生まれたことを喜劇だと笑い飛ばせば

屋久島の壮大な大自然の中に、一人の少女がぽつんと佇んでいる。
彼女……考察の騎士は、デイパックの中に入っていた自らの支給品を手に、もうかれこれ1時間近く悩んでいた。

「確かにこれは私が望むものですよ、ですけどね……」

「それ」を見つめながら、考察の騎士はぼそりと呟く。
彼女が握っているのは、半円とも三角形とも表現できる形状の、純白の布で作られた衣服。
まあはっきり言ってしまえば、「パンツ」である。
確かにノーパンノーブラでこのロワに放り込まれた彼女にとって、下着の支給は非常にありがたい。
だが問題なのは、この下着のサイズがどう見ても小児用であることだ。
考察の騎士の外見モデルとなっているクアットロは、ナンバーズの中でも比較的豊満なスタイルの持ち主。
サイズが合わないであろうことは、実際にはいてみなくとも容易に想像できる。

「果たしてはくべきか、はかざるべきか……」

傍目から見ればどんな重大な案件について考えているのかと思ってしまうような面持ちで、考察の騎士は呟く。
考察を得意とする頭脳をこんなことに使うなんて宝の持ち腐れ、などと言う事なかれ。本人にとっては死活問題だ。

「……よし、決めました!」

やがて大きく息を吸うと、彼女は決断の言葉を口にする。

「たとえ小さかろうと、はいてないよりはましです! 私はこのパンツをはくぞ、JOJOー!!」

何だか勢いで口走ってしまったが、別に彼女はジョジョラーではない。
単に何かを持って重大な決断を下すというシチュエーションが、この台詞を連想させてしまっただけだ。
そして言った後になって、考察の騎士は自分がかなり恥ずかしいことを叫んでしまったことに気づく。

「だ……誰も聞いてないよね?」

顔を朱に染めながら、慌てて周囲を見渡す考察の騎士。幸い、周囲に人の気配はない。
ひとまず安堵の溜め息を漏らすと、彼女は改めて真っ白なパンツを手に取る。

「じゃ、じゃあ改めて……」

今一度誰にも見られていないことを確認し、考察の騎士はパンツを持った両手を下げていく。
そして右脚を高く上げ、パンツの穴に通しながらゆっくりと降ろしておく。
右の足が再び大地を踏みしめると、今度は左脚で同じ作業を行う。
その作業も、滞りなく終了。後は両足を通したパンツを引き上げ、腰にまで持っていけばいい。

「くう……やっぱりきつい……」

考察の騎士の口から、つやのある声が漏れる。
どうにかパンツの着用に成功した彼女だったが、やはり当初の予想通りその下着は彼女の体格にとって小さすぎるものだった。
後ろのほうは、むっちりとした臀部の肉に白い布地が思い切り食い込んでしまっている。
前はといえば、詳細に書くとめでたく18禁認定を受けてしまいそうな有様だ。

「何だか……すごく恥ずかしいです……」

他者から見ればスカートに遮られた下着の様子などわかるはずもなく、よって考察の騎士の外見に不自然なところなどない。
だというのに、彼女の羞恥心は過剰に刺激されていた。
顔の赤みはさらに濃さを増していき、汗もじっとりと肌をしめらせていく。

「これじゃ……まともに動けないです……。やっぱり、ちゃんとサイズのあった下着を手に入れないと……。
 そのためには、まずここを出て市街地に……」

荒い息を漏らしながら、考察の騎士はフラフラと歩き出す。ところがその直後、異変が彼女を……否、屋久島を襲った。

「きゃっ! 何、この揺れ! 地震?」

そう、考察の騎士が立つ大地は、激しく振動していた。だがこれは、単なる地震ではない。
実はこの屋久島、本来は沖縄県ではなく鹿児島県に存在する島なのだ。
それが沖縄に存在していたのは、主催者のうっかりミスである。
外部からの指摘によりミスに気づいた主催者は、慌てて不思議パワーにより屋久島を沖縄から鹿児島へ移動させたのである。
考察の騎士が海岸線にいたのなら、この島がどこぞのひょうたん島のように波をかき分け進んでいるのが理解できただろう。
しかし森の中にいる彼女には、現状を正しく理解する術はない。

「と、とりあえず、こういう時は下手に動かずじっとしていたほうが……」

堅実な選択肢を選び、その場に止まることにした考察の騎士。だが、揺れは彼女の予想を超えて激しくなっていく。
羞恥心に震えていた彼女の足はその体重を支えられなくなり、転倒してしまった。
そして……。

「あっ」

行ってらっしゃいませ、次フィールド。

【現在位置・新フィールドへ】

【考察の騎士@リリカルなのはクロス作品バトルロワイアル】
【状態】健康、顔が真っ赤
【服装】陵桜学園の制服(高良みゆき@らき☆すた のもの)、ノーブラ
【装備】イヴのパンツ@ジャンプロワ
【持物】基本支給品、不明支給品0~2
【思考】
 基本:殺し合いには乗らない。同じ対主催の参加者を助けたい。
 1.ま と も な 下 着 が 欲 し い
 2.可能なら、なのはロワの書き手と合流したい。
【備考】
 ※外見は陵桜学園の制服を着たクアットロ@リリカルなのはStrikerSです。


そして考察の騎士が事故で旅の扉に飛び込んでから数分後、移動を終えた屋久島に二人の書き手がやってきた。

「さあ、行くわよ下僕一号!」
「はいはい……」

屋久島を訪れたのは、沖縄にいた二人。【魂爆】ウィクスゥさすらいのヒーローだ。
彼女たちは沖縄に架けられた橋を渡って本州に向かう途中、屋久島の大移動を目撃した。
そしてそれに興味を持ち、ウィクスゥに支給されたクルーザー(船ではなくXライダーのバイクの方)で海を渡ってやってきたのだ。

「島一つ動かせるって事は、チートレベルの能力か支給品を持ってるはずよ!
 ぜひとも探し出して、下僕二号にするわ!」
「返り討ちにされる可能性とかは考えないのか?」
「さあ、さっそく捜索開始よ!」

ヒーローの発言を完全に無視して、ウィクスゥは大森林への突撃を敢行していた。
彼女はこの島の大移動が、参加者によって行われたものだと考えていた。
しかし、実際にこれを行ったのは主催者である。
そしてここにいた唯一の参加者であった考察の騎士も、すでに旅の扉の向こう側だ。
だが、彼女の行動が全くの徒労かと言えばそうでもない。
旅の扉を見つければ、彼女たちにとってプラスになるのは自ずと明らかである。
だが、そう上手く旅の扉が見つかるとも限らない。
二人の運命は、まだまだ未確定なのである。

【一日目・黎明/鹿児島県・屋久島】

【【魂爆】ウィクスゥ ◆KaixaRMBIU@漫画ロワ
【状態】健康。
【装備】クルーザー@漫画ロワ
【道具】支給品一式、不明支給品0~2
【思考】基本:マーダー(自称)で書き手3rdを盛り上げる。
  1:下僕一号(さすらいのヒーロー)を少し見直した。あ、あくまで少しだけどね!
  2:仲間と情報を集める。下僕を増やす。とりあえず十人。
  3:屋久島を動かした参加者を見つけ、下僕二号にする。
【備考】
※外見はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール@ゼロの使い魔です。
※JUDO@仮面ライダーSPIRITSに変身できますが、なぜか仮面ライダーZXくらいの能力です。
 JUDOが変身した仮面ライダーにフォームチェンジができます。

【さすらいのヒーロー◆7WJp/yel/Y@パワプロクンポケットバトルロワイアル
【状態】健康。強い戸惑い。ツッコミ疲れ。
【装備】なし。
【道具】支給品一式、不明支給品0~3
【思考】基本:対主催。
  1:なんで真央……? しかも髪赤いし。
  2:ウィクスゥどうしよう。
  3:仲間を集め、主催を倒す。
【備考】
※変身後の外見はレッド@パワプロクンポケット7
 変身解除後の外見はパワポケ9主人公の服装をした赤い髪の芹沢真央@パワプロクンポケット7です。


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考察の騎士は大いに呆れ大いに思考する 考察の騎士 なんだかんだ言ってお色気って大事
そう言えばこれって二次創作じゃなくて擬人化物なんだよな 【魂爆】ウィクスゥ あっさり脱出してもいいじゃない、書き手ロワだもの
そう言えばこれって二次創作じゃなくて擬人化物なんだよな さすらいのヒーロー あっさり脱出してもいいじゃない、書き手ロワだもの

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最終更新:2009年06月17日 01:21
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