「すんませんでしたーーーッッ!!!」
腰を90度に曲げて、勢いよく頭を下げてきたのは、
東方仗助だった。
彼といえば、あまりに不良な体裁。前髪は前に突き出たポンパドールにサイドの髪は後ろに流したリーゼント。
服は胸元を大きく開け、至る所にアクセサリーをあしらった学ランだ。しかも、身長は優に180cmを超える大男である。
そんな奴がいきなり謝ってきては、見た目とのギャップもあり、さしもの
比那名居天子も戸惑わずにいられなかった。
「ちょ、いきなり何なのよ、貴方? それとも貴方は私に何かしたの?」
「いや、どうもこうもないっすよ、天子さん。話を聞いてみれば、天子さんはオレより年上っつうじゃないすかあ。
知らなかったとはいえ、随分と生意気な口をきいてしまったんで……本当すんませんでした!!」
「ああ、そんなこと」
と、天子の疑問は簡単に氷解した。
確かに仗助は天子をまるで年下の女の子のように扱い、話をしていた。
妖怪の山を歩いている道中で出会った二人は、お互いに戦意がないことを確認すると、早速情報交換に移ったわけだが、
そこで天子は退屈な会話に一興をと、自分の本当の年齢を仗助に告げたのだ。
天子としては、それは場を和ませるための一種の冗句のつもりであったのだが、そこに返ってきたのは何と謝罪。
仗助のツッコミや驚いた顔を想像していた天子の考えとは、正反対に位置するようなものである。
そのためか、天子の頭はフリーズを起こしてしまったが、仗助の真意を理解すれば、言葉は泉のように湧いてくる。
天子は仗助に怒るでもなく、天人らしく穏やかに、ゆっくりと口を開いていった。
「礼節を以って人は人と成す。貴方の心掛けは立派ね。でも、貴方の敬語は、どうにも不恰好よ。普通に話しなさいな、仗助」
「はあ……でも、うちの親は、こういうことにうるさいんすよ。舐めた口を年上にきいたってバレちまったら、それこそ頭カンカン。
雷が落ちてきちまいます。だから勘弁してください、天子さん」
仗助は後頭部を手で掻きながら、申し訳なさそうに呟いた。
素直であり、頑固でもある。容易に見て取れる仗助のそんな性格に苦笑しながら、天子は優しく応える。
「ん~、なら、しょうがないか。別にそこまでこだわることでもないでしょうし。貴方の不細工な敬語、特別に我慢してあげるわ」
「はあ、すんません」
「それじゃあ、さっきの話を続きをしましょうか。幻想郷や私のことは話したし、次は貴方の番ね。さ、聞かせて」
「そうっすね~、じゃあ、まずオレの仲間のことから……」
「……ああーーッ! ちょっと待って、仗助! 先に訊きたいことがあったわ!」
天子は仗助の話を遮り、声を上げた。
勿論、仗助の仲間のこと、そして仗助が住まう外の世界にも興味があったが、それ以上に天子の目を引くものが眼前に置いてあったのだ。
「仗助は何でそんなバカみたいな髪型をしているの? それって何かの罰ゲーム? 外の世界の人間は残酷なことをするわね。
私がそんなことをさせられたら自殺ものよ。恥ずかしくて外を歩けないわ。まさかとは思うけれど、そのハンバーグヘアーは自分でしたわけじゃないわよね?
だとしら、チョーウケルんだけど。貴方のセンスって一体どうなっているのよ? ひょっとして、ギャグ? ギャグなの? ねえ?
本当にバカみたい。猿でも、もう少し格好つけられるわよ。アハハハハハハ!!」
その瞬間、天子の顔面を轟音と共に拳が貫いた。
仗助のスタンドであるクレイジーダイヤモンドの拳は鋼のように硬く、大砲のような威力を併せ持つ。
天子は鼻血を振りまきながら、何メートルも地面を転がり、勢いよく後頭部を岩場へとぶつけた。
「おい、ババア!! 今、何つった!? オレの髪型が何だってぇーー!!? もういっぺん言ってみろや、コラーーーッ!!!!」
天子の悲惨な状態など、どこ吹く風と仗助は吹き荒れる感情のままに捲くし立てる。
自慢のヘアースタイルをバカにされて湧き出た仗助の怒りは未だ治まることを知らず、血走った目と燃えるような怒気を盛んに溢れさせていた。
しかし、仗助の鬼の形相を見ても、天子は怯むことなどせずに、逆に白い歯を全部見せるような豪快な笑みでもって応えた。
「詐を用いるのならば、その業によって閻魔に舌を抜かれる。ま、要するに因果応報ってことね。
何が殺し合いの打破? 私は嘘が大嫌いなのよ。今までだって、一度も嘘を吐いたことないしね。
だから、仗助……貴方が今からどんな目にあっても、文句を言う筋合いはどこにもない!! マーダーは死すべし!!」
天子による仗助へのマーダー認定。不意打ちに遠慮が一切排された一撃は、真っ直ぐにその結論へと導かせた。
一体誰が、あの髪型に相手を殺しかねんほどの怒りの源があると思えるだろうか。
天子は自分の考えに何ら疑問を持たず、マーダー排除という異変解決への第一歩を、殺意を含んだ木刀と共に力強く踏み出した。
【E-1 妖怪の山(麓付近)/黎明】
【比那名居天子@東方緋想天】
[状態]:鼻血ダラダラ、後頭部ズキズキ、ヒャッハー!
[装備]:木刀@現実
[道具]:基本支給品
[思考・状況]
基本行動方針:殺し合いに反抗し、主催者を完膚なきまでに叩きのめす。
1:仗助をブチのめす
2:殺し合いをおじゃんにする為の手段や仲間を捜す。
3:主催者だけではなく、殺し合いに乗ってる参加者も容赦なく叩きのめす。
4:自分の邪魔をするのなら乗っていようが乗っていなかろうが関係なくこてんぱんにする。
5:紫には一泡吹かせてやりたいけど、まぁ使えそうだし仲間にしてやることは考えなくもない。
[備考]
この殺し合いのゲームを『異変』と認識しています。
東方仗助をマーダーだと思っています。
【東方仗助@ジョジョの奇妙な冒険 第4部 ダイヤモンドは砕けない】
[状態]:怒りが有頂天!!!!
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、不明支給品
[思考・状況]
基本行動方針:殺し合いの打破
1:天子をブチのめす
2:勿論、天子をブチのめす
3:やっぱり天子をブチのめす
[備考]
参戦時期は後続の書き手の方に任せます
幻想郷についての知識を得ました
怒りで自分を見失っています
最終更新:2014年05月28日 21:59