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天井

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匿名ユーザー

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「お姉ちゃん……………」
ぼうっとしながら天井を見つめる。
12月の雨の日、私は見事に風邪を引いた。

今、私は平日の昼間にもかかわらず。自宅の布団の中に潜っている。
ガスストーブが先週やっと入ってくれたお陰で部屋は暖かいけど、
ガス代が掛かるし、喉が渇いてしょうがないので切ってしまった。
布団から出なければ暖かいしね。
本当は学校に行って友達と遊びたいんだけど、生憎私は風邪を引いている。
みんなにうつす訳にも行かないので、お姉ちゃんが学校に電話をして、私は家で大人しくしていることにした。

4月からこの街の市営住宅に越してきて、桜園小学校に転校して、私はそれなりに楽しい生活を送っていた。
学校生活はいじめられなくなった分、むしろ毎日が楽しくてしょうがない。
お家の方は相変わらず貧乏だけど、それでもお姉ちゃんと楽しく過ごしている。
お姉ちゃんの収入を考えれば貧乏な方がおかしいんだけど……。
でも、私はお姉ちゃんに食べさせてもらっているし、私もドッジボール部をやっているから、
あまり文句は言えない。

学校生活を楽しみすぎて、ちょっと油断していたかな?
昨日から咳が止まらなかった私は放課後、クラブ活動を休んですぐに帰に帰った。
それから、ずっと布団の中にいる。ひとりで。

一人で家にいるのは、もう慣れた。
お姉ちゃんは遅くまでお仕事なので、毎日の洗濯とお風呂掃除は私の当番だ。
ちなみにお父さんとお母さんは、もう居ない。2年前に天国に行ってしまったからだ。
お姉ちゃんに会える時間は少ないけれど、ご飯の時と寝る時は一緒だし、
お休みの日はお姉ちゃんとお出掛けすることも多い。
実はこっそり旅行の計画も立てているんだけど、肝心のお金が………ね。
だから、私は一人でもちっとも寂しくない。お姉ちゃんがいるから。

けど、今はすごく心細い。恐い、寂しい。

午後になって、熱をもう一度測ってみた。39度。上がってるわ…。
どうりで身体が自由に動かせない訳だ。吐き気も収まらないし。
特に平熱の低い私にとって、これは地獄とも言える苦しさだ。

お昼になった。今頃学校では給食かぁ。
今は……お粥くらいなら自分で作れるけど、
お姉ちゃんに一人で居る時は火は使わないように言われているし、
それ以前に朝から気分が悪くて何も食べたくない。

結局、もう一度ガスストーブのスイッチを入れて、布団に潜る。
枕元には冷蔵庫で見付けたポ○リスエットとコップを用意する。
ストーブはガンガンに焚いているハズなんだけど、部屋はとても寒い。
寒いのは、家具も何も無い殺風景な部屋のせいでもあるけれど、たぶん、私が高い熱を出しているからだ。

(頭が)熱い、(身体が)寒い、咳が止まらない、苦しい、吐きそう。
私は、布団の中で地獄の苦しみにひたすら耐えていた。
前の学校で散々いじめられていたので、この程度の苦しみには耐えられる……ハズだった。
思わず、私は、
「お母さん、お父さん、苦しいよ………!! 助けて!!」
会えるはずもない両親に助けを求めてしまった。

お姉ちゃん、早く帰ってきてよ!!
その時だった。



カチャン。


玄関の鍵が開く音がした。
誰? ………ってお姉ちゃんしかいないわね。何故?
「ただいま~。ひかちゃん、大丈夫?」

まだ外は明るいのにお姉ちゃんが帰ってきた!
何か、助かったような気がした。
鞄を下ろして、お姉ちゃんはそのままぐったりとした私のもとに来てくれた。
「ごめんね、お姉ちゃん、何もしてあげられなくて」
「……お姉ちゃん…………」
「今日は早番だったから良かったわ」
そっか。だからこんな時間に帰ってこられたんだ。

「ちょっと頑張れる? お医者さんのとこへ行きましょう? 今タクシーを呼ぶわね」
「だ…………大丈夫だ…よ……」
どう考えても大丈夫じゃない。私がそう思ってるから確かだ。
でも、この家にタクシーに乗るお金も無ければ、保険の無いお姉ちゃんが高額医療費を払えるお金もない。

「お金のことは心配しないで大丈夫よ」
お姉ちゃんが心配させるようなことをしているから、お金のことを心配してるんでしょ!!
ツッコミたいけど、その気力が無い。
「お金よりも、ひかちゃんの身体の具合の方が心配だわ」
お姉ちゃん……………。
急に恥ずかしくなってただでさえ赤い顔が余計赤くなる。

「それに、ひかちゃんだけは保険に入っているから、病院代は安く済むのよ。私はアウトだけど」
苦笑いしてお姉ちゃんは保険証を見せる。
確かにそこには「ミヤカワヒカゲ」という名前『だけ』が入っている。

これは後から聞いたんだけど、私は学童保険とやらに入っているそうで、
中学3年生までの義務教育機関中はこの保険で病院に行けるらしい。
お母さんが小学校に入学した時に入れてくれたらしい。

私は、お姉ちゃんに支えられながら病院に行って、診て貰った。
幸い、インフルエンザではなく、2~3日休んでいれば治るという。
2~3日も学校お休みか。はぁ。
病院で貰ったお薬のお陰で、私はずいぶんと楽になった。
お姉ちゃんも朝までずっと看病してくれた。
と言っても、いつも通り一緒に寝ていただけなんだけど。


そして2日後─────。
「お姉ちゃん、大丈夫?」
「私もこじらせちゃったみたい…………」
ニコニコ顔を見せるお姉ちゃん。しかし、いつもと違って笑顔が死んでいる。
「お仕事、休んだ方がいいんじゃない?」
「だ、大丈夫よ。お仕事……しないと同人誌が買えないし」
買うなよ。ていうか、家の方を心配してよ。
「だーめ。今日は家で大人しくしていなさいっ、はい、電話機。
 私じゃ相手にしてくれないから、自分で掛けなさいよね。
 じゃ、私、学校行ってくるから、お姉ちゃんはずっと寝ているのよ。じゃあね」
「い…いってらっしゃい」


結局お姉ちゃんは家を抜け出して、バイトに行ってしまった。
お店で迷惑掛けてなければいいんだけど、心配だな。












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  • いい話だね〜
    だけど、ひなたがひかげを呼ぶときは『ひかげちゃん』だったと思うんだが・・・
    カケラの続きお願いしますm(__)m
    -- オビ下チェックは基本 (2009-06-24 23:06:17)

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