今は失われたかつての日本文化に附随した言葉を記していきます。
現在では使用が稀ですが「いろは順」とはこのいろは歌の並び順のことです。
今でも名残として地名などでイロハ順が残っています。
平仮名
いろはにほへと ちりぬるを
わかよたれそ つねならむ
うゐのおくやま けふこえて
あさきゆめみし ゑひもせす
漢字仮名交じり(旧字体)
色は匂へど 散りぬるを
我が世誰ぞ 常ならむ
有爲の奧山 今日越えて
淺き夢見じ 醉ひもせず
他言語の翻訳時に現れない、母語話者や熟達した日本語学習者が扱える、口語の助詞というのがあります。
大和言葉における数え方。
一~九 | 十~九十 | ||
---|---|---|---|
名称 | 読み方 | 名称 | 読み方 |
一 | ひ、ひとつ | 十 | とお(とを)、と、(そ) |
二 | ふ、ふたつ | 二十 | はた、ふたそ |
三 | み、みつ | 三十 | みそ |
四 | よ、よつ | 四十 | よそ |
五 | い、いつ、いつつ | 五十 | いそ |
六 | む、むつ、むゆ | 六十 | むそ |
七 | な、なな、ななつ | 七十 | ななそ |
八 | や、やつ | 八十 | やそ |
九 | こ、ここの、ここのつ | 九十 | ここのそ |
百~九百 | 千~九千 | ||
名称 | 読み方 | 名称 | 読み方 |
百 | もも、(ほ) | 千 | ち |
二百 | ふたほ | 二千 | ふたち |
三百 | みほ | 三千 | みち |
四百 | よほ | 四千 | よち |
五百 | いほ | 五千 | いち |
六百 | むほ | 六千 | むち |
七百 | ななほ | 七千 | ななち |
八百 | やほ | 八千 | やち |
九百 | ここのほ | 九千 | ここのち |
万~九万 | |||
名称 | 読み方 | ||
万 | よろづ | ||
二万 | ふたよろづ | ||
三万 | みよろづ | ||
四万 | よよろづ | ||
五万 | いよろづ | ||
六万 | むよろづ | ||
七万 | ななよろづ | ||
八万 | やよろづ | ||
九万 | ここのよろづ |
端数がある場合それぞれの位の間に「あまり」もしくは「まり」を挟みます。
「百二十三」であれば「ももあまりふたそあまりみつ」です。
月
異称が多いため代表的な名称のみ
代表的な名称 | 読み方 | 陽暦 |
---|---|---|
睦月 | むつき、むつびづき、むつましづき | 一月 |
如月、衣更着 | きさらぎ、じょげつ(如月) | 二月 |
弥生(彌生) | やよい、いやおい | 三月 |
卯月 | うづき | 四月 |
皐月、早月、五月 | さつき | 五月 |
水無月 | みなづき | 六月 |
文月 | ふみづき、ふづき、ふんづき | 七月 |
葉月 | はづき | 八月 |
長月 | ながつき | 九月 |
神無月 | かんなづき、かみなづき、かむなづき、かみなしづき | 十月 |
霜月 | しもつき、そうげつ | 十一月 |
師走 | しわす(しはす) | 十二月 |
時間
名称 | 読み方 | 別名 | 換算 |
---|---|---|---|
子の刻 | ねのこく | 真夜九つ | 23時~1時 |
丑の刻 | うしのこく | 夜八つ | 1時~3時 |
寅の刻 | とらのこく | 暁七つ | 3時~5時 |
卯の刻 | うのこく | 明け六つ | 5時~7時 |
辰の刻 | たつのこく | 朝五つ | 7時~9時 |
巳の刻 | みのこく | 昼四つ | 9時~11時 |
午の刻 | うまのこく | 真昼九つ | 11時~13時 |
未の刻 | ひつじのこく | 昼八つ | 13時~15時 |
申の刻 | さるのこく | 夕七つ | 15時~17時 |
酉の刻 | とりのこく | 暮れ六つ | 17時~19時 |
戌の刻 | いぬのこく | 宵五つ | 19時~21時 |
亥の刻 | いのこく | 夜四つ | 21時~23時 |
一日(24時間)は12分割される。
その一つを2時間とし、かつての最小単位は「四半時」といい、現在の30分にあたる。
それぞれの刻は4分割され「
「丑三つ時」とは丑の刻の三つ目の30分間を意味する(現在の夜中の2時から2時30分の間)。
また「正午」というのは午の刻のちょうど真ん中を意味する。つまり昼の12時を指す。対義語の「正子」も然り。
十干
名称 | 読み方 | |
---|---|---|
音 | 訓 | |
甲 | こう(かふ) | きのえ(木の兄) |
乙 | おつ | きのと(木の弟) |
丙 | へい | ひのえ(火の兄) |
丁 | てい | ひのと(火の弟) |
戊 | ぼ | つちのえ(土の兄) |
己 | き | つちのと(土の弟) |
庚 | こう(かう) | かのえ(金の兄) |
辛 | しん | かのと(金の弟) |
壬 | じん | みずのえ(水の兄) |
癸 | き | みずのと(水の弟) |
十二支
名称 | 読み方 | |
---|---|---|
訓 | 音 | |
子 | ね | し |
丑 | うし | ちゅう(ちう) |
寅 | とら | いん |
卯 | う | ぼう(ばう) |
辰 | たつ | しん |
巳 | み | し |
午 | うま | ご |
未 | ひつじ | び |
申 | さる | しん |
酉 | とり | ゆう(いう) |
戌 | いぬ | じゅつ |
亥 | い | がい |
十干十二支
番号 | 名称 | 読み方 | 番号 | 名称 | 読み方 | 番号 | 名称 | 読み方 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 甲子 | きのえね | 21 | 甲申 | きのえさる | 41 | 甲辰 | きのえたつ |
2 | 乙丑 | きのとうし | 22 | 乙酉 | きのととり | 42 | 乙巳 | きのとみ |
3 | 丙寅 | ひのえとら | 23 | 丙戌 | ひのえいぬ | 43 | 丙午 | ひのえうま |
4 | 丁卯 | ひのとう | 24 | 丁亥 | ひのとい | 44 | 丁未 | ひのとひつじ |
5 | 戊辰 | つちのえたつ | 25 | 戊子 | つちのえね | 45 | 戊申 | つちのえさる |
6 | 己巳 | つちのとみ | 26 | 己丑 | つちのとうし | 46 | 己酉 | つちのととり |
7 | 庚午 | かのえうま | 27 | 庚寅 | かのえとら | 47 | 庚戌 | かのえいぬ |
8 | 辛未 | かのとひつじ | 28 | 辛卯 | かのとう | 48 | 辛亥 | かのとい |
9 | 壬申 | みずのえさる | 29 | 壬辰 | みずのえたつ | 49 | 壬子 | みずのえね |
10 | 癸酉 | みずのととり | 30 | 癸巳 | みずのとみ | 50 | 癸丑 | みずのとうし |
11 | 甲戌 | きのえいぬ | 31 | 甲午 | きのえうま | 51 | 甲寅 | きのえとら |
12 | 乙亥 | きのとい | 32 | 乙未 | きのとひつじ | 52 | 乙卯 | きのとう |
13 | 丙子 | ひのえね | 33 | 丙申 | ひのえさる | 53 | 丙辰 | ひのえたつ |
14 | 丁丑 | ひのとうし | 34 | 丁酉 | ひのととり | 54 | 丁巳 | ひのとみ |
15 | 戊寅 | つちのえとら | 35 | 戊戌 | つちのえいぬ | 55 | 戊午 | つちのえうま |
16 | 己卯 | つちのとう | 36 | 己亥 | つちのとい | 56 | 己未 | つちのとひつじ |
17 | 庚辰 | かのえたつ | 37 | 庚子 | かのえね | 57 | 庚申 | かのえさる |
18 | 辛巳 | かのとみ | 38 | 辛丑 | かのとうし | 58 | 辛酉 | かのととり |
19 | 壬午 | みずのえうま | 39 | 壬寅 | みずのえとら | 59 | 壬戌 | みずのえいぬ |
20 | 癸未 | みずのとひつじ | 40 | 癸卯 | みずのとう | 60 | 癸亥 | みずのとい |
十干の一番目「甲」と十二支の一番目「子」から始まり、順に組み合わせたものを十干十二支といいます。
還暦とはこの十干十二支に基づいています。数え年61歳の年で十干十二支の60を一周し、始めの干支と還るので還暦といいます。
また甲子園も十干十二支が関係しており、甲子園の「甲子」はまさしく甲子の年(1924年)に完成したのでこの名前が付きました。
十干においては等級の示す尺度として使われた歴史があり、甲が最上で、癸が最下です。
メートル法に切り替わる以前の度量衡で日本文化と深く関わりがあります。
現在において尺貫法は法律(国際法)で使用が禁じられていますが、「一寸法師」や「五反田」、「九十九里浜」、「尺取り虫」などの事物の名前として残っています。
尺貫法は日本人の平均的な体に準じた度量衡であると言われています。
諸説ありますが、一畳は日本人が横になった時に要する面積であったり、一尺は手首から肘までの長さなどの類いです。
自分らの体に基づいた度量衡(身体尺)というのは古代の単位系としてはありふれています。
辞書にも載っていないような単位が多くあります。以下に記載してあるものは全てではないのでご了承ください。
長さ
名称 | 読み方 | メートル換算 | 倍数 |
---|---|---|---|
分 | ぶ | 0.30303cm=3.0303mm | 1/10寸 |
寸 | すん | 3.0303cm | 1/10尺 |
尺 | しゃく | 30.303cm | |
間 | けん | 181.818cm=1.81818m | 6尺 |
丈 | じょう | 303.03cm=3.0303m | 10尺 |
町 | ちょう | 109.0908m | 60間=360尺 |
里 | り | 3.92727km | 36町=2160間 |
その他 | |||
寸 | き | 寸の和語読み。 | |
尺 | さか | 尺の和語読み。 | |
間 | ま | 間の和語読み。 | |
杖 | つえ | 丈の和語読み。 | |
尋 | ひろ | 身体尺。両手を左右に伸ばし中指の先から先までの長さ。 | |
咫 | あた | 身体尺。手を広げたときの親指と中指の先と先までの長さ。 | |
握・束 | つか | 身体尺。握った手の小指から人差し指までの長さ。 |
重さ(質量)
名称 | 読み方 | メートル換算 | 倍数 |
---|---|---|---|
分 | ぶ | 0.375g | 1/10匁 |
匁 | もんめ | 3.75g | |
両 | りょう | 37.5g | 10匁 |
斤 | きん | 600g | 16両=160匁 |
貫 | かん | 3.75kg=3750g | 100両=1000匁 |
その他 | |||
両 | ころ | 両の和語読み。 | |
銖 | しゅ | 2.34375gまたは1.5625g | 1/16両または1/24両 |
面積
名称 | 読み方 | メートル換算 | 倍数 |
---|---|---|---|
勺 | しゃく | 0.033058㎡=330.58㎠ | 1/100坪。(1辺が約18cm) |
坪 | つぼ | 3.3058㎡ | (1間×1間)。(1間は約1.8m) |
畝 | せ | 99.174㎡ | 30坪。(1辺が約10m) |
反(または段) | たん | 991.74㎡ | 10畝=300坪。(1辺が約31.5m) |
町 | ちょう | 9917.4㎡ | 10反=100畝。(1辺が約100m) |
その他 | |||
歩 | ぶ | 坪に同じ。 | |
畳(または帖) | じょう | 畳の枚数。すなわち畳の大きさに準じる。ただし大きさの単位ではなく、あくまで畳の枚数。また畳の寸法は地方によって異なる。 |
体積(容量)
名称 | 読み方 | メートル換算 | 倍数 |
---|---|---|---|
勺 | しゃく | 0.018L=18.039mL | 1/10合 |
合 | ごう | 0.18039L=180.39mL | 1/10升 |
升 | しょう | 1.8039L | 1/10斗 |
斗 | と | 18.039L | |
石 | こく | 180.39L | 10斗 |
その他 | |||
抄 | しょう | 1.8039mL | 1/10勺 |
国字とは日本で生まれた漢字のことで、半国字は中国で生まれたが中国で使われておらず、日本で使われている漢字をいいます。半国字は大抵、古字であったり、俗字であったりします。
+ | 自然 |
+ | 植物 |
+ | 動物 |
+ | 物事 |
+ | 人 |
+ | 動作 |
+ | その他 |
+ | 姓名 |
+ | 単位 |
+ | 単体不使用字 |
中華人民共和国を基準として半国字をまとめる。
通用规范汉字表(Wikisource)
記号の見方
+ | ... |
専ら目にするものとして「々」がありますが、かつては中国でもこれを使っていましたが文法規範の制定にあたって使わなくなりました。
これらの約物は東アジア圏では日本のみで日本文化の一つと言っても過言ではありません。
呉音とは古代国家の呉の漢字の発音のことで別名には「和音」や「やまとごえ」ともあり、日本語と深く関わりがあります。
仏教用語の多くはこの呉音で読まれ、その他訓読みとして扱われる言葉も呉音由来(音便または字音)であったりと日本語においては切っても切り離せない関係にあります。
また漢字一字が音読みで読まれても通じる言葉が呉音であったりもします。
+ | あ~の |
+ | は~ゑ |
漢字が持つ意味とは無関係に音の表示として日本語や外来語に漢字を当てることを言います。
仮名と真名(漢字)の併用する日本だけの文化です。
先人が残した古き良き日本語をまとめます。
古めかしいかの判断は独断ですのでご了承ください。
+ | あ |
+ | い |
+ | う |
+ | え |
+ | お |
+ | か |
+ | き |
+ | く |
+ | け |
+ | こ |
+ | さ |
+ | し |
+ | す |
+ | せ |
+ | そ |
+ | た |
+ | ち |
+ | つ |
+ | て |
+ | と |
+ | な |
+ | に |
+ | ぬ |
+ | ね |
+ | の |
+ | は |
+ | ひ |
+ | ふ |
+ | へ |
+ | ほ |
+ | ま |
+ | み |
+ | む |
+ | め |
+ | も |
+ | や行・ら行・わ行 |