受験生にとって恋人の存在はプラス?それともマイナス?
味気ない問題集の中にそっと差し込まれた色紙のような若い女性作家の短編を読みながら、私はそんな陳腐な問い掛けを自分にしていた。
そして私は恋人、こなたの姿をできるだけ正確に思い描く。
小学生のような背丈やほのかに色っぽい泣きぼくろ。重たげで、でも走ると風にたなびいて広がる髪。
でもそんな外見的な特徴はみんなが知っていること。
私の頭の中には誰も知らないこなたの知識が一杯詰まっている。
文化祭の夜二人きりになった私達は、どちらからともなくお互いを抱き寄せキスをしていた。
確かにこなたのことは好きだったけどそれまでそこに性的な気持ちはなかったはずだったし、それはこなたも同じだと思う。
ただその時偶然私とこなたのリズムは一致してしまったのだ。
あるいはたんに恋心に対する無知や世間の常識といったものが邪魔していただけだったのかもしれない。
なんにせよそれから私達の関係は急速に進展した。
もともと二年以上毎日のように顔を合わせていた間柄、気付いた時には私はこなたのベッドで裸になっていた。
「現実はエロゲーより奇なりって本当だねぇ、かがみ」
「それを言うなら小説でしょ」
初めてのエッチの後二人で布団にくるまって交わした会話だ。
いつもと同じノリだねって、私達は放心しきった顔を見合わせて笑ったけれどそれはただの照れ隠し。
余韻の残った声、つないだ手の間に感じる湿り気。それらが私に随分遠い所まで来たことを告げていた。
……ああやばい、またちょっとトリップしてた。
こうやって無駄に時間を取られている時点で問いの答えは決まっているようなものだけど、私もこなたもそれで納得したくなかった。
だから受験が終わるまで二人っきりで会うのは一月に一回、そう約束した。
実際そうしてから私達の勉強意欲は上がった。折角会った時に受験のことで暗い顔をしていたくはないしね。
……まあ家の仕事柄約束なんてしなくても、お互いの家で二人きりになれるチャンスなんて滅多にないんだけどさ。
そして今月のご褒美は明日、11日だった。
「そういや11日って鏡開きって言うんだっけ。なんか響きがエロいよね、かがみん」
「またあんたはしょうもないことを……」
そうツッコミながらも、そのエロいことを期待するいじましいこなたの顔にすっかり私は骨抜きだった。
センター一週間前ということでお互いにためらいはあった。
けれどこの機会を逃せば次はいつになるか解らない、そう思うと歯止めは効かなかった。
「かがみー、お風呂出たよ」
階下からまつり姉さんの声が掛かった。
解きかけの問題集を閉じて、タンスから取り出した着替えを持って階段を降りる。
洗面所ではまだまつり姉さんがドライヤーを掛けていた。
「かがみ何か良いことでもあったの?顔がニヤけてるよ」
「別に何にもないわよ」
上に羽織っていたジャージから腕を抜いた所でまつり姉さんが唐突に言った。
私は素知らぬ顔でジャージを脱衣籠に放り込む。
「彼氏とメールでもしてたの?」
「違うっつーの、大体彼氏なんていないって前から何度も言ってるじゃん」
「そう?でも自分では気付いてないかもしれないけど、あんた最近よくそんな顔してるよ。
だからかがみもとうとう、って姉さんと話してたんだ」
Tシャツの裾にかけていた手を離して振り向くと、鏡を挟んでまつり姉さんと目があった。
話しちゃいなよ、確信に満ちた笑顔でそう語りかけてくる。
「勘違いよ、さっきはたまたま過去問がいい出来だったから機嫌が良かっただけよ」
「うわぁ、なんかそれすっごい寂しくない?」
自分だって受験の時は大変だったくせにまるで人ごとだ。
私は軽い苛立ちに任せて、Tシャツを首元まで勢いよくまくり上げた。
「ところでさあ、かがみって最近下着のレパートリー増えたよね」
慌てて脱がなきゃ良かったと後悔したがもう遅かった。
生身の肌が好奇心丸出しの視線に晒される。
味気ない問題集の中にそっと差し込まれた色紙のような若い女性作家の短編を読みながら、私はそんな陳腐な問い掛けを自分にしていた。
そして私は恋人、こなたの姿をできるだけ正確に思い描く。
小学生のような背丈やほのかに色っぽい泣きぼくろ。重たげで、でも走ると風にたなびいて広がる髪。
でもそんな外見的な特徴はみんなが知っていること。
私の頭の中には誰も知らないこなたの知識が一杯詰まっている。
文化祭の夜二人きりになった私達は、どちらからともなくお互いを抱き寄せキスをしていた。
確かにこなたのことは好きだったけどそれまでそこに性的な気持ちはなかったはずだったし、それはこなたも同じだと思う。
ただその時偶然私とこなたのリズムは一致してしまったのだ。
あるいはたんに恋心に対する無知や世間の常識といったものが邪魔していただけだったのかもしれない。
なんにせよそれから私達の関係は急速に進展した。
もともと二年以上毎日のように顔を合わせていた間柄、気付いた時には私はこなたのベッドで裸になっていた。
「現実はエロゲーより奇なりって本当だねぇ、かがみ」
「それを言うなら小説でしょ」
初めてのエッチの後二人で布団にくるまって交わした会話だ。
いつもと同じノリだねって、私達は放心しきった顔を見合わせて笑ったけれどそれはただの照れ隠し。
余韻の残った声、つないだ手の間に感じる湿り気。それらが私に随分遠い所まで来たことを告げていた。
……ああやばい、またちょっとトリップしてた。
こうやって無駄に時間を取られている時点で問いの答えは決まっているようなものだけど、私もこなたもそれで納得したくなかった。
だから受験が終わるまで二人っきりで会うのは一月に一回、そう約束した。
実際そうしてから私達の勉強意欲は上がった。折角会った時に受験のことで暗い顔をしていたくはないしね。
……まあ家の仕事柄約束なんてしなくても、お互いの家で二人きりになれるチャンスなんて滅多にないんだけどさ。
そして今月のご褒美は明日、11日だった。
「そういや11日って鏡開きって言うんだっけ。なんか響きがエロいよね、かがみん」
「またあんたはしょうもないことを……」
そうツッコミながらも、そのエロいことを期待するいじましいこなたの顔にすっかり私は骨抜きだった。
センター一週間前ということでお互いにためらいはあった。
けれどこの機会を逃せば次はいつになるか解らない、そう思うと歯止めは効かなかった。
「かがみー、お風呂出たよ」
階下からまつり姉さんの声が掛かった。
解きかけの問題集を閉じて、タンスから取り出した着替えを持って階段を降りる。
洗面所ではまだまつり姉さんがドライヤーを掛けていた。
「かがみ何か良いことでもあったの?顔がニヤけてるよ」
「別に何にもないわよ」
上に羽織っていたジャージから腕を抜いた所でまつり姉さんが唐突に言った。
私は素知らぬ顔でジャージを脱衣籠に放り込む。
「彼氏とメールでもしてたの?」
「違うっつーの、大体彼氏なんていないって前から何度も言ってるじゃん」
「そう?でも自分では気付いてないかもしれないけど、あんた最近よくそんな顔してるよ。
だからかがみもとうとう、って姉さんと話してたんだ」
Tシャツの裾にかけていた手を離して振り向くと、鏡を挟んでまつり姉さんと目があった。
話しちゃいなよ、確信に満ちた笑顔でそう語りかけてくる。
「勘違いよ、さっきはたまたま過去問がいい出来だったから機嫌が良かっただけよ」
「うわぁ、なんかそれすっごい寂しくない?」
自分だって受験の時は大変だったくせにまるで人ごとだ。
私は軽い苛立ちに任せて、Tシャツを首元まで勢いよくまくり上げた。
「ところでさあ、かがみって最近下着のレパートリー増えたよね」
慌てて脱がなきゃ良かったと後悔したがもう遅かった。
生身の肌が好奇心丸出しの視線に晒される。
「こ、これは前からあったやつよ」
「それはそうだけど随分増えたよねぇ。もうぶっちゃけちゃえよ、父さん以外はみんな気付いてるよ」
「……ただの気まぐれだってば!」
私は乱暴に残りの服を脱ぎ捨てると浴室の扉を開けた。
姉さん達はまだいいけれど、母さんに知られていると思うと恥ずかしくてたまらなかった。
「ねえねえ、相手はどんな人?聞かせてよー」
扉越しに聞こえるくぐもった声を無視して頭からシャワーを被る。
まつり姉さんはしつこく粘っていたけれど、髪を洗い終わる頃には流石にいなくなっていた。
トリートメントした髪をタオルで包みながら私はため息をついた。
私はそんなにだらしない表情をしていたんだろうか、なんだか自分がとても安易な人間になった気がして悔しい。
けれどそれも仕方のないことなのかもしれない。こなたと恋人になってから色んな事が変わった。
まつり姉さんの言った下着もそれの一つ、些細な変化が寄り集まっていつの間にか私の雰囲気は変わっていたのだろう。
例えば前は体重ばかりを気にしていたけれど、最近はそれ以上に肌の調子が気になるようなった。
お菓子は控えるのは当たり前だけど、触れあった時に気持ちいい肌でいたいから朝昼晩ご飯はちゃんと食べる。
峰岸と日下部に、最近目元が穏やかになったって言われたりもした。
みんなが切羽詰まって焦りだす時期だから余計に目立ったらしい。
そしてこのお風呂の時間にも一つの変化があった。
「ん……あっ」
私は右手の指であそこをそっと広げて、弱めにしたシャワーを当てがった。
こなたとする時に変な匂いがしてたりしたら嫌だから、私は自然と丁寧に洗うようになった。
女子の性器ってあんまり清潔なイメージがない。
だからそこに全く躊躇わずに舌を伸ばしてきたこなたにはびっくりした。
「この初々しい反応!萌えるねー」
余裕ぶってはいたけれど、こなたの息がこれ以上ないくらい熱くて早かったのは良く覚えている。
愛おしいのと、恥ずかしいのがこなたの舌の感触と交じり合って私の頭は真っ白になってしまった。
それでたがが外れてしまったのか、その後は私こなたのあそこを舐めてあげた時も何の抵抗も感じなかった。
そこは容姿に違わず幼い見た目をしていたけれど、責められて喘ぐこなたの姿はちゃんとした女の子でそのギャップが面白かった。
……誤解されそうだけどこれはこなたとエッチするための準備であって、オナニーしてるわけじゃない。
けれど準備と言っても髪をいじったりメイクをしたりするのと同じようなもので、意外と楽しんでいるのも事実だったりする。
それにこうしていると、段々とこなたとのエッチが日常になってきているのを感じられて嬉しい。
最初の心臓が破裂しそうな興奮はなくなったけど、こなたを求める気持ちは泉のように静かに途切れなく湧き出して私の心を一杯にしていく。
そんな甘々な気分に浸っていた私の指先にぬるっとした液体が絡みついた。
「……うわぁ、結局欲望に忠実ってことなのか?」
いつもはこんなことないんだけど……前日だからか?
そっと戸を開けて脱衣所に誰もいないか確認する。隙間から入り込んできた冷たい空気が火照った身体を撫でた。
壁に軽くもたれかかって脚を伸ばすと人差し指を中に潜り込ませた。
左の方を小さな円を描くように動かしていくと、ある所で身体がぴくっと震えた。
指先で押し込むと短い吐息が唇をついて出た。
こなたが見つけてくれた私の一番イイ場所。こなたは他にも私の知らなかった私を沢山教えてくれた。
11日は鏡開き、いつものオヤジギャグなんだろうけど何を今更だ。
私の身体も心もあんたの前ではとっくに開きっぱなしなのにね。
「それはそうだけど随分増えたよねぇ。もうぶっちゃけちゃえよ、父さん以外はみんな気付いてるよ」
「……ただの気まぐれだってば!」
私は乱暴に残りの服を脱ぎ捨てると浴室の扉を開けた。
姉さん達はまだいいけれど、母さんに知られていると思うと恥ずかしくてたまらなかった。
「ねえねえ、相手はどんな人?聞かせてよー」
扉越しに聞こえるくぐもった声を無視して頭からシャワーを被る。
まつり姉さんはしつこく粘っていたけれど、髪を洗い終わる頃には流石にいなくなっていた。
トリートメントした髪をタオルで包みながら私はため息をついた。
私はそんなにだらしない表情をしていたんだろうか、なんだか自分がとても安易な人間になった気がして悔しい。
けれどそれも仕方のないことなのかもしれない。こなたと恋人になってから色んな事が変わった。
まつり姉さんの言った下着もそれの一つ、些細な変化が寄り集まっていつの間にか私の雰囲気は変わっていたのだろう。
例えば前は体重ばかりを気にしていたけれど、最近はそれ以上に肌の調子が気になるようなった。
お菓子は控えるのは当たり前だけど、触れあった時に気持ちいい肌でいたいから朝昼晩ご飯はちゃんと食べる。
峰岸と日下部に、最近目元が穏やかになったって言われたりもした。
みんなが切羽詰まって焦りだす時期だから余計に目立ったらしい。
そしてこのお風呂の時間にも一つの変化があった。
「ん……あっ」
私は右手の指であそこをそっと広げて、弱めにしたシャワーを当てがった。
こなたとする時に変な匂いがしてたりしたら嫌だから、私は自然と丁寧に洗うようになった。
女子の性器ってあんまり清潔なイメージがない。
だからそこに全く躊躇わずに舌を伸ばしてきたこなたにはびっくりした。
「この初々しい反応!萌えるねー」
余裕ぶってはいたけれど、こなたの息がこれ以上ないくらい熱くて早かったのは良く覚えている。
愛おしいのと、恥ずかしいのがこなたの舌の感触と交じり合って私の頭は真っ白になってしまった。
それでたがが外れてしまったのか、その後は私こなたのあそこを舐めてあげた時も何の抵抗も感じなかった。
そこは容姿に違わず幼い見た目をしていたけれど、責められて喘ぐこなたの姿はちゃんとした女の子でそのギャップが面白かった。
……誤解されそうだけどこれはこなたとエッチするための準備であって、オナニーしてるわけじゃない。
けれど準備と言っても髪をいじったりメイクをしたりするのと同じようなもので、意外と楽しんでいるのも事実だったりする。
それにこうしていると、段々とこなたとのエッチが日常になってきているのを感じられて嬉しい。
最初の心臓が破裂しそうな興奮はなくなったけど、こなたを求める気持ちは泉のように静かに途切れなく湧き出して私の心を一杯にしていく。
そんな甘々な気分に浸っていた私の指先にぬるっとした液体が絡みついた。
「……うわぁ、結局欲望に忠実ってことなのか?」
いつもはこんなことないんだけど……前日だからか?
そっと戸を開けて脱衣所に誰もいないか確認する。隙間から入り込んできた冷たい空気が火照った身体を撫でた。
壁に軽くもたれかかって脚を伸ばすと人差し指を中に潜り込ませた。
左の方を小さな円を描くように動かしていくと、ある所で身体がぴくっと震えた。
指先で押し込むと短い吐息が唇をついて出た。
こなたが見つけてくれた私の一番イイ場所。こなたは他にも私の知らなかった私を沢山教えてくれた。
11日は鏡開き、いつものオヤジギャグなんだろうけど何を今更だ。
私の身体も心もあんたの前ではとっくに開きっぱなしなのにね。
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- 簡単に『暴走』させないで、淡々と、リアルに、誠実に欲情を描いていると思う。
だからこそエロイ、すごくエロイ。本当、この方の作品は大好きです。 -- 名無しさん (2008-03-31 20:07:41) - 品のあるエロスと可愛らしくも温かいラブが素晴らしいです。 -- 名無しさん (2008-03-31 18:23:54)