目が覚めた時、私は芝生が生い茂る野原にいた。
辺り一面緑の草原で、少なくとも私の知っている場所ではないことは確かだった。
「ここは……どこなのかしら……」
ふと口をついて出た声の幼さに驚いた。
幼さという表現は妥当ではないか…
しかし、私の年齢を考えれば、今の声は若すぎる。
まさかと思い自分の身体を見てみると、
「こ……これは……」
身体が若返っていることに気づいた。
かがみやつかさと同じくらいだろうか……
制服を着れば高校生そのものだ。
「みき?みきなのか?」
私を呼ぶ声に振り向くと、そこには高校生くらいの若い男性がいた。
しかもその人は……
「た、ただおさん?」
高校生くらいまで若返った姿の、ただおさんだった。
普通ならこの摩訶不思議極まりない現象に驚き、あわてふためくものだが、不思議とその様な気持ちは薄く、むしろこの状況を楽しもうという気持ちが強かった。
「なんだか、恋人時代に戻ったみたいだな」
その気持ちはただおさんも同じようだった。
「あなた、せっかくだから昔の恋人同士だったときみたいに、二人で過ごしませんか」
「そうだな…少しの間仕事も、家のことも忘れて楽しもう。みき」
ただおさんはそう言って私に手をさしのべた。
私は手をとりながら言った。
「うん!ただおくん!」
すると草原だった周りの景色はいつの間にかよく知る大宮駅の前となった。
若いカップルたちが大勢いて、皆とても仲が良さそうな恋人たちだった。
私たちは周りのカップルたちに混ざって、映画館や喫茶店など、定番のデートスポットをはしごしてまわった。
普段は食べることなどないファーストフードを食べたり、かわいい服や小物を売っているお店をひやかしたり……
手を繋いで、歩いたり……
「ふふっ♪」
「みき?」
「ただおくん、私、幸せだよ」
より深く指を絡めながら私は言った。
頬が軽く火照り、胸がどきどきしている。
忘れて久しい甘酸っぱい気持ちを楽しみながら、私は立ち止まってただおさんを見上げた。
「ね…キス、して」
甘酸っぱい雰囲気に後押しされてキスをねだる。
ただおさんは私の肩をそっと抱いて、ゆっくりと顔を近づけた。
☆
☆
☆
「うまく、いったわね」
幸せそうに眠るみきとただおのそばで、かがみとつかさはアンテナのような機械を操作していた。
「高良グループが開発した『夢創造機』で、お母さんに幸せな恋人時代の夢を見てもらう、か。
高良グループもたまにはいいもの作るわね」
「こなちゃんが、お母さんの誕生日が恋人の日だって言ってくれたから今回の計画を思いついたんだよね。
ブラジル・サンパウロ地方では、縁結びの聖人アントニウスが歿した前日の6月12日を『恋人の日』として、
恋人同士が写真立てに写真を入れ交換しあう風習があるんだって」
「というわけで、私たちからはペアのフォトフレームをプレゼントするわね」
かがみとつかさは眠っている母親の枕元にそっと包みを置いた。
「「Happy Birthday お母さん」」
辺り一面緑の草原で、少なくとも私の知っている場所ではないことは確かだった。
「ここは……どこなのかしら……」
ふと口をついて出た声の幼さに驚いた。
幼さという表現は妥当ではないか…
しかし、私の年齢を考えれば、今の声は若すぎる。
まさかと思い自分の身体を見てみると、
「こ……これは……」
身体が若返っていることに気づいた。
かがみやつかさと同じくらいだろうか……
制服を着れば高校生そのものだ。
「みき?みきなのか?」
私を呼ぶ声に振り向くと、そこには高校生くらいの若い男性がいた。
しかもその人は……
「た、ただおさん?」
高校生くらいまで若返った姿の、ただおさんだった。
普通ならこの摩訶不思議極まりない現象に驚き、あわてふためくものだが、不思議とその様な気持ちは薄く、むしろこの状況を楽しもうという気持ちが強かった。
「なんだか、恋人時代に戻ったみたいだな」
その気持ちはただおさんも同じようだった。
「あなた、せっかくだから昔の恋人同士だったときみたいに、二人で過ごしませんか」
「そうだな…少しの間仕事も、家のことも忘れて楽しもう。みき」
ただおさんはそう言って私に手をさしのべた。
私は手をとりながら言った。
「うん!ただおくん!」
すると草原だった周りの景色はいつの間にかよく知る大宮駅の前となった。
若いカップルたちが大勢いて、皆とても仲が良さそうな恋人たちだった。
私たちは周りのカップルたちに混ざって、映画館や喫茶店など、定番のデートスポットをはしごしてまわった。
普段は食べることなどないファーストフードを食べたり、かわいい服や小物を売っているお店をひやかしたり……
手を繋いで、歩いたり……
「ふふっ♪」
「みき?」
「ただおくん、私、幸せだよ」
より深く指を絡めながら私は言った。
頬が軽く火照り、胸がどきどきしている。
忘れて久しい甘酸っぱい気持ちを楽しみながら、私は立ち止まってただおさんを見上げた。
「ね…キス、して」
甘酸っぱい雰囲気に後押しされてキスをねだる。
ただおさんは私の肩をそっと抱いて、ゆっくりと顔を近づけた。
☆
☆
☆
「うまく、いったわね」
幸せそうに眠るみきとただおのそばで、かがみとつかさはアンテナのような機械を操作していた。
「高良グループが開発した『夢創造機』で、お母さんに幸せな恋人時代の夢を見てもらう、か。
高良グループもたまにはいいもの作るわね」
「こなちゃんが、お母さんの誕生日が恋人の日だって言ってくれたから今回の計画を思いついたんだよね。
ブラジル・サンパウロ地方では、縁結びの聖人アントニウスが歿した前日の6月12日を『恋人の日』として、
恋人同士が写真立てに写真を入れ交換しあう風習があるんだって」
「というわけで、私たちからはペアのフォトフレームをプレゼントするわね」
かがみとつかさは眠っている母親の枕元にそっと包みを置いた。
「「Happy Birthday お母さん」」
コメントフォーム
- いつもと違った ほのぼの風味で、これまたGJですね。 -- 名無しさん (2009-08-05 22:53:32)