第018話 砕けた夢、崩れ行く職務 ◆BCh5gXvzSs
どこかおどおどした制服姿の少年が、暗闇の道を歩いている。
『光速のランニングバック』小早川瀬那である。
――どうして、こんなことになっちゃったんだろ……。
自分は、ただ足が早い高校生。
こんな事に巻き込まれる謂れはなかった。
因みに、彼はまだ支給品を確認していない。
なぜなら、怖かったから。人を、傷つけてしまう武器が入っているのが。
それでも、中身を確認しなくてはいけないと思い、決心した。
瀬那は、周辺を警戒すると道路の端の方に座り込み、デイバックに手を掛けた。
その時、後ろから銃のような物が頭に当たった。
――え!?そんな……。誰も、居なかったのに!?
木の葉が、いくつか舞っている。
恐らく、木の上にでもいたのだろう。
しかし、降りてくる気配はなかった。
それは、この者の強さを表す。
瀬那は、自慢の足で直ぐに逃げようとした。
だが、殺し合いの恐怖と突きつけられた銃口が、それをさせてはくれない。
全身が震え、呼吸するのも難しい。
逃げる算段も思いつかない。
体中から、汗が噴出す。
――ゴメン、まもり姉ちゃん。
蛭魔さん、栗田さん、もん太くん、みんなゴメン。
クリスマスボウルには、いけそうもない!!
『光速のランニングバック』小早川瀬那である。
――どうして、こんなことになっちゃったんだろ……。
自分は、ただ足が早い高校生。
こんな事に巻き込まれる謂れはなかった。
因みに、彼はまだ支給品を確認していない。
なぜなら、怖かったから。人を、傷つけてしまう武器が入っているのが。
それでも、中身を確認しなくてはいけないと思い、決心した。
瀬那は、周辺を警戒すると道路の端の方に座り込み、デイバックに手を掛けた。
その時、後ろから銃のような物が頭に当たった。
――え!?そんな……。誰も、居なかったのに!?
木の葉が、いくつか舞っている。
恐らく、木の上にでもいたのだろう。
しかし、降りてくる気配はなかった。
それは、この者の強さを表す。
瀬那は、自慢の足で直ぐに逃げようとした。
だが、殺し合いの恐怖と突きつけられた銃口が、それをさせてはくれない。
全身が震え、呼吸するのも難しい。
逃げる算段も思いつかない。
体中から、汗が噴出す。
――ゴメン、まもり姉ちゃん。
蛭魔さん、栗田さん、もん太くん、みんなゴメン。
クリスマスボウルには、いけそうもない!!
瀬那は、ただ単純に嬉しかった。
殺し合いを強要された場で知り合いにめぐり合えたことが。
体の硬直が解け、少しずつ思考が回復していく。
そして、縋る様な気持ちで、親愛込め、振り返り、その名を呼んだ。
「蛭魔さん!」
殺し合いを強要された場で知り合いにめぐり合えたことが。
体の硬直が解け、少しずつ思考が回復していく。
そして、縋る様な気持ちで、親愛込め、振り返り、その名を呼んだ。
「蛭魔さん!」
人影を見つけ、4~5m程離れた茂みから様子を伺っていた男がいた。
警官の服装に、下駄。
そして、特徴的な繋がり眉毛。
浅草では知らぬ者はいない、警察官両津勘吉、その人である。
両津が瀬那を見つけたのは、挙動不審に辺りを見回していた時。
とりあえず、警戒ばかりしてては始まらん、と思い声をかけようとした刹那。
木の上から、スッと現れた男が少年に銃を突きつけた。
この殺し合いの場で、その行動をする目的は一つ。
警官の服装に、下駄。
そして、特徴的な繋がり眉毛。
浅草では知らぬ者はいない、警察官両津勘吉、その人である。
両津が瀬那を見つけたのは、挙動不審に辺りを見回していた時。
とりあえず、警戒ばかりしてては始まらん、と思い声をかけようとした刹那。
木の上から、スッと現れた男が少年に銃を突きつけた。
この殺し合いの場で、その行動をする目的は一つ。
相 手 を 殺 す
両津の脳裏に、凶悪犯罪者や追い詰められた者の行動が浮かび上がった。
そして、その被害者たち。
――あの少年を殺させては、いかん!!
そう思うと、体はもう茂みから飛び出していた。
そして、その被害者たち。
――あの少年を殺させては、いかん!!
そう思うと、体はもう茂みから飛び出していた。
その瞬間に、聞えてきた言葉。
「よお!糞チビ!」
「蛭魔さん!」
これは、お互いが知り合いと言う事を表す。
――しまった!
二人が顔見知りだと言うことが分かったが、勢いで飛び出した体は止まらない。
銃を撃たせまいとして、飛び出したのが完全に裏目に出てしまった。
――もうすこし、様子を見るべきだったか!?
「よお!糞チビ!」
「蛭魔さん!」
これは、お互いが知り合いと言う事を表す。
――しまった!
二人が顔見知りだと言うことが分かったが、勢いで飛び出した体は止まらない。
銃を撃たせまいとして、飛び出したのが完全に裏目に出てしまった。
――もうすこし、様子を見るべきだったか!?
冷静に考えれば、木の上に潜んでいた男が何故姿を現したか?
それは少年が知り合いだからである。
この男が少年を殺す気なら、姿を現すのはおかしい。
隠れた状態で撃てばいい話だからだ。
また、何か目的があったとしたら?
相手を殺すこと以外に。
この男が少年を殺す気なら、姿を現すのはおかしい。
隠れた状態で撃てばいい話だからだ。
また、何か目的があったとしたら?
相手を殺すこと以外に。
一方、蛭魔は虚を突かれ焦っていた。
こんな近くの茂みに人がいるとは思わなかったのだ。
――ちっ!糞チビに気を獲られたか。
いや、通常の彼ならば気が緩んでいようが、両津が茂みに潜んでいた時点で気付いていただろう。
それは、この環境のせい。
首輪を嵌められて、殺し合いをしろと言われ、放り込まれたこの環境。
暗闇も相成って、判断力、洞察力は普段とくらべ半減していた。
慌てて、銃の照準を両津に合わせる。
しかし、誤解とはいえ、両津も撃たれる訳にはいかない。
弁解は後回しと考え、銃を封じ込めにかかった。
こんな近くの茂みに人がいるとは思わなかったのだ。
――ちっ!糞チビに気を獲られたか。
いや、通常の彼ならば気が緩んでいようが、両津が茂みに潜んでいた時点で気付いていただろう。
それは、この環境のせい。
首輪を嵌められて、殺し合いをしろと言われ、放り込まれたこの環境。
暗闇も相成って、判断力、洞察力は普段とくらべ半減していた。
慌てて、銃の照準を両津に合わせる。
しかし、誤解とはいえ、両津も撃たれる訳にはいかない。
弁解は後回しと考え、銃を封じ込めにかかった。
小早川瀬那、彼の目に写るのはスローモーションの映像。
厳つい男が、蛭魔さんに掴みかかった。
蛭魔さんの手に握られた銃口が、自分を向いている。
目が、銃口に釘付けになった。
そして、凄い音が聞える前に何かが自分に当たった。
最初に思ったのが、痛い。
次に思ったのが、紅い。
その次は…………。
厳つい男が、蛭魔さんに掴みかかった。
蛭魔さんの手に握られた銃口が、自分を向いている。
目が、銃口に釘付けになった。
そして、凄い音が聞える前に何かが自分に当たった。
最初に思ったのが、痛い。
次に思ったのが、紅い。
その次は…………。
銃声に驚く二人に、鮮血が降り注いだ。
最初に硝煙、直ぐに強い血の臭いがした。
彼の持っていたのは、44マグナム。
エンジン部分に当たれば、トラックでさえ行動不能する、かつて最強と謳われた拳銃。
人一人の頭くらい、簡単に消し飛ばすだけの力をもつ。
そう、今首から上が吹き飛んだ小早川瀬那がいい例だろう。
最初に硝煙、直ぐに強い血の臭いがした。
彼の持っていたのは、44マグナム。
エンジン部分に当たれば、トラックでさえ行動不能する、かつて最強と謳われた拳銃。
人一人の頭くらい、簡単に消し飛ばすだけの力をもつ。
そう、今首から上が吹き飛んだ小早川瀬那がいい例だろう。
「瀬那っ!!」
「坊主っ!!」
この時、蛭魔は糞チビとは言わなかった。
そして、名前が叫ばれたことで両津は確信した。
この者は、少年を殺そうとしていたわけではないと。
両津はその場にへたり込んだ。
蛭魔は両津の頭に銃の照準を合わせた。
お互いに、その目は影がかかっているように見える。
「すまない。……それで、気が晴れるなら撃ってくれ」
「ああ、死ね!糞ポリス」
――はっ!?何、へたり込んでやがる?こいつは、俺を殺しに来たんじゃないのか!
そういや、俺は瀬那に何をしてた?銃を突きつけていたのか……。そうか。
何勘違いしてやがる。てめぇを、誤解させたのは俺じゃねぇか。
「本当にすまない!すまん……すま…ん……」
両津が涙を流す。
それには、謝罪と覚悟が込められていた。
突きつけられていた銃が降りる。
両津は涙で濡れた顔を上げた。
「ちっ!消えろ、糞マユゲ」
――テメェがいると、罪悪感に押しつぶされそうになる。一人にしてくれ。
「しかし、埋葬ぐらいは……」
「坊主っ!!」
この時、蛭魔は糞チビとは言わなかった。
そして、名前が叫ばれたことで両津は確信した。
この者は、少年を殺そうとしていたわけではないと。
両津はその場にへたり込んだ。
蛭魔は両津の頭に銃の照準を合わせた。
お互いに、その目は影がかかっているように見える。
「すまない。……それで、気が晴れるなら撃ってくれ」
「ああ、死ね!糞ポリス」
――はっ!?何、へたり込んでやがる?こいつは、俺を殺しに来たんじゃないのか!
そういや、俺は瀬那に何をしてた?銃を突きつけていたのか……。そうか。
何勘違いしてやがる。てめぇを、誤解させたのは俺じゃねぇか。
「本当にすまない!すまん……すま…ん……」
両津が涙を流す。
それには、謝罪と覚悟が込められていた。
突きつけられていた銃が降りる。
両津は涙で濡れた顔を上げた。
「ちっ!消えろ、糞マユゲ」
――テメェがいると、罪悪感に押しつぶされそうになる。一人にしてくれ。
「しかし、埋葬ぐらいは……」
――何、言ってやがる。俺の責任だ!
「…………………」
今度は、黙って銃を突きつけた。
目は、合わせない。
両津は後ろを向くと、黙ってその場を去った。
それは、お互いが同じ気持ちだと分かっていたから。
「…………………」
今度は、黙って銃を突きつけた。
目は、合わせない。
両津は後ろを向くと、黙ってその場を去った。
それは、お互いが同じ気持ちだと分かっていたから。
俺が、銃を突きつけなければ…。
わしが、飛び出さなければ…。
わしが、飛び出さなければ…。
蛭魔は、銃を空に向けて撃った。
弾が切れても、何度も激鉄を叩いた。
それでも、後悔の念は拭えない。
気休めにもならない。
弾が切れても、何度も激鉄を叩いた。
それでも、後悔の念は拭えない。
気休めにもならない。
銃声を聞いても両津は振り返らなかった。
否、振り返れなかった。
もう、自分はあの少年を直視できないから。
あわよくば、その銃弾で自分を撃ち抜いて欲しかった……。
否、振り返れなかった。
もう、自分はあの少年を直視できないから。
あわよくば、その銃弾で自分を撃ち抜いて欲しかった……。
【H-04/車道/1日目・午前2時00分頃】
【男子30番 蛭魔妖一@アイシールド21】
状態:憔悴
装備:44マグナム(残段0)@こち亀
道具:支給品一式/弾丸6発
思考:1.茫然自失
状態:憔悴
装備:44マグナム(残段0)@こち亀
道具:支給品一式/弾丸6発
思考:1.茫然自失
【男子41番 両津勘吉@こち亀】
状態:情緒不安定
装備:なし
道具:支給品一式(所持品不明)
思考:1.激しい後悔
2.本田、ボルボを探す
状態:情緒不安定
装備:なし
道具:支給品一式(所持品不明)
思考:1.激しい後悔
2.本田、ボルボを探す
【男子12番 小早川瀬那@アイシールド21 死亡確認】
【残り 57人】
【残り 57人】
※H-04に銃声が響き渡りました。
瀬那の支給品はその場にあります。
瀬那の支給品はその場にあります。
| 初登場 | 蛭魔妖一 | 悪魔の復活 |
| 初登場 | 両津勘吉 | BLUE SKY COMPLEX |
| 初登場 | 小早川瀬那 | 死亡 |