⭐︎はじめに
APoM上映会へようこそ。APoM上映会とは、物語を映画にまとめて投影する演者のための会。みなさんは特別に招待されたゲストです。
今回の開催地は“ウォルシュの館”です。
不思議な門を越えた先は、亡霊の巣窟と化した銀の館。求めるは生命か、金か、それとも絶品な料理か。異なる現実でも生活する者がいて、愛と欲望も交差する。真実と虚愛に、ここを訪れた者は選択を迫られる。
この上映会を通して、たくさんの発見があることを願います。
APoM投影技術社 システムサーバCana
VENNO自由出版局 バリー・ワックマン
APoM上映会へようこそ。APoM上映会とは、物語を映画にまとめて投影する演者のための会。みなさんは特別に招待されたゲストです。
今回の開催地は“ウォルシュの館”です。
不思議な門を越えた先は、亡霊の巣窟と化した銀の館。求めるは生命か、金か、それとも絶品な料理か。異なる現実でも生活する者がいて、愛と欲望も交差する。真実と虚愛に、ここを訪れた者は選択を迫られる。
この上映会を通して、たくさんの発見があることを願います。
APoM投影技術社 システムサーバCana
VENNO自由出版局 バリー・ワックマン
イベント開催期間-12月23日〜1月7日
誰が、「家具は喋らない」と決めつけた? 誰が「家具は動かない」と決めつけた? 家具は喋るし動く。無論頭がいい個体もいる。
木製の賢者戦
◯序幕 タンスの日常
タンスの賢者「いきなり撃たれた時は死を覚悟したぞ。なんてことしてくれたんだ。
危うく木片が飛び散って、せっかくのファッションが台無しになるとこだったじゃないか。」
レフィス「あの時はすまなかった。ほぼ敵地のような場所にいたせいで、警戒心を解くような思考は存在しなかったんだ。
そうだ、この機会に聞いておきたかったんだが、結局賢者殿は何者なんだ?」
タンスの賢者「それだけがずうっと分からずじまいなんだ。どうしても見つからない。」
レフィス「いろんなタンスに引っ越すのは、その答えを探すためか?」
タンスの賢者「そうだ。いつかは見つけてみせるさ。その答えが、何者でもなかったとしても、私はそれを見つけた。それだけで十分。
それ以上の存在である必要はないからね。」
タンスの賢者「いきなり撃たれた時は死を覚悟したぞ。なんてことしてくれたんだ。
危うく木片が飛び散って、せっかくのファッションが台無しになるとこだったじゃないか。」
レフィス「あの時はすまなかった。ほぼ敵地のような場所にいたせいで、警戒心を解くような思考は存在しなかったんだ。
そうだ、この機会に聞いておきたかったんだが、結局賢者殿は何者なんだ?」
タンスの賢者「それだけがずうっと分からずじまいなんだ。どうしても見つからない。」
レフィス「いろんなタンスに引っ越すのは、その答えを探すためか?」
タンスの賢者「そうだ。いつかは見つけてみせるさ。その答えが、何者でもなかったとしても、私はそれを見つけた。それだけで十分。
それ以上の存在である必要はないからね。」
職を失うことが悪いことか? 立派に生きているじゃないか。いつしか彼らは大きな運命の中心人物となっていくのだった。
放浪の赤鎧戦
◯二幕 方向感覚の低さ
ジャッカス「まさかここまで大きな問題に巻き込まれることがあろうとは。人生は侮れん。」
レフィス「ジャッカス殿は、ごく普通の民間人というわけでもないだろうに、こういった経験はなかったのか?」
ジャッカス「ゆっくりと自然に向き合う時間ばかりの、平和な時代を生きてきた。
私にとって、ここは戦場だ。みなもそう思うのだろうが、長くいると故郷が恋しく感じる。あの山で、小動物に見守られながら鍛錬をする日々が好きだった。」
レフィス「今度私にも案内してくれ。一度見てみたいんだ。」
ジャッカス「いいだろう、歓迎する。」
ジャッカス「まさかここまで大きな問題に巻き込まれることがあろうとは。人生は侮れん。」
レフィス「ジャッカス殿は、ごく普通の民間人というわけでもないだろうに、こういった経験はなかったのか?」
ジャッカス「ゆっくりと自然に向き合う時間ばかりの、平和な時代を生きてきた。
私にとって、ここは戦場だ。みなもそう思うのだろうが、長くいると故郷が恋しく感じる。あの山で、小動物に見守られながら鍛錬をする日々が好きだった。」
レフィス「今度私にも案内してくれ。一度見てみたいんだ。」
ジャッカス「いいだろう、歓迎する。」
真実は必ず現れる。それを追って走り続けるのが良い行動と称されるが、真実が望むものとは限らない。知りたくない真実もある。
真実の奏者戦
◯三幕 自家栽培のコツ
ウォルシュ「オアシス、そちらのスコップで土をほぐしてくれるかな。」
オアシス「わかりましたわ。でも土をほぐすことで、いったいどんな効果があるのでしょう。」
ウォルシュ「栽培において、土は養分と取水の要になる重要な要素だ。
土がほぐれると、水がしっかりと吸収される。また土にいる細かな生物も活動しやすくなり、自然のまま成長させやすくなるのだ。
我々では立派な畑を管理する余裕もない。こういった細かい一手間で、収穫物の品質を上げることも必要になってくる。」
オアシス「お父様は、こうしてできた野菜をどう思いますか?
たくさんの愛を受け、立派に育ち、おいしく頂いてもらえるその一生。
幸せそのものと言える姿を見て、どう捉えますか?」
ウォルシュ「…………
叶うことなら、そうして見守ってあげたい。
わたしはいつもそうで、最後の最後に後悔をしてしまう。
これからは、目の前にある些細な幸せに目を向けて生きていこうと、思わされるよ。
さあ、そろそろシチューの仕込みを始めなければ。」
オアシス「ええ、参りましょう。」
ウォルシュ「オアシス、そちらのスコップで土をほぐしてくれるかな。」
オアシス「わかりましたわ。でも土をほぐすことで、いったいどんな効果があるのでしょう。」
ウォルシュ「栽培において、土は養分と取水の要になる重要な要素だ。
土がほぐれると、水がしっかりと吸収される。また土にいる細かな生物も活動しやすくなり、自然のまま成長させやすくなるのだ。
我々では立派な畑を管理する余裕もない。こういった細かい一手間で、収穫物の品質を上げることも必要になってくる。」
オアシス「お父様は、こうしてできた野菜をどう思いますか?
たくさんの愛を受け、立派に育ち、おいしく頂いてもらえるその一生。
幸せそのものと言える姿を見て、どう捉えますか?」
ウォルシュ「…………
叶うことなら、そうして見守ってあげたい。
わたしはいつもそうで、最後の最後に後悔をしてしまう。
これからは、目の前にある些細な幸せに目を向けて生きていこうと、思わされるよ。
さあ、そろそろシチューの仕込みを始めなければ。」
オアシス「ええ、参りましょう。」
愛されていればどれほど良かっただろうか。もっと一緒に暮らせればどれほど幸せだっただろうか。もうその日々は二度と訪れない。
愛亡き少女戦
◯終幕 もう一杯
レフィス「ここでいただくシチューは本当に美味しいな。
領主殿とオアシスが店を始める話は、どうなった?」
オアシス「順調に進んでいますわ。今ではユーラピア州で話題になったようでして、開店前から多くの出資者が集まってくださったのです。
ですが、開店して最初のお客様はレフィス様がいいと、わたくしから皆様に説明してまわっていますの。」
レフィス「ああ、楽しみにしているよ。君がそんなに張り切っているのが珍しいのか、領主殿も真剣に取り組もうと頑張っているみたいだ。
君が、あの人を変えたのかな。」
オアシス「お父様は政治の道から退きました。ウォルシュ家は長らくの間ユーラピア州の政権を担う候補とされてきましたが、その歴史を終わらせたのです。
ユーラピア州は、元ある温かな地へ戻ってくれるでしょう。」
レフィス「ここでいただくシチューは本当に美味しいな。
領主殿とオアシスが店を始める話は、どうなった?」
オアシス「順調に進んでいますわ。今ではユーラピア州で話題になったようでして、開店前から多くの出資者が集まってくださったのです。
ですが、開店して最初のお客様はレフィス様がいいと、わたくしから皆様に説明してまわっていますの。」
レフィス「ああ、楽しみにしているよ。君がそんなに張り切っているのが珍しいのか、領主殿も真剣に取り組もうと頑張っているみたいだ。
君が、あの人を変えたのかな。」
オアシス「お父様は政治の道から退きました。ウォルシュ家は長らくの間ユーラピア州の政権を担う候補とされてきましたが、その歴史を終わらせたのです。
ユーラピア州は、元ある温かな地へ戻ってくれるでしょう。」
◯特別上映会・シルバーガード
かつてこの館には屈強なガードや博識な執事たちがいました。彼らは一国を守護る勇敢な騎士のように振る舞い、その地の人々と共存してきました。今宵、王国を守護る爵銀の騎士をお連れしました。果たしてあなたは勝ることができるでしょうか?
原初を刻む爵銀龍メル・ゼナ戦
レフィス「なあ、サーバ。
せっかくの機会だ。一緒にシチューをいただいていこう。」
SS「おっ、じゃあいただいちゃうか。
レットラジア……ね。なんか嬉しいような切ないような。」
レフィス「どういうことだ?」
SS「まあ………なんかね。
今こうやってここで過ごしてると、懐かしいように感じるね。
だし、みんなには見えてないけど、たくさんお出迎えが来てたからさ。」
レフィス「お出迎えか。いったいどんな?」
SS「おかえり、2年ぶりだねって。めっちゃメタ発言だけどね?」
レフィス「よくわからないが、楽しそうで何よりだ。
そういえば、私の人気はどうなってる?」
SS「必殺使わせてくれないから編成に採用されてないし、なんかミームスタンプにされてる。」
レフィス「………なんだって?
待て、君からは言われてたはずだ。「レフィスは編成面で優遇を受ける」と。」
SS「ええっと……ね。ちょっと事情があるんでね。
今はまだ本気じゃない的な?」
レフィス「………
少し話をしようか、サーバ?」
SS「えっ、あっ、ちょ、た、助けて!!」
せっかくの機会だ。一緒にシチューをいただいていこう。」
SS「おっ、じゃあいただいちゃうか。
レットラジア……ね。なんか嬉しいような切ないような。」
レフィス「どういうことだ?」
SS「まあ………なんかね。
今こうやってここで過ごしてると、懐かしいように感じるね。
だし、みんなには見えてないけど、たくさんお出迎えが来てたからさ。」
レフィス「お出迎えか。いったいどんな?」
SS「おかえり、2年ぶりだねって。めっちゃメタ発言だけどね?」
レフィス「よくわからないが、楽しそうで何よりだ。
そういえば、私の人気はどうなってる?」
SS「必殺使わせてくれないから編成に採用されてないし、なんかミームスタンプにされてる。」
レフィス「………なんだって?
待て、君からは言われてたはずだ。「レフィスは編成面で優遇を受ける」と。」
SS「ええっと……ね。ちょっと事情があるんでね。
今はまだ本気じゃない的な?」
レフィス「………
少し話をしようか、サーバ?」
SS「えっ、あっ、ちょ、た、助けて!!」
銀の館の物語はまもなく幕を閉じます。今回も映画鑑賞にお越しくださりありがとうございました。終章までご鑑賞いただけたでしょうか?