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泉こなたの人生が変わる瞬間 PM2:36

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「そろそろ、20周ね……」

スタートしてからすでに2時間以上が経過。
スタート時の余裕はすでに消え去りつつあった。
こなたもだけじゃなくて、つかさもだけど……。

「落ち着きなさいよ、つかさがうろたえても何にもならないわよ?」
「でも、こなちゃんが……」
「走ったくらいじゃ、別に死なないわよ」

みゆきは飲み物を買いに近くのコンビニまで行ってるし、今は二人だけだ。
つかさを落ち着かせるにはちょうどいいかもしれない。

「つかさ、ちょっと座らない?」
「う、うん……」

二人でこなたが用意してきたシートの上に腰を下ろす。
っていうか、あいつは何を見越して準備してたんだか……。
シートを挟んだアスファルトはさすがに熱い。
なので、シートの上に大きめのスポーツタオルをのせてある。
それでも地面の熱が伝わってくるんだから、今日の暑さは相当なものだ。

そんな中、こなたがまた私達の前を通り過ぎる。
次が23周目。
何度か小休止を入れてはいるが、ほぼノンストップで走っている。
こなたもさすがに辛いのか、スタート直後のようにつかさに声をかけたりはしない。
一周するごとにつかさの顔を見て、笑顔で前を通り過ぎていく。
その笑顔にも疲労の色が濃くなってきた。
それに比例するかのように、つかさの不安も大きくなっているようだった。

「こなちゃん……大丈夫かな……」
「つかさが心配したって、何も始まらないわよ」
「でも、こなちゃん、あんなに辛そうなのに……」
「確かに、辛そうね。でも、辛いと分かっててなんで走っているのかしら?」
「え? なんでって……」
「普段のこなたなら、テレビを見ました、感動しました、それで終わりだと思うけど?」

オタク絡みならいざ知らず、一般的な内容のテレビ見て行動を起こすくらいだから。
きっと、相当心に響く何かがあったんだろう。
だから私は止めなかった。
スタート前のこなたの目が、それを力強く言っている気がしたから。

しかし、そのままつかさに言っても納得するかどうか……。
なので、別の方から攻めてみることにした。

「つかさはこなたが見てたテレビが何なのか、知ってるわよね?」
「うん……24時間マラソンのやつだよね?」
「そのマラソン走った人、なんでマラソンしようと思ったかって知ってる?」
「え? なんでって……」
「その人こう言ったの。『頑張ってる自分に会いたい』って」
「自分に、会いたい?」
「じゃあこなたは、いったい誰に会いたいのかしら?」

これがこなたの本意なのかは分からないけれど。
でも、私はそんな気がした。

「こなたが会いたい人に会えるまで、見守ってあげなきゃ」
「お姉ちゃん……」
「こなたの恋人なら、それくらいやってのけなさいよ!」
「えっ!? こっ、恋人だなんて……」

つかさが顔を真っ赤にしてうつむいてしまう。
まったく……ウブというか、初々しいというか。

「ほら、こなた来たよ」
「ほんとだ。お~い、こなちゃ~ん!!」

こなたの方へと駆け出していくつかさ。
その顔は、確かに笑顔だった。

つかさとハイタッチをして、こなたは22周目に突入していく。


















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