作品名:
黒白のアヴェスター
使用者:ワルフラーン(使い手)、マグサリオン(使い手)、アフラマズダ(中身)、
クイン(中身)
存在についての詳細
形状
私にその人物は見えなかったが、代わりに注意を惹いたのはランカと呼ばれた男が持つ
一振りの長剣。黄金と黒鋼から成る拵えは華美に走らず武骨に落ちず、凶器と芸術の両面
を完璧な均衡で体現していた。私はそれに目を奪われる。
これは創れない。だからこそ“こういうもの”を創りたいと思った私に、剣が哀れみの
眼差しを向けているように感じたのは気のせいだろうか。
白側の善悪闘争管理者
- 白の側の勇者を支える神剣
- 黒の存在はアフラマズダに近寄れず害することも不可能。
そこについては特に心配をしていなかった。私を見れば黒の者らは恐怖と嫌悪を抱くだ
ろうが、壊すどころか近寄れる者すらまずいない。必然、私が突き立った地の周りでは白
の草花が芽吹き始め、それを拠り所にした動物たちが集まり始める。そして凪いだ安全地
帯を形成し、やがて聖域などと呼ばれだすのだ。
千里眼
ナダレに崩界があるように、神剣も私だけの権能を持っていた。その一端として宇宙の
津々浦々を観測可能な耳目があり、常に情勢を把握できる。なんとなればこちらから呼び
かける真似もやれたのだが、ここで静観を選んだのは消極的な理由からではない。
精神感応
- 霊感の高い者へ語りかけることができる
- 義者の中でも戦士と呼ばれる高位の存在なら聞き取れる。
答えることは無論可能だ。しかし私の“声”を正確な形で聞き取るためには、相応の強
い霊感を必要とする。この時代に合わせて言うなら戦士の中でも高位に値する者でなけれ
ばならず、それがいわゆる巫となるのだ。
基本、同調という面において私は雌性と相性がいい。我が身に性別があるかどうか不明
だが、おおよそにおいてそういう性を持っているのだろう。このときも三〇〇年ほど待っ
たのち、現れた“適合者〟は女だった。
武器としてのアフラマズダ
祈りのエネルギー変換
- 吸った祈りを力に変える
- 開闢から宇宙の半分に相当する祈りを集めてきたため総出力はアフラマズダ自身も計り知れない。
- 力の出力は神剣を振るう勇者の格に依存する。
私は彼らの祈りを吸って強化される。言ったように宇宙の開闢から蓄え続けてきた力な
ので、その効果は自分でも計り知れない。純粋な切れ味に変換するなら天を裂き、救済を
成すなら奇跡を起こし得る神威だろう。ゆえに私を崇める者たちは、まずこちらの意思を
知ろうとする。
眷属強化
- 勇者と同じ戦場にいる戦友たちを強化する
- 眷族となる戦友たちは特級魔将に匹敵するほど強化される。
アフラマズダは、同じ戦場を長く共にした者へ特別な力を授ける。単体では非力なはず
の我々が、特級魔将に匹敵するほど強化される奇跡の御業。眷属化現象。
対・黒勢力
なんだこれは、ただの剣じゃない。刺された傷口から、細胞の一つ一つが音を立てて死
滅していく。
我力が根本から破壊されていると分かった。まるで私たち、黒の者を殺すために在るよ
うな、白の妄執が剣の形に凝縮した呪いの刃。
使用者との関連性
神剣の使い手
- 持ち主に添って中身が変わる
- マグサリオンが持てばクインに、ワルフラーンが持てばアフラマズダに変わる。
腿に刺さった剣を引き抜き、再びマグサリオンが斬り掛かった。神剣の中身もそれに応
じて、クインとアフラマズダが入れ替わる。彼女たちの存在意義は使い手に依拠するもの
で、物理的な器は意味を成さない。息子の手に母があり、父の手に妻があるという構図が
強固な現実と化し出来あがっている。ゆえにマグサリオンが剣に反逆される事態は起きな
かったが、だからといって問題なしとは言いにくい。
元ネタ
アフラマズダー(アヴェスター語:Ahura Mazdā)、
オフルマズド(パフラヴィー語:Ohrmazd)
ゾロアスター教に登場する神格。
正義と法、知識を司る最高神。 宗教画では有翼光輪を背景にした王者の姿で表される。
娘は女神アールマティ。
名前は「天空」を意味するアフラ、「光」を意味するマズダーは光の合成で太陽神ともされる。
後にミスラ神やスプンタ・マンユと同一視され善の代表格になり最高神はズルワーンとなった。
関連項目
アフラマズダの使う術。
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最終更新:2023年05月01日 23:46