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ローマ人の物語4

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『ハンニバル戦記(中)』  塩野 七生 著


 本巻では第二次ポエニ戦役、ハンニバルがローマ連合解体という戦略を背景に戦闘でローマを圧倒する前期、ローマが建て直しを図る中期、そしてローマがハンニバルを追い詰める後期と三つの章に分けて描いている。

 ここでも圧倒的な戦闘での強さを誇るハンニバルに屈しないローマの強さが見て取れる。国論の分裂を引き起こさない政体や征服による統治ではない連合の思った以上に強い繋がりがこの強さの所以であろう。他民族には見られない独特な体制を持つローマならではの強さであった。

 またこの巻では二人の天才武将の登場がある。ハンニバルとスキピオである。ハンニバルはアレキサンダーの戦術に学び、一方スキピオはハンニバルとの戦いに直に触れることでその戦術を学んでいる。両者共に情報収集に力を置き、それを分析し、相手の行動を読み、敵陣の裏をかいている。書中に「天才とは、誰もが見ていながらも重要性に気付かなかった旧事実に気づく人のことである。」とあるが、確かにこの両人は的確に情報を分析している。

 この二人とローマから学ぶことは多い。次巻での新生スキピオの活躍に期待したい。

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