星霊(黒白のアヴェスター)

作品名:黒白のアヴェスター
用語分類:種族分類

神座万象シリーズに登場する用語。
生命と意思を持った星。形態が二種類あり天体としての星体と、霊的に作り出した触覚である魂体(星幽体(アストラルボディ))がある。




概要

生命活動をしている星

  • 一個の生命体として自我を持つ星
    • 星が自我を獲得するには天運と長い時間の下積みが必要。
      • 星幽体を殺されることで奪われることがある。
「知ってると思うが、星っていうのはみんな生きてる。でも自我を持った星霊になれる者
はほんのわずかだし、それも長い時間を掛けた進化の結果だ。こつこつと下積みから這い
上がるのが普通で、他の奴に座を奪われるケースもあるんだけど、要は意外に可愛げのあ
る生き物なんだよ。すごい力を持ってるからって、神様みたいに完璧なわけじゃない」
  • “零”の時代から存在した星の変異体
    • 作中の星霊の生態は真我の神座成立後に生命体の属性を帯びて発生した。
      • 加えて大転墜のたびに星霊が死ぬので最長老でも二千四・五百歳程度しかない。
 生命体としての属性を帯びたのが真我以降でも、星自体は太古から存在していた。な
らば当時の影響が無のはずもなく、彼らが総じて瞬間移動能力を有するのも、開闢の前に
あった”零”を知るためかもしれない。

生態

  • 生物が住めないような環境でも星の生命活動の一環とされる
    • 真に死んだ星とは何も活動しなくなった岩塊を指す。
 一般的な命が芽吹くには苛烈すぎる環境の星──たとえば灼熱や極寒の天体もいきてい
るし、彼らなりの自己実現を行っていることに変わりはない。死せる星とは色も相も失せ
た果てに崩壊を待つばかりとなった残骸で、厳密には星とも呼べぬ岩石の塊を指す。
  • 自分の星に生きる生命と環境を守る
    • 自分の星を枯渇させることは自殺に等しい。
 生まれついての星霊ならば、前提として己の星とそこに生きる者たちを守ろうとする。
程度や方法に差はあっても、自分の領域を枯渇させるような真似はしない。
  • 神座とその細胞の縮小版
    • 星の生態を星に住まう生命体に強制しるなど上位者の法を下々に課す神座の模型となっている。
      • 魂体などは神の触覚に相当する。
「宇宙という生命体。真我という神。つまりこれまで俺たちは、神の生体反応として殺
し合いの人形劇をやっていたわけだ。理由などない。そういう生き物の一部に生まれつい
ただけの話よ。星霊はその分かりやすい縮小版で、星が権能を振るうように宇宙も法で
下々を好きにする」


星幽体(アストラル・ボディ)、魂体

己の自我を結晶化させた姿

  • 巨大な存在が“小さき者”と意思疏通するために作り出す触覚
    • 星霊やそれに匹敵する強力な高次生命体ならば生成可能。
      • 知的生物の代表格がヒトであるため大抵の星幽体は人型。
    • 破壊されると死ぬ。

戒律・権能特化の形態

  • 星幽体では特殊能力が強化される
    • 自我を凝縮したことで精神力が高まり、戒律や権能が強化される。
      • ただし視野も人間レベルまで下がっている。
    • 肉体は小型化しているため弱体化している。
      • それでも魔王クラスなら、一級魔将を撲殺可能。
 両者の戦力を単純な数値で計るなら、天と地ほど隔たっている。星体の巨躯ではなく、
人型を取っている現在のマシュヤーナは膂力や頑強さが低下していたものの、かといって
与し易いはずもない。もとが高位存在である星霊は、基礎的な部分の桁が違う。
 一級程度の魔将ならば、この姿でも徒手空拳で万は殺せる力があった。加え自我を結晶
化した状態のため、意志の強さは星体時と比較にならぬほど上がっている。


戦闘能力

星の支配

  • 星の内部を掌握する
    • 星の内側を常に見聞きしている。
 この星では常にカイホスルーから見られているし聞かれている。その事実を弁えた我々
は、情報漏洩を防ぐのがすべてにおける基本則となっていた。
 大きなものに小さなものが左右されるのは世の常だ。カイホスルーが龍骸星の民をいつ
でも貴石に変えられるように、星霊の意志が任意で発動するときもあれば、一種の自然と
なっているケースもある。
 たとえば聖王領では義者しか生まれないといった感じの、場に敷かれた法としての権能。
親子の関係に倣うなら、こちらのほうが分かりやすい例だろう。つまるところ遺伝みたい
なものだと言える。

瞬間移動能力

  • 別の場所への瞬間移動が可能
    • すべてが一つであった頃の記憶を有すため、移動できる。
    • 星霊ではなくても星霊を殺して能力を奪うことが可能。
      • ただし能力の元となった記憶を持たないため飛べる距離には限界がある。
 新たな星へ移動すること自体は造作もなかった。宇宙の最上位種たる星々は〝すべてが
一つであった頃〟の記憶を有すため、総じて瞬間移動能力を持っている。数多の星霊を殺
してきたバフラヴァーンはその力を簒奪しており、当たり前に使用が可能だ。
  • 加護で星間移動に使用する場合、星霊が移動先に(パス)を繋げていることが前提
    • 同じ星の中でも目視できるか、来訪歴がある場所にしか使えない。
    • 全体主義である義者の場合、勝手に使うことができない。
 星間移動を行うときは、前提としてウォフ・マナフが径を繋げる必要があった。つまり
何処そこの星から救援要請を受けているから、扉を用意しますという座標の確保で、それ
がないと目的地に辿り着けない。
 そして次は人員の選別。スィリオス様からおまえが行けと命じられた戦士は羽に命令式
を施され、用意された径を通行する許可が得られる。
 この二つが無いと瞬間移動は不可能で、無理にやっても羽の無駄打ちになるだけだ。下
手すると宇宙で迷子になりかねないため、さすがにそんな真似をする者は一人もいない。

因果律感知

  • 何らかの因縁を持つ者の痕跡を追うことができる
    • 自らの星に生かされれば生殺与奪の権利を獲得する。
    • 他者を通じて因縁のある存在を追尾することもできる。
「匂いというのは、要するに因縁だ。本来対極にあるはずの生と死が飽和すれば、分離し
ていた此方と彼方を繋げる力となって流血庭園を招くように。
 龍骸星で生活し、カイホスルーに生か されることで奴の所有物と見做されるように。
 どれだけ深く関わりを持ったか、繋がりの強さが羅針盤になるんだよ」




関連項目

星霊の大元となった宇宙の仕組み。

  • 自在工匠神
星霊の元となった生命体。

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最終更新:2023年03月18日 12:26