始めに、以下は数のリストである。
0 :
na:シングルゼロ
00 :
so:ダブルゼロ
000:
ke:トリプルゼロ ※この3つは単体では使えない
次に0~9までの数字の文字と読みを挙げる。ゼロが0の形をしているのは、穴の象形で、何もないことを意味している。欠如詞の一環である。また、丸い形が完全を象徴するという
アンティスの文化を根拠とする考えもあるが、古くてもはや出自が分からなくなっている。
他の数も元は象形で、全て武器から来ている。長い武器から始まり、短い武器へと向かう序列を作っている。たとえば1は元々「槍」の字を簡略化したものである。8は短剣などの短い武器で、9はそれより短い投げ武器である。日本でいうと手裏剣や苦無、或いは投ナイフといったところか。理由はもはや分からないが、長い武器ほど数が小さいというのは不思議である。
アルカは純粋な10進数である。日本語や英語は純粋な10進数ではない。なぜなら十や
tenという語があるからである。2進数では2を表わす語がなく、10と表わす。これと同じで10進数は十を表わす語がなく、10と表わす。ところが日本語には十という10を表わす語がある。その点で、純粋な10進数ではない。アルカは純粋な10進数なので、0から9までの数しかなく、10は書いたとおり、イチゼロと読み下す。
次に文法的なことであるが、基数と序数はどう表わすか。語の前に付くものは基数、後に付くものは序数になる。これは形容詞の扱いなので、アルカに数詞は無いことになる。数は1,2,3,4のように数字で書いてもいいし、
ko,
ta,
vi,
vaのように書いても良い。また、「いくつ」や「何番」は
tolaを用いる。
メルの数え方はアルカの数の数え方のことで、考案者の名を取っている。基本は「つぶよみ」である。千二百三十四を「センニヒャクサンジュウヨン」という読み方でなく「イチニサンシ」と読む。
非常に早い読み方で、位取りの0がない時代には思い付かない数え方である。自然言語だとトンガ語に見られる。
ただ、8桁も並ぶ数を粒読みするとどれくらいの大きさの数か咄嗟に分からない。そこで、アルカは聖数の4桁を区切りに、万だの億だのといった位取りを挟んでいく。したがって、12345は
kosentavivaliと読む。
粒読みをすると、並ぶゼロに閉口することがある。確かに123は
kotaviというほうがヒャクニジュウサンというより早い。しかし1000については
kouuuというより、センというほうが早い。
そこで、連続するゼロを表わすために、マルチゼロという概念が考え出された。0が3つあると
keと表わす。つまり1000は
kokeである。同じく2連続だと
so。したがって100は
kosoである。
尚、0が1つのときは
naを使う。
uは完全に何もないゼロのみを示すのであって、位取りには使われない。
尚、位取りの語は4桁ごとに挟むので、数字間の点は4桁区切りに入れる。アルカの場合、「,」ではなく「’」を入れる。つまり、12,345はアルカでは1'2345と書く。
日本人が使うカンマは英語などの3桁区切りに合わせているが、実際日本語は4桁区切りで読むので使いづらい。アルカの区切りに関しては、日本人や中国人のように4桁で区切っている人間に優しい。
メルの読み方の不便な点は、数字の書き取りである。上の例で、
vikesenまで聞いたら3000'と書けるが、その後
taviviと聞いたとき、 233と続けて書くと3000'233と書いてしまう。もしtaviviviと続くなら3000'2333としてよいが、実際にはtaviviで打ち止めなので、 0を入れて3000'0233と書かなければならない。しかし、taviviと聞いた段階ではこの後数字が続くのかどうか、つまり打ち止めかどうか分からず、 3000'の後にゼロを書くべきかどうか分からない。
したがって、メルの数え方の場合、4桁聞いて初めて数を書くことができる。4桁区切りの粒読みなので、マルチゼロがあろうとなかろうと4桁聞くまで数を書けないのは当然である。粒読みは要は位取りの省略なので、4桁の間ずっと位取りをしないメルの数え方にとっては、4桁聞くまで数が閉じておらず、書き込めない。それはほんの1秒にも満たないインターバルであるが、不便であることには間違いない。
メルの数え方で曖昧な数を表わす場合はどうするか。たとえば10数個はなんというか。これは10個強と同じなので10
vao(
rak)である。逆に10個弱は10
vae(
rik)という。
では10~19まで、即ち10台はなんというか。これは十の位が1で一の位が不明であるため、ここを
toにする。したがって
kotoで10台になる。また、これを応用すれば百数十台という言い方もできる。
kototoのように。更に、百何十三という言い方もできる。
kotoviのように。数字列の一部を忘れた際、覚えている最低限の箇所を迅速に伝えるのに便利である。
英語と違って数はカテゴリーではなく、名詞も常に単複が不明である。ただしデフォルトでは単数で、文脈によって複数解釈になる。この点で日本語に近い。複数を表わすには
形容詞の
se,
soを付ける。 *
『紫苑の書』で紫苑は始め解釈を間違っていたが、有生無生の対立ではない。
因みに
va miik seという必要はない。
vaだけで複数を表わせているからである。 four applesとは違って、数と名詞の曲用が一致する必要はない。
va miikで良い。
尚、
seは複合語要素にもなり、複数性を表わし、多くはまとまりを表わす。たとえば
ifaは星だが、
seifaは星々という意味ではなく、星座というまとまった意味になる。星々は単に
ifa seであり、単語ではなく句である。
メルの数え方は人間の感性にあまり合わないというのと、喋るのが早すぎて書き取りに困るという問題がありました。
また、慣れた
古アルカの数え方と違うというのも弊害だったようです。
メルの数え方は公共機関や公文書などで使われるという硬い設定になりました。
ルティアの数え方は日本語と同じ10進数です。
0~9まではメルと同じ読み方です。10から変わります。
10のン乗を指す接辞と区別するようにしてください。
最終更新:2007年12月11日 17:01