「それじゃあきら様、お疲れ様です」
「おぉ、お疲れー……はぁ……」
お昼過ぎのラジオスタジオ、今日唯一のお仕事を終え、私は楽屋でしばらくの休憩を取っていた。
今白石も出てったから、この部屋に居るのは私だけ。
さて、さっきの溜息だけど、もちろん疲れもあるわけなのだが……
「おぉ、お疲れー……はぁ……」
お昼過ぎのラジオスタジオ、今日唯一のお仕事を終え、私は楽屋でしばらくの休憩を取っていた。
今白石も出てったから、この部屋に居るのは私だけ。
さて、さっきの溜息だけど、もちろん疲れもあるわけなのだが……
「……今日、私の誕生日なんだけどなぁ……」
バレンタイン・バースデイ
本日の日付は2月14日。そう、世間ではバレンタインデーだが、今日は私の誕生日でもある。
ところがその事をラジオで話題にしたら、白石を除く、スタジオに居た全員から、「えぇー!」
という、明らかに驚いたリアクションをした。あおりとかそういうのじゃなく、みんながマジで。
で、それをラジオで聞いてたファンからは、「誕生日おめでとうございます! でも、ラジオを
聞くまで忘れてました!」という趣旨のメールやらFAXやらがいくつかスタジオに届いて、
それを聞くたびに私は「知らなかったのかよ!」と、表面上ではいつも通りキレていた。
でも実際には、内心かなり悲しかった。
まずスタジオに居たやつら、何で出演者の誕生日知らないんだよ! 普通そういうのって調べて
おいてあるはずだろ! ファンもファンで、自分の好きなアイドルの誕生日くらい覚えとけよ!
って感じで……おっと、素が出た。
ところがその事をラジオで話題にしたら、白石を除く、スタジオに居た全員から、「えぇー!」
という、明らかに驚いたリアクションをした。あおりとかそういうのじゃなく、みんながマジで。
で、それをラジオで聞いてたファンからは、「誕生日おめでとうございます! でも、ラジオを
聞くまで忘れてました!」という趣旨のメールやらFAXやらがいくつかスタジオに届いて、
それを聞くたびに私は「知らなかったのかよ!」と、表面上ではいつも通りキレていた。
でも実際には、内心かなり悲しかった。
まずスタジオに居たやつら、何で出演者の誕生日知らないんだよ! 普通そういうのって調べて
おいてあるはずだろ! ファンもファンで、自分の好きなアイドルの誕生日くらい覚えとけよ!
って感じで……おっと、素が出た。
「……はぁ……」
もう一度溜息。と、
もう一度溜息。と、
ブー ブー ブー ブー
「うおっと!?」
突然携帯のバイブが鳴った。私は慌てて鞄の中の携帯を取り出した。
誰からだろう? 白石……はさっき出てったばっかだから違うだろうし、音無とかその辺りかな?
そう思って私は携帯を開き、内容を確認した。そこには、意外な人物の名前があった。
突然携帯のバイブが鳴った。私は慌てて鞄の中の携帯を取り出した。
誰からだろう? 白石……はさっき出てったばっかだから違うだろうし、音無とかその辺りかな?
そう思って私は携帯を開き、内容を確認した。そこには、意外な人物の名前があった。
From つかささん
「えっ?……つ、つかささん!?」
ど、どうしてこんな時間に? と思ったけど、そういえば高校ならお昼休みに入ってる頃か。
えっと、内容は……
ど、どうしてこんな時間に? と思ったけど、そういえば高校ならお昼休みに入ってる頃か。
えっと、内容は……
題名 ハッピーバースデイ!
本文 あきらちゃん、お誕生日、おめでとう! ……実は私、こなちゃんから聞くまで今日が
誕生日だって知らなかったよ……ごめんね?
誕生日だって知らなかったよ……ごめんね?
あー、そういえばつかささんには教えてなかったっけ、私の誕生日……ていうか、こなちゃん
って誰だろう……初めて会った時にいたあの私のファンの小さい子かな?
そんな事を考えながら、私はメールの続きを見てみた。
って誰だろう……初めて会った時にいたあの私のファンの小さい子かな?
そんな事を考えながら、私はメールの続きを見てみた。
それとね、今日夕方から暇があるかな? 渡したい物があるんだけど……あ、駄目なら
別にいいよ、またいつか会えた時にでも……それじゃあ、返事を待ってます。
別にいいよ、またいつか会えた時にでも……それじゃあ、返事を待ってます。
「……渡したい物? 何だろう……」
午後5時、大宮駅の前。
「あ、つかささん。こっちこっちー」
「あ、あきらちゃん。ごめんね、待った?」
「ううん、私も今来たとこ」
「あ、つかささん。こっちこっちー」
「あ、あきらちゃん。ごめんね、待った?」
「ううん、私も今来たとこ」
メールを見た後、私はすぐに「今日はこれから何の予定もないからいいよ」と返信した。
しばらくして、「それじゃあ、夕方の5時に大宮駅の前で集合でいいかな?」とつかささんから
返事が返ってきて、それに「わかった」と返信した後、その時間まで大宮で時間を潰すことに
した。だからさっきの「今来たばっか」というのは嘘。まあ大宮駅に来たのは「今」だけどね。
しばらくして、「それじゃあ、夕方の5時に大宮駅の前で集合でいいかな?」とつかささんから
返事が返ってきて、それに「わかった」と返信した後、その時間まで大宮で時間を潰すことに
した。だからさっきの「今来たばっか」というのは嘘。まあ大宮駅に来たのは「今」だけどね。
「直接会うのって、結構久しぶりだよねー」
「そ、そうですね……つかささん、受験の方はどうでしたか? この時期ですよね?」
「あ、うん。一応専門学校と私立の受験は終わったけど、結果はまだだよ。あきらちゃんはどう?
高校受験の方は」
「勉強はしてるけど……ラジオ番組とかもあるから、満足には出来てないかな」
「そうなんだー。お仕事大変そうだね」
「う、うん……」
……今日の事もあって、あまり仕事のことには触れられたくなかったんだけどな……
つかささんはそんな私の気持ちを知ってか知らずか、いつもの様にニコニコと、明るい笑顔を
私に向けている。
「そ、そうですね……つかささん、受験の方はどうでしたか? この時期ですよね?」
「あ、うん。一応専門学校と私立の受験は終わったけど、結果はまだだよ。あきらちゃんはどう?
高校受験の方は」
「勉強はしてるけど……ラジオ番組とかもあるから、満足には出来てないかな」
「そうなんだー。お仕事大変そうだね」
「う、うん……」
……今日の事もあって、あまり仕事のことには触れられたくなかったんだけどな……
つかささんはそんな私の気持ちを知ってか知らずか、いつもの様にニコニコと、明るい笑顔を
私に向けている。
「……そういえば、つかささん。つかささんがここで渡したい物って何ですか?」
気を取り直して、私はメールの内容にあった事についてつかささんに尋ねた。
「あ、その事だけど……その前に、ちょっと寄りたい所があるの!」
そう言って、つかささんは私の手を引いて、駅前から歩き出した。
「えっ? ど、どこへですか?」
私が慌てて尋ねると、
「今からデパートに行って、そこであきらちゃんのお誕生日プレゼントを決めるの! 欲しい物が
あったら私に言ってねっ」
「え、えぇー!」
つかささんの答えに私は目を丸くして、つかささんに引っ張られるまま、駅前のデパートに
向かっていった。
気を取り直して、私はメールの内容にあった事についてつかささんに尋ねた。
「あ、その事だけど……その前に、ちょっと寄りたい所があるの!」
そう言って、つかささんは私の手を引いて、駅前から歩き出した。
「えっ? ど、どこへですか?」
私が慌てて尋ねると、
「今からデパートに行って、そこであきらちゃんのお誕生日プレゼントを決めるの! 欲しい物が
あったら私に言ってねっ」
「え、えぇー!」
つかささんの答えに私は目を丸くして、つかささんに引っ張られるまま、駅前のデパートに
向かっていった。
「はぁ……」
今日何度目の溜息だろう。
「どうしたの? あきらちゃん」
「ううん、何でもない……」
私は少し俯きながらそう答えた。
今日何度目の溜息だろう。
「どうしたの? あきらちゃん」
「ううん、何でもない……」
私は少し俯きながらそう答えた。
ここは駅前のとある百貨店。つかささんに連れられてここに来た私は、とりあえず店内を
うろうろとしてみた。もちろんつかささんも一緒に。
ちなみに手はもう握られていない。店に入る時にさすがに恥ずかしくて、離してもらった。
うろうろとしてみた。もちろんつかささんも一緒に。
ちなみに手はもう握られていない。店に入る時にさすがに恥ずかしくて、離してもらった。
「それで、あきらちゃん。何が欲しいかな?」
制服姿のつかささんが尋ねる。
欲しい物と言われてもなー……服とかバックとかはいっぱい持ってるし、「欲しい物なら」
といっても、値段の高い物はつかささんもいっぱいお金を持ってる訳じゃないから、とても
買えないよね……
制服姿のつかささんが尋ねる。
欲しい物と言われてもなー……服とかバックとかはいっぱい持ってるし、「欲しい物なら」
といっても、値段の高い物はつかささんもいっぱいお金を持ってる訳じゃないから、とても
買えないよね……
「うーん……」
「……まあ、慌てなくてもいいよ。まだ時間もあるんだし……」
確かに私には時間はたくさんあるけど、つかささんはそうはいかない。聞いたところによると、
大宮はつかささんの高校から家までとは逆方向らしいし。それに、遅くなったら家族も心配
するんじゃあ……
出来れば早く決めたいな。そう思っていると、ふとあるものが私の目に止まった。
「……まあ、慌てなくてもいいよ。まだ時間もあるんだし……」
確かに私には時間はたくさんあるけど、つかささんはそうはいかない。聞いたところによると、
大宮はつかささんの高校から家までとは逆方向らしいし。それに、遅くなったら家族も心配
するんじゃあ……
出来れば早く決めたいな。そう思っていると、ふとあるものが私の目に止まった。
「…………」
「どうしたの? 突然立ち止まって……あ、もしかしてあれが欲しいの?」
私の目に映った物。それは、おもちゃコーナーに並んでいた、かわいいぬいぐるみ達だった。
そういえば最近新しくぬいぐるみとか買ってなかったな。この位のサイズなら、そんなに高く
ないはずだし。
私はそのぬいぐるみ達が並んでいるコーナーに歩み寄った。その中で、
「……これが欲しいな」
私は一つのぬいぐるみを選んで、手に取ってみた。
「あ、私これ知ってるー。えっと……カピバラ、だっけ?」
つかささんの言う様に、このぬいぐるみはカピバラという動物がモチーフになっているらしい。
その胴長のスタイルが、なぜだか抱き心地が良さそうだったから、一目で気に入ってしまった。
「どうしたの? 突然立ち止まって……あ、もしかしてあれが欲しいの?」
私の目に映った物。それは、おもちゃコーナーに並んでいた、かわいいぬいぐるみ達だった。
そういえば最近新しくぬいぐるみとか買ってなかったな。この位のサイズなら、そんなに高く
ないはずだし。
私はそのぬいぐるみ達が並んでいるコーナーに歩み寄った。その中で、
「……これが欲しいな」
私は一つのぬいぐるみを選んで、手に取ってみた。
「あ、私これ知ってるー。えっと……カピバラ、だっけ?」
つかささんの言う様に、このぬいぐるみはカピバラという動物がモチーフになっているらしい。
その胴長のスタイルが、なぜだか抱き心地が良さそうだったから、一目で気に入ってしまった。
「じゃあお会計してくるから、渡してもらえるかな?」
しばらくぬいぐるみを抱きかかえていた私に、つかささんはそう言って手を差し出した。
私がその手にぬいぐるみを置くと、
「あきらちゃんはそこで待っててね」
と言って、つかささんはそれを持って会計まで駆けていった。私は言われた通り、しばらく
その場所に留まって、並んでいるぬいぐるみ達を眺めていた。
しばらくぬいぐるみを抱きかかえていた私に、つかささんはそう言って手を差し出した。
私がその手にぬいぐるみを置くと、
「あきらちゃんはそこで待っててね」
と言って、つかささんはそれを持って会計まで駆けていった。私は言われた通り、しばらく
その場所に留まって、並んでいるぬいぐるみ達を眺めていた。
「……それじゃあ改めて、お誕生日おめでとう、あきらちゃん!」
「あ……ありがとう」
再び大宮駅前。そろそろ会社帰りの人が増えてくる頃、私はつかささんから、さっき買って
もらったぬいぐるみをプレゼントされた。私としては買ったその場で、と思ったんだけど、
つかささんが「すぐに渡しちゃったら、プレゼントじゃなくなるでしょ?」と言うから、結局
店の外に出て、駅前で手渡すということになった。
「あ……ありがとう」
再び大宮駅前。そろそろ会社帰りの人が増えてくる頃、私はつかささんから、さっき買って
もらったぬいぐるみをプレゼントされた。私としては買ったその場で、と思ったんだけど、
つかささんが「すぐに渡しちゃったら、プレゼントじゃなくなるでしょ?」と言うから、結局
店の外に出て、駅前で手渡すということになった。
それにしても、誕生日プレゼント……かぁ。ちっちゃい頃は親とかから貰ってたけど、こういうのは
初めてかも。こう、他人から手渡しでっていうのは。そのせいなのか、それとも周りの目が気になる
からか、私はプレゼントを受け取った時、少しこそばゆかった。
初めてかも。こう、他人から手渡しでっていうのは。そのせいなのか、それとも周りの目が気になる
からか、私はプレゼントを受け取った時、少しこそばゆかった。
「来年はもっとちゃんとしたものをプレゼントするね。……覚えてたらだけど」
「い、いいですよ! これくらいでいいですから……そういえば、つかささん」
「ん、何? あきらちゃん」
私はふと、ある事を思い出した。それは、私がここに来た理由でもあった。
「……最初にも言いましたけど、渡したい物って何ですか? これ……じゃないですよね?」
「あ、そういえば忘れてた!」
おいおい……まあ、つかささんらしいっちゃらしいけどね。
「……クスッ……」
「わ、笑わないでよー! えっと、どこにしまったっけな……」
思わず笑ってしまった私に文句を言いながら、つかささんは鞄の中を手探った。
「……あったあった。はい、どうぞ」
そういって、つかささんが取り出したものは……
「い、いいですよ! これくらいでいいですから……そういえば、つかささん」
「ん、何? あきらちゃん」
私はふと、ある事を思い出した。それは、私がここに来た理由でもあった。
「……最初にも言いましたけど、渡したい物って何ですか? これ……じゃないですよね?」
「あ、そういえば忘れてた!」
おいおい……まあ、つかささんらしいっちゃらしいけどね。
「……クスッ……」
「わ、笑わないでよー! えっと、どこにしまったっけな……」
思わず笑ってしまった私に文句を言いながら、つかささんは鞄の中を手探った。
「……あったあった。はい、どうぞ」
そういって、つかささんが取り出したものは……
「……これって……」
「ハッピーバレンタイン! だよ。あきらちゃん」
それはハートの形をした、掌ほどのチョコレートだった。それがきれいにラッピングされていて、
リボンもつけてある。
「実は、今日があきらちゃんの誕生日って知らなくても、これを渡すつもりだったんだ。お友達
として、ねっ」
「ハッピーバレンタイン! だよ。あきらちゃん」
それはハートの形をした、掌ほどのチョコレートだった。それがきれいにラッピングされていて、
リボンもつけてある。
「実は、今日があきらちゃんの誕生日って知らなくても、これを渡すつもりだったんだ。お友達
として、ねっ」
お友達……
いつもの、優しくて暖かな笑顔でそう言ってくれたつかささん。
その響きが、なんだか嬉しくって……
いつもの、優しくて暖かな笑顔でそう言ってくれたつかささん。
その響きが、なんだか嬉しくって……
「……ありがとう、ございます」
私も、最高の笑顔をつかささんに返した。
私も、最高の笑顔をつかささんに返した。
最悪の誕生日だったのに、いつの間にか最高の誕生日になったなぁ。
これもつかささんのおかげ、かな? ……これからも、仲良くしていきたいなぁ。
これもつかささんのおかげ、かな? ……これからも、仲良くしていきたいなぁ。
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- つかさ… 鷲宮の女神!!! -- チャムチロ (2012-10-28 22:30:01)
- この組み合わせは初めてだな。
なかなかいい感じだな。
でも陵桜学園桜藤祭したあとでこれ見ると激しく
違和感覚えるな。
あきらは誰にでも黒かったからなww -- taihoo (2009-02-15 05:43:24) - いいな、この組み合わせ
-- 名無しさん (2009-02-14 15:23:12)