かの(彼)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 連語 (代名詞「か(彼)」に格助詞「の」の付いたもの) ⇒か(彼) 彼の
代名詞 他称。話し手、相手両者から離れた、また、両者に共通の話題である、事物、人をさし示す(遠称)。直接それをさしていうのをはばかる場合に、遠まわしにその名に代えていう、近世の隠語的用法。あれ
(イ) あの物。例の物。また、あの事。例の事。
※浮世草子・好色万金丹(1694)三「奈良茶は夜分、かののおゆるは朝時分」
(ロ) あの人。例の人。 ※俳諧・大坂独吟集(1675)下「恋衣おもひたつ日を吉日に あしにまかせてかのが行末〈由平〉」
連体詞 ((一)の一語化したもの) 話し手、相手両者から離れた、また、両者共通の事柄に関係のあることを指示する。現代語では「あの」よりも文語的な表現。 ※浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉一「『アノ本田さんはどうだったエ』『彼(カ)の男はよう御座んした』」
[補注](一)と(三)との境界の判定は極めて困難なので、(三)の用例は、便宜上、明治以降の口語文に限った。
広辞苑 連体詞 (もと、カは代名詞、ノは格助詞)あの。現代語では「あの」より文語的・雅語的。また「あの」のような感動詞的用法はない。 万葉集14「―児らと寝ずやなりなむ」。
「―有名な本」
彼の
大言海 連体詞 この(此)ノ語原ヲ見ヨ〕
我ガ身ヨリ、最モ遠キ物事ヲ指シテ云フ語。あの。(この、そのニ對ス)
萬葉集、十四「 可能 (カノ)(コロ)ト、寐ズヤナリナム」
竹取物語「かの都ノ人」
「かの事」かの時」

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附箋:代名詞 指示詞 連体詞 連語

最終更新:2024年10月19日 21:21