第021話 最初の禁止エリア(?) ◆jKyibSnggE
ピヨ彦と鈴音がしばらく山裾の道を歩いていくと、やがて前方に学校らしい建物が見えてきた。
地図によると、あれが鎌石小中学校のはずである。
「あれ?明かりがついてるね。だれかいるのかな?」
鈴音が指摘したとおり、学校の一部の教室から光が漏れている。
「誰かいるのかな…セナ君とか……もしかして怖い人だったり…」
「だだ、大丈夫だよ、たぶん。……ほら、武器もあるし」
ピヨ彦は釘バットをブンブン振ってみせる。
もちろんただの虚勢なのが悲しかったが。
「と、とりあえず行ってみようよ。明かりがついてる教室を外から覗いてみて、危なそうなら逃げればいいし」
「そ、そうね」
ピヨ彦と鈴音は、おっかなびっくり学校の方へと歩いていった。
――DANGER 禁止エリア――
「なんだろこれ?」
二人が学校の校門にたどり着くと、そんな張り紙がべたべたと貼ってある。
いや、門だけではなく、学校の敷地をぐるりと囲むフェンスのあちこちに貼ってあるようだ。
「禁止エリアって…最初に説明されたよね。入ると首輪が爆発しちゃうって…」
「うん、この学校がそうなのかな?…でも、あそこの教室からは光が漏れてるのに…」
ピヨ彦が光の漏れた教室の窓を指差すとほぼ同時に、学校の敷地内から誰かの声が聞こえてきた。
「ほっほっ、ここは禁止エリアですよ。皆さんは入れません」
現われたのは恰幅のいい…というか太った男の人。
ピヨ彦の記憶が正しければ、確か安西先生とか呼ばれていた人だ。
その安西先生が、武装した兵士二人を連れて校門の側に立っていた。
「あ、あなたは…」
「ほっほっ、ここに来たのは君たちが初めてですよ。もっとも、君たちで最後かもしれませんがね。
朝の放送で恐らくこのエリアも禁止エリアになるでしょうから」
「そうよ…禁止エリア!禁止エリアって放送の時に増えるんじゃないの?なんでこの学校だけ?」
「そう、確かにそう言いました。ですが、このスタート地点だけは別でして。私たちスタッフがいる、
この学校を禁止エリアにしておかないと、いくら首輪があるとは言え安心できないでしょう?」
「……」
ピヨ彦たちが何と言っていいか迷っていると、安西先生はニコリと笑って先を続ける。
「それにしても君たちは運がいい」
「う、運がいいって…」
「私たちがいる本部の場所をこうして見つけることができたのだから」
「…え?」
「…ここを落とせば、もしかしたら逃げられるかもしれませんね…ほっほっほっ」
笑いながら去っていく安西先生。
その時、鈴音が持っていた銃を安西先生に向ける。
「この!」
と同時に、安西先生の両脇にいた兵士が、僕たちに銃を向けた。
「ダメだ!」
ピヨ彦は慌てて鈴音の腕を掴むと、銃を取り上げた。
「ムチャだよ!あの兵士たちに撃たれたらどうするのさ!」
「……ご、ごめん…」
銃を向けたままこちらの様子を覗っていた兵士二人も、やがて安西先生の後に続いて去っていった。
ピヨ彦たちは学校から少し離れた林の中で、今後の行動について話し合っていた。
「とりあえず、お互いの仲間を見つけないとね」
「それと、ここがあいつらの本拠地だってこともどんどん教えちゃおうよ!」
「そうだね!人を集めて、ここを襲撃する!決まり!」
とりあえずの目標ができたふたりは、なるべく大勢に主催者の居場所を伝えるべく、急いで出発した。
【D-06/学校近く/1日目・午前2時ごろ】
状態:健康
装備:なし
道具:支給品一式 釘バット@Mr.FULLSWING
思考:1.主催者の居場所を皆に知らせる
2.ジャガー、高菜、鈴音の知り合い、あといついでにハマーと合流
3.可能なら主催者を襲撃
【女子7番
滝鈴音@アイシールド21】
状態:健康
装備:SW M19(弾数6/予備弾24)@CITY HUNTER
道具:支給品一式
思考:1.主催者の居場所を皆に知らせる
2.セナ、ヒル魔、ピヨ彦の知り合いと合流
3.可能なら主催者を襲撃
最終更新:2008年02月29日 16:15