第042話 覗き小平次 ◆lm7HCqPWZc
中田小平次は走る。走る。走る―――。
ついさっき目撃したものから逃れようと、懸命に足を動かす。
小平次の網膜には、おぞましい光景が焼き付いていた。
一人の少年が、もう一人の少年を殺すあの瞬間が…。
(やべー!こいつは本当にやべー!)
何の躊躇いも見せずに人を崖から突き落とした少年。
そんな物を見るまで半信半疑で島をうろついていた小平次は、それで一気に現実を思い知らされたようなものだった。
(千秋ちゃん…)
名簿で
七瀬千秋がいると確認してから安否ばかりが気になっていたが、あんな場面を目撃してからは千秋が無事でいるとは思えなくなっていた。
(無事でいてくれよ)
今の小平次にはそう願うしか出来ない。
小平次は道路を走りながら越前の影に怯え、そして千秋の影を想っていた。
【D-7/海岸線の道路/1日目・午前1時00分】
【26番 中田小平次@ろくでなしBLUES】
[状態]:混乱
[装備]:なし(
ランダムアイテムは不明)
[道具]:支給品一式
[思考]:1.C-6から離れる
2.千秋を探す
最終更新:2008年02月11日 14:50