジャ頭の?」
「いや、そっちはモモで……」
「じゃあそこの?」
「え、誰……」
「水沢さん、さっき言った弟の雨です。あの……その子は。」
「ああ、えっと……渡辺だっけ?」
「江口瑠香。」
「悪い……こっちは……悪い、本当に悪い、名前なんだっけ……」
「……」
「は、はい……木下ヒナです。」
「知りあいだったの?」
「ああ。いや、さっき名前だけ長嶋から聞いただけなんだが……」
「長嶋って誰?」
「ほら、さっき話してた……」
「ああ、あのモジャモジャ頭の?」
「いや、そっちはモモで……」
「じゃあそこの?」
「え、誰……」
「水沢さん、さっき言った弟の雨です。あの……その子は。」
「ああ、えっと……渡辺だっけ?」
「江口瑠香。」
「悪い……こっちは……悪い、本当に悪い、名前なんだっけ……」
「……」
水守理音がモモを連れてきて少女たちの騒ぎを収めてから、少しして。
モモが外国人グループと話しだしたのを見て、リオンは日本人グループとの会話を試みていた。
これでも学校では陽キャで通っている。人付き合いに面倒さを感じることもあるが、生来の面倒みの良さとリーダーシップもあって、この一癖も二癖もある同乗客たちの仲を取り持とうと腐心していた。
今話している乗客たちは2グループ4名。木下ヒナと江口瑠香の女子小学生コンビと、雨と雪の姉弟である。ルカとはモモがパステルと話している間に話しかけられてからの付き合いで、ヒナとは長嶋ケンイチロウから同じラストサバイバルだとかいうバラエティ番組なのかリアリティーショーなのかそういうのの参加者だと聞いている。たぶん天テレ戦士的なものだろう。雨と雪は、雨の方にかなり最初の方に少し話したきりである。2人の苗字もわからない。なんなら自分も水沢って呼ばれた気がするが、これは訂正しておいたほうが良いだろう。
モモが外国人グループと話しだしたのを見て、リオンは日本人グループとの会話を試みていた。
これでも学校では陽キャで通っている。人付き合いに面倒さを感じることもあるが、生来の面倒みの良さとリーダーシップもあって、この一癖も二癖もある同乗客たちの仲を取り持とうと腐心していた。
今話している乗客たちは2グループ4名。木下ヒナと江口瑠香の女子小学生コンビと、雨と雪の姉弟である。ルカとはモモがパステルと話している間に話しかけられてからの付き合いで、ヒナとは長嶋ケンイチロウから同じラストサバイバルだとかいうバラエティ番組なのかリアリティーショーなのかそういうのの参加者だと聞いている。たぶん天テレ戦士的なものだろう。雨と雪は、雨の方にかなり最初の方に少し話したきりである。2人の苗字もわからない。なんなら自分も水沢って呼ばれた気がするが、これは訂正しておいたほうが良いだろう。
「で、さっきの多数決ってどういうことなの?」
「この飛行機を着陸させるって……」
「それは……」
「この飛行機を着陸させるって……」
「それは……」
……これは後回しにするしかないか。
リオンはどう切り出したものかと思いながら、一同にハッキング組からの提案について話した。
紅月圭か、大井雷太か。ヘッドホン付けたイケメンハッカーから聞いた話だが、コックピットに突入したところパイロットは不在で、自動操縦でこの飛行機は飛んでいるという。実際さっきリオンが見に行った時も、パイロットらしき人間はおらず何人もの子供たちがパソコンに向かっているだけだった。
リオンは彼らの殆どの顔と名前が一致していない。一応、はたけカカシという大人の男性がリーダーらしいが、銀髪で眼帯というファッションだからというわけではないが直接話せてはいない。もう一人、竈門炭治郎という変なピアスした少年がとんでもない剣豪らしいが、とんでもない剣豪とはいったいなんなんだろう?
リオンはどう切り出したものかと思いながら、一同にハッキング組からの提案について話した。
紅月圭か、大井雷太か。ヘッドホン付けたイケメンハッカーから聞いた話だが、コックピットに突入したところパイロットは不在で、自動操縦でこの飛行機は飛んでいるという。実際さっきリオンが見に行った時も、パイロットらしき人間はおらず何人もの子供たちがパソコンに向かっているだけだった。
リオンは彼らの殆どの顔と名前が一致していない。一応、はたけカカシという大人の男性がリーダーらしいが、銀髪で眼帯というファッションだからというわけではないが直接話せてはいない。もう一人、竈門炭治郎という変なピアスした少年がとんでもない剣豪らしいが、とんでもない剣豪とはいったいなんなんだろう?
「なんでそんなフワフワしてるんだ?」
「雪!」
「悪い、人多いのに顔似てるやつ多くて憶えきれなくて……」
「雪!」
「悪い、人多いのに顔似てるやつ多くて憶えきれなくて……」
まず多数派うんぬんの前のところを雪にツッコまれ、リオンは俺さっきから謝ってばっかだなと思いながら謝る。忙しそうにしていて明らかに話しかけるなというオーラを全開にしているイケメン&美少女ハッカーたちを前に、まともに話せたのは、なぜかハッキングができるわけでもないのに彼らの近くにいたケンイチロウのみである。なんでアイツあそこにいたんだとよくよく考えれば思うが、彼がいなければヒナとの自己紹介ももう少し面倒そうだし、なにより多数決についての情報が得られなかったので、もちろんいてくれて助かってはいる。
「とにかくそういうことらしい。」
「どういうことなの……?」
「それで、自動操縦をハッキングして空港に着陸させないかって話になってるみたいだ。」
「……できるんですか?」
「……意見が割れてるらしい。んで喧嘩になりそうだから、多数決で決めようって話になるかもって。」
「どういうことなの……?」
「それで、自動操縦をハッキングして空港に着陸させないかって話になってるみたいだ。」
「……できるんですか?」
「……意見が割れてるらしい。んで喧嘩になりそうだから、多数決で決めようって話になるかもって。」
理論上、旅客機は自動操縦で着陸できる……らしい。
ハッキングが成功すれば、自動操縦を変更できる……らしい。
らしいらしいばかりで確かなことはないのかと聞かれるが、専門家でも無いどころか又聞きのリオンに答えようが無い。そもそもこの航空機の中には専門家というものがいないのだ。確かなことなど何もない。
こうなっては仕方ないと、リオンは前に少し話せたヘッドホンイケメンハッカーに直接質問に答えてもらうことにした。どうやら同じ考えのグループは他にもいるようで、ハッカーを呼び寄せて話を聞いていたりもする。そのハッカーが自分と同年代の小学生なのでどこまで信じられるんだよと思いながら、5人でずらずらと聞きに行った。
ハッキングが成功すれば、自動操縦を変更できる……らしい。
らしいらしいばかりで確かなことはないのかと聞かれるが、専門家でも無いどころか又聞きのリオンに答えようが無い。そもそもこの航空機の中には専門家というものがいないのだ。確かなことなど何もない。
こうなっては仕方ないと、リオンは前に少し話せたヘッドホンイケメンハッカーに直接質問に答えてもらうことにした。どうやら同じ考えのグループは他にもいるようで、ハッカーを呼び寄せて話を聞いていたりもする。そのハッカーが自分と同年代の小学生なのでどこまで信じられるんだよと思いながら、5人でずらずらと聞きに行った。
「オートランドと言って……旅客機には……自動で着陸するシステムが……ある……ただし、気象条件……天候などによっては……」
「ちょっと、めちゃくちゃ具合悪そうじゃない、大丈夫?」
「平気だ……」
「ちょっと、めちゃくちゃ具合悪そうじゃない、大丈夫?」
「平気だ……」
そこで初めてこの少年が紅月圭という顔と名前だとわかったのだが、それはめちゃくちゃ飛行機酔いをしていたからである。このせいでハッキングをできないので、他のハッカーに代わって質疑応答に応じているらしい。もっと具合の悪い人間もいるからと名前とは裏腹な青い顔で答える彼の言葉は、しかし問題がある。果たして彼が言っていることが嘘か本当か確かめようが無いのだ。
「けっきょく、信じるか信じないかってことっしょ?」
押し出しの強さでこのグループの主導権をすっかり握ったルカが言うと、雪もコクリと頷く。ぶっちゃけハッカー集団の知り合いがこのグループにはゼロなので、着陸できるのかできないのか判断材料が何もない。小中学生5人で悩んでもまるで答えが出ず、とりあえず反対でいいんじゃないかというルカの提案がやんわりと受け入れられていったん解散になった。
「あ、ビーフで。」
「オッケー、ヒナは?」
「ど、どっちでも……」
「オッケー、ヒナは?」
「ど、どっちでも……」
中山ひとみと堀場久美子たちから回してもらった機内食をルカとヒナに配りながらひとまず食事にする。ハワイに留学する時にも食べたが、それに比べたら当然味気ない。同じように全く食が進まないのはヒナもだが、その横でルカは食い進めていく。「誘拐犯の用意したものなんて食べたくないけど、食べれるうちに食べとかないと」という彼女を見て、女の子って強いとリオンは思った。
「そういえば、2人は元から知り合いなのか?」
「ううん、席が近かっただけ。」
「それで最初に話しかけてくれて……」
「ううん、席が近かっただけ。」
「それで最初に話しかけてくれて……」
クラス替えみたいな仲良くなり方だなと思う。活発なルカと大人しいヒナの2人にはまるで接点が無いようだったが、考えてみればリオンもかがみの孤城ではムードメーカーをやっていた。せっかく同じ場所を共有するのだし楽しい方が良いだろと思っていたのだが、そんな考えと同じものを感じてなんだか一体感。
(そうだよな。殺し合えって言われても誰も暴れないし、武器だって置いた。みんなで協力すれば、なんとかできっだろ。)
パシッ。
自分の手のひらを自分の拳で殴る。
それを見たヒナに短い悲鳴を上げられルカから叱られて謝りながら、リオンはこの空飛ぶ監獄からどう抜け出してやるかと赤い空を見つめた。
自分の手のひらを自分の拳で殴る。
それを見たヒナに短い悲鳴を上げられルカから叱られて謝りながら、リオンはこの空飛ぶ監獄からどう抜け出してやるかと赤い空を見つめた。
(雲の上ってことは少なくとも1000mは高度がある。だけど雲しか見えないっていうのは、それだけ雲海が拡がってるのか、あるいは『それしかない』か。)
上空で命がけの状況になるとは、しかもそれを月2でくらうことになるとは。
しかもしかも今回はフューチャーワールドのようなクイズでなく殺し合いとは、リドルズも落ちたものである。
逢沢ひまりことマリィは、多数決が否決されたことを仲間のロボから聴くとあらためて代わり映えのしない赤い空と黒い雲を眺めた。
しかもしかも今回はフューチャーワールドのようなクイズでなく殺し合いとは、リドルズも落ちたものである。
逢沢ひまりことマリィは、多数決が否決されたことを仲間のロボから聴くとあらためて代わり映えのしない赤い空と黒い雲を眺めた。
(わざわざ首輪を着けているあたり、単に誘拐した61人を殺すことが目的ではない。だったらこんな手間をかけないで殺していなきゃおかしい。リドルズみたいにすぐ近くから参加者として見ていて自分に気づかないのを愉しむ、そんな愉快犯なタイプか、それとも別の目的があるか。考察するには最初のルール説明の記憶が不自然に忘れている。それが矛盾している、殺し合いを忘れたら意味が無いはず、それとも殺し合いという漠然な記憶は残る程度なのか。)
クイズゲームアプリ『Qube』の世界ランカーにしてその正体は人気アイドルであるマリィは、この4時間ほぼ1人で考察を進めていた。ロボのような数学に特化した天才ではない彼女は、首輪解除や自動操縦などの彼にしかできない部分以外の主催の考察などを1つ1つ検討していた。
(旅客機の中に61人の小中学生を中心とする参加者、それとゲームのキャラみたいなの数名、機内には銃がおそらく人数分程度はある。これまで殺し合いが起きていないことと武器の質から考えて、この機内には殺し合いに乗る短絡的な人間が少ない。ただし『殺し合い』という目的を考えたら、プレイヤー同士が隠れ潜めないように配慮もされていると考えられる。ただ、それだとわざわざ旅客機を会場にした理由がわからない。無人島でも会場にすれば十分なはず。戦えば全滅するような環境であることが重要? 単に強い者が勝つのではなく、考えて戦わないと生き残れないようにした? それとも、旅客機という移動できるものが重要だった?)
『今日は皆さんに、殺し合いをしてもらおうと思います。』
『なんかお前ら慣れてない? まあそういうやつを中心に集めたんだけどさ。』
『今からお前たちはオレ達主催者が用意した孤島に行ってもらう。海あり山あり街あり武器ありのな。そこで最後の一人まで殺し合う。な、簡単だろ?』
『なんかお前ら慣れてない? まあそういうやつを中心に集めたんだけどさ。』
『今からお前たちはオレ達主催者が用意した孤島に行ってもらう。海あり山あり街あり武器ありのな。そこで最後の一人まで殺し合う。な、簡単だろ?』
(リドルズと同じようなゲームをする連中……主催者が複数協力して、それぞれのプレイヤーをまた参加させた……いわばリピーター。ただ説明の割に会場は旅客機の中なのは、記憶違い? 少なくとも妙な薬物は使われている。)
たとえば、いま自分が食べている機内食に。あるいは外に拡がる赤い大気に。幻覚の可能性を除いた場合科学的におかしい現象が多すぎて、マリィはそちらの検討を本格化すべきかと思いながらソフトドリンクで糖分を補給した。
これまでドローンなりクローン生物というSF的な疑似科学を検討していた、明らかに妖精やモンスター的な存在。あるいはファンタジー世界から飛び出してきたような人間たち。彼らをどう考慮すべきか。最初な話していた、確かツノウサギなるマスコット。あれは機械か何かだろと当然のようにこれまで思っていたが、もしかして角と翼の生えているモンスターが殺し合いの主催者なのか。それならば、あのリドルズなどとも繋がっているのか。そもそもそれが可能ならば、今この世界が精巧なVR世界である可能性も……
これまでドローンなりクローン生物というSF的な疑似科学を検討していた、明らかに妖精やモンスター的な存在。あるいはファンタジー世界から飛び出してきたような人間たち。彼らをどう考慮すべきか。最初な話していた、確かツノウサギなるマスコット。あれは機械か何かだろと当然のようにこれまで思っていたが、もしかして角と翼の生えているモンスターが殺し合いの主催者なのか。それならば、あのリドルズなどとも繋がっているのか。そもそもそれが可能ならば、今この世界が精巧なVR世界である可能性も……
「あ、こっちにもコーラ貰える?」
「はい、クッキーは?」
「ん。」
「はい、クッキーは?」
「ん。」
頭を使うと甘い物が欲しくなる。キャビンアテンダントの如く配って回っているリオンに声をかける。とりあえずだいたいの人間の名前のリストはロボとその知り合いだというケンイチロウだがそんな感じの名前の少年から聞いて作っている。犬などもいるので全員では無いが大部分の名前は把握している。あちらは知らなくてもこちらは知っている。このアドバンテージをどう活かそうかと考えながらコップを煽った。
「僕は大丈夫だから……ケイくんを……」
「知り合いを……優先しろ……」
「知り合いを……優先しろ……」
マリィの考察から更に2時間は経ち、機体は高度を落としていた。あと数分でシートベルトをするように指示が出るだろう。
この機内での大道寺知世の唯一の元からの知り合い、月城雪兎はケイ以上に具合が悪化していた。
この殺し合いが始まった当初から不調を訴えていたが、今やそれは深刻なレベルに達し、もはや歩くことすらままならなくなっていた。まさかそれがこの会場に満ちる負の魔力によるものだとは夢にも思わず、本人はなぜたかが飛行機ぐらいでこんなにも具合が悪いのだといぶかしりながらも、知り合いや自分同様に具合が悪いケイの手前なんとか何でもないように奮闘していた。
正直なところ、雪兎はようやく着陸してくれるのかと思っている。1回目の投票で否決された時はケイ共々密かに落胆していた。それを見かねて知世は賛成に入れるか悩んだが、胴体着陸になるかもしれないと言われそれならせめて燃料をもう少し減らしてからできないかとギリギリで反対票を入れたという一幕があったがそれはさておき。
これで少しは楽になると、シートベルトを締めて降下のGを感じ、喜びと共に着陸の衝撃を感じたと思った瞬間、雪兎が感じたのは血飛沫と轟音だった。
この機内での大道寺知世の唯一の元からの知り合い、月城雪兎はケイ以上に具合が悪化していた。
この殺し合いが始まった当初から不調を訴えていたが、今やそれは深刻なレベルに達し、もはや歩くことすらままならなくなっていた。まさかそれがこの会場に満ちる負の魔力によるものだとは夢にも思わず、本人はなぜたかが飛行機ぐらいでこんなにも具合が悪いのだといぶかしりながらも、知り合いや自分同様に具合が悪いケイの手前なんとか何でもないように奮闘していた。
正直なところ、雪兎はようやく着陸してくれるのかと思っている。1回目の投票で否決された時はケイ共々密かに落胆していた。それを見かねて知世は賛成に入れるか悩んだが、胴体着陸になるかもしれないと言われそれならせめて燃料をもう少し減らしてからできないかとギリギリで反対票を入れたという一幕があったがそれはさておき。
これで少しは楽になると、シートベルトを締めて降下のGを感じ、喜びと共に着陸の衝撃を感じたと思った瞬間、雪兎が感じたのは血飛沫と轟音だった。
「いったあああ!!」
「ルカちゃん、ルカちゃん!」
「ルカちゃん、ルカちゃん!」
少し離れた席で、確かルカという名前の少女が悲鳴を上げている。それだけではない。前の方では即死したのかミンチのように血塗れの子供の死体がある。しかも翼は両方ともなくなり、側面の一部には穴すら空いていた。
しかも何か犬のような生物が暴れまわっている、一体これはなんなのか。
そしてなぜ自分の体調は更に悪化しているのか?
しかも何か犬のような生物が暴れまわっている、一体これはなんなのか。
そしてなぜ自分の体調は更に悪化しているのか?
「火事だ!」
外国人グループがいち早く動き機外へ脱出していく。ケイにシートベルトを外してもらいながら雪兎はなんとかしゃがみこんで低く態勢を保つと、知世たちが何故か分裂したカカシによって脱出させられていった。
「ケイくん……今の、見た?」
「……幻覚……じゃない?」
「……幻覚……じゃない?」
ハンカチで口を抑えながケイと顔を見合わせる。
着陸したと思ったら爆発するは犬が暴れるは分裂する人間を目撃するはまるで何が起こっているのかわからない。
そうこうしているうちに火が回ってくる。そしてそれを越す危険が、煙だ。さっきルカという少女を助けようとしていた、確かヒナという少女だっただろうか、いつの間にか同じように蹲っているのかと思ったらピクリとも動かなくなっている。それをメガネの少年に肩を貸している少年が必死に呼びかけていた。
着陸したと思ったら爆発するは犬が暴れるは分裂する人間を目撃するはまるで何が起こっているのかわからない。
そうこうしているうちに火が回ってくる。そしてそれを越す危険が、煙だ。さっきルカという少女を助けようとしていた、確かヒナという少女だっただろうか、いつの間にか同じように蹲っているのかと思ったらピクリとも動かなくなっている。それをメガネの少年に肩を貸している少年が必死に呼びかけていた。
「この高さじゃムリだよ!」
「行くしかないだろ!」
「こっちだ! こっち! タバコの人が受け止めてる!」
「行くしかないだろ!」
「こっちだ! こっち! タバコの人が受け止めてる!」
名も知らぬ少女少年の怒号と悲鳴が交錯する。メガネの少年がいつの間にか新しく空いた機体の穴から飛び降り、その少年に肩を貸していた少年がヒナとルカを投げ落とし、自分も飛び降りていく。その正気ではない光景に愕然とする雪兎だが、経った数分の間に煙はかがむ口元まで迫りつつあった。
「行こう。」
必死にハイハイで進みだしたケイに驚く。だが、ここに居られないのも間違い無い。
周囲を見渡す。残っているのは死体か、それともこれから死体になるものか。
自分たちしか動くものを見つけられず、雪兎はケイの後に続こうとして、その意識が急速に遠のいた。
周囲を見渡す。残っているのは死体か、それともこれから死体になるものか。
自分たちしか動くものを見つけられず、雪兎はケイの後に続こうとして、その意識が急速に遠のいた。
「案外行けたな……」
「狼になれれば早かったのに。」
「だってあの狼と間違われそうだったじゃない。そうだ、ルカたちは?」
「あの爆発じゃムリだよ。」
「待ってよ、さっきの人たちだって爆発の後から来たしもしかしたら……」
「狼になれれば早かったのに。」
「だってあの狼と間違われそうだったじゃない。そうだ、ルカたちは?」
「あの爆発じゃムリだよ。」
「待ってよ、さっきの人たちだって爆発の後から来たしもしかしたら……」
比較的後期であったにもかかわらずさしたる負傷も無く機体から脱出した姉弟が2人。ヒナとルカたちと共にリオンと話していた雪と雨は、爆発した飛行機に近づいていく知世たち4人の少女を遠目に見つつ、その火の勢いに2人で滑走路上にへたり込んでいた。
2人が冷静でいられたのは、彼らが人狼だったことが大きいだろう。いざとなったら狼になって飛び降りようと事前に話していたのもあって、穴が開いた時もむしろこれで逃げやすくなった。なったのはなったがもちろんこんな惨劇が起こるとは思わず、パニックから狼化しかけたところに別の狼がマーダーをやっているのを目撃し、慌てて人間に戻りきるまで蹲って隠れていたのだが、これが功を奏して殆ど有毒ガスを含んだ煙を吸わなかった。多少は背中を踏まれ痛むがその程度、後はタバコ吸って火災報知器を誤差等させた目つきの悪い血塗れの青年の助けでなんとか脱出に成功した。
2人が冷静でいられたのは、彼らが人狼だったことが大きいだろう。いざとなったら狼になって飛び降りようと事前に話していたのもあって、穴が開いた時もむしろこれで逃げやすくなった。なったのはなったがもちろんこんな惨劇が起こるとは思わず、パニックから狼化しかけたところに別の狼がマーダーをやっているのを目撃し、慌てて人間に戻りきるまで蹲って隠れていたのだが、これが功を奏して殆ど有毒ガスを含んだ煙を吸わなかった。多少は背中を踏まれ痛むがその程度、後はタバコ吸って火災報知器を誤差等させた目つきの悪い血塗れの青年の助けでなんとか脱出に成功した。
「あっ、ほら、あそこ! リオンがいる!」
その後は滑走路上で2人抱き合い動けずにいたが、雪はターミナルの近くに動くものを見かけて身構え、それが知り合いだと気づくと震える足で立ち上がった。
「なんか、嫌な予感がする。」
「予感どころじゃないじゃん!」
「予感どころじゃないじゃん!」
無為な怒りを弟にぶつけて、すぐごめんと言って手を差し出す。とにかくこれでようやく殺し合いから開放された。まさか人生で初めて乗った飛行機が誘拐されて殺し合えなどと言われるとは思わなかった。それでもこれで後は警察か何かに助けてもらえば。
そこまで考えてハッとなる。人狼としてなるべく人目を避けてきた自分たちが、警察に助けてもらうのは大丈夫だろうか?
そこまで考えてハッとなる。人狼としてなるべく人目を避けてきた自分たちが、警察に助けてもらうのは大丈夫だろうか?
「どうする?」
「……警察見つけてから考えよ。」
「……警察見つけてから考えよ。」
最近は大人びてきた感じのするさすがの雨も、今回は堪えたのかいつもより明らかに覇気がない。そんな雨の手を引いて、ここは昔のように自分が姉として引っ張っていかないと。そう考えやっとの思いで、しかし実際には100mほどの距離の建物に足を踏み入れた。
「ヒナ! ルカも! 無事だ……た……え?」
「逃げよう。」
「逃げよう。」
そこにいたのは、銃を突きつけ合う少年少女だった。
雨と雪が名前も知らない少年はショットガンを新八に突きつけ、新八は大怪我をしながらも木刀を構え、その新八に肩を貸すリオンは雨と雪に向かって「来るな!」と叫ぶ。ヒナは床に寝かされ血色は悪く、そのすぐ隣では肩に何かが刺さっているルカが拳銃を持った手で傷口を抑えている。さっき話しを聞きにいった確かケイという名前の少年は壁に持たれながらもサブマシンガンを持っていた。名前のわからないマスク姿の美少女は手榴弾を持ってキョロキョロしていて、その横にはシュッとしたメガネの青年がお手上げしている。そして彼らの真ん中辺りで倒れていたが顔を上げ初めた謎の少女。
都合11人。多数の負傷者を含む少年少女は武器を突きつけて向かい合っていた。
雨と雪が名前も知らない少年はショットガンを新八に突きつけ、新八は大怪我をしながらも木刀を構え、その新八に肩を貸すリオンは雨と雪に向かって「来るな!」と叫ぶ。ヒナは床に寝かされ血色は悪く、そのすぐ隣では肩に何かが刺さっているルカが拳銃を持った手で傷口を抑えている。さっき話しを聞きにいった確かケイという名前の少年は壁に持たれながらもサブマシンガンを持っていた。名前のわからないマスク姿の美少女は手榴弾を持ってキョロキョロしていて、その横にはシュッとしたメガネの青年がお手上げしている。そして彼らの真ん中辺りで倒れていたが顔を上げ初めた謎の少女。
都合11人。多数の負傷者を含む少年少女は武器を突きつけて向かい合っていた。
「……なにこれ。」
その場の一同が『誰?』と思った少女、影ノ裏未知はなんとか意識をも取り戻して目にした光景に困惑していた。頭がガンガンと痛み重い。そして自分を囲むように武器を突きつけ合ってある子どもたち。わけがわからない。
ただ一人彼女と面識があるケイも、困惑しながらも確かな意思を持ってショットガンを構え直した。
ただ一人彼女と面識があるケイも、困惑しながらも確かな意思を持ってショットガンを構え直した。
「そこの眼鏡の人……月城雪兎がお前を殺そうとするのを見た。」
「誤解だよ、僕はそんなことできないよ……」
「誤解だよ、僕はそんなことできないよ……」
そう言う雪兎は確かにできそうにない。それは殺人への抵抗とかそういった問題では無く、シンプルに体調が悪そうだからである。
それに、と雪兎はおずおずと続ける。
それに、と雪兎はおずおずと続ける。
「僕が見たのは、君がこの人にナイフで刺されそうになってるところだった……」
「……」
「……」
そう言って横のマリィを指差す。
「……2人とも嘘をついてる。」
「そうだよ……その人……私たちを助けてくれてた……」
「そうだよ……その人……私たちを助けてくれてた……」
そのマリィの言葉にルカも賛同する。
だがそのルカにリオンは首を振った。
だがそのルカにリオンは首を振った。
「俺もその人がその子を殺そうとするのを見た……」
「そうだ、その子はナイフで君のすぐそばに立ってた。」
「そうだ、その子はナイフで君のすぐそばに立ってた。」
リオンの言葉に頷きかけて傷の痛みに顔を歪める新八がハッキリと言う。その新八にショットガンを構える春馬は、「とりあえずみんな武器を降ろそう」と腰だめに構える。
「な、なんでみんな武器持ってるの?」
「落ちてた……」
「ほんとだ……」
「落ちてた……」
「ほんとだ……」
雪と少年の会話の裏でとりあえず雨も持っておこうかと近くに落ちている火炎放射器に近づく。そこに一斉に銃口を向けられ、雨はゆっくりとしかし素早く元の位置に戻った。
「サタンよ、ベルゼブルよ──」
そして事態は更に混迷を深める。突然朗々と、女性と思わしき声が聞こえだしたのだ。聞き覚えは、全員無い。しかしそれがあの旅客機の61人にはいない声だと誰も断言できない。それほどまでに親交を深められた人間も、冷静に状況を振り替えれる人間もいない。
「そして墓の上をさまようものよ──」
「誰だ? 誰か知ってる?」
「いやまずアンタの名前もわかんないのよこっちは。」
「……上山秀介だ。この声知ってる人は手を上げて!」
「肩になんか刺さってんだけどこっちは!!」
「われの生贄を受け取り──」
「誰だ? 誰か知ってる?」
「いやまずアンタの名前もわかんないのよこっちは。」
「……上山秀介だ。この声知ってる人は手を上げて!」
「肩になんか刺さってんだけどこっちは!!」
「われの生贄を受け取り──」
春馬とルカが言い争う間も声は続いていく。出処はごく近い、なんならすぐ隣で話しているようにすら聞こえる。なのに誰にも姿が見えず、不穏な気配だけが誰もが感じている。
その状況で、ただ1人動いた子供。それは最も野性的な勘を色濃く持つ雨だった。
『狩られる』。彼の血に眠るニホンオオカミの本能に、姉の雪が拒絶した獣性にプリミティブに従うのが、雨という少年だった。
その状況で、ただ1人動いた子供。それは最も野性的な勘を色濃く持つ雨だった。
『狩られる』。彼の血に眠るニホンオオカミの本能に、姉の雪が拒絶した獣性にプリミティブに従うのが、雨という少年だった。
「走れ!」
「──! 雨!」
「待って、えっと──アイツも逃げた!」
「──黒い力を与えよ」
「──! 雨!」
「待って、えっと──アイツも逃げた!」
「──黒い力を与えよ」
咄嗟に名前が出てこず口ごもったルカが目ざとく駆け出した春馬に気づく。春馬もまた絶対絶命ゲームでの経験から嫌なものを感じてはいた。問題は最初に誰が背中を見せるかだった。特に怪我をしてまともな判断ができそうにないルカに目をつけられていたのは厄介だった。その彼女の注意が逸れた今こそチャンス! やたら知らない人が皆さんご存知という感じで現れる、飛行機でさんざん味わった展開が来るのを待っていた。ならば今、脇目も振らずに全速力で逃げ出す。
そしてそれはマリィも同じ。もとよりこんな拮抗状態は不本意だったが、この声は直感的に何かヤバいと思っていた。だが春馬以上に名指しで警戒されているために場の混乱を更に待とうとした。それが生死を分けた。
そしてそれはマリィも同じ。もとよりこんな拮抗状態は不本意だったが、この声は直感的に何かヤバいと思っていた。だが春馬以上に名指しで警戒されているために場の混乱を更に待とうとした。それが生死を分けた。
────ピン。
「え。」
マリィは信じられないといった表情で己の手の中を見た。左手で一応持っていた手榴弾から、右手でピンを抜いていた。
────タン、タン。
「あっう。」
「あれ? れ……」
「あれ? れ……」
そしてルカは、拳銃を正確にヒナへと撃っていた。眉間を1発で撃ち抜くと、即座に自分のこめかみを撃ち抜くと、何が起こったかわからないという表情で自分の手を見つめる。
「身体が勝手に!」
「ガッ──」
「ガッ──」
それと同時に、新八は手にした木刀を寸分の狂い無くリオンの首輪に突き刺していた。爆発するように光る彼の首輪の後に更に光が続く。新八は、自分の手に握る木刀を切腹するかの如く己の首筋に打ち込み首輪を破壊していた。
────ダオン、ダオン。
その光と同時に赤が舞う。上体を起こしていた未知の頭頂部にケイは銃口を押し当てると躊躇なく引鉄を引き、くるりと回転させるとその銃口を咥えこんで発砲、二人の脳が飛び散る。
「──すまない。」
そしてただ1人、いつの間にか翼を生やしていた雪兎はそう詫びるとバックステップをする。待って、そう言おうとしたマリィは自分の顔に手榴弾を押し当て顔面で爆破させた。
【脱落】
【影ノ裏未知@迷宮教室 最悪な先生と最高の友達(迷宮教室シリーズ)@集英社みらい文庫】
【紅月圭@怪盗レッド(1) 2代目怪盗、デビューする☆の巻(怪盗レッドシリーズ)@角川つばさ文庫】
【木下ヒナ@生き残りゲーム ラストサバイバル でてはいけないサバイバル教室(ラストサバイバルシリーズ)@集英社みらい文庫】
【江口瑠香@IQ探偵ムー そして、彼女はやってきた。(天才推理 IQ探偵シリーズ)@カラフル文庫】
【逢沢ひまり@天才謎解きバトラーズQ vs.大脱出! 超巨大遊園地(天才謎解きバトラーズQシリーズ)@講談社青い鳥文庫】
【水守理音@かがみの孤城@ポプラキミノベル】
【志村新八@銀魂 映画ノベライズ みらい文庫版(銀魂シリーズ)@集英社みらい文庫】
【紅月圭@怪盗レッド(1) 2代目怪盗、デビューする☆の巻(怪盗レッドシリーズ)@角川つばさ文庫】
【木下ヒナ@生き残りゲーム ラストサバイバル でてはいけないサバイバル教室(ラストサバイバルシリーズ)@集英社みらい文庫】
【江口瑠香@IQ探偵ムー そして、彼女はやってきた。(天才推理 IQ探偵シリーズ)@カラフル文庫】
【逢沢ひまり@天才謎解きバトラーズQ vs.大脱出! 超巨大遊園地(天才謎解きバトラーズQシリーズ)@講談社青い鳥文庫】
【水守理音@かがみの孤城@ポプラキミノベル】
【志村新八@銀魂 映画ノベライズ みらい文庫版(銀魂シリーズ)@集英社みらい文庫】
「11人中7人か……なかなか上手く行かないものね。」
コツリ、と7つの少年少女の死体が転がる酸鼻の場に靴音が響く。何も無い空間に墨汁を垂らしかき混ぜかのように黒が生じると、まるでAIで生成した動画のように、スラリと1人の美女が現れた。
暗御留燃阿。7人を殺した下手人である。
暗御留燃阿。7人を殺した下手人である。
「私が襲う前から殺し合ってたみたいだし、それなりにキル数は稼げたとも思ったけれど……反省が必要ね。」
臭い立つ強い血の匂いと凄惨な死体に息を止めて後退りながら、暗御留燃阿は自分がマーダーであり真面目にバトル・ロワイアルに参加していると己に再確認した。
『結界を張ってくるわ。それまで留守番、お願いね。』
ミモザと行動を共にしていた彼女がそう言い残して単独行動を図ってから軽く1時間は経っている。もちろんそれは方便で、彼女はいくらかの方針転換のために動いていた。
すなわち、新ルールによる首輪解除。なるべくミモザに手を汚させようと考えていたがそうもいかなくなり、自らの手でせめてとっとと殺しまくって逃げ出せないかと思った次第である。
だがさっきちょっかいをかけたクララたちはとっくに位置を変え、もちろん蜘蛛の鬼も見つけることはできず。これは黒魔法を使っても大変だぞと途方に暮れて空を見上げた時、暗御留燃阿に電流が走った。
飛行機だ、緑と赤のランプが旋回している。
まさかと思って駅を調べて看板の文字を黒魔法で読み解けば、なんと空港があるとの文字。ここに暗御留燃阿は天啓を感じた。きっとこの謎の日本語らしき文字を読み解けたもの向けに殺しやすい参加者の詰め合わせパック的なものがあるのだろう。いわばボーナスステージ。難しい謎解きをクリアできた者へのご褒美。思いっきりズルな手段でヒントを読んでおきながらこれが黒魔女のやり方だと開き直る暗御留燃阿は人間の屑にして黒魔女の鑑である。
すなわち、新ルールによる首輪解除。なるべくミモザに手を汚させようと考えていたがそうもいかなくなり、自らの手でせめてとっとと殺しまくって逃げ出せないかと思った次第である。
だがさっきちょっかいをかけたクララたちはとっくに位置を変え、もちろん蜘蛛の鬼も見つけることはできず。これは黒魔法を使っても大変だぞと途方に暮れて空を見上げた時、暗御留燃阿に電流が走った。
飛行機だ、緑と赤のランプが旋回している。
まさかと思って駅を調べて看板の文字を黒魔法で読み解けば、なんと空港があるとの文字。ここに暗御留燃阿は天啓を感じた。きっとこの謎の日本語らしき文字を読み解けたもの向けに殺しやすい参加者の詰め合わせパック的なものがあるのだろう。いわばボーナスステージ。難しい謎解きをクリアできた者へのご褒美。思いっきりズルな手段でヒントを読んでおきながらこれが黒魔女のやり方だと開き直る暗御留燃阿は人間の屑にして黒魔女の鑑である。
(そうよ……勝てばよかろうなのよ!)
そうして喜び勇んで空港に向かった彼女だが、付いたときには既に先客に文字通り喰い荒されていた。サウードの魔力に自分以外の黒魔女もいるのかとおっかなびっくり空港を調査し、そのサウードの死体にドン引きするも、こうなれば自分も殺るしかないと腹を括って、空港に避難してきた子供達を獲物に決めた。
問題はどう呪文を唱え終わるまでの10秒弱を稼ぐかだった。一人前の黒魔女ならば黒死呪文でただの人間などまとめて簡単に殺せるが、詠唱している間は完全に無防備になってしまう。文字通りの必殺技だが、近づかなければ使えず互いに動いていてはならないので、即死させようとする間に銃で撃たれて自分が即死しかねない。
そこで暗御留燃阿は子供達に拮抗状態を作り出し、自分が呪文を唱える間も大きく動けないようにした。
ルキウゲ・ルキウゲ・トラスフォルマーレによって任意の人間に変身し不穏な場面を見せ。
ルキウゲ・ルキウゲ・トランスパレンターレによって己の姿をくらます。
これを繰り返しただけで生死の危機を味わった少年少女たちは簡単に疑心暗鬼に陥った。
あの飛行機でどの程度の信頼関係を築けていたのかを調べる時間は無かったが、最低限武器を突きつけて動きを静止する人間が1人出てくれるだけでもだいぶやりやすかったのだ。
そこに黒死呪文を打ち込めば、一度に7人を殺すことができたというわけである。
問題はどう呪文を唱え終わるまでの10秒弱を稼ぐかだった。一人前の黒魔女ならば黒死呪文でただの人間などまとめて簡単に殺せるが、詠唱している間は完全に無防備になってしまう。文字通りの必殺技だが、近づかなければ使えず互いに動いていてはならないので、即死させようとする間に銃で撃たれて自分が即死しかねない。
そこで暗御留燃阿は子供達に拮抗状態を作り出し、自分が呪文を唱える間も大きく動けないようにした。
ルキウゲ・ルキウゲ・トラスフォルマーレによって任意の人間に変身し不穏な場面を見せ。
ルキウゲ・ルキウゲ・トランスパレンターレによって己の姿をくらます。
これを繰り返しただけで生死の危機を味わった少年少女たちは簡単に疑心暗鬼に陥った。
あの飛行機でどの程度の信頼関係を築けていたのかを調べる時間は無かったが、最低限武器を突きつけて動きを静止する人間が1人出てくれるだけでもだいぶやりやすかったのだ。
そこに黒死呪文を打ち込めば、一度に7人を殺すことができたというわけである。
(とはいえ、銃を乱射なんてされたらさすがに危ないから結構リスキーだっけど。まったく、こんなに武器を用意されたらやりにくいったらない!)
とにかくこれで7人だ。さすがにこれだけ殺せばキルスコアトップは固いだろう。だがいちおうもう少し殺しておくかと、分身を発生させる。分身の場合キルスコアは入らないとかふざけたことを言われそうなのでトドメは自分で刺すとしてそこまでの危ない橋は分身で良いだろう。
(先を越されたんだし、ここで手を緩めるなんて甘い真似はしない。)
暗御留燃阿は急ぐ。大技のせいでここには自分の魔力が残っている。見習い黒魔女であっても自分の犯行だと勘づかれるのは覚悟しなくてはならない。だからこそ確実に殺し損ねた人間は殺す。特にあの銀髪の青年。断じてその容姿がどこぞの馬鹿を思い出すからというわけではなく、彼だけは黒死呪文が効果の範囲内だったのにレジストされたことは見逃せない。彼から翼が生えると同時に凄まじい闇の魔力を感じた。おそらくは大形京と同じようなタイプである。
ぶるり。暗御留燃阿は身を震わす。彼女の人生最大の汚点であり恐怖の対象である大形のような存在が2人もいるなどあってはならない。完璧で瀟洒な黒魔女として、あの男──月城雪兎は殺さなくてはならないのだ。
暗御留燃阿は魔法を唱えると雪兎の追跡を始めた。
ぶるり。暗御留燃阿は身を震わす。彼女の人生最大の汚点であり恐怖の対象である大形のような存在が2人もいるなどあってはならない。完璧で瀟洒な黒魔女として、あの男──月城雪兎は殺さなくてはならないのだ。
暗御留燃阿は魔法を唱えると雪兎の追跡を始めた。
【0735 『中部』空港】
【武藤春馬@絶体絶命ゲーム 1億円争奪サバイバル(絶体絶命シリーズ)@角川つばさ文庫】
【目標】
●大目標
秀介として今回のゲームも参加し生き残る。
●小目標
後ろから聞こえてくる銃声から逃げる。
【目標】
●大目標
秀介として今回のゲームも参加し生き残る。
●小目標
後ろから聞こえてくる銃声から逃げる。
【雪@おおかみこどもの雨と雪(細田守作品シリーズ)@角川つばさ文庫】
【目標】
●大目標
殺し合いから脱出する。
●小目標
雨に付いていく。
【目標】
●大目標
殺し合いから脱出する。
●小目標
雨に付いていく。
【雨@おおかみこどもの雨と雪(細田守作品シリーズ)@角川つばさ文庫】
【目標】
●大目標
殺し合いから脱出する。
●小目標
雪と一緒に逃げる。
【目標】
●大目標
殺し合いから脱出する。
●小目標
雪と一緒に逃げる。
【月城雪兎@小説 アニメ カードキャプターさくら さくらカード編 下(カードキャプターさくらシリーズ)@講談社KK文庫】
【目標】
●大目標
桃矢やさくらちゃんを探してみんなで脱出する/木之本桜とケルベロスを捜索し共に脱出する。
●中目標
???/赤い霧に乱される魔力をなんとかする
●小目標
???/謎の魔術師から逃走する
【目標】
●大目標
桃矢やさくらちゃんを探してみんなで脱出する/木之本桜とケルベロスを捜索し共に脱出する。
●中目標
???/赤い霧に乱される魔力をなんとかする
●小目標
???/謎の魔術師から逃走する
【暗御留燃阿@黒魔女さんのハロウィーン 黒魔女さんが通る!! PART7黒魔女さんが通る!!シリーズ)@講談社青い鳥文庫】
【目標】
●大目標
脱出する。死にたくない。
●中目標
主催者の大形を出し抜けるような人間を弟子にする。手に入れた首輪の解析ができるような人間がいいが、空港で見つからなければ適当なところでミモザのところに戻る
●小目標
翼を生やした男(雪兎)を追う。
【目標】
●大目標
脱出する。死にたくない。
●中目標
主催者の大形を出し抜けるような人間を弟子にする。手に入れた首輪の解析ができるような人間がいいが、空港で見つからなければ適当なところでミモザのところに戻る
●小目標
翼を生やした男(雪兎)を追う。