くそ（糞・屎）

辞書	品詞	解説	例文	漢字
日本国語大辞典	名詞	① 消化器内で消化吸収された食物の残滓(ざんし)が、肛門から排泄されたもの。ふん。大便。	古事記（712）上「屎(くそ)に成れる神の名は、波邇夜須毘古神〈略〉次に波邇夜須毘売神」 今昔物語集（1120頃か）一六「故(ことさら)に足に馬の屎(くそ)を塗付て、姉に語て云く」	糞・屎
		② あか。かす。「歯くそ」「耳くそ」「鼻くそ」「金くそ」など。	十巻本和名抄（934頃）三「鉄落 本草云鉄落銕液〈乃波太 一訓加奈久曾〉」
		③ 役に立たないこと。価値の無いもの。とるにたりないもの。「…もくそも」などの形で強調にも用いられる。	〔新撰大阪詞大全（1841）〕 竹沢先生と云ふ人（1924‐25）〈長与善郎〉竹沢先生東京を去る「実はリアリズムも糞もないわけだ」
	感動詞	気にさわることをした人をののしるとき、思うようにならなくていらいらするとき、気持をふるいたたせようとするときなどにいう語。くそう。	咄本・寿々葉羅井（1779）盗人「くそ、わらひ事じゃアない」
	接頭辞	卑しめののしる意を添える語。また、程度のはなはだしいことをののしる意。「くそ落ちつき」「くそ度胸」「くそ坊主」「くそいまいましい」「くそ暑い」「くそまじめ」など。	家庭の幸福（1948）〈太宰治〉「幼にして学を好み、長ずるに及んで立志出郷、もっぱら六法全書の糞暗記に努め」
	接尾辞	他の語について、卑しめののしる意を表わす語。「けったくそ」「ぼろくそ」など。
広辞苑	名詞	①動物が、肛門から排泄する、消化器で消化した食物のかす。大便。ふん。	古事記上「― 如 (な)すは、酔ひて吐き散らすとこそ」	糞・屎
		②あか。かす。	「目―」
		③他の語につけて、卑しめ、ののしり、または強めていうのに用いる語。	「―度胸」「へた―」「―まじめ」「―おもしろくもない」
		④(「…も―もない」の形で)…など問題外だ。	「法律も―もない」
	感動詞	人または物をののしったり、「何を」と奮いたったりする時に発する語。	「―、負けるものか」
大言海	名詞	〔 腐 (クサ)（ 臭 (クサ)）ノ轉カ（ささやく、そそやく。かりさま、かりそめ）沖繩ニテ、くすト云フ〕 （一）｛腸、胃、ノ中ニテ 消化 (コナ)レタル食物ノ 滓 (カス)ノ、肛門ヨリ出ヅルモノ。ハコ。ババ。 糞 (フン)。大便。	神代紀、上 三十一 「送糞、此云 二 俱蘇摩屢 (クソマル) 一 」 倭名抄、三 八 莖垂類「糞、屎、久曾」	糞・屎
		（二）カス。クヅ。滓 屑	「 鐵 (カナ)くそ」 火 (ホ)くそ」目くそ」鼻くそ」袂くそ」
		（三）俗ニ、卑シメテ云ヒ、罵リテ呼ブニ云フ語、多クハ、熟語ニ用ヰル。	「くそノ役ニモ立タヌ」くそオチツキ」くそボネヲリ」くそヤケ」くそタハケ」くそ度胸」くそイマイマシイ」

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