神座万象シリーズに登場する存在。
星霊の一つ。属性は
黒。使用者の二つ名。星体は貴金属と宝石でできた鱗を持つ龍。
狙い定めた相手を宝石や貴金属に変える権能を持つ。
存在についての詳細
形容
- 星にとぐろを巻けるほど巨大な貴石と貴金属の鱗を纏った龍
- 四つの瞳は虹色に輝き衛星と間違えるほど巨大。
- 偉容と威圧で恐怖をもたない殺人鬼ですら竦ませる。
月ではなく、真にあれが瞳なのだ。虹色に燃える四つの眼と、極彩色に輝く面貌は猛々
しくも眩しくて、恐ろしくも麗しい。
このような存在を何と呼ぶかは、普遍的な一つの言葉で可能だった。
すなわち神──正邪を問わず、人智を超越した領域に棲まうモノ。殺人鬼としてあらゆ
る迷いから解放されているはずのシーリーンが、威圧に打たれて動けなくなるほど絶対的
な力をもって、恐怖の何たるかを知らしめる覇者の勅令が下された。
物質変換
- 惑星内にいる者を宝石や貴金属類に強制的に変える権能
- 射程は龍骸星の全土で生命維持に必要な大気や水分の摂取、地上に立つなどした者ほど抵抗できない。
- 龍骸星の外に出れば強制力は減衰するが、それでも特級魔将レベルの我力が必要。
- 龍骸星の外でも義者程度なら簡単に変えられる。
ある者は黄金に、またある者は蒼玉に。彼らの支配者だったナディアと同じく、貴石
や貴金属に変わっていく。
そして雨が降り始めた。この地ではいつ以来になるのか分からないほど久しぶりに、大
地を潤し恵みをもたらす慈雨が降る。
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龍の咆哮(ドラゴンブレス) |
星霊の権能たる力の執行は、如何なる抵抗も許さない。この星で呼吸をし、大地に立っ
て存在するということは、カイホスルーに活かされているのと同じである。どんな形であ
れ彼の恩恵を受けた以上、何者であれ王命には逆らえなくなる道理だった。
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龍酒 |
- 星霊の精を凝縮した酒
- 常人なら一舐めで自我喪失、一級魔将でも酩酊するほどの多好感を得る。
星の精が凝縮したそれは、常人なら一舐めで自我が砕けるほどの多好感をもたらすもの
だ。高位の魔将であるナディアでも、このような飲み方をすれば酩酊は避けられない。悪
くすれば障害が残ることも有り得る。
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貴石化のレーザー |
- 対象を取り囲むように全方位から貴石化するレーザーを発射する
- 全方位から高密度のレーザー攻撃で空間的に抜けることは不可能。
- 攻撃速度は光速に達する。
カイホスルーの覇気に呼応し、極彩色の龍鱗が爆光を放った。その一枚一枚、ほんの瞬
きにすぎぬ輝きでも、星ごと貴石化させる本気の権能。天から地から、とぐろを巻く龍の
威令が全周を囲む形でマグサリオンに浴びせられる。
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使用者との関連性
- 搾取することで自己の星が荒廃するほど強くなっていく
- 使えば使うほどリターンが得られる戒律の効果でより強大な存在になっていく。
元ネタ
アジ・ダハー(アヴェスター語:Aži Dahā)、
アジ・ダハーカ(パフラヴィー語:Aži Dahāka)
ゾロアスター教に登場する怪物。
インド神話のヴリトラに対応すると考えられている。
名前のアジは「蛇」を意味する(ダハーカの方は不明)がドラゴンと扱われることもある。
『アヴェスター』は3頭3口6目の容姿で千の技と千の生命を持ち、「角があるアジ」「血塗られた棍棒を持つアジ・ダハーカ」と呼ばれる強力な悪魔とされている。
体は毒素で黄色く、木ほども育った毒草が尻尾のところで繁茂し、全身から毒が槍の高さほど吹き出しているという。
その翼は広げると天を隠すほどに巨大と描写された。頭はそれぞれが「苦痛」、「苦悩」、「死」を表している。
悪神アンラ・マンユがあらゆる生物を殺すために創造したものとして恐れられた。
神話において千の魔法などを駆使し、アフラ・マズダー配下の火の神アータルなどと戦った。
ゾロアスター教の讃歌『アルドワヒシュト・ヤシュト』では北風はアジ・ダハーカの血筋とされている。
同じく讃歌の『アーバーン・ヤシュト』では水神アルドウィー・スーラー・アナーヒターに百頭の雄馬、千頭の牛、一万頭の子羊を捧げ、
七洲(世界)全てを無人にする恩恵を求めたが神は応えなかった。
『ザムヤード・ヤシュト』ではアジ・ダハーカはアータルと光輪を奪い合った。
アータルが光輪を手に入れようとすると「お前を吹き消してやる。そうされてもお前はアシャの命を焼かないために大地を燃え上がらせることはできまい」
と脅しをかけたのでアータルは命を惜しんで取るのをやめた。
しかしアータルも「お前の尻と口を燃やしてアシャの生物を滅ぼすために大地を襲う真似をできなくしてやる」と脅したので萎縮して退いた。
その後でアジ・ダハーカは英雄スラエータオナとも戦う。剣を刺した場所から爬虫類などの邪悪な生き物が這い出すため、スラエータオナはアジ・ダハーカを殺すことができなかった。そのためダマーヴァンド山の地下深くに幽閉したといわれている。
終末の時に解き放たれて人や動物の3分の1を貪ることも、最後に英雄クルサースパに殺されることも、すでに決まっているとされている。
『王の書』(シャー・ナーメ)ではアジ・ダハーカは両肩から蛇を生やした悪王ザッハークという名前で登場し、
フェリドゥーン(ゾロアスター教におけるスラエータオナのこと)に退治される。
関連項目
貪婪餓龍の種族分類。
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最終更新:2023年03月16日 20:54