魔剣アカ・マナフ

作品名:黒白のアヴェスター
使用者:ナーキッド
別呼称:邪怪廻向アカ・マナフ

神座万象シリーズに登場する存在にして武器。
使用者の戒律を利用して数多の星霊を凝集させた魔剣

+ “零”の時代への接続
ファローバーグ・グシュナープス・ブルゼンミフル
王者の火よ。我が祈願は正義と共に。裁きの奇跡よ、御降りて集い給え。

ヤサー・アフ・ワルヨー・アサー・ラトゥシュ・アシャート

ここに善思の王国を築き上げん。シャオスナーム・バスターレム・アフラマズダー





武器についての詳細

形容

  • 神剣アフラマズダの凶悪なパロディ
    • 星霊たちを無理矢理束ねて剣の形に凝縮させている。
    • 刀身は目や口や鼻などの顔の部位が集合している。
 じゃぎり、と分厚い紙を裁断するような音がした。凍った結界の内部から、凄まじい魔
性の刃がその鋒を覗かせる。
 空間を切り開いた刀身は、地獄の苦悶に歪んだ目鼻口の集合体だった。数多の星霊を無
理矢理束ね、剣の形に凝縮したモノ。
 あまりにも禍々しく、果てが見えぬほど強靭で、まさに天すら斬り伏せるほどの圧を備
えた威容には、どこか奇妙な既視感があった。

星の魔剣

  • 億を超える星霊たちを無理矢理凝集させて作り上げた生きた魔剣
    • 自我はなく使用者に使われるだけのもの。
      • 自立した行動はできず使用者しか使えない。
    • 数多の星霊の魂体を素材にしているため凄まじい破壊力を有する。
 横薙ぎに走った斬撃をアカ・マナフが受け止めた。ナーキッドは魔剣を握らず己の周囲
に浮遊させる形で操るため、体格や膂力の優位で押し切ることができない。有り余る破格
の霊力と権能が、そのまま武器と鎧になっている。
  • サイズや形状を自由自在に変えられる
    • 巨大化して銀河を超絶規模の斬撃を繰り出したり、チェーンソーのような回転鋸や分裂して斬撃の雨になるなど変形が可能。
 悲鳴じみた叫びに呼応し、アカ・マナフが数百倍も巨大化した。勢いに任せた乱暴さで、
銀河も両断する魔剣の斬撃が横に走る。
  • 全方位に霊視力などを持つ星霊たちの警戒網に張り巡らされている
 背後を取られた驚愕に総毛立つ暇もなかった。先ほどスィリオスに間合いを侵されたと
きと違い、ここでのナーキッドは撹乱などされていない。もちろん油断もしておらず、な
らば億を超える星霊たちの警戒網をすり抜けるのは物理的に不可能なはずだ

星霊権能の使用

  • 素材となっている星霊たちの権能が使える
    • 個別・複数同時使用や、融合させて使用させることが可能。
 後方へ飛び退いたナーキッドに応じ、唸りをあげるアカ・マナフから光線の雨が放たれ
た。その一つ一つが星霊の権能を宿した脅威の魔弾。どんな力を帯びているのか事前に見
切る術はなく、よって対抗策も存在しない。迎撃はもちろん躱せるような数でもなかった。
最初の一閃がスィリオスの肩に着弾するや、範囲を限定した超新星爆発が巻き起こった。
続く二閃目は猛毒の気体を凝縮しており、致死の極限めいた霧を生みだす。三閃目は数千
万度に燃える重金属が融けた液体。四閃目は細胞を崩壊させる電磁波の奔流。五閃六閃と
止むことなく、無数の破壊が大海嘯となって一人の男に叩き込まれる。

+ "零"との接続
  • "零の時代"への門を開く
    • 全ての星霊を限界まで酷使・消費しても一瞬程度で針の穴程度の門。
 奇妙としか言えない。
 これは術者のナーキッドも実態を把握できぬモノだったが、確かなことは一つだけ。
 宇宙の開闢から存在し、"零の時代"に座標が繋がる星々を結集させれば、ほんの一瞬の
み極小規模で門が開く。

強制転墜

  • 星霊たちの支配地の生命体を転墜させられる
    • 魔剣の素材にはも関係なく使われているためどちらにも転墜させられる。
      • 魔剣の素材になった星霊の庇護下にない存在や“みんな”の視点を持つ者には効き目が薄い。
 発現したのは、二元論が意味を失くす強制的な転墜の執行。ナーキッドを中心に拡散し
た裏返しの祝福が、波濤となって宇宙の星々を呑み込んでいく。絶対的な真理と思ってい
た価値観を逆転させられた者たちは二〇年のあの日と同様、狂騒の大混乱に陥った。絆は
蹂躙され、信念は焼却され、おまえたちは真我の玩具にすぎなかったのだと無情にも突き
つけられる。


使用者との関連性

大転墜経験者

  • “みんな”の視点を持つ
    • 善悪の属性を超えて星霊を集め、その力を行使できる。
 同時にアカ・マナフが砕け散る。マグサリオンの剣は第七位魔王に触れていなかったが、
スィリオスの闇として生まれた存在なら当たり前の帰結だった。もはやこの世に用はなく、
魔剣を構成していた星霊たちも残らず塵に成り果てる。


元ネタ

アカ・マナフ(Aka Manah
ゾロアスター教に登場する悪魔。
名前は「悪思」、「悪意」を意味し、人に不和や不信を撒き散らす。

アフナ・ワルヤ呪
ゾロアスター教における入門式(ナオジョテ)Navjote)で唱えられる呪文。
yaθā(ヤサー) ahū(アフー) vairyō(ワルヨー)、 aθā(アサー) ratuš(ラトゥシュ) aṣ̌āt̰cīt̰(アシャートチート) hacā(ハチャー)
vaŋhə̄uš(ワンヘーウシュ) dazdā(ダズダー) manaŋhō(マナンホー)š́yaoθənanąm(シャオスナナーム) aŋhə̄uš(アンヘーウシュ) mazdāi(マズダーイ)
xšaθrəmcā(クシャスレムチャー) ahurāi(アフラーイ) ā(アー)yim(イム) drigubyō(ドリグブョー) dadat̰(ダダト) vāstārəm(バースターレム)


関連項目

魔剣アカ・マナフの素材となった種族。

魔剣アカ・マナフを創造する使用者の戒律

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最終更新:2023年04月13日 23:36