kairakunoza @ ウィキ

天然モノは癖になる

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匿名ユーザー

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 ドライヤーの熱い風が、こなたの髪をなびかせる。
「おー……人にやってもらうってのは気持ちいいねー」
 ブラシで髪を梳くと、こなたは心地よさそうにのんびりと言った。
「あんたの髪って長いから、梳かしがいがあるわね」
「そう? めんどくさいから、たまーに放置して乾かしたりするんだけど」
「曲がりなりにも女の子なんだから、そのあたりはちゃんとしなさいっての」
 そう言うわりには、こなたの髪は乾かすとさらさらしてて心地良い。
 私の髪がお手入れしてても痛みやすいのを考えると、こういう髪質がうらやましく思える。
「腰下らへんまであるけど、煩わしく思ったことはないの?」
「んー、たまにね。でも、朝いちいち結ってる時間のほうがもっと煩わしいかなって」
「お寝坊さんらしい答えね」
「つかさだってよく寝坊するじゃん」
「……つかさの場合は体質ってゆーか、あんたと違ってショートだし」
「煩わしいものは煩わしいのですよー」
 ホント、マイペースだこと。これだけ髪が長ければ、いろんなヘアスタイルが試せて面白いと思うんだけど。
「素材は十分いいはずなんだけどねー……」
 そう思いながら、ブラシをさっと髪に通していく。
「ポニテとか浴衣用にまとめたりはするよ」
「どれもコスプレ用でしょーが」
「さすがかがみ様、よくお見通しで」
「勝ち誇って言うんじゃないの」
 でも、このまま梳かしておしまいってのも面白くないわね。
 ここはちょっと、こなたの髪で遊んでみようかしら。
「それじゃ、私がお手本ってのを見せてあげましょうか」
「んー?」
 ドライヤーを止めてから、手で髪を梳く。ほどよく乾いたのを確認した私は、お風呂の
前に解いたリボンを手にしてこなたの髪をまとめ始めた。
「ワンポイントを使ってまとめるだけでも、見た目の印象が違うものなのよ」
 手早く、首の後ろあたりでリボンを結う。あとはそのまま、ワンポイントで大きい蝶結びを作っていけば……っと。
「ほら、ちょっとはすっきりした雰囲気になったでしょ」
「おー?!」
 ベッドサイドにあった手鏡を持たせてから、私は自分のバッグにあったコンパクトを
こなたの後頭部にかざしてリボンで結んだあたりを見せた。
「こうワンポイントがあるだけで、萌え要素が追加されるなんて……しかも、自分に萌えそうになったヨ!」
「やっぱりあんたの判断基準は萌えか」
 だけど、確かにいつものこなたと違ってスポーツ好きの女の子とか、活発そうな感じがする。
やっぱり、磨けば光るんじゃないの。
「でもさー、やっぱり自分でやるとなるとねー。萌えないんだよねー」
「やっぱりめんどくさいとか言うのね」
「んにゃ。こういう風に誰かにやってもらうほうが楽しいとゆーか……その、気持ちよかったし」
「なっ!」
 い、いきなり面と向かってなんてことを言うかなー、こなたってば!
「こういう萌えイベントは、やっぱり人にしてもらってこそだと思うんだよね。私は」
「はあ……よくわかんないけど、あんたらしい発想よね、それって」
「とゆーわけで、今度は私の番」
「はい?」
 私が返事するが早いか、こなたはこっちに振り向くと、私を強引に後ろへと向かせた。
「私が、かがみの髪をセットしてあげる番だよー」
「あははっ、そういうこと」
 こういうイベントがあると、こなたはすぐに実践したがるのよね。
 たまには、こなたのわがままに身を任せてみましょうか。
「かがみの髪って、いつさわってもさらさらだね」
 手で髪を梳きながら、こなたが気持ちよさそうにつぶやいた。
「それなりに、お手入れには気を遣ってるもの」
 お姉ちゃんにいいシャンプーやトリートメントを教えてもらったり、椿油とかもたまに
使わせてもらってるから、髪質には結構自信がある。それを考えると、こなたの髪って
しっかりお手入れすれば、もっといい感じになるはずなのよねー。ホント、もったいない。
 ブラシで梳かれる心地いい感覚に身を任せながら、こなたのヘアスタイルをどうしよう
かなって頭の中で想像していく。リボンで耳元をまとめてもよさそうだし、大きめの三つ
編みにしてもよさそうだし……


「かがみ、リボン借りるね」
「いいわよ」
 こなたの髪を結んだ他にもう一本のリボンがあるから、きっとそれを使うんだろう。
「ところでこなた」
「うん?」
「こなたって、人の髪を結ったりしたことはあるの?」
「んにゃ、ないよー」
「……え?」
 したことがないのに、私の髪をいじくるっていうのは……
「ちょ、ちょっとこなた」
「大丈夫大丈夫。軽くまとめるだけだからさー」
 多分、私の髪を指でくるくると弄んでるような、そんな感触。
 楽しそうに言うこなたとは反対に、私はちょっと不安になっていたんだけど、
「本当、ちょっとだけだからね」
 こなたのやる気を削ぐことはしたくないから、そのまま身を任せることにした。
「あいあいさー」
 のんびりした声で言いながら、こなたは私の髪をセットし始めた。
「どーしよっかなー」
「こら、迷いながら髪をぐりぐりいじるな」
 髪が痛む元なんだから、やめれって。
「いつものツインテールじゃなくて、シンプルにポニテにまとめてみますかねー……いや、
たまに見せてもらったお団子頭もよさそうだし、たまにはおでこを見せる形にしても面白そうだしー」
「だから人の話を聞けっての」
 それでもこなたは手を止めることなく、私の髪を好き勝手にぐりぐりいじってる。
「あー、その、こなた……ちょっと鏡貸してくれない?」
「うん、いいよー」
 お気楽にそう言うこなたから手鏡を受け取って、おそるおそるのぞき込むと……
「ちょ、ちょっとこなた!」
 さっき梳いてもらったはずの髪は、こなたの手によってすっかりぼさぼさにされていた。
「いいじゃん、後でどうせまたセットするんだからさー」
「だから、そう言いながら髪をくるくるいじるなっ!」
 あまりいじりすぎるとダメージの元だし、枝毛になりやすいらしいんだからっ!
「まったく、人がせっかくやってあげたのに……いいわ、また後ろ向きなさい」
 私はさっきとは逆に、こなたを強引に後ろへ向かせてから結んだリボンを解いていった。
「ちょっとしたオシオキをしてあげる」
「え? い、一体何を……」
「い・い・か・ら・そ・の・ま・ま」
「は、はいぃっ!」
 プレッシャーをかけて、またこなたを前に向かせる。
 乙女の大事な髪を好き勝手にした罰、ちゃーんとあげないとね……
 ガタガタ震えるこなたの髪を手で軽く梳いてから、その上に重ねるようにして後ろ手を置く。
次に、後ろ髪を真ん中で分けて……で、ぐるっと輪っかを作る。
 その輪っかに髪の束を通して、ぎゅーっと結んで、それをもう片方でも同じようにやれば、
「はい、出来上がり」
「ちょっ! か、かがみっ?! なんで私の腕が拘束されてるんデスカ?!」
 こなたの言うとおり、私は長い髪を使ってこなたの両手首をふん縛ることに成功した。
「ふうっ……まさか、小さい頃にまつりお姉ちゃんにされたイタズラが役に立つなんてね」
『囚人だー』とか言いながらお姉ちゃんにやられたけど、確かに悪い子を捕らえるにはいい罰かもしれない。
「ちょっ、こ、これ地味に痛いってば! 手も伸ばせないし、かがみにもさわれないし!
 わ、悪かったから、離してっ、離してよっ! HA☆NA☆SE!!」
 こなたは必死に両脚をじたばたさせながら、私のほうににじり寄ってきて……あ、転がった。
「ダーメ。人の髪を簡単にオモチャにした罰よ。そうね、明日の朝ぐらいまではそのままにしておこうかな」
「そ、そんなー……わ、悪かったよ。悪かったってばー」
 観念したのか、後ろ手で転がったままこなたが涙目で懇願してくる。
 なんか、こっちが悪いことしてる感じになってきたわね……見た目も凄いことになってるし。
「わ、わかったわよ。でも、あんまり変な風に髪をいじったりしないこと。いいわね?」
「うんっ、うんっ」
 髪をほどいてあげると、まるでご主人様に許された猫のようにこなたがぎゅーっと体をすり寄せてくる。
 ……やばっ、なんかちょっとクセになりそうかも。
 こなたの頭を撫でている私の胸は、その潤んだ目と伝わってくる温もりでドキドキと高鳴っていった。













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  • ↓ストーップ!危ない発言禁止ーっ -- 名無しさん (2008-12-28 16:15:20)
  • ニコ厨は死ねよ -- 名無しさん (2008-08-16 21:55:28)
  • HA☆NA☆SE吹いたwwwww -- ほむ (2008-04-14 11:32:44)
  • ちょwwwwwwwwwwwwwwwwwww
    HA☆NA☆SEワロタwwwwwwwwwwwwwwwwwww -- 名無しさん (2007-10-05 22:28:44)
  • この展開だと縛った後こなたに軽~くイタズラしてほしかった -- 名無しさん (2007-10-05 19:06:49)
  • HA☆NA☆SEうけたww
    -- namu (2007-10-05 06:42:02)

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