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一般的意見・後編

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だれでも歓迎! 編集
「……あ、雨」
鼻の上に落ちてきた水滴によって、フラフラしていた私の意識が一気に現実に引き戻される。
あれ、なんで校庭にいるのだろう…。
かがみにもう一度謝りに行こうと思ったところから記憶がない。
夢遊病属性だったのか、私。
夢から覚醒した時と似たような感覚に苛まれている間に、ポツポツと降ってくる雨粒はどんどん勢いを増していた。
ふぅ、と溜め息に近い吐息をもらしながら雨の降る空を見上げる。
顔に降り注ぐ雨粒が痛い、髪も制服も濡れていくのを感じたけど、そこから動こうという意思は存在しなかった。
ふっと目に入ったのは、つい数ヶ月前まで満開だった桜の木。そういえば、かがみと始めて話したのも桜の木の下だったなぁ…
今では満開の時のような華やかさは微塵も感じられない程緑色をした葉で覆われている。


《…こなたっ?!!》

遠くからかがみが私を呼んだ気がして後ろを振り向くけど、静まりかえった校舎だけが佇んでいた。
「なにやってんだろ…」
「なにやってんのよ」
ん?独り言のつもりだったんだけど、なんでハモったんだろ?
聞き覚えのある声の方へと振り向くと、少し息が上がっているかがみがいた。
「かがみっ!」
至近距離にいるにも関わらず大きな声でかがみの名前を呼んでしまう。
その呼び掛けに答えるように傘を傾けてずぶ濡れだった私を傘の中に入れてくれた。
なんでここに?という驚きよりも、来てくれたという嬉しさが全身を駆け巡る。
「…ごめん」
その嬉しさに溺れていた私に、申し訳なさそうな顔をしながらかがみが謝罪の言葉を発した。
「え?」
思わず疑問の声があがる。何故かがみが謝るのだろう。
「私もおとなげなかったし…その、こなたの手を振りほどいちゃったのも…いきなりで、びっくりしたからで…」
傘を持つ手がかすかに震えていた。
その震えている手が何を表しているか国語の成績が3の私には分からなかったけど…かがみに嫌われたわけじゃなかったんだ、ということははっきり分かった。
自分でも相当単純な思考であると思ったけど、それだけで頭の中のグチャグチャが薄れていく。
「私も、本当にごめん」
かがみの謝罪ですっかり鬱状態を回復した私も謝らなきゃいけないと、地面ギリギリまで頭を下げる。
「かがみを傷つけることとか、言っちゃって…」
そういえば、結局私のどの言葉がかがみを傷つけたのか分かっていない。
目の前のかがみを見ると「へ?」と驚いているような表情を浮かべていた。
「…?」
その表情に私の頭も『?』になる。
え、私変なこと言ったかな?
「なんで…」
私が首をかしげているとかがみ小さく呟いた。
なんで、って言われても…。
あれ、やっぱり傷ついたんじゃなくて怒ってたのかな。
「えっと…つかさがかがみは怒ってたというか、悲しんでた感じだったって…」
しどろもどろで話す私をしばらく見た後、「やっぱりつかさには敵わないわね」とかがみが笑って答えた。
「確かにちょーーーっと傷付いたかなぁ」
「全然ちょっとに聞こえないんだけど…」
ニヤニヤを抑えるように私に笑いかけるかがみ。
「で、なんで私が傷付いたか分かった?」
あ、この顔は私が分かってないことが分かってる顔だ。
意地悪っぽい口調で聞かれ、うぐっと言葉に詰まる私を見てかがみのニヤニヤがますます増える。
「むぅ……分かんない」
私が観念の言葉を発すると、かがみの口角が少し上がった。
その表情に多少の敗北感を感じたけど、なにぶんコッチは分が悪い。
「かがみ様、かがみ大統領、かがみ外務省長官!!!」
なかなか口を割らないかがみを促すように思い付く役名をつけてかがみを呼んでみる。
「最後のおかしくないか?」
さすがに外務省長官はダメだったらしい。
むぅ、じゃあ…ポチョムキン?
「いや、もう呼び方はいいから」
呆れたように制止される。
普段と変わらないかがみのつっこみに自然に笑みが零れてしまう。
さっきまでの落ち込んだ思想なんてどっかにワープしたみたく吹き飛んでしまっていてた。
変わりに緊張とかと少し似ている、胸の奥のドキドキを感じる。
なんだろ、これ。
痛くはないけど、確実に鼓動を早めている心臓。
「…こなたはさー」
自分の胸の中心に手を当てて考えてこんでいた私に、いつもの優しいかがみの声が聞こえた。
「運命と偶然、どっちを信じる?」
「…え?」
不意をつかれた質問をされ、私の頭の中はパニック状態になる。
みゆきさんじゃあるまいし、哲学的思想の話なんて私には1万と2千キロくらい遠い存在だ。8千キロ行く前にリタイアしそうだもん。
と、某アニソンの歌詞を勝手に改造してみる。
大体、先程までの話の接点が見つからない。
なんでかがみが傷付いたのか、っていう話だった…はずだよね?
「…この前見た本に『運命は偶然の羅列だ』って書いてあったのよ」
私の答えを促すこともなく、かがみは話を続ける。
「じゃあ、こうやってアンタやみゆきと出会ったのは偶然だったのかなー、って思ってね」
そう言いながらポケットから出したハンカチで私の髪を拭いてくれた。
その感覚が気持ち良くて、同時に胸の奥のドキドキが2割増しくらいする。
運命かぁ…
『運命は自分で変えられるんだ』
雛見沢村の某男子が言ってた言葉を思い出す。
これは今の場合は違うかな。
運命、運命、んー?
運命の出会いー、なんてシチュもエロゲやギャルゲで良く見るけど…
実際問題どうなのだろう。
んー、と顎に手をあてて考えるけど、私のあまり活動しない頭では答えらしい答えが見つからない。
そもそも運命の出会いなんて、私はそんなキャラじゃない。
あ、そっか、じゃあ…
「私は、どっちでもないと思うな…」
運命でも偶然でもない。
だけど私はこの高校にきて、かがみ達に出会った。
理屈じゃ分からない何かがあったんだと思う。
その何かは全く見当もつかないけど…
私の答えがよっぽど予想外だったのか、かがみがポカーンとした顔で私を見つめた。
その後、なんか分かんないけど「そっか」とかがみが心底嬉しそうに笑うから私もつられて笑みが零れる。
「なんだかんだ言って同じ平面上にいるわけだし」
「…アンタの場合、二次元だろ」
まぁ否定はしないけどね。
あ、でも…
「あの出会いシチュは故意的だったけどね」
んー、あれはかがみんフラグがたってもおかしくなかったんだけど…
「やっぱりあれは、図ってたのか…」
そのやる気を勉学に回してくれ、という言葉は聞こえないふりをする。
「でも、私はかがみに出会って良かったよ」
「え……なっ、なによ今更っ!!!」
「んー照れ隠しかがみ萌え」
「…るっさい!!」
プイッと傘ごと後ろを向く。
耳まで真っ赤だよ、かがみん。
「って、濡れるー」
「私が来るまで散々濡れてたじゃない」
軽口をたたくわりに、恥かしそうな顔で、私の方を向く。
「むぅ。…お?」
痛い程体に降りかかっていた雨粒が急に弱まったのを感じて、空を仰ぐ。
さっきまでスコール並に降っていた雨がどんどん弱まって、隠れていた太陽まで雲の合間から顔を覗かせ始めていた。
「私は新世界の神になるっ!!!」
太陽光が上手く私の周りに降り注いだので、前にハマった漫画の真似をしてみる。
私的にヒロインの方が波長が合うっていうか、親近感を感じるのだけど…
「それ以上は色々と危ない発言になるぞ」
持っていた傘を閉じながらかがみが忠告をする。
大丈夫、大丈夫。ここじゃ、これが仕様だから。
「そ、そういうもんなのか……あっ」
「ん?……おぉ」
かがみの向けている視線の先を辿ると、さっきまでの雨で濡れた桜の葉が太陽の光に照らされてキラキラ輝いていた。
水滴の一粒ずつが反射し合って虹のように色々な色が煌めいている。
「綺麗…」
「うん、満開の桜みたいだねぇ」
ダッと桜の木の下まで走り寄って、思いっきりジャンプすると、その振動で葉の上の雫が重力に沿ってポタポタと落ちてきた。
「うわっ、ちょ、こなた」
私の不意打ちの行動に驚いたかがみが閉じていた傘を開き、降り注ぐ水滴を避けようとしていた。
「かがみー、私も入れてー」
「誰が入れるかっ!!!」
濡れてしまえー、とかがみも私と同じようにジャンプして、水滴を落としてきた。
「ちょ、かがみ、私の時より水滴の量が多いよ!!!」
「……う、うるさいっ!!!」
少し怒ったような恥かしそうなかがみがプイッとそっぽを向く。
かがみの赤くなった頬が視界を掠めると、先程の胸のドキドキが勢いを増した。
チラッとこっちを伺い見るかがみが可愛いくてキュウと胸が押し潰される。
やばい、やばい、やばい…。
何がやばいのか分からないけれど、無意識にかがみの方へ伸ばしていた手に気付いて、自重するよう脳に指令を出す。
「…こなた?大丈夫?」
「へ?…いや、ははは」
大丈夫、大丈夫といつも通りに答えたつもりだけど、かがみは不思議がってる顔をしていた。
というか心境の変化についていけない、どっかのアニメじゃないけど、状況を説明出来る奴はここに来て説明してほしい。
「なにブツブツ言って…ってえぇ、ちょっとチャイム鳴ってるじゃない?!!」
そういえば授業中だったっけ。
授業終了のチャイムが鳴り響くのを聞きながら他人事のように思っていると、
「ほら、さっさと行くわよ。つかさやみゆきも心配してるし」
とかがみが私より一足早く、昇降口の方へ向かって走り出した。
「う、うん」
心のわだかまりの行方を掴めないまま、慌ててかがみの跡を追った。




その後、かがみと共につかさとみゆきさんに仲直り報告と謝罪をすませると「よかったね」とか「良かったです」と二人から言われ、私は本当にいい友達を持ったなぁと変に感心してしまった。
放課後、『仲直りの印』と、寄り道をすべく秋葉原へ一緒に行こうとかがみを誘うと、
「仲直りの印というよりアンタの願望だろ」
と、図星をつかれた。さすが、かがみん、鋭いねぇ。
なんだかんだ言ってちゃんと付き合ってくれるかがみを見て、フと疑問が生じる。
「そういえば、結局かがみが何で傷付いたか聞いてないよー」
って、傷付けた本人が言うのもなんだけど…気になるものは気になる。
「……気になる?」
うん、と思いっきり首を縦に振る。
「じゃあ…………教えない」
「うぇぇ?!それじゃマムシの生殺しだよー」
「それを言うなら蛇の生殺しでしょ、まぁマムシも蛇だけど…」
えぇ、ずっとマムシだと思ってたよ…
マムシ酒とかあるくらいだし。
「いや、それは関係ないだろ…」
目を細めて呆れながら私を見る。
「というか、さっきので解決したから…」
ボソっと呟かれたかがみの言葉。
「さっきの?」
さっきって、マムシのこと?
「ち、違うわよっ!!!」
間髪入れず否定したあと、はぁ、と溜め息をつかれる。
「まぁ、もう気にしてないから。ね?」
ポンポンと痛くはない強さで私の頭をはたく。
むぅ…まぁもう気にしてないならいいか。
それにしても、さっきから高まるこの鼓動は一体なんなのだろう。
校庭でかがみを見た時感じたドキドキがまた再発してくるのを感じる。
心地いいのになんか落ち着かない、ただかがみをずっと見ていたいという感情だけがはっきりと分かる。
今度みゆきさんにでも聞いてみよう。
『かがみを見ると沸き立つこの感情と一般的意見』を。













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  • 中の人つながりwww
    GJです!!!!
    さて、続き続きっと -- オビ下チェックは基本 (2009-07-18 18:11:34)
  • もう一度言います。
    あなたが神か?
    再び参りました。 -- 名無しさん (2007-10-31 09:46:23)
  • マムシGJ!!!笑 -- 名無しさん (2007-10-31 08:59:26)

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